さようならクイーンエリザベス号　最後の航海　2025.4　～　鹿児島へ　～

2025/04/13 - 2025/04/13

鹿児島には昨年５月にクイーンエリザベス号で来ているので昨年行かなかった桜島へ渡ることにしました。城山展望台から鹿児島港フェリーターミナルと桜島港を往復する船が頻繁行き来するのを見ていたので簡単に行けると思ったからです。以前に桜島を訪れた時は周遊バスは午前中しかなかったのですが、現在はアンランドビューバスが一時間に２本運行していて、とても観光しやすくなったと思いました。
昨年は時間の関係で入ることが出来なかった温泉にも入る予定を立てました。
今回のクルーズのサブテーマは温泉巡りの旅です。
予定通りにスケジュールを進めることが出来てとても楽しい旅になりました。
ご覧いただけると幸いです。

温泉巡りの旅　39　鹿児島　かごっま温泉

エリア 桜島・古里温泉(鹿児島)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 船 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝起きて外を見ると見覚えのある山。そうです。薩摩富士が見えました。
昨夜長崎を出港して、鹿児島湾の近くまで来ています。
今日の予定は桜島に渡って、サクラジマアイランドビューの周遊バスに乗り、観察できる最高地点の湯之平展望所まで行き、帰りに鹿児島市の地元の温泉「かごっま温泉」に入って帰ってくる予定です。

昨年もクイーンエリザベス号で鹿児島に来ているので、シャトルバスでドルフィンポート跡地まで何も迷わずに来ました。そしてそこから歩いて数分の所にある鹿児島港 桜島フェリーターミナルに来ました。桟橋から撮っています。

鹿児島港フェリーターミナル 乗り物

桜島フェリーは20分おきに出ていて、待たずに乗船できました。エリザベス号に乗っている人に会いました。
桜島がフェリーから綺麗に見えます。

桜島フェリー(鹿児島市船舶局) 乗り物

記念撮影をしました。

２０分ほどの船旅であっという間に桜島港に到着。

桜島港フェリーターミナル 乗り物

湾の向こう側に鹿児島市の景色が見えました。

船に橋が伸びてきてかけられています。

到着しました。桜島。今は島ではなくなりましたが、島に来たような雰囲気がありました。

乗ってきたフェリーはしばらくすると、折り返して鹿児島港に向かって出発していきました。

桜島港の近くには横山砲台跡がありました。説明書きには1863年に４門の大砲が配備され戦闘が始まった時に、砲台のすぐ前に停泊していた英艦バーシューズに砲撃を浴びせたそうです。
英艦バーシューズは驚き錨を切り捨てて離脱したそうです。
錨はいざという時には切り捨てることが出来るのですね。

薩英戦争によって薩摩は開国に方針を変えることになった戦争だと学びました。朝廷は島津家の攘夷実行を称えて褒賞を下していますが、英国の軍事力は薩摩とは比べ物にならないほど進んでいることを薩摩は知らされます。

薩英戦争（さつえいせんそう、文久3年7月2日～ 4日〈新暦: 1863年8月15日 ～ 17日〉）は、薩摩藩と大英帝国 の間で起こった戦闘です。
もともとは生麦事件が原因で薩摩藩の大名行列に英国人４人が正面から行列に乗り入れてきたことによって殺傷事件が起きました。その後幕府が英国に賠償金を払いましたが、英国は薩摩と直接交渉をするために薩摩に向かいました。そこで戦争となったそうです。
英国の議会や国際世論は、戦闘が始まる以前に英国側が幕府から多額の賠償金を得ているうえに、鹿児島城下の民家への艦砲射撃は必要以上の攻撃であったとして、指揮を取ったキューパー提督を非難していることが歴史を調べて分かりました。

どのように戦闘が行われたかを地図の中に番号をふって、詳しく解説していました。

この海はとても歴史的な場所なのだと改めて見直します。
ここから出発するサクラジマアイランドビューのバスに乗りました。

サクラジマアイランドビューのバスから見えたのはコンビニ。看板の色がなぜか茶色です。なぜなのでしょう？
ローソンのコンビニです。

こちらはファミマのコンビニです。ここも茶色の看板です。
自然と調和するように色を目立たなくしているという説明をどこかで聞いたように記憶しています。私が今いる八ヶ岳近辺でも茶色の看板のコンビニです。
車が停車していて繁盛していそうです。

