喜多方の枝垂れ桜並木（福島県）

2012/04/28 - 2012/04/29

　日中線記念自転車歩行者道には約3kmに渡り、約1,000本の枝垂れ桜の桜並木が続いている。途中にSLも展示してある。廃線になったローカル線の線路跡に自転車歩行者道が設けられ、両側に枝垂れ桜が植えられているのだ。
　日中線は、福島県喜多方市の喜多方駅と耶麻郡熱塩加納村（現在の喜多方市）の熱塩駅を結んでいた日本国有鉄道（国鉄）の鉄道路線であった。元々は熱塩駅と米沢駅を結ぶ東北縦貫鉄道として計画されたが、太平洋戦争の戦況悪化により計画は頓挫し、昭和59年（1984年）に廃止された。
　約3kmに渡る枝垂れ桜の桜並木というから、さぞや華麗で凄いのだろうと誰もが思うであろうが、現実は全くのところ期待を裏切ってしまう。なぜかというと、約1,000本の枝垂れ桜の木の先が全て切られており、ずんぐりむっくりで立ち姿は見られたものではない。8頭身美人というが、ここの枝垂れ桜は3頭身から5頭身といったところか。美人からは程遠い。
　「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」というが、約1,000本の枝垂れ桜の先を切るように指示した「まちづくり課」（当時は別の課名であろうが）もまちづくり課であるが、枝垂れ桜の先を切った庭師も庭師だ。植物虐待という言葉はないが、あればこれが該当しようか。
　福島県には浜通り、中通り、会津地方がある。中通りは古来より枝垂れ桜の文化があるが、会津地方に枝垂れ桜の文化が入り出したのはせいぜいこの40、50年のことであろう。まだ、枝垂れ桜の文化が根付いていない喜多方の地で約3kmにも渡る枝垂れ桜の桜並木を造成したものだから、このような日本でワーストワンの桜並木が出来上がってしまったのであろう。元々、ラーメンとトタン屋根の街・喜多方には枝垂れ桜の文化など始めから根付くはずがないのである。染井吉野で十分なはずだ。
（表紙写真は喜多方の枝垂れ桜並木）

エリア 喜多方(福島)

日中線記念自転車歩行者道の枝垂れ桜並木。約3kmある。
枝垂れ桜は昭和63年（1988年）に植樹された。
枝垂れ桜の木の先を切ったのは何時？

日中線記念自転車歩行者道の枝垂れ桜並木。

日中線記念自転車歩行者道両脇の枝垂れ桜並木。

日中線記念自転車歩行者道両脇の枝垂れ桜並木。

日中線記念自転車歩行者道の枝垂れ桜並木。

日中線記念自転車歩行者道両脇の枝垂れ桜並木。

日中線記念自転車歩行者道の枝垂れ桜並木。
私が見た桜では日本でワーストワンである。

SL。

SL。

「しだれ桜散歩道　日中線記念自転車歩行者道」の看板。

SL。「C11 63」。