
2025/03/24 - 2025/03/29
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無人(muto)さん
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2025年3月末、屋久島を訪れた。女房殿がまだ行ったことがなく、「ぜひ一度行ってみたい」と熱望していた地である。時期は天候や観光の混雑を考慮し、検討の末に3月とした。
屋久島は「年に366日雨が降る」「1ヶ月に35日雨が降る」とも揶揄されるほどの多雨地帯であり、加えて台風の通り道でもある。天候は旅の満足度を大きく左右する要素であり、最も気にかけた点であった。結果として、滞在中は晴天が2日、雨が1日、曇り時々雨が1日という比較的良好な空模様に恵まれ、十分に楽しむことができた。
ただし、3月27日未明、宿泊していた尾之間地区では1時間に118mmという猛烈な雨が観測され、これは3月としては国内観測史上2位という記録であった。屋久島の自然の厳しさを改めて思い知らされた出来事である。
以下、旅程の概略を記す。
第1日:空路 羽田⇒鹿児島⇒屋久島(9:30頃到着) レンタカーを借りて観光開始
猿川ガジュマル、千尋の滝、トローキの滝
第2日:川上杉、紀元杉、ヤクスギランド
第3日:白谷雲水峡
第4日:屋久島⇒鹿児島便が欠航 屋久島で延泊
第5日:高速船ロケットで鹿児島へ移動
第6日:霧島観光 夕方の便で羽田へ帰京
今回は「屋久島2025 その①」とし、ヤクスギランド以降は続編とすることにした。
4トラベルには既に1,600件を超える屋久島旅行のエントリーがあり、多くの体験談や情報を得ることができた。ありがたいことだ。このエントリーも少しでもお役に立てば幸いだし、何よりも自分の記憶のバックアップとなるはずだ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
JALの早朝便(6:25発)で羽田から鹿児島へ向かい、そこから屋久島行きに乗り継いで現地入りした。始発電車に乗るため、品川駅のシャッターが開くのを待つという、やや慌ただしい出発だった。朝食も、あらかじめ買っておいたコンビニのパンを電車内で食べるという状況であった(笑)。
空港では、少々手間取る出来事があった。今回はできるだけ安価なチケットを探した結果、羽田⇔鹿児島、鹿児島⇔屋久島のそれぞれを別々に往復チケットで手配していた。この場合、預け入れ荷物はそのままではスルー(乗り継ぎ扱い)にはならず、スルーするためにはチケットの紐づけが必要とのことだった。そこで手荷物カウンターに並ぶことになったのだが、なぜか非常に時間がかかり、搭乗手続きの締切に間に合わないのではないかと焦る羽目に。近くにいたグランドスタッフに相談したところ、その場のPCで便の紐づけを行ってくれ、無事にキオスクでチェックイン、バッゲージドロップも完了。結果的に最後の搭乗者として搭乗口に滑り込むことができた。あのスタッフには感謝しかない。
(ちなみに最初に尋ねた別のスタッフは何もしてくれなかった。ひとりに断られても、諦めず別の人に相談すれば解決の糸口が見つかることもある。今回得た小さな教訓である)
最初から少々波乱含みではあったが、こうしたハプニングを一つ乗り越えることで、その後の旅がより楽しく感じられるのもまた事実である。屋久島への旅がこうしてスタートした。 -
屋久島が見えた!
空港近くの海岸線の向こうに見えたのは、おそらく白谷雲水峡の上部に連なる山並みであろう。この景色が広がってきた瞬間、気持ちがぐっと高まった。 -
着陸。機材は小型のプロペラ機(ATR72)であったが、大きな揺れもなく快適なフライトであった。到着後は空港ロビーでレンタカー会社のスタッフが出迎えてくれており、手続きもスムーズ。すぐに観光へと出発することができた。
なお、屋久島のレンタカーは台数が限られているうえ、近年はインバウンド観光客の増加もあり、あっという間に在庫がなくなるとの情報を事前に得ていた。レンタカーは6ヶ月前から予約可能とのことだったが、数日遅れて電話をかけた時点で、いつも利用している車種はすでに在庫切れであった。やむなく別の車種を押さえることとなったが、早めの予約の必要性を痛感した。屋久島空港 空港
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安房の漁港
フェリーなどが着く安房港と安房川を隔てたところに位置する防波堤に囲まれた漁港。この時間には人影もなく、海面は穏やかでひっそりとしていた。
実は空腹を満たす必要があってここに車を停めてランチにしたのだ。お弁当は下見がてら入ってみたスーパーマーケットAコープ安房店で買って来ていた。屋久島にコンビニはなく、手頃な買い物場所はAコープが3ヶ所(安房、宮之浦、尾之間)に限られる。食事などは計画的に調達しなくてならないと改めて。
静かな海辺で、ひと息ついたところで次の「猿川ガジュマル」へ出発。周回道路(国道77号)に看板(「猿川」ではなく「サル川」と記載されている)が見えたところで右折してしばらく行くと駐車場があり、散策路の入り口がある。 -
散策路の入り口の案内板は「猿川ガジュマル」になっている。
