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今回の愛媛県への旅は3,4日前に好天の予想を確認して、計画実行した。特に宇和島城、大洲城、松山城の3か所の城巡りが中心のテーマだ。<br /><br />松山観光港に小倉からのフェリーで到着後、松山市駅まで伊予鉄道高浜線で移動。それから宇和島自動車の高速バスに乗り、宇和島バスターミナルで下車。すぐ近くが、宇和島城登山口となっている。<br /><br />登山口から竹の杖をもって、石段の坂道を300m歩くと80mほどの山上にある天守に行ける。7月1日は好天で暑かったが、それでも、来た甲斐はあるところだ。天守内は200円で入れる。下りる時は緩やかな舗装道路を歩くと、倍以上の距離はあるが、途中の景色が異なるので、それはそれでよい。<br /><br />天守は現存する全国で12か所のひとつで、1666年に伊達家の建造による。因みに次に行った大洲城は2004年の忠実な復元天守だし、松山城は、ペリーが来た次ぎの年、1854年建造だから新しい。<br /><br />ところで、この宇和島の伊達家の名前は私には以前から馴染みがある。シーボルトの娘いね(日本最初の女医)が、この宇和島に住むシーボルトの高弟に預けられ育てられた。で、いねはオランダ語を学習すべきだということで、当時伊達家の砲術などの指南として宇和島に招聘されていた大村益次郎(村田蔵六)に直接個人指導を受けたようだ。<br /><br />司馬遼太郎の「花神」の記述では、いねが大村益次郎に惚れることになっている。いね一人が大村の三田尻の宿にやってきたことになっている。そういうことがあったかもしれないし、なかったかもしれない。文献的証拠は提示されていないようだ。ただ、大村の晩年、暴漢に襲われ、瀕死の状態の大村を大阪で、いねが数週間の間、最後まで看病し看取ったという情報がある。少なくとも師として尊敬されていたことまでは間違いないのだろう。当時の大物有名人どうしの出会いの可能性だから司馬が注目したのはわかる。<br /><br />以上は、私が宇和島で見物する間に思い出した話だ。残念ながら、宇和島でいただいた観光パンフレット類にはこんな話は出てこないようだ。いねの父、シーボルトは日本の江戸時代の医者たちに大いに影響を与えたとされるが、スパイの疑いで一度は日本を追放される。だが、30年後、再度日本に来た時はなんと幕府の顧問となった!いねや妻とも再会している。当時、海外から来た知識人の中ではシーボルトは極めて優れた一人であったことは間違いない。当然、情報は持ち込んだし、持ち出した。シーボルトが書いたたくさんの日本学の公刊された書物や論文はペリーが日本に来る前に勉強したことも知られている。日本で広まるこういう人物の話はしばしば評価が一面的になりがちなのは残念だ。このところ騒いでいる英国のEU離脱も同じような話だ。大衆化すると内容や理解の程度は浅薄になる。。。<br /><br />一枚目は宇和島城天守。

宇和島初訪問

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2016/07/01 - 2016/07/01

46位(同エリア343件中)

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tad

tadさん

今回の愛媛県への旅は3,4日前に好天の予想を確認して、計画実行した。特に宇和島城、大洲城、松山城の3か所の城巡りが中心のテーマだ。

松山観光港に小倉からのフェリーで到着後、松山市駅まで伊予鉄道高浜線で移動。それから宇和島自動車の高速バスに乗り、宇和島バスターミナルで下車。すぐ近くが、宇和島城登山口となっている。

登山口から竹の杖をもって、石段の坂道を300m歩くと80mほどの山上にある天守に行ける。7月1日は好天で暑かったが、それでも、来た甲斐はあるところだ。天守内は200円で入れる。下りる時は緩やかな舗装道路を歩くと、倍以上の距離はあるが、途中の景色が異なるので、それはそれでよい。

天守は現存する全国で12か所のひとつで、1666年に伊達家の建造による。因みに次に行った大洲城は2004年の忠実な復元天守だし、松山城は、ペリーが来た次ぎの年、1854年建造だから新しい。

ところで、この宇和島の伊達家の名前は私には以前から馴染みがある。シーボルトの娘いね(日本最初の女医)が、この宇和島に住むシーボルトの高弟に預けられ育てられた。で、いねはオランダ語を学習すべきだということで、当時伊達家の砲術などの指南として宇和島に招聘されていた大村益次郎(村田蔵六)に直接個人指導を受けたようだ。