サクラジマアイランドビューのバスから見えました。
「叫びの肖像」大成浩だそうです。
ここに来るまでに桜島ビジターセンターを通りました。温泉があるはずなのですが休業中でよくわかりませんでした。営業していたら入りたいのですが・・・。

赤水展望広場 叫びの肖像 公園・植物園

まるで島のように海が広がっています。

地図上では神瀬(鹿児島神社元宮)と呼ばれるところかと思いますが、周遊バスにはガイドさんが乗っていないので説明はありません。

もう一つ小さな島が見えました。地図上では沖小島かもしれません。

春松橋です。下は川になっていますが、万が一桜島が噴火した時に溶岩が流れるように防災用に作られているという車内アナウンスが流れました。

旅行記を書くために地図で調べて分かったことですが、桜島には噴火に備えて避難するための避難港が１４か所あることが分かりました。桜島は活火山なので常に災害に備えているのですね。

湯之平展望所でサクラジマアイランドビューバスを降りました。次のバスが来るまでの30分間ここにいることが出来ます。この日は強風の日でした。
溶岩原、木々に覆われた桜島火山の山肌、鹿児島湾を望む展望所と解説しています。
桜島を眺めるには一番近い展望台です。南岳山頂火口は1955年(昭和30年)10月の爆発以来今日まで長期間にわたって活発な噴火活動があり湯之平展望所より先には入ることが出来ません。お土産屋さんはなく、記念になるものを買うことはできませんでした。

湯之平展望所 名所・史跡

拡大するとかなり岩肌がごつごつしています。
後に、桜島の噴火に関する火山観測報を旅行記を書くためにネット上で調べることが出来ました。
2025年08月28日 00時05分
（第1報）
現象 噴火
火口：南岳山頂火口
噴煙量：中量

驚きました。一日に3回も噴火している状態でした。

溶岩が固まった岩肌が露わです。
桜島には桜島ライブカメラというカメラが設置（南日本新聞会館９Ｆから１分毎に撮影された桜島の姿を過去60日分見られる）されていて、常に桜島の様子を観察していることが分かりました。
気象庁のカメラ、財宝桜島火口ライブカメラ等の複数のカメラが設置されていてネットでいつでも観察できるようになっていました。
それだけ桜島は噴火の危険性が高いということが分かりました。

ハザードマップももちろん作られていて、噴火した時の避難のマニュアルが細かく決められていました。

記念撮影をしました。

1914年（大正3年）1月12日に噴火が始まり、その後約1ヶ月にわたって爆発が繰り返され多量の溶岩が流出しました。その噴火で桜島と大隅半島が陸続きになりました。
溶岩が流れてできた土地（溶岩原）は最初は岩だらけでしたが、長い年月を経て植物が徐々に生えて森林を形成していきます。これを植物遷移と呼ぶそうです。

展望台から鹿児島湾を見ました。遠くにかすんで見えました。いい眺めです。

展望台の中には噴火の歴史のパネルがありました。
桜島が誕生したのは26000年前。現在までに大規模な噴火を17回も繰り返しているそうです。
約13000年前の噴火では鹿児島市内で１ｍ以上の火山灰が積もったそうです。

噴火の歴史を噴煙の大きさで図に表していました。

708年から記録が残っているのは凄いです。
1914年と1946年の噴火は７回のうちの大きな噴火の中に入っているのですね。

大正3年（1914年）の噴火で大隅半島と陸続きになった溶岩分布が図解されていました。それまでは島だったのに突然陸続きになったので島民の方々の生活はどのように変化したのでしょうか？
昭和21年（1946年）の噴火は戦後間もない頃に起こった噴火で、黒神と有村地域が埋没したそうです。この後、現在まで激しい噴火活動が続いているそうです。

