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<プロローグ><br />紀元9世紀の頃、地中海は西ローマ帝国(後の神聖ローマ帝国)、東ローマ帝国、イスラム帝国に分割され、凌ぎを削っていた。<br /><br />東ローマ帝国は、古代ローマ帝国時代の東西分割(AD286)後の東部分を受け継いだ、いわば正統ローマ帝国。しかしその多くがギリシャ人で、ギリシャ文化の影響を強く持ち、宗教的には正統派を引き継ぎながらも、後にローマ教皇とは対立関係となる。<br /><br />それに対し本来の西ローマ帝国自体は、ゲルマン民族の移動に伴う圧迫で、5世紀後半に滅亡するが、ローマ教皇は勝ち残ったゲルマン系の民族との関係を深め、教皇レオ3世はフランク王国の王カール大帝に戴冠し(AD800)、カール大帝が初代の「西ローマ皇帝」となる。<br /><br />その支配地域は現在のドイツを中心に、チェコ(ボヘミア)、オーストリア、そして現在のフランスとイタリアの一部にまたがっていた。後にフランスとイタリアの支配権は喪失するが、ハガリーの支配権も獲得する。<br /><br />かといって皇帝の権力は専制的なものでなく、群雄割拠の各地の領主の象徴といっても可笑しくない存在であった。<br /><br />とは云え、歴史上「神聖ローマ帝国」といわれるこの地域は、経緯上「カソリック」を守護する役割を担い続け、「貴族階級」の宮廷文化の華を咲かせた。<br /><br />その中心には、当初はスイスの片田舎の一貴族に過ぎなかった「ハプスブルグ家」の、戦争に寄らず、婚姻関係を中心に勢力を拡大した「有能な?王位継承者」の存在があった。<br /><br />ここで育まれたいわゆる「バロック」系の建物、音楽、絵画は、「カソリック」とそしてそれを擁護した「ハプスブルグ家」とは切り離しては語れない。<br /><br />そしてイタリア、フランスが絵画の中心とすれば、この地域はクラシック音楽の中心であったし、多くの音楽家が育ち名曲を生んだ。現在もクラシック音楽の中心の地位を維持している。<br /><br />しかし我々が描く華やかなイメージの中欧「神聖ローマ帝国」も、19世紀後半には単一ゲルマン民族からなる「ドイツ帝国」の独立、第1次大戦、戦後の混乱に乗じて生まれたヒットラーの「第3帝国」、続く第2次大戦の中心であり、敗戦と共に経緯上ドイツ側に加担した「神聖ロー帝国」は完全にその1,000年の歴史を閉じる事となる。<br /><br />敗戦後も「旧神聖ロー帝国」下の諸国は東西分断の運命に翻弄され、苦渋の道を歩んだ。<br /><br />そして今また昔の華やかなイメージを取り戻しつつある街には、本来住むべき所に住んでいる人々の情念が滲んでいる。<br /><br />私の念願の一つであった中欧4ヶ国の旅は、急ぎ足ながらも、神聖ローマ帝国であった国々の古都に、あたかも魔法に懸けられて漂ったような心地の内に過ぎ去った。<br /><br />訪れた国とその場所<br />?ドイツ<br /> ベルリン・ポツダム・マイセン・ドレスデン・バスタイ(ザクセン・スイス)<br /> <br />?チェコ<br /> プラハ・チェスキークルムロフ<br /> <br />?オーストリア<br /> ザルツブルグ・ザルツカンマーグート・ウイーン<br />  <br />?ハンガリー<br /> ドナウベント地方・ブダペスト<br /><br /><?ドイツ編目次><br />ベルリン<br />  01朝の&quot;ホテル・ベルリン&quot;のいなせな壁と周辺の紅葉<br />  02「東西ベルリン分断」の記憶・ベルリンの壁跡<br />  0330年前ここから東ベルリンへ・チェックポイント・チャーリー<br />  04ベルリン一美しい広場・ジャンダルマン・マルクト<br />  05世界遺産博物館島其の1・ベルリン大聖堂と旧博物館 <br />  06世界遺産博物館島其の2・ベルガモン博物館 <br />  07統一ドイツのシンボル・ブランデンブルグ門<br />  08第2次大戦の記憶・ガイザー・ウイルヘルム教会<br /> ポツダム<br />  09ドイツ王家の最後の館・ツェツィリエン宮殿<br />  10フリードリヒ大王の夏の離宮・サンスーシ宮殿その1<br />  11段々葡萄畑・サンスーシー宮殿その2<br />  12憩いの水辺・サンスーシー宮殿その3<br />  13ベルリン?ポツダム間の車窓描写景観<br /> マイセン<br />  14新装成った陶磁器工房と製造工程ショー<br />  15白い黄金の歴史・陶磁器博物館<br />  16陶磁器の鐘を持つ聖母教会・マルクト広場のある街並<br />  17神聖ローマ帝国発祥の地・アルブレヒト城と大聖堂<br /> ドレスデン<br />  18ドレスデンの原爆ドーム・フラウエン教会<br />  19ヨーロッパのバルコニー・ブリュールのテラス<br />  20名だたる建造物に囲まれた劇場広場<br />  21マイセン陶器タイル25000枚・君主の行列<br />  22ドイツバロックの真珠・ツヴィンガー宮殿<br />  23アウグスト強健王のコレクション・陶磁器博物館<br />  24ザクセン選帝侯蒐集のアルテ・マイスター絵画館<br />  25ザクセン王家宝物館(緑の丸天井)が復活したドレスデン王宮<br />  26エルベ川渓谷の山水画・雨のバスタイ(ザクセン・スイス)<br /><br /><br /><br /><br />古都の魔法に幻惑・中欧4ヶ国の旅:総集編目次(全90章)へ戻る<br />http://4travel.jp/traveler/shintch/album/10248061/<br /><br />この旅行のルートマップ、旅行中の全メニューとレストランの名前と写真等は下記を参照して下さい<br />https://www.wtshin.com/tyuuou/frametyuuouroot.html

