2025/06/01 - 2025/06/02
2942位(同エリア7695件中)
うーたさん
この旅行記スケジュールを元に
石見銀山と出雲大社を観光し、旅のしめくくりで訪れたのは出雲大社から車で約1時間の場所にある温泉町「温泉津(ゆのつ)温泉」。
そこは、文字通り温泉のある港町。
石見銀山の銀積出港として栄えた場所で、銀山の繁栄と共に湯治客でにぎわっていた温泉です。
今回はそんな温泉津温泉の中で、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%源泉湯かけ流し温泉「薬師湯」で日帰り入浴。
この「オール5」という評価を受けるのは、なかなか難しいようで山陰地方ではこちらが唯一、全国でも19か所しかない最高級天然温泉ということで、期待満々に行ってきます♪
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出雲大社でお詣りを終え、今から向かうのは車で約1時間の場所にある「温泉津温泉」。
世界遺産・石見銀山のある大森エリアからは車で約20分の場所にあり、銀山で採掘された銀の積出港として栄えた港町です。出雲大社 寺・神社・教会
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若干ひなびた、懐かしい雰囲気の温泉津駅。
そこにあまり見かけないような、イカツい列車が。
よく見るとかの有名な豪華列車「トワイライトエクスプレス瑞風」!!
へぇ~、ここに立ち寄るんだねと検索してみると、ここで列車を降りてバスに乗り換え、石見銀山方面で保存地区の街並みを見学する行程のようです。温泉津駅 駅
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駅前では、着物を着た日本舞踊の踊り連と、横断幕を持った半被姿の旗振り隊。
平日だけど子供の姿もちらほら。街中揃って大歓迎の様子。 -
少しにぎわっていた駅を過ぎて間もなく温泉ゾーンに到着。
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海沿いの道を進んでいきますが、入り江になっているのでとても穏やかです。
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まずは「温泉津観光案内所ゆう・ゆう館」へ。
観光マップをもらって街並み散策。ゆう ゆう館 美術館・博物館
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温泉街は、車が何とかすれ違えるかなという昔ながらの規格の道路。
古い赤茶色の瓦屋根が印象的な建物が立ち並んでいます。
この辺りは、「温泉町」として全国で唯一、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている場所。
観光客らしき姿もなく、散策している地元の人もおらず...ちょっと神隠しに会ってしまいそうな神秘的な雰囲気です。 -
まずは温泉津温泉の源泉が祀られている「医王山 温光寺 薬師堂」にお参りに。
「元湯温泉」の横の細道を進んだ奥にあります。 -
こちらが「薬師堂」。
弘治元年(1555年)以前に建立されているようです。
ここで説明文を読んでいたら、こちらの管理されている方が話しかけて下さり、色々とお話を伺うことができました。
お話を聞かなかったら気付かなかったたくさんの気づきをいただくことができました。 -
こちらは「地蔵堂」。安永の大地震の時、源泉から出土された地蔵菩薩をお祀りしてあります。
現在の湧出地はこの下で、ちょうど元湯温泉の真裏にあたります。(写真右側の黄色い建物が元湯温泉)
源泉はここから元湯温泉に直接ながれているそうです。 -
インターホン型のボタンを押すと、お湯が湧き出ている音を聞くことができます。
耳を澄ませば、ポコポコ、ちょろちょというような音が聞こえてきます。
その日の水量によって、この音の大きさは随分と変化するそうです。 -
下からは見えにくかったのですが、この崖の上の穴のような部分がもともとの湧出地。狸が見つけた温泉という由来から「狸の池」と言われている場所。
地震が起こるたび、この湧出地の位置がずれていき、現在の「地蔵堂」の所に移りかわったのだそう。 -
このお寺には原爆症治療の記念碑もあります。
かつて、この温泉の湯は原爆症治療に効果があると認められ、湯治の場として活用されるようになりました。
その効果からここに専門の湯治施設を造る計画が持ち上がりましたが、原爆症の湯治客が増えることで一般の観光客が減ることを心配した町議会や旅館組合は大反対。
結局、ここに治療施設を作ることはできず、比較的泉質が似ている近隣の「有福温泉」に施設が建設されたという歴史があるそう。
ここのお湯に救われたという患者団体がこの碑を作り〝湯治〟という言葉の意味が忘れ去られないようにとの願いが込められています。 -
