2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現【第12日目:サンクトペテルブルグ】(3)エルミタージュ美術館:18世紀のロシア文化の展示品から中央アジアやコーカサス・コレクション
2013/07/17 - 2013/07/17
596位(同エリア1805件中)
まみさん
2013/07/17水 サンクトペテルブルグ観光2日目
・エルミタージュ美術館(正味6時間)
・中央郵便局へ
【サンクトペテルブルグ泊:ゴーゴリ・ホテル】
エルミタージュ美術館で約7時間、正味6時間!!
疲れましたー!! !!
しかも、昼飯抜きなだけでなく、水抜き。
というのも、水持参は不可だからです。
カフェは一階に二ヶ所しかない上に、片方はアイスクリームスタンド。
カフェは団体が1つでもカウンターに並ぶと、あっという間に大渋滞!
7時間の間に、カプチーノ休憩とアイスクリーム休憩しかとれませんでした。
当初の思惑どおり、写真集などでエルミタージュ・コレクションとしてあまり紹介されていないコレクションがたくさん見られて大満足!!
でも、午後もだいぶ過ぎ、閉館時間の18時を意識するようになってくると、いわゆるエルミタージュ・コレクションや必見の部屋をまだほとんど見ていないことに焦りだしました。
実は水曜日は21時まで開館時間が延長される日だったのですが、このときは本日の開館が18時までと思い込んでいました。「地球の歩き方」には水曜日の開館時間延長の情報がなかったですから。
なので、途中のオランダ・フランドル絵画などはほとんど駆け足しでした。
断続的に有名な絵画が見られるようになったエリアだったのですが、レンブラントやクラナッハ、クリヴェリなど、あんなに大好きだった画家の絵をスルーしてしまう自分が信じられませんでした。
というか、なんという贅沢!!
もっとも、好みが昔より変化しているのは自覚しています。
西欧諸国を中心に旅行していた1990年代に対して、ターゲットが中東欧に移った2000年代から、旅の目的やハイライトもおのずと変化してきました。
2006年からデジカメを手にし、それまで以上に写真を撮ることに夢中になってから、撮影しがいがあるということで、博物館などでは二次元より三次元のものを見る方が好きになりました。
そして、ウズベキスタンやキルギスなどの中央アジアやアルメニアやグルジアなどのコーカサスなど、昔はほとんど関心がなかったのですが、ここ数年、旅行してきたばかりゆえに、いまはなつかしさでいっぱいで、スルーするなんてできませんでした。
相対的に、昔ほど西欧絵画に固執しなくなりました。
それに、ロシア連邦周辺域の中央アジアやコーカサスなどのコレクションの展示は、むしろロシアの方が充実しているでしょうから、エルミタージュ美術館でそれらを味わうのは、ある意味、王道といえるかもしれません。
逆にオランダ・フランドル絵画やイタリア・スペイン絵画、それからフランス絵画は、西欧諸国の美術館で良いコレクションに出会える確率はずっと高く、本国の方がもっとたくさんコレクションがあるはず。
もちろん、エルミタージュ美術館にあるのでエルミタージュ美術館でしか見られない作品はたくさんありますけど。
それにフランドル絵画やドイツ絵画のところで、全然写真を撮らなかったわけでもありません@
(その写真はこの旅行記でなく続きの旅行記にて。)
というわけで、閉館時間までの残り時間をあせりつつも、いっそ超有名コレクションが見られなくても仕方がないと腹をくくって、中央アジアやコーカサス・コレクションも、ちょっと急いだけれどきっちり楽しんできました。
<2013年ロシア旅行:簡易旅程>
7/06土 出国&モスクワ到着
7/07日 モスクワ1日目(国立歴史博物館と民芸品博物館)
7/08月 モスクワ2日目(クレムリン)
7/09火 モスクワ3日目(トレチャコフ美術館)
7/10水 ズズダリ
7/11木 ウラジーミル
7/12金 モスクワ4日目(コローメンスコエ)
7/13土 ペトロザヴォーツク経由でキジ島へ
7/14日 ソロヴェツキー島1日目
7/15月 ソロヴェツキー島2日目(ザヤツキー島エクスカーション)
7/16火 サンクトペテルブルグ1日目(ロシア民族学博物館ほか)
7/17水 サンクトペテルブルグ2日目(エルミタージュ美術館)★
7/18木 パヴロフスク宮殿&庭園
7/19金 ノヴゴロド1日目
7/20土 ノヴゴロド2日目
7/21日 サンクトペテルブルグ3日目(宗教博物館・ユスポフ宮殿ほか)
7/22月 サンクトペテルブルグ4日目(ロシア美術館)&出国
7/23火 成田空港着
※この旅行記の対象の日に★印をつけました。
詳細旅程はこちら。
「2013年ロシア旅行~13年ぶりの再訪を3年前にあきらめた旅行計画で実現させた旅行【旅程一覧】」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10797557
準備編や帰国後の全体の感想は、ブログ「まみ's Travel Diary」(http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/)に掲載しました。
<エルミタージュ美術館を回った順番(旅ノートのメモより)>