古都の魔法に幻惑・中欧4ヶ国の旅:?ドイツ編目次(26章)

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2007/09/22 - 2007/09/25

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WT信

WT信さん

<プロローグ>
紀元9世紀の頃、地中海は西ローマ帝国(後の神聖ローマ帝国)、東ローマ帝国、イスラム帝国に分割され、凌ぎを削っていた。

東ローマ帝国は、古代ローマ帝国時代の東西分割(AD286)後の東部分を受け継いだ、いわば正統ローマ帝国。しかしその多くがギリシャ人で、ギリシャ文化の影響を強く持ち、宗教的には正統派を引き継ぎながらも、後にローマ教皇とは対立関係となる。

それに対し本来の西ローマ帝国自体は、ゲルマン民族の移動に伴う圧迫で、5世紀後半に滅亡するが、ローマ教皇は勝ち残ったゲルマン系の民族との関係を深め、教皇レオ3世はフランク王国の王カール大帝に戴冠し(AD800)、カール大帝が初代の「西ローマ皇帝」となる。

その支配地域は現在のドイツを中心に、チェコ(ボヘミア)、オーストリア、そして現在のフランスとイタリアの一部にまたがっていた。後にフランスとイタリアの支配権は喪失するが、ハガリーの支配権も獲得する。

かといって皇帝の権力は専制的なものでなく、群雄割拠の各地の領主の象徴といっても可笑しくない存在であった。

とは云え、歴史上「神聖ローマ帝国」といわれるこの地域は、経緯上「カソリック」を守護する役割を担い続け、「貴族階級」の宮廷文化の華を咲かせた。

その中心には、当初はスイスの片田舎の一貴族に過ぎなかった「ハプスブルグ家」の、戦争に寄らず、婚姻関係を中心に勢力を拡大した「有能な?王位継承者」の存在があった。

ここで育まれたいわゆる「バロック」系の建物、音楽、絵画は、「カソリック」とそしてそれを擁護した「ハプスブルグ家」とは切り離しては語れない。

そしてイタリア、フランスが絵画の中心とすれば、この地域はクラシック音楽の中心であったし、多くの音楽家が育ち名曲を生んだ。現在もクラシック音楽の中心の地位を維持している。

