2018/05/12 - 2018/05/12
114位(同エリア167件中)
ちゃんさん
3月末に大牟田の産業遺産を路線バスで巡りましたが、かなり「巡り残し」が出てしまいました。そこで5月の連休翌週、第2弾を敢行!さらに前回気になっていた、市民参加型リノベーションで生まれた中華料理屋さんも訪ねてみました。
前回「路線バスで巡る大牟田の産業遺産とリノベカフェ」はコチラ⇒https://4travel.jp/travelogue/11344278
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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西鉄久留米駅発、午前10時02分の西鉄特急で南下。わずか30分で、大牟田に到着しました。
歩道橋を渡って、JR側(東口)へ。大牟田駅 駅
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まずは前回、入口まで行っただけの三川坑を目指しました。
最寄りの三川町一丁目へ行く2番(荒尾駅方面)のバスは、駅前広場のバス乗り場ではなく、道路を渡った乗り場から出ますのでご注意を。 -
10時49分発のバスに乗って約10分、三川町一丁目着。大牟田市制施行100周年記念キャラクター「ジャー坊」のラッピングバスでした。
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片付けを免れた鯉のぼりが泳ぐ、三川坑へやって来ました。1940年に採掘開始された昭和世代の炭鉱のため、世界遺産=「明治日本の産業革命遺産」からは外れている炭鉱です。
他の大牟田市内の炭鉱遺産と同様、入場無料。元炭鉱マンのガイドさんが、案内に付いてくれます。 -
案内所で15分間のビデオで予習して、ガイドのおじさんと共に第2斜坑へ。もともと天井が低い上に、補強に鉄骨を入れているものだから、背をかがめないと通れません。
人専用の通路とはいえ、作業員が毎日通る通勤路。もうちょい断面が取れなかったのかと、一労働者は思います。 -
通路を抜ければ人車乗り場。有明海の海底深くへと運ぶ人車が、そのまま残されていました。往時の活気が伝わって来るようです。
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ホームの傍らには、発車案内の残骸が。鉄っちゃんとして、どこか懐かしさを感じる造作です。
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第1斜坑の方は、跡形もなく解体されています。1963年、458人もの犠牲者を出した炭じん爆発事故の現場はこちらです。
国の炭鉱合理化方針で、満足なメンテナンスができなかったことが原因だ…元社員のガイドさんは、優しい声ながらも断じました。 -
こちらは、風呂場。作業着も体も、とても家で洗えるような状態ではなく、炭鉱には必須の施設です。
残されていた風呂桶は、なぜかゴム製。気性の荒い炭鉱マンたちが喧嘩になって、桶で殴ってもケガをしないような配慮…と、その後万田坑で聞きました。 -
室内には往時の掲示物が残り、時が止まったかのよう。炭鉱施設の構成遺産としては重要な遺構だと思うけど、老朽化が激しく、数年以内には取り壊し予定とのことです。
世界遺産に入れないと、こうも扱いが違うものかと思いつつも、すべてを残すのも大変というのも理解できます。数年内に景色は一変しそうなので、ぜひ今のうちに見に行きましょう。 -
圧力ポンプは、宮原坑でお役御免になったボイラーを移設したもの。持ってこられたばかりに、世界遺産になれませんでした。
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第1斜坑の巻き上げ機室には、巨大な巻き上げ機が今もそのまま残されています。宮原坑のものとは時代が違い、ぐっと近代的。明治の産業遺産が進化した形であり、世界遺産と合わせて見学すればより理解が深まるものと思います。
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ロッカーなどの備品はもちろん、ゴミや埃も当時の雰囲気が伝わるよう、あえてそのまま残してあるとか。
壁にかかるカレンダーはパチンコ屋がスポンサーで、落っこちている新聞は、お色気記事満載のスポーツ誌。確かにきれいにされてしまうよりは、雰囲気がよく伝わってきます(笑)。お子様の見学時には、それとなくお気遣いを。 -
第2斜坑の巻き上げ機室は、屋根が木造。戦時下の資材難の中で工事されたものであり、大スパンをささえるには頼りない木材が屋根を支えます。