駐車場からは登山道のような細い道を進み、小川を渡ってさらに歩いていく。ぬかるんだ箇所もあるが、歩行距離は5分ほどと短く、さほど苦にはならない。慎重に足元を確認しながら歩いた先で、その姿に出会えた。猿川ガジュマル 自然・景勝地
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ジャングルのような森の中に、ガジュマルの群生が広がっていた。
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ガジュマルの近くには小川がある。この時水はほとんど流れていなかったが、雨期などには濁流が暴れそうな感じだ。枝が川の上にまで垂れている様子が、他の屋久島の小川とは異なるところかもしれない。
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この群生は樹齢100年以上といわれ、100平方メートルほどにわたり広がっている。何枚も異なる角度から写真を撮りたくなる風景だった。
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この森は熱帯林のようでもあるが、ただガジュマルがあるだけではない。見回せば、タブノキのオレンジ色の新芽や、大きな葉を広げるクワズイモ、春先に咲く可憐なサツマイナモリ、マメヅタと思われるツタの新緑、そしてびっしりと生えた苔など、多様な植物が息づいていた(植物の名前は帰宅後に調べたものである)。
この場所は、実はランチの後、ホテルにチェックインするまでの時間に立ち寄れる場所を探していて偶然見つけたものだ。思いがけず素晴らしいところであった。映画のロケ地にもなったことがあるらしい。屋久島では「中間ガジュマル」や「志戸子ガジュマル公園」も有名だが、それらはいずれも自然の森の中ではないという。この場所は、自然の中でガジュマルを間近に見ることができ、しかもアクセスがよい。蛇之口滝のハイキングコースにも大木があるというが、そこまで行くのはなかなか大変そうである。今回は幸運にも、最も手軽に見られる場所に来ることができた。
次は千尋の滝へ向かった。 -
まず目を奪われるのは、滝そのものよりも巨大な岩盤である。これは標高940mの花崗岩の山・モッチョム岳の裾を、鯛之川(たいのこう)が刻んで形成したV字谷で、そのスケールに圧倒される。特に左側の岩盤は「千尋(ちひろ)」、すなわち「千人が腕を広げたほどの幅」に匹敵することから、この名がついたという。もちろん、滝自体も落差60mあり、屋久島を代表する滝の一つとされている。
この滝へは周回道路沿いにいくつか案内板があり、どの分岐から入ってもやがてひとつの道に合流する。合流点の先には駐車場があり、そこから整備された歩道を100mも歩けば第一展望所に着く。また、駐車場の入り口付近には第二展望所へ向かう道もある。第二展望所からは滝が少し遠くなるが、ほぼ同じアングルで望むことができる。さらに東側を見渡せば、海岸まで見下ろせる。第一展望所への道の途中には、モッチョム岳への登山道の入り口もあった。千尋の滝 自然・景勝地
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千尋の滝を後にし、帰り道に竜神の滝へ立ち寄った。往路では雨が強くて通過していたが、この頃には雨も小降りになっていた。この滝も鯛之川にあり、すなわち千尋の滝の下流に位置している。落差は約30mとそれほど高くはないが、深い緑に囲まれた白い水の流れとエメラルドグリーンの滝壺が、印象的な対比を生んでいた。
千尋橋という橋の上から滝を望むことができるが、全体像を一望することは難しい。このアングルが最も見やすかったかもしれない。なお、滝の音とは別に、橋の真下から響いてくる水の轟音が聞こえた。木々の間からかすかに白いしぶきが見えるものの、その流れの全体像は結局わからなかった。何度か行き来したが滝本体は確認できず、木々の陰に隠されたままだった。竜神の滝 自然・景勝地
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次に訪れたのはトローキの滝である。川の水がそのまま海へと流れ落ちる珍しい滝として知られている。実は落差は6mほどしかなく、小ぶりな滝なのだが、それでも海へ直接落ちるという点で珍しいのだ。
滝を見るには、「JA種子屋久 まごころ市 ぽんたん館」の駐車場に車を停め、徒歩3分ほどで展望所へ到達できる。アクセスも良好で、気軽に訪れることができた。トローキの滝 自然・景勝地
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因みに駐車場の近くにある橋の上から滝の上部、つまり落口が見える。この写真は翌日に立ち寄って撮ったもの。
この日の観光はここで終了し、宿泊先へと向かった。 -
宿泊したのは「Samana Hotel」である。この写真は千尋の滝の第二展望所から撮影したもので、建物が遠景に見えていた。
予約は「じゃらん」から行ったが、実際には「booking.com」や「一休.com」なども比較しながら、何度も取り直した。というのも、日によって宿泊料金が大きく変動するためである。最終的には、この旅行記を書いている時点の表示価格の約40%ほどで宿泊できた。Samana Hotelがこの料金で泊まれるのであれば、コストパフォーマンスは極めて高いと感じたため、もともと押さえていた他のホテルをキャンセルしてこちらに切り替えた。
