2012/09/09 - 2012/09/09
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Takashiさん
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一人旅の予定がいつの間にか両親も一緒に同行することになり、10数年ぶりの家族で海外旅行。さすがに1人の時間も欲しいので合間にちょっと一人旅を挟みつつハンガリー、オーストリア、ドイツ、フィンランドを周遊しました。
昨日に引き続き朝早く起床してウィーンからセンメリング、グラーツへ日帰り旅行に行ってきます。
まずは、1998年に世界文化遺産に登録された人類史上初の鉄道でアルプス越えを果たしたセンメリング鉄道に乗車し、ハイライトでもあるカルテリンネ橋を観にハイキングをしに向かいます。
現在は電化され交通の要衝ともなっている路線ですが、歴史は非常に長くNHKの世界遺産の番組などで紹介されているのを観て深い興味を持っていたのですが、特急が止まらなくなるという噂をWeb上でみつけ強引に今回の旅に組み込みました(2014年2月現在、Railjetなどの特急も停車しています)。
ハイキングルートの地図はこちらのサイトで配布されています(ドイツ語で簡易的なもの)。
http://www.semmering.at/system/web/startseite.aspx
地図はセンメリング駅の資料館がオープンしている間であれば資料館でも配布されているようでした(上記PDFと同様)。
・旅程・
1日目:関空→ウィーン
2日目:ウィーン→ブダペスト→ウィーン
3日目:ウィーン→ゼンメリング→グラーツ→ウィーン
4日目:ウィーン→ハルシュタット
5日目:ハルシュタット→ミュンヘン
6日目:ミュンヘン→フュッセン→ミュンヘン
7日目:ミュンヘン
8日目:ミュンヘン→ヘルシンキ
9日目:ヘルシンキ→関空
※旅の予算は全ての行程を含めています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
昨日に引き続き本日も早起きして、プラターシュテルン駅を出発。
今度は無事、遅延することなく1度目の乗り換えは終えたのですが、ウィーンマイドリンク駅で乗り換えウィナーノイシュタット(Wiener Neustadt Hbf)駅の直前でまさかの緊急停車。どうやら信号待ちの様子...(汗)
そして、駅に到着したら乗り継ぎ時間が1分!!
駅に着いて猛ダッシュして歩道橋の階段を登り乗り換える列車が待つ別のプラットフォームまで移動したのですが、列車まであと25mというところで扉が締められ無念にも列車は出発(涙)
急いでOBBのiPhone APP、Scotty Mobileで次の列車を検索して、次の列車で移動することに。遅延の関係もあり、約1時間ほどロスタイムを作ってしまいましたが、何とか列車に乗ることができました。 -
乗り継ぎがうまくいかずハイキング前に体力を消費してしましましたが、1等車の車内は広々。レイルパスの恩恵をしっかり受けて移動時間は快適そのものでした。
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日本の江戸時代末期に建設されたゼンメリング鉄道はグログニッツ駅からミルツツーシュラークまでの41キロの区間で世界遺産に登録されています。明治初年には岩倉使節団もこの路線を通りイタリアからセンメリングを経由しウィーンへ入ったそうです。
ウィーン方面からはグログニッツ駅を過ぎるとカーブが多くなり、次第に列車の速度も落ち、カーブごとに車輪とレールの擦れキーという音を立てながら走行していきます。 -
ちょうど、グログニッツ駅とミルツツーシュラーク駅の中間がゼンメリング駅となっており、この区間で最も標高が高い場所に位置します。
江戸時代末期に2万人の人員が投入され、6年で完成されたセンメリング鉄道ですが、工事途中に亡くなった方は約1000人。多くの犠牲の上により完成した鉄道路線でもあります。 -
自然と調和するかたちで建設され世界遺産として登録されたゼンメリング鉄道のハイライト、カルテリンネ橋を通過!石造りの巨大な橋は圧巻です。
建設当時、傾斜のきつい線路を登ることができる機関車がなかったため、迂回を重ね右へ左へと大きくカーブしながら走行します。 -
窓に顔をべったり付け、右へ左へと電車に揺られているとあっという間にセンメリング駅に到着。
ウィーンから気軽に訪れスキーができることで有名ですが、今はオフシーズンなので降りる人はまばら。 -
ゼンメリング駅は無人駅でトイレは写真左側に女性用、写真に写っていませんがその隣に男性用のお手洗いがあり無料で利用できました。
切符は切符の自販機があり、飲料の自販機もありました。ゼメリング鉄道 文化・芸術・歴史
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駅舎にはセンメリング鉄道の資料館があり、こちらは有人。けっこうなお歳と思われるおじいちゃんが一人で運営されていました。
資料館の資料はそれほど多くはありませんでしたが、ジオラマや当時の写真、当時使われていたであろう、鉄道関連の道具が置かれセンメリング鉄道の歴史の長さを感じさせてくれました。
資料館では、資料のケースとは別にショーケースがいくつか設置されており、その中にはオリジナルグッズなどを販売していました。 -