しかし我々が描く華やかなイメージの中欧「神聖ローマ帝国」も、19世紀後半には単一ゲルマン民族からなる「ドイツ帝国」の独立、第1次大戦、戦後の混乱に乗じて生まれたヒットラーの「第3帝国」、続く第2次大戦の中心であり、敗戦と共に経緯上ドイツ側に加担した「神聖ロー帝国」は完全にその1,000年の歴史を閉じる事となる。

敗戦後も「旧神聖ロー帝国」下の諸国は東西分断の運命に翻弄され、苦渋の道を歩んだ。

そして今また昔の華やかなイメージを取り戻しつつある街には、本来住むべき所に住んでいる人々の情念が滲んでいる。

私の念願の一つであった中欧4ヶ国の旅は、急ぎ足ながらも、神聖ローマ帝国であった国々の古都に、あたかも魔法に懸けられて漂ったような心地の内に過ぎ去った。

訪れた国とその場所
?ドイツ
 ベルリン・ポツダム・マイセン・ドレスデン・バスタイ(ザクセン・スイス)
 
?チェコ
 プラハ・チェスキークルムロフ
 
?オーストリア
 ザルツブルグ・ザルツカンマーグート・ウイーン
  
?ハンガリー
 ドナウベント地方・ブダペスト

<?ドイツ編目次>
ベルリン
  01朝の"ホテル・ベルリン"のいなせな壁と周辺の紅葉
  02「東西ベルリン分断」の記憶・ベルリンの壁跡
  0330年前ここから東ベルリンへ・チェックポイント・チャーリー
  04ベルリン一美しい広場・ジャンダルマン・マルクト
  05世界遺産博物館島其の1・ベルリン大聖堂と旧博物館
  06世界遺産博物館島其の2・ベルガモン博物館
  07統一ドイツのシンボル・ブランデンブルグ門
  08第2次大戦の記憶・ガイザー・ウイルヘルム教会
 ポツダム
  09ドイツ王家の最後の館・ツェツィリエン宮殿
  10フリードリヒ大王の夏の離宮・サンスーシ宮殿その1
  11段々葡萄畑・サンスーシー宮殿その2
  12憩いの水辺・サンスーシー宮殿その3
  13ベルリン?ポツダム間の車窓描写景観
 マイセン
  14新装成った陶磁器工房と製造工程ショー
  15白い黄金の歴史・陶磁器博物館
  16陶磁器の鐘を持つ聖母教会・マルクト広場のある街並
  17神聖ローマ帝国発祥の地・アルブレヒト城と大聖堂
ドレスデン
  18ドレスデンの原爆ドーム・フラウエン教会
  19ヨーロッパのバルコニー・ブリュールのテラス
  20名だたる建造物に囲まれた劇場広場
  21マイセン陶器タイル25000枚・君主の行列
  22ドイツバロックの真珠・ツヴィンガー宮殿
  23アウグスト強健王のコレクション・陶磁器博物館
  24ザクセン選帝侯蒐集のアルテ・マイスター絵画館
  25ザクセン王家宝物館(緑の丸天井)が復活したドレスデン王宮
  26エルベ川渓谷の山水画・雨のバスタイ(ザクセン・スイス)




古都の魔法に幻惑・中欧4ヶ国の旅:総集編目次(全90章)へ戻る
http://4travel.jp/traveler/shintch/album/10248061/

この旅行のルートマップ、旅行中の全メニューとレストランの名前と写真等は下記を参照して下さい
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旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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