パレスチナ(1)慈しみ深きベツレヘム

2016/04/14 - 2016/04/24

十年前、ヨルダンからトルコに向かう機内で隣り合わせたのがパレスチナ人の女の子でした。ベツレヘムが如何に美しい街か、そしてイスラエルからどれほど虐げられているか。「いつか必ず訪ねるね」。全身全霊で語ってくれたナジュワンと死海の上空で約束しました。

エルサレムからベツレヘムへ。相当な緊張感を持って向かった先には、世界の何処よりもピースフルで人懐っこくてあったかな人たちでいっぱいの、愛すべき古都が待っていました。常時こちらに向けられた銃口、それでもこの街が大好きだと力説する地元の人たち。

エルサレムからの日帰り旅行も可能ですが、是非ともじっくりゆっくりたっぷりこの街で。イエス様の生まれた地で、まず幾千年の歴史の「昔」を想う一日目。

エリア ベツレヘム(イスラエル)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

エルサレムからはダマスカス門とＬＲＴの駅の間にあるバス乗り場から

アラブバスは大小色々ありますが最近はこのカラーリングに統一されているらしく一目瞭然

エルサレムからベツレヘムはパスポートチェックなし

終点のヘブロン通りから街中までは余裕で歩けるのに初日はうっかりタクシーに

イスラム諸国によくある赤黒白緑のアラブ色の旗＝パレスチナにふと緊張が解れる親ムスリムの自分

街の中心メンジャー広場の宿に荷物を置いたら早速ハイライトの生誕教会へ

超都会のエルサレムを少し離れただけで空の蒼さが深い深い

どでかい教会なのに入口「謙虚の扉」は茶室の如くコンパクト

外敵から守るために要塞化した結果か

生憎の工事中

絶賛工事中ながらも床下には所々モザイク画

イエス様が生まれた教会は今も昔も（特にクリスマスの時期は）特別な場所

大理石の列柱に金銀ランプで豪華絢爛

地下に全ての訪問者がひれ伏す場所が…この祭壇の下

銀の星型の真ん中でイエス様が生まれたとされます

生誕教会に連なるフランシスコ派修道院の聖カテリーナ教会

丁度オルガン奏者が練習をしていて暫し聞き入りました…が何故かおどろおどろしい超現代曲

教会の前に佇むのは学者ヒエロニムス

聖書翻訳を支えた女性の頭蓋骨を足下に携えた壮絶な像

教会の地下にはヒエロニムスが籠って翻訳作業に尽力したとされる洞窟があります

聖都にして世界的観光地であるエルサレムと違い主に信心深いクリスチャンが集うベツレヘム

告解部屋に「アラビア語」と

超難解なヘブライ語の世界からほんの１時間弱で慣れ親しんだアラブの世界に来た安心感

さすがイエス様の生まれた地！給油の度にアーメン

聖誕教会から程近くの教会ミルク・グロット

マリア様が授乳したとされる教会です

全体的にほんのりピンクがかった教会は入るとまず地下へ

マリア様が母乳を地面に零すと赤い床が即座にミルク色に染まったとか

小ぢんまりと佇む教会にも訪れる人が絶えません

洞窟の趣きを残したままの内壁は確かにどこもかしこもピンク色とミルク色

メンジャー広場からヘブロン通りのバス停方面へ行くとまず賑やかな市場へ

どの店の人たちも目が合うとニコニコ挨拶してくれて完全にアラブの世界

街の大通りはシンプルながら適当に散策していて何度も市場に帰ってくる度に「おかえり！」「よく会うね」「これ持ってけよ！」

目抜き通りのＹ字の付け根に尖塔が可愛いルタークリスマス教会

教義ゆえ止むを得ないものの目が合ってもガン無視の正統派ジューイッシュと真逆で誰かれ構わず愛想よすぎるパレスチナ

店から通りにせり出した商品を着実になぎ倒していく車

車幅と道幅がほぼ等しくしょっちゅう渋滞

「何なんだよ！」と車の後ろにどんどん溜まるパレスチナ男子たち

文句を言い合いながらもどう見ても楽しくお喋りに花が咲いててアラブ的

早目の夕飯はメンジャー広場に面した食堂で

イスラエル初日に飲んだパレスチナご当地ビールのタイベーと共に

パレスチナ産のワインも手頃で絶品！

ほろ酔いで宿へ向かうとエメラルド色に輝くオマールのモスク

キリスト教のとても大切な教会の目と鼻の先にミナレットが仲良く並ぶ心地良さ

ミナレットのすぐ傍に何度も通ったハーブティ屋さん

多分カルダモンとレモンとミントとその他いろんなハーブで創った特製紅茶

朝から晩まで働き者の親父さんは僕一人のためにも一から作ってくれるし路地の椅子を占拠する程の団体さんのためにも市場の出前にもニコニコ出掛けます

適当な英語とアラビア語で「こんな美味しい紅茶は初めてだよ！」

街は全般に仄暗いけど一秒たりとも不安は感じず誰と会ってもどこに行っても旅人を全力で歓待してくれるベツレヘム