資料もだいたい見られたので、センメリング駅を出発し、ウィーン方面のヴォルフスベルクコーゲル(Wolfsbergkogel)駅を通過し、展望スポットを巡りセンメリングに戻ってくるルートでハイキングをします。
イタリア人技師のゲガの記念碑と資料室として使われている様子の車両。
この地がユネスコ世界遺産に登録されている印であるプレートも立てられていました。 -
センメリング駅の青い標識の下にある小さな黄色のプレートがハイキングコースの目印となります。
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センメリング鉄道マークの付いた新たな標識を発見。センメリングからウィーン方面へ2つ先のブライテンシュタイン(Breitenstein)駅までは徒歩3時間だそう。
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獣道のような道をずんずん進みます。
比較的線路に近いため、鉄道が通過する音を聞きながら歩きます。 -
しばらく歩くと線路をくぐるため、地下道を通過します。
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薄暗く、ここで合っているのか不安になりますが、前進します。
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良かった。行き止まりでもなくちゃんと道が続いてそう。
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地下道を過ぎると線路より低いところを歩くことになり、周りは背の高い木々になるため、しばらく鉄道を見ることが出来ませんでした。
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木々との間から通過してきた巨大岩が。
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そうこうしているうちにヴォルフスベルクコーゲル駅に到着。ここまでゆっくり歩いて15分ほどでした。
ここで下車すれば良いのですが、この駅は各駅停車の列車しか止まらないので今回はセンメリング駅で下車しました。 -
ヴォルフスベルクコーゲル駅を通過すると巨大な建物(廃墟となっているホテル)が見えてきます。
これが目印でこの建物の前を通過して展望スポットを目指します。 -
だいたい地図を見て道なりに進めば迷うことなくハイキングすることができましたが、要所要所にはこのように看板が立てられているので安心です。
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ハイキングコースを歩き始めると案外人とすれ違うことに気づきます。すれ違いざまに「グリュスゴット!」(ドイツ語で「こんにちは」は「グーテンターク」ですが、オーストリアとドイツの南部ではグリュスゴットが多数のようです)と声をかければほぼみんな挨拶してくれるし、向こうからもハローとしてくれる礼儀正しい方が多かったです。
たまに挨拶した後はドイツ語で話しかけられ慌てて「ごめん、ドイツ語は話せなくて英語しか無理だよー!」というと「いいよ、いいよー!外国から来たんだから問題ないよー。」と5分ほど立ち話しすることもしばしば。
どうやら、日本人が一人で歩いていることが珍しいようで、のんびりしているせいか、やたらと話しかけられました^^; -
木々に覆われてとても見えにくいかと思いますが、これが一つ目の展望スポット。
物見櫓のように2〜3階ぐらいの高さがありました。 -
写真中央の岩肌が見える山は巨大な一枚岩だそうで、センメリング鉄道の建設当初は岩の壁面を削り迂回する形で列車が通る予定だったそうです。しかし、岩を爆破する作業中に爆破規模のコントロールをできず、予定より多くの岩が落下し14名の命が奪われたそうです。そのため、予定を変更しこの岩の中を繰り抜きトンネルになったそう。
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ブライテンシュタイン駅まで約3時間、、確かにこの展望台からの距離を考えるとそれぐらいの距離なんだと思います。
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展望台より
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次はカルテリンネ橋の見える展望台を目指してブライテンシュタイン駅方面へ進みます。
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山を歩いているとたまに鉄道の通る音が聞こえてきます。
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まだ、9月初旬ということもあり道端には花も咲いていました。
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このプレートには走る人の絵が書かれていますが、、、ここはランニングコースでもあるのでしょうか?(汗)
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思っていたよりもアップダウンは激しくなくて緩やかな上り坂下り坂でした。
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2つ目の展望台(今回の折り返し地点)に到着!