※この旅行記の対象に★印をつけました。
・大使の間
<1階(Ground Floor)>
・第100室 エジプト部門
・第101~131室 古代ギリシャ部門
・第89~90室 メソポタミア文明部門
<2階(First Floor)>
・第192室 特別展示オランダ絵画の等身大の集団肖像画(撮影不可)
・第191~190室 宮殿内装とインテリア
・第157~167室 ロシア近代民芸品★
・第187~168室 宮殿内装とインテリア★
・第304~308室 白の間・黄金の応接間・ブドゥワール(化粧室)★
<1階(Ground Floor)>
・中央アジア&コーカサス・コレクション★
<2階(First Floor)>
・特別展示カラバッジョ&カラッチ中心のイタリア絵画
・ダヴィンチやラファエロのあるイタリア絵画常設展示
・第198室 聖ゲオルギー(大玉座)の間
・第204室 孔雀時計のあるパヴイリオンの間
・オランダ・フランドル・ドイツ絵画常設展示
・第227室 ラファエロの通廊
<3階(Second Floor)>
・フランス近代絵画~リアリズム、印象派、フォーブ
・マチス&ピカソ・ルーム
・日本や中国・インドなどの東洋美術部門
エルミタージュ美術館公式サイト(英語版)
http://www.hermitagemuseum.org/html_En/index.html
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
絵が描かれた素敵な家具
エミルタージュ美術館編の旅行記の3本目は、1700〜1750年代のロシアの文化の品々とインテリア・コレクションのつづきです。 -
描かれているのはいかにも中世のロシアらしい景色かも
もっともドイツ絵画で見るような景色にも見えます。
違いの分からない女。 -
鍵付きのフタの部分にズーム
-
双頭の鷲がいる燭台
-
Mのイニシャルの王冠入りのイースターエッグの入れ物
イースターエッグといえばニコライ2世がファベルジュに注文したインペリアル・イースターエッグが有名です。
そのコレクションはモスクワのクレムリンの武器庫にありますが、これがその1つかどうかは不明。 -
まるでジャックとマメの木みたいにニョキニョキの木の形の燭台
-
双頭の鷲の浮彫のある銀器
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東洋の影響を受けたインテリア
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ロシアの近代民芸品コレクションでよく見かける、象牙(あるいは類似の動物の牙や骨)の透かし彫り装飾付きの箱
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透かし彫りと彩色模様に注目
ダリアのような可愛らしい花と、銃やナイフを持った戦士や騎馬の戦士がモチーフとなっていました。 -
豪華な銀器と陶器
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素朴な花のモチーフが可愛らしい陶器
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シリーズものと思われる装飾入りの、フタ付きのカップとたぶん嗅ぎ煙草入れ
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展示品もいいけれど、宮殿内装も見事@
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時間がなくて素通りするしかなかった豪華な常設展示室
ここに展示されていたのはドイツやフランドル絵画でした。 -
絵はスルーしてもシャンデリアの写真は撮っておく
どうやらこの部屋は、後の皇帝アレクサンドル2世の結婚式のために作られた部屋で、「白の間」と呼ばれているようです。
その後、妃マリアは内装を自分の好みに改装しました。 -
白の間に多く展示されていたのは、かのユベール・ロベールの古代ローマの遺跡をテーマにした古典的な絵画で、これはその1枚
-
双頭の鷲や鎧兜などの古典的な漆喰装飾やバロック的な装飾時計のある暖炉まわり
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古典的で帝国様式風の豪華なシャンデリア
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「白の間」のユベール・ロベールの「滝のある風景画」
ストロガノフ宮殿コレクションから譲渡されたもののようです。 -
隣はまたまた目が覚めるような豪華な部屋
「黄金の応接間」の天井です。 -
「黄金の応接間」と展示の様子
豪華な部屋に比して、展示品はコインなどで、見学者にスルーされがちでした。
私もスルーしました。 -
展示品に注目していると、部屋の豪華さをうっかり見逃しそうになる
こんなに豪華なのに!? -
「黄金の応接間」にふさわしい豪華な家具と、閉ざされた黄金の扉
ひょっとしたらあちらに「青の寝室」があったのかもしれません。 -
ユベール・ロベールのものらしき絵が描かれた暖炉と、ピンクの陶器のろうそく立て