こちらがその湯治で使われていた「元湯温泉」。
現在も〝湯治〟という言葉の意味を大切にされていて、旅行誌や旅番組の取材などはすべてお断りされているんだそうです。
また、決して無限にあるわけではない温泉資源を大切に、ポンプで吸い上げるとかパイプで誘導するとかせず、源泉から流れてくるお湯のみを使用するなど、温泉や環境をしっかり守って後世に伝えていこうとされている姿に感銘を受けました。
帰宅後こちらのホームページを見てみると、
「泉薬湯温泉津温泉元湯は湯治・保養の温泉である。
湯治・保養の温泉の役割は、恵まれた泉質を変質させず、次世代に伝えることである」と記載がありました。湯治の湯 泉薬湯(元湯) 温泉
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そんなお話をうかがったら、ぜひ元湯温泉にも入浴したかったけれど、私たちが予約していたのはこちらの「薬師の湯」。
こちらの本館1階が男女別の大衆浴場で2階と3階はお休み処になっています。薬師湯 温泉
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私たちが入浴するのは、通りを挟んで向かいにある別館の温泉。
こちらの別館は旅館としての営業もされていて、空きがある場合、貸切湯として利用することができます。
前日に電話で空き状況を確認し、予約をしていました。
本館、別館ともに100%の源泉湯のかけ流し温泉です。 -
帳場の部分には、トワイライトエクスプレス瑞風の特設コーナー。
こちらの施設は瑞風のスタッフさんの休憩施設になっているようです。
この帳場の奥が貸切温泉。 -
昭和時代の家庭的な脱衣場という雰囲気の先にある浴室がこちら。
絶え間なく流れているお湯があふれ出る形に添って、ゴツゴツに形成された湯の花。
まるで溶岩がかたまってできた窪みのような浴室に、わぁ~と声が出ました。 -
湯の花でゴツゴツになった床は歩くと少し足の裏が痛い。
受付で入り方のレクチャーを受けていました。
何度も掛け湯をして、身体の先端から温泉の温度に体を慣らしてから入ること。
一度に長湯はせずに、つかる、出るを繰り返し行う交代浴を行うこと。
薬効がきつすぎると体に負担なので、一日のうち複数回入る(午前に入って午後にも入る)というような頻繁な入浴は避けることなど。 -
身体をしっかり慣らしていざ入浴。
温泉引き口はさらに湯の花モリモリでまるでモンスター。
ここから出てくるお湯は、浴槽よりも少し熱いと感じる温度。生まれたてのお湯ということを実感できるサラサラの湯。少しだけ鉄の匂いがして、舐めてみるとちょっとしょっぱい。 -
よく見ていると、排水溝の所だけ湯の花が削ってありました。
元々のコンクリートが見えているのはここだけ。
貸切時間は40分。ちょっと短いかなと思っていたけれどこれ以上の入浴は体に負担っていうのも分かる感じ。ほどよい疲労感がありました。 -
湯上りには、本館で休憩を。
2階は大正ロマン風なサロン空間、3階はテラスになっていて温泉津の温泉街を眺めることもできます。無料のホットコーヒーサービスもありました。
ちょうど、受付におられた方とお話できるタイミングがあったので伺ったことによると、先ほど入った別館の浴槽はもともと四角い形だったんだって。ホント、温泉の力すごい!! -
たっぷり汗をかいてのどが渇いたので、薬師湯に併設されているカフェ「震湯カフェ内蔵丞」へ。
震湯カフェ内蔵丞 グルメ・レストラン
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こちらの建物は大正8年に建てられた木造洋館。
薬師湯の旧館です。もともと温泉施設だった建物をリフォームしてカフェに生まれ変わっています。 -
調度品も重厚で素敵。
発酵食品に力を入れておられるようで、発酵シェイクと発酵アイスをオーダー。
私たちの他にお客さんが1グループ。瑞風のスタッフさんのようで、カッコいい制服を着た男性たちが揃ってパフェを食べておられました。 -
最後に「飲泉塔 吐泉龍」を見て帰ります。
湯治の一環で、飲泉指導を積極的に行っていた18代湯主伊藤恕介氏の意思を継ぎ、19代湯主が建てたもの。残念ながら現在は使用不可で立ち入り禁止。
いいお湯に浸かりたいという気持ちだけで訪れた温泉津温泉でしたが、地元の方とお話しできたことで、湯治という文化の深い歴史に触れることができてとても有意義でした。
温泉津温泉は、オシャレな色浴衣着て、美味しいもの食べて、お酒飲んで、温泉つかって~という癒しの場ではなく、まじめにその歴史とお湯の質を感じて入る温泉というイメージを持ちました。いい経験ができました。
おしまい
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旅行記グループ 石見銀山と出雲大社、温泉津温泉の旅。
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