桜島は北岳と南岳の二つの火山が合わさって出来ているので、見る場所によって全然形が違って見えるそうです。

Aは桜島の西側から見える形

この形が桜島のイメージですね。

Bは桜島の北側から見える形
Cは桜島の東側から見える形
Dは桜島の南側から見える形

驚きました。桜島は同じ場所で複数回の噴火が起きて山が出来ているので複成火山だそうです。
富士山や開聞岳と同じ成層火山だそうです。
確かに形は綺麗です。

成層火山の富士山も見る場所によってさまざまな形に見えます。私は富士吉田市側から見る富士山が一番好きです。男性的で美しさとたくましさを感じるからです。静岡県側から見える富士山は女性的で優しいですね。

カルデラのある成層火山として阿蘇カルデラ、池田湖が紹介されていました。
この展望台でオーストラリアから来た青年に会いました。日本各地を旅しているそうです。日本でアルバイトをして旅行資金稼ぎもするそうです。少し前に別府のホテルでアルバイトを３ヶ月間したと言っていました。私たちは船で旅してここに来ていると言うと驚いていました。そういう旅を日本で出来るとは思っていなかったようです。

帰りの船の中です。最後の方に並んで乗船したので席を探して船内を歩いて、空いている席を見つけて座ると間もなく下船のアナウンスでした。20分ほどの船旅なのでそうなります。

鹿児島の街が大きく見えてきました。

もうすぐ着岸します。どのようにして岸に船をつけるのかが興味がありました。このまま進むと衝突しそうです。

電車の終点と同じように壁にぶつからないように上手に止まりました。かなり白い泡が立って逆にスクリューが回っているように見えました。黄色いつり橋が降りてきます。下船する時に人が通る橋です。

お昼ご飯は、鹿児島港 桜島フェリーターミナルの中にあったラーメン屋さんで鹿児島黒豚ラーメンを食べました。
久しぶりにラーメンを食べたので美味しかったです。

お腹がいっぱいになったところで徒歩7,8分の所にある「かごっま温泉」へ行きました。地元の方がよく使う街中にある小さな温泉でした。
ひと風呂浴びて、ドルフィンポート跡地にあるエリザベス号へ行くシャトルバスに乗りました。
ここから見えた桜島です。雄大な感じがします。

ウォーターフロントパーク 公園・植物園

今夜もブリタニア・レストランで夕食を食べました。
あまり混んでいません。

船内の他のレストランへ行く方が多いのでしょう。それにしても外国人が多い。
私たちも最終日の夕食をレストランベランダ食べる予約をしました。このレストランのステーキがとてもおいしいという情報を前回ご一緒させていただいた方から聞いたからです。

この日のドレスコードはRED＆GOLD。エジプトで買ってきた民族衣装のドレスを着ました。色はピンク地でゴールドのプリントなのでゴールドはOK。昨年長崎港でエリザベス号乗船の前に買った赤いストールをかけてRED＆GOLDにしました。夫は赤系のネクタイを締めています。
この日は静かに食事をしました。
主菜は牛フィレミニョンのソテー　ローストポテト、焦がし玉ねぎ、ニンジン、赤ワインソース

お疲れ様！ドイツのエルデンガー　今日もいい旅が出来ました。
乾杯！

前菜は
エビとロブスターのコロッケ　燻製パプリカ・マヨネーズ　ビターリリーフ
です。

ニース風ツナのサラダ　ロメインレタス
ロメインレタスをどこで仕入れたのか不思議です。

セロリアックのクリームスープ　クルトン　です。

デザートは　ホワイト・チョコレート・ムース
パッションフルーツとパイナップルのキャラメリゼ　です。

お部屋の戻ると海に月の道ができていました。
今朝は、フィンランドのヘルシンキからいらした女性と朝食のリドレストランで席が隣になり、私が去年の７月にヘルシンキでトラムに乗ったことを話すと、なんとその方はトラムの運転手さんでした。その時に撮ったトラムの車窓からの街の風景の動画をタブレットで見せると、「私はこの路線を運転しています！」と言うのです。動画を見ながら通りの説明をしてくれました。
「もしかしたら、あなたの運転するトラムに乗っていたかもね。」と言い、かなりの奇遇を互いに驚き合いました。
「日本は綺麗で礼儀正しい。素敵な国です。もう一度日本へ来たいです。私には娘がいますが、日本を旅行することを是非勧めます。」と褒めてくれました。
日本は綺麗で礼儀正しい国。オーストラリアからいらしたご夫婦もそう褒めてくださり、いい国に生まれたと思います。