司馬遼太郎の「花神」の記述では、いねが大村益次郎に惚れることになっている。いね一人が大村の三田尻の宿にやってきたことになっている。そういうことがあったかもしれないし、なかったかもしれない。文献的証拠は提示されていないようだ。ただ、大村の晩年、暴漢に襲われ、瀕死の状態の大村を大阪で、いねが数週間の間、最後まで看病し看取ったという情報がある。少なくとも師として尊敬されていたことまでは間違いないのだろう。当時の大物有名人どうしの出会いの可能性だから司馬が注目したのはわかる。

以上は、私が宇和島で見物する間に思い出した話だ。残念ながら、宇和島でいただいた観光パンフレット類にはこんな話は出てこないようだ。いねの父、シーボルトは日本の江戸時代の医者たちに大いに影響を与えたとされるが、スパイの疑いで一度は日本を追放される。だが、30年後、再度日本に来た時はなんと幕府の顧問となった!いねや妻とも再会している。当時、海外から来た知識人の中ではシーボルトは極めて優れた一人であったことは間違いない。当然、情報は持ち込んだし、持ち出した。シーボルトが書いたたくさんの日本学の公刊された書物や論文はペリーが日本に来る前に勉強したことも知られている。日本で広まるこういう人物の話はしばしば評価が一面的になりがちなのは残念だ。このところ騒いでいる英国のEU離脱も同じような話だ。大衆化すると内容や理解の程度は浅薄になる。。。

一枚目は宇和島城天守。

旅行の満足度
5.0

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  • 移設された長屋門。イギリスの旗が見えるが、ここ宇和島城にイギリス公使ハリー・パークスが150年前(1866年)に来たとある。<br /><br />ここから石段を300m登る。

    移設された長屋門。イギリスの旗が見えるが、ここ宇和島城にイギリス公使ハリー・パークスが150年前(1866年)に来たとある。

    ここから石段を300m登る。

  • 井戸

    井戸

  • 昔ながらの石段を登るのは楽しい。コンクリートの舗装道路を歩くのとは自然度が異なる!

    昔ながらの石段を登るのは楽しい。コンクリートの舗装道路を歩くのとは自然度が異なる!

  • 天守が見えてくる。

    天守が見えてくる。

    宇和島城 名所・史跡

    伊達家の宇和島に住んだ人ーいねと大村益次郎ー by tadさん
  • 入場料200円。

    入場料200円。

  • いねや大村益次郎がいたころの藩主、伊達宗城

    いねや大村益次郎がいたころの藩主、伊達宗城

  • 3層の最上階から。

    3層の最上階から。

  • 1666年の建築。瓦にも風格と味がある。

    1666年の建築。瓦にも風格と味がある。

  • 迫力ある年輪を重ねた木材。

    迫力ある年輪を重ねた木材。

  • このあたりの城建築上の説明は「城megrist KAZ」さんの旅行記をご参照ください。あの詳しい説明を超えるのは不可能ですので、、。

    このあたりの城建築上の説明は「城megrist KAZ」さんの旅行記をご参照ください。あの詳しい説明を超えるのは不可能ですので、、。

  • 評判の鯛めし定食を食べにはいった「とみや」。じゃこ天と生ビールも一緒に注文。城山を登った後なので、汗をかき、一層美味しくいただく。このスタイルの鯛めしは初めてだが、本当にあっという間に完食。宇和島から次の伊予大洲にはJRの列車で移動。バスとは違う景色を楽しんだ。

    評判の鯛めし定食を食べにはいった「とみや」。じゃこ天と生ビールも一緒に注文。城山を登った後なので、汗をかき、一層美味しくいただく。このスタイルの鯛めしは初めてだが、本当にあっという間に完食。宇和島から次の伊予大洲にはJRの列車で移動。バスとは違う景色を楽しんだ。

  • これは松山から高速バスに乗ってしばらく走ったところだ。山間に霧が発生しているところが続いた。時系列的には最初に来るべき写真。

    これは松山から高速バスに乗ってしばらく走ったところだ。山間に霧が発生しているところが続いた。時系列的には最初に来るべき写真。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • urufeeさん 2016/07/07 17:05:21
    投票ありがとうございました
    口コミへの投票ありがとうございました。
    宇和島城に対する感想はチョット違ったみたいですね。
    でも,久し振りに写真を見させて貰い,確かに現存天守閣としての建物の魅力は有りましたね。懐かしく旅行記拝読させて頂きました。

    tad

    tadさん からの返信 2016/07/07 20:03:24
    RE: 投票ありがとうございました
    「小さい天守閣なのは良いとしても、内部の展示物が全くといって良いほど無いのです。また、宇和島城に関する歴史的な説明も殆ど無く、見学は直ぐに終わってしまいました。」

    こういうふうに、書いておられたので、多分、驚いたのでしょう。人それぞれ求めるものは違いますね。

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