暖炉の上には豪華なバロック時計、そして鏡には豪華な天井が映っています。 -
次の部屋への扉付近を天井に向かって撮ったところ
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次の部屋への扉を暖炉と一緒に
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黄金の扉の豪華な取っ手
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隣の部屋の扉の装飾のプットーたち
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鏡越しに眺めた「深紅色(クリムソン)の書斎」
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シャンデリアと天井には必ず注目@
-
続く部屋は……
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第306室の「ブドゥアール(化粧室)」
ガイドブックでも紹介されている必見の部屋の1つです。
他の部屋に比べるとさほど広くなく、ちょっとしたテラスくらいでした。 -
「ブドゥアール(化粧室)」の豪華なシャンデリアと天井
-
きらきらでロイヤルな「ブドゥアール(化粧室)」
-
「ブドゥアール(化粧室)」の壁画の1つ
きっとヴィーナスとキューピットでしょう。
このあと、1階に下りるとシベリア、コーカサス、中央アジアのアンティーク・コレクションや宝物庫に行けるという案を見かけたので、スルーできず、もう一度1階の展示を見に行くことにしました。 -
動物の飾りの縁の供物台(ブロンズ製)
紀元前5〜3世紀
カザフスタンのアルマティ近郊で発掘
見事な皿です。
平らでなくて手作り感があるのも、古代のものらしくていいかんじです。 -
縁の動物にズーム
-
お香立て(ブロンズ製)
紀元前3〜2世紀
カザフスタンのアルマティ近郊で発掘
こちらも動物の縁がステキです。 -
アラバスター製の棺
7世紀
古代ペルシャの都市ホラスミアのトッカラ・ネクロポリスより出土
アラバスターは半透明の白い石で、光を通すので、イタリアだったか、どこかの国の古い建物で窓ガラスの代わりに使われているのを見たことがあります。 -
インパクトのある、英雄の頭の棺のフタ
7世紀
ウズベキスタンのサマルカンドのアフラシャブより出土
顔がとてもインパクトがありました@
アフラシャブはイラン系の幻の民ソグド人の町があったところで、いまは完全に何も残っていないです。
サマルカンドを旅行をしたときに、アフラシャブの博物館までは足を伸ばせなかったのが心残りです。 -
サマルカンド近郊のカフィ・カラ(城壁に覆われた古代都市)より出土した水差し
ふちがひらひらなのが気に入りました。
ウズベキスタンのビウァを旅行したときに、現地ガイドを手配してカラ回りをしましたが、とても良かったです。
ただ、カラで出土したものは、すべて博物館に収められ、現地では見られませんでした。 -
儀式の間の壁画
740年頃
タジキスタンのペンジケント遺跡より出土
ペンジケント遺跡も幻の民ソグド人の都市だったところです。
これはタジキスタンから出土したものですが、ソグド人の都市の壁画ということで、私が行き損ねたウズベキスタンのサマルカンドのアフラシャブ博物館ではこういうのがたくさん見られたんだろうと思いながら、撮影しました。 -
戦車に乗って弓を引くソグド人戦士たち
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踊り子たちかな
-
派遣から色彩の鮮やかさがうかがえる@
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女性のふくよかな顔を描くラインがとても美しい
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宴会シーンかな
人物像は、男女とも腰が補足、腕も、手首からきゅっと細くなっています。 -
建物や宴会の場の様子が生き生きと描かれている
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宴会場面に見えた細部
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馬上の人の首が欠けて残念だけど、生き生きした絵
タジキスタン高地のムフ山(Mt. Mugh)のソグド人の城塞跡から出土したものだそうです。 -
横たわる女性のいる絵
これもソグド人の遺跡から出土したものと思われます。 -
つる性植物の文様が美しい銀製の水差し
このあたりはたぶんコーカサス・コレクション。
銀器に浮彫装飾された動植物が見事で、気に入ったのをぱっぱっと撮影してきました。
でも、いくら急いでいたからといって、説明ラベルの写真を撮るのをはしょるべぎではありませんでした〜。
見学中には、○○に違いない、と思い込んでいたものが、ラベルの写真をあとでよくよく見たら違っていた、なんてことがよくあったため。 -
鷲と思われる猛禽類が見事!