こちらも老朽化のため取り壊し予定だったものが、建築学的な価値を認められ、保存の方向にあるとか。ただ、もし大型台風が来たら耐えられるだろうか…ガイドのおじさんも心配顔でした。 -
屋外には、炭鉱鉄道で活躍した機関車たちが屋根の下できれいに保管されていました。
駅方面のバスまで1時間半。時間を持て余すかなと思っていましたが、産業遺産としても鉄道遺産としても面白かったです。ガイドさんの説明あってこそ理解できることばかりなので、ぜひ時間をかけての見学をおすすめします。 -
隣接する三井港(みついみなと)倶楽部は、結局今回も見れなかったな。高級レストランになっているので、ここだけ時間を取ってゆっくり食事しに来たい場所です。
三井港倶楽部 グルメ・レストラン
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12時34分発のバスで大牟田駅に戻り、ケンタで急ぎ気味のランチ。今度は駅前広場のバス停から、13時12分の万田坑行きのバスに乗りました。
万田坑行きは土日のみ、1日5往復の運行。午後の時間帯は1時間毎なので、比較的利用しやすいです。荒尾から産交バスで抜けるルートもあるので、平日はそちらへ。 -
住宅街を抜け、約20分で万田坑へ。行政区域としては県境を越え、熊本県荒尾市に当たります。住宅地はずっと続いていたので、どこが県境かも分かりませんでした。一体の都市として見た方が、都市の規模は掴みやすいかも。
両市を合わせれば、現在の人口は17万人規模になります。人口ピークだった1960年代では、大牟田市20.9万人+荒尾市6.4万人で27.3万人。なるほど久留米をしのぐ大都会だったわけだ。 -
立派に整備された万田坑ステーションが、見学拠点。入場料が410円かかり、ボランティアガイドは毎時00分スタートの定時制です。同じ都市圏とはいえ、大牟田とはちょっと勝手が違います。
万田坑 名所・史跡
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万田坑は1902年の採掘開始。三池炭鉱では5番目の開口になります。
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前回訪ねた宮原坑と同様、世界遺産だけではなく、重要文化財と史跡にも指定されています。
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レンガ造の重厚な建築群は必見。また大切な遺産ということで、原型のイメージを壊さないよう配慮しつつ補強もなされています。
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美しく積まれたアーチを入ってみれば…
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空から差し込む光が幻想的な、坑口の跡へ。撮る人が撮れば、映える写真になるような空間です。
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巻き上げ機も、明治の時代の貴重品。ずっしりと重厚感がある機械です。動いているところを、見てみたかった。
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こちらのガイドさんも元炭鉱マンなので、機械の操作方法まで熟知。定時ガイドに合わせて見学されることをおすすめします。
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裏手に見える廃工場は、もともと事故の遺族の働き口として作られたものだったとか。産業遺産で産業の発展史を見ていくと、労働と労働者の歴史もなぞっていくことになります。
「働き方」に焦点が当たる昨今、また違った見え方もしてくる産業遺産です。 -
道路を渡ったところには、立派な万田炭鉱館が。
万田炭鉱館 美術館・博物館
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資料館の見学者は僕一人だったけど、建物の奥からは賑やかな声が響いていました。地域のコミュニティセンター的役割もあるようです。
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15時32分発のバスで、大牟田駅へと戻ります。
遺産群は、市の外郭を環状に結ぶ専用鉄道沿いにあり、一方のバス路線は駅を中心に放射状に伸びるため、次の施設に行くには一度駅に戻らねばなりません。効率的に巡るなら、レンタカーが最適解ではあります。 -
16番のバスは幅の狭い道を果敢に進み、手に汗握ります。待避所で待ったり、時にはバックしたりといった地元の協力なくしては、走れないバスです。専用鉄道跡の橋脚間なんて、幅4mもないのでは?
