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 京都市下京区にある東本願寺は真宗大谷派の本山のお寺で「真宗本廟」という。「お東」、「お東さん」とも通称されている。御影堂には宗祖・親鸞聖人の御真影像を安置し、阿弥陀堂には本尊の阿弥陀如来像を安置している。<br /> 文禄元年(1592年)、本願寺十一代 顕如の示寂にともない顕如の長男である教如(光寿)が本願寺を継承するが、石山合戦で篭城した強硬派を側近に置き、顕如と共に鷺森に退去した穏健派は重用しなかったため、教団内に対立が起こる。<br /> 文禄2年(1593年)、教如は大阪城に呼び出され、豊臣秀吉の命により退隠させられ、准如に法主が継承する事が決定する。<br /> 慶長7年(1602年)、後陽成天皇の勅許を背景に徳川家康より烏丸六条に寺地を寄進され、教如は本願寺の第十二代に就任する。このことにより本願寺は、「堀川七条の本願寺」と「烏丸六条の本願寺」とに分立する。すなわち、西本願寺と東本願寺の誕生である。これは、家康には永禄6年(1563年)の三河一向一揆で窮地に陥れられた経緯があり、本願寺門徒の力を2分して押さえる意図から本願寺の分立を企図したとされる。<br /> 元治元年(1864年)、蛤御門の変を発端とする兵火が元となり、京都市街は「どんどん焼け」と呼ばれる大火災となる。東本願寺も罹災し、御影堂・阿弥陀堂・渉成園など伽藍の大部分を消失した。現存建造物の多くは、明治期の再建である。国宝・重文建造物が多く現存している西本願寺が世界遺産で、東本願寺の建造物が登録有形文化財に止まり、国宝がないばかりか重文すらもないために世界遺産にはならなかった理由が理解できよう。蛤御門の変による兵火の中、寺と門前町が一体となって延焼をくい止めた西本願寺はそれまでの文化遺産を後世に残こし、世界遺産に登録されるに値したのだ。<br />(表紙写真は東本願寺御影堂門)

東本願寺-2004年夏

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2004/07/17 - 2004/07/17

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 京都市下京区にある東本願寺は真宗大谷派の本山のお寺で「真宗本廟」という。「お東」、「お東さん」とも通称されている。御影堂には宗祖・親鸞聖人の御真影像を安置し、阿弥陀堂には本尊の阿弥陀如来像を安置している。
 文禄元年(1592年)、本願寺十一代 顕如の示寂にともない顕如の長男である教如(光寿)が本願寺を継承するが、石山合戦で篭城した強硬派を側近に置き、顕如と共に鷺森に退去した穏健派は重用しなかったため、教団内に対立が起こる。
 文禄2年(1593年)、教如は大阪城に呼び出され、豊臣秀吉の命により退隠させられ、准如に法主が継承する事が決定する。
 慶長7年(1602年)、後陽成天皇の勅許を背景に徳川家康より烏丸六条に寺地を寄進され、教如は本願寺の第十二代に就任する。このことにより本願寺は、「堀川七条の本願寺」と「烏丸六条の本願寺」とに分立する。すなわち、西本願寺と東本願寺の誕生である。これは、家康には永禄6年(1563年)の三河一向一揆で窮地に陥れられた経緯があり、本願寺門徒の力を2分して押さえる意図から本願寺の分立を企図したとされる。
 元治元年(1864年)、蛤御門の変を発端とする兵火が元となり、京都市街は「どんどん焼け」と呼ばれる大火災となる。東本願寺も罹災し、御影堂・阿弥陀堂・渉成園など伽藍の大部分を消失した。現存建造物の多くは、明治期の再建である。国宝・重文建造物が多く現存している西本願寺が世界遺産で、東本願寺の建造物が登録有形文化財に止まり、国宝がないばかりか重文すらもないために世界遺産にはならなかった理由が理解できよう。蛤御門の変による兵火の中、寺と門前町が一体となって延焼をくい止めた西本願寺はそれまでの文化遺産を後世に残こし、世界遺産に登録されるに値したのだ。
(表紙写真は東本願寺御影堂門)

交通手段
観光バス 私鉄 徒歩
  • 東本願寺の築地塀。

    東本願寺の築地塀。

  • 東本願寺御影堂門。

    東本願寺御影堂門。

  • 東本願寺御影堂門。明治44年(1911年)に再建。2013年1月から修復する予定。<br /><br />

    東本願寺御影堂門。明治44年(1911年)に再建。2013年1月から修復する予定。

  • 東本願寺阿弥陀堂門。明治44年(1911年)に再建。2012年1月から修復する予定。

    東本願寺阿弥陀堂門。明治44年(1911年)に再建。2012年1月から修復する予定。

  • 東本願寺阿弥陀堂門。

    東本願寺阿弥陀堂門。

  • 東本願寺阿弥陀堂門。

    東本願寺阿弥陀堂門。

  • 東本願寺総合案内所と阿御影堂門。

    東本願寺総合案内所と阿御影堂門。

  • 東本願寺阿弥陀堂。明治28年(1895年)に完成。平成23年(2011年)の「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」法要後に、阿弥陀堂の平成の大修裡工事が予定されている。

    東本願寺阿弥陀堂。明治28年(1895年)に完成。平成23年(2011年)の「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」法要後に、阿弥陀堂の平成の大修裡工事が予定されている。

  • 東本願寺阿弥陀堂。

    東本願寺阿弥陀堂。

  • 東本願寺総合案内所と御影堂。御影堂は明治28年(1895年)に完成。工事用のクレーンが覗く。御影堂は平成16年(2004年)3月から平成21年(2008年)12月にかけて、平成の大修裡が行われた。

    東本願寺総合案内所と御影堂。御影堂は明治28年(1895年)に完成。工事用のクレーンが覗く。御影堂は平成16年(2004年)3月から平成21年(2008年)12月にかけて、平成の大修裡が行われた。

  • 東本願寺阿弥陀堂と御影堂。

    東本願寺阿弥陀堂と御影堂。

  • 東本願寺鐘楼。

    東本願寺鐘楼。

  • 東本願寺鐘楼の鐘。

    東本願寺鐘楼の鐘。

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