-
立派な角をもつヤギの野生原種と思われる動物に注目
アイベックとかかな。
中央アジアのキルギスのイシククル湖畔のチョルポンアタに近い古代の岩絵野外博物館で、アイベックスのモチーフがよく描かれていました。 -
中央に鹿が浮彫された飾り皿
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6本の腕を持つ神の図柄入りの皿
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竜を退治した王と思われる図柄入りの皿
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アイベックらしき動物とつる植物の文様入りの四角いふちのポット
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2頭の牛かアイベックが描かれたポット
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立派な角の鹿が浮彫された四角いふちのポット
鹿は翼が生えているように見えます。 -
13世紀中国北部で制作され、1840年代にサンクトペテルブルグの近郊ツァールスコエ・セローで発掘された陶器の壺の破片
のびのびと描かれた馬に惹かれました。 -
13世紀初頭の大モンゴルの血で発掘された鞍
こちらもアイベックスか牛らしき動物の浮彫に注目。
植物文様も私好みです。 -
青緑で美しいアクセントが入った陶器の壺
ここからは、およそ13世紀後半〜14世紀、ロシアや東欧の一部がモンゴルに支配された「モンゴルのくびき(Golden Horde)」時代に中央ヴォルガ川流域(現ツァールスコエ・セロー近郊)で制作され、発見されたコレクションらしいです。
金製品・銀製品のベルトや容器や馬具が主で、これらは遊牧民の貴人にとって実用品である以上にその地位の象徴でした。 -
13〜14世紀の兜
古代ブルガリアで見たような兜です。 -
ぶどう園での儀式の踊りを披露
はじめ面白いポーズ!と思って目をつけました。
儀式のために踊っているところでした。
もとウクライナのクリミア半島で出土した品です。 -
11〜12世紀のヴォルガ・ブルガリア(大ブルガリアのヴォルガ川流域で現ロシア連邦マリ・エル共和国)で発見されたコレクションの1つ
これも中央に描かれた動物に注目。
ヴォルガ・ブルガリア・コレクシヨンは東欧の北方の中世の文化を今に伝える品々で、ウラル地方や西シベリア地方まで流通したようです。 -
服飾品
イヤリングみたいですが、マントのようになった衣装につけていた可能性もあります。
はめ込まれた貴石が失われているのが残念です。 -
伝説の動物が描かれた皿
中世らしいプリミティブさがとても好みです。 -
犬に追われて噛みつかれて狩られる鹿が描かれた皿
狩りの場面はよくモチーフにされますが、それだけ身近だったのかもしれません。
残酷なシーンですが、生き生きと描かれているものが多く、とても興味深いです。 -
植物文様と動物の文様のある皿
-
皿の中央に、狼らしき獣に襲われる鹿の図柄に注目
このあとは2階に戻り、とにかくLonely Planetで絶賛しているラファエロの通廊をめざしました。
西欧の有名絵画はスルーしても、それは見逃したくなかったので。
エルミタージュ編、つづく。
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