クルマで産業遺産巡りをしていても決して走ることはなさそうな道を、バスなら楽しめます。 -
大牟田駅ではバスの乗り継ぎ時間があったので、駅前の大牟田市役所の外観を見物。中央に塔が立つ庁舎は、シンボリックであり威厳もあります。
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歴史を感じる、右から旧字体で描かれた「大牟田市廰」の字。一度見学したいのだけど、平日に訪ねる機会がないままです。
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駅の自由通路を渡り、西口から8番のバスに乗って、イオンモール大牟田へやって来ました。
バスは30分に1本。久留米のゆめタウン行きバスは週末いつも混んでいる感じだけど、余裕で座れて拍子抜けです。イオンそのものも空き店舗がちらほら。全体的に空いていて、少し心配になります。 -
幅広いテナントを揃えているし、人が少ない分ゆったりできるので、客としてはありがたいんですけどね。吹き抜けのフードコートは解放感があって、インテリアも楽しい雰囲気です。
イオンの中を通り抜けて目指したのは… -
大牟田市石炭産業科学館です。バス停からは歩いて8分の道のり。入場料は410円で、当日の万田坑の入場券を提示すると、300円に割引になります。
着いたのは16時25分。あと35分で閉館と念を押されて、入場券を買いました。大牟田市石炭産業科学館 美術館・博物館
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大牟田・荒尾の炭鉱の歴史と、エネルギー全般について学べます。海底炭鉱を疑似体験できる体験坑道の中では、最新鋭だった採掘機器がデモ稼働していて、楽しかったです。
実際の産業遺産巡りの前に、予習として来るのが理想的。 -
屋外にも採掘機械が展示してあるので、イオンに来たついでにちょっと見てみるのもいいかも。
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ここまでろくに休憩も取っていなかったので、イオンの株主向けラウンジでちょっと休憩。行列ができることも多いイオンラウンジだけど、ここは広々してて空いていました。
新聞ラックには、4ページタブロイド判の「日刊大牟田」もありました。久留米から消えてしまった日刊誌が、週5の刊行ながら残っているのは立派です。 -
陽の長い初夏の九州。大牟田駅に戻ったのは5時半過ぎだったけど、まだまだ明るいです。
そこで駅から徒歩で約15分、宮浦坑跡の宮浦石炭記念公園に来ました。無人の公園なので、午後5時を過ぎても見学OKです。宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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人車がきれいな形で残されており、実際に乗ってみることもできます。座高1m近い僕だと頭がつかえて、背中を曲げないと乗れません。思っていたよりずっと窮屈な乗り物だと実感できるのは、ここだけ。
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坑道は、やはりコンクリートでがっちりと覆われてました。
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斜坑用の貨車や…
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屋根の下には、掘削機械も残されています。無人の屋外施設なのにイタズラの被害もなく、きれいな状態です。
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きれいに整備された公園なので、臨場感という点では、同じく入場無料の宮原坑や三川坑に敵いません。訪れる人も少ないのか、ベンチまわりが草ぼうぼうになっていました。
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公園の裏側には、炭鉱電車の最後の生き残り、三井化学の専用線が走っています。三川坑で見たぶどう色の凸型電気機関車も、立派に現役。もっと近くで見てみたい!
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というわけで、三井の工場の方向に歩いてきました。電気の通じている踏切信号に、輝くレール。まぎれもない、現役の鉄道です。
背景は、石炭化学コンビナートの流れを汲む、武骨な三井の化学工場。いいねえ、ぐっとくる。 -
宮浦坑の煙突を背景に休む、凸型の電気機関車(敷地外から撮影)。タイムスリップしたような光景です。
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現役の線路だけに、踏切を渡る車もきちんと一旦停止して行きます。今も1日2往復の貨物列車が走り、片道3車線の幹線道路を堂々と横切る風景が見られるとか。
うーん、見てみたい!というか、来ようと思えば気軽に見に来れる距離ではないか。なぜこの良さに、今まで気付かなかったのだろう。 -
専用線を下れば、大牟田のもう一つのショッピングモール「ゆめタウン」に出てきました。佐賀市と同様、イオンよりゆめタウンの方が強そうです。
そしてバス路線も、イオンのような駅からのシャトル便ではなく、駅を経由して郊外の住宅地へと直通運行します。ゆめタウン大牟田 ショッピングモール
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バスに乗り、バス停で3つ目の築町で下車。踏切を渡れば、銀座商店街です。
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最盛期には買い物客で賑わったであろうアーケードも、今は飲み屋さんが優勢。夜の方が、明るく感じられます。
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3月に来た時に気になっていた、市民参加型リノベーションで再生された「チャイナスタンド笑龍」の扉を叩いてみました。
チャイナスタンド 笑龍 グルメ・レストラン
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経費節減の手作りリノベーションと聞きますが、なかなかおしゃれ。床には以前の店舗のタイルがちょこっとだけ残されていました。
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ほんのり酸味が効いた担々麺、うまかった!大学イモをサービスしてくれて、嬉しかったです。
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栄えた繁華街だけあって、飲み屋さんは充実。久留米からは消えてしまった「屋上ビアガーデン」も、見た範囲だけで2軒確認できました。
暖かな季節。ドアを開け放した飲み屋さんにフラフラと入って行きたい衝動に駆られますが、今日のところはここまで!また来ます、大牟田。
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