私たちは船で桜島に行くことを話しました。翌朝、また彼女にリドレストランで彼女と出会いました。その話は次回に。

この夜は旅の疲れが出てロイヤルコートシアターのショーは見ないで就寝しました。
明日は高知へ着岸します。高知城と高知県立高知城歴史博物館へ行き、ひろめ市場でカツオのたたきを食べるのが楽しみです。地元の温泉にも行く予定です。

～旅は続く～

この旅行記へのコメント （2）

• yamayuri2001さん 2025/09/07 15:24:45

  桜島

  薔薇の咲く庭さん、こんにちは。
  桜島に行かれた旅行記を拝見しました。
  
  私も桜島に行った時には、フェリーで直ぐに行けてしまったので、
  あまりの近さに驚きました。
  桜島は常に噴火をしていて、私が行った時も、
  かなり火山灰が足元にあるような状況でした。
  それを目の当たりにすると、
  日本はやはり火山国なんだなと、納得しますよね。
  
  鹿児島に行って思うのは、
  日本の南端に住んでいると、
  海外からの攻撃には敏感になるんだなと思いました。
  神奈川に住んでいると、あまり気にならないのですけれど・・・
  昔、薩摩の国にいた人たちにとっては、
  重大な問題だったんですね。
  
  豪華クルーズ船のお食事は、本当に美味しそうですね。
  ヘルシンキのトラムの運転手さんとの出会いは、
  ドラマのような出会いですね。
  そんな出会いが、また面白いですよね。
  欧米の人は、出会った人とすぐに近しくなって、
  フレンドリーに会話をしますが、
  日本人は、乗り合わせたエレベーターであいさつをすることなど皆無です。
  やっぱりシャイなんでしょうか。
  私はフレンドリーな人々が好きです。
  yamayuri2001

  薔薇の咲く庭さん からの返信 2025/09/08 18:05:55

  Re: 桜島

  yamayuri2001さま
  
  お忙しい中、コメントをいただきありがとうございます。
  桜島の人々が常に噴火のリスクと隣り合わせに暮らしていることが分かり、新しい発見でした。また、あの狭い海峡で薩英戦争が起きた歴史的な場所であることは意外でした。
  yamayuri2001さんのおっしゃる通り、外国に近い所に住んでいると敏感になると思います。以前、石垣島へ旅行した時にサイレンが鳴って、「北朝鮮のミサイルが通過するので注意」という警報と知り、外国の脅威を感じた事を思い出しました。
  
  エリザベス号のお食事はとても美味しそうに見えますが、イギリス料理？
  イギリス人が作る料理？なので残念ながら味はイマイチでした。
  
  トラムの運転手さんとは本当に奇遇で、「こんなこともあるのだな」という感じです。
  そして、一昨日小淵沢へ向かう中央線の特急の中でオランダから来た新婚さんと隣り合わせの席になり、話が進んで、私のオランダの旅行記を見てもらうチャンスに恵まれました。もう何年も前に行った所だったので場所がアムステルダムと断定できず「？」を付けて書いていたのですが、すべてアムステルダムであることを教えてくれました。ラッキー！
  彼の家は私が撮った写真の建物のすぐ近くにあるそうで、これもまた奇遇の驚き！
  直してUPし直すことはできました。
  
  分からなかったことが分かるようになる日が来るのですね。
  
  今年はとても暑くて、泉郷も３０℃を超える日が何日もありました。
  そのような状態で小布施には行けずじまいで、明後日東京へ帰ります。
  月末に万博に行く予定です。涼しくなることを見越して計画を立てましたがどうなることやら・・・。
  
  くれぐれもお体ご自愛くださいね。
  コメントありがとうございました。
  
  薔薇の咲く庭