今回は1日でグラーツへ行く予定もあったので、20シリング紙幣に描かれているこの景色を見られる展望スポットまでで折り返します。ゆっくりとした早さで歩き途中の展望スポットでお喋りしたり休憩を取ったので1時間半ほど時間がかかりました。
写真では分からないのですが、カルテリンネ橋は橋の上に橋が作られて2重になっています。実際に見てみたかったのですが、残念ながらここからは木に隠れて見えない様です。
ちょうど列車が走ってるのが分かりますか?
車両を運ぶ貨物列車でとても長いのでカルテリンネ橋から手前のトンネルの入り口を過ぎてもまだ貨物列車が続いています。 -
展望台スポットからは街を見下ろすことができ、それなりに高い位置にあることがわかります。
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あ、ブライテンシュタイン駅だ!
こうやって見るとセンメリング駅からは2駅しか変わらないのにこれだけ高くまで登っていることに気づきます。
少し、お腹も空いたのでホテルでもらったパンを少し頂きました。 -
展望スポットの隅にはこんなプレートが。
ドイツ語だったので意味が分かりませんでしたが、旧20シリング紙幣に使われていた風景だということが書かれているようでした。 -
20シリング紙幣に近い構図から撮影してみます。
20シリング紙幣に描かれているカルテリンネ高架橋の頃とは歳月が経ち、橋全体が木々に隠れていることがわかります。もう少し橋の姿も見たかったのですが、自然と調和するという意味ではこっちの方がいいのでしょうか。 -
展望台から引き返す途中、日本ではあまり見かけない花が咲いていました。
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再びヴォルフスベルクコーゲル駅に到着。
行きはどんな駅か確認してなかったので少しお邪魔してみます。
改札がなくて駅のホームに入れちゃうのもヨーロッパならでは。 -
ちょうど、ホームに向かおうとした時、列車が近づく音が聞こえてきたので、慌ててカメラを構えて連写。
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舗装もされていないほぼ地べたのように低いホームに立ちそばを通り過ぎるRailjetは大迫力。しっかり、汽笛も鳴らして通過していってくれました。
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行きは気づかなかったけど、駅舎の横には綺麗に手入れされた花壇とベンチが。
無人駅だけれど、しっかり誰かが管理してるんですね。 -
廃墟の大きなホテルはオーストリア南部鉄道のホテルだそうです。
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ヴォルフスベルクコーゲル駅とセンメリング駅の間には民家もありました。
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再び、センメリング駅の駅舎に戻り、グラーツ行きのRailjetを待ちます。
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せっかくなので、駅舎でお土産を買うことに。
私はこの飾り用絵皿を買いました(値段付きですみません。しかも値段は間違ってるそうで・・・表示価格より少ししました。)。 -
当時のスーツケース?やパネルの展示が多数あります。
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これも、きっと当時使われていたものなんだろうなぁ。
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この路線でイタリアのトリエステまで行けるので多くの貨物列車や列車が通過していきますが、駅自体はのどかそのもの。
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今後、ウィーン ー グラーツ間はトンネルが掘られ随分と移動時間が短くなるようです。そのため、このセンメリング駅にも多かれ少なかれ人気が少なくなるのかもしれませんが、変わらない姿であって欲しいと思いました。
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江戸時代末期から変わらない風景を見られたことと、この鉄道を守ることが受け継がれていることに感慨深い気持ちになりました。
グラーツ編へつづく
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