なお、このホテルはもともとJR九州の系列であったらしい。博多などでよく利用していたJR九州グループのホテルは、新しくて価格も手頃な印象があったが、Samana Hoteも同じように感じた。選択は正解だったと思う。SAMANA HOTEL YAKUSHIMA 宿・ホテル
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夕食はホテルで食べるようにしてなかったので、近くの食堂「味徳」まで行って、屋久島定番アゴフライ定食と全国で定番の豚カツ定食。普通に美味しい定食屋さんだった。Samana Hotelの近くには夕食を食べることができるところが少ない。ホテルで食べないのならこの店は悪くない。同じような観光客の家族もきていた。ただ、お店が開いている日と時間には注意しておく必要があると思う。
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まず見たかったのは紀元杉。縄文杉やウィルソン株まで登って行く体力はないと自信を持っていたので、次に年降った杉を見たかった。紀元杉は推定樹齢3,000年で、ひょっとしたら2,000~7,200年と推定されている縄文杉より老いているかもしれないという古木。ヤクスギランドからすこし上った標高1,230mのところで、車で行けるというのが素晴らしい。その後、ヤクスギランドを回れば満足できる一日になるだろうという計画だった。
この日は早く目が覚めたため、まだ日の出前の時間にホテル2階の360°テラスに出てみた。 -
水平線上には雲がかかっていたが、しばらくするとその上に太陽が昇り、雲が淡く染まっていった。静かな、良い朝である。
朝食はビュッフェ形式で、毎朝つい満腹になるまで食べていたが、その話はさておく。この朝、窓の外にクジラの姿を見つけた。テールスラップもブリーチングも確認できたのに、カメラを持っていなかったのが残念でならない。 -
出発前、宿泊したホテルの駐車場から見えた一本の大きな樹が印象的だった。おそらくアコウの木と思われるが、その堂々とした姿は、どこかで見たCMのワンシーンを思い起こさせた。
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その背後には、モッチョム岳と連なる峰々が広がる。空は青く澄み、雨の多い屋久島にいることを忘れさせるような晴天であった。散策では汗ばむほどになりそうな予感がした。
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紀元杉に向かう途中早速出会ったヤクシカ。道路脇で草を食べているのだが、ほとんどこちらに注意を払わない。しばらくするとお尻をフリフリ森の奥に消えていった。
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紀元杉というバス停があったけど、紀元杉どこ? そのまま通過して1kmほど進むと左側に川上杉があったのでUターンして立ち寄った。
この杉は、道路工事の際に伐採されずに残されたもので、担当者の判断によって救われたという。その名も、当時の担当者の姓を冠して「川上杉」と呼ばれているらしい。 -
ウェブ情報では、根元から樹冠まで全体が見渡せるとのことだったが、実際には下部が低木に覆われていて確認しづらかった。上部については、先端が折れたようにも見え、元気な樹冠と呼ぶには少々違和感があった。推定樹齢は2,000年とのこと。
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紀元杉バス停のところまで戻ると今度は車が停まっていて駐車スペースであることがわかった。4~5台分の広さだ。しかし大型バスのための駐車スペースは用意されていなくて、滞在中に大型バスが来たが乗客を降ろして先の方でUターンしてきて乗り降りの間だけ停車していた。
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太陽のきらめきがきれいで好きな一枚。
紀元杉 自然・景勝地
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念願の紀元杉だったので二人で記念撮影。
この角度と人が入ることで全体の雰囲気をつかめた一枚かと思う。紀元杉は、道路から斜面を少し下ったところに根を張っている。そのため、道路レベルからでは全体像を把握するのは難しいのだ。 -
標高1,230m、樹高19.5m、胸高周囲8.1m、推定樹齢3,000年の樹
ヤマグルマやナナカマドなど15種類ほどの植物が着生しているそうだが、根元にも何種もの植物が着生しているのが見て取れる。周囲をぐるぐる回って15分ほど過ごした。
紀元杉への拝謁 Done! -
出発前に道路の反対側を見ると白いものが... まだ、雪が残っているではないか!
ちなみにここの水は飲まない方がいいと観光タクシーの運転手さんが話しているのを耳にした。もっとも、飲もうとも思わなかったけど。
ヤクスギランドは紀元杉から約6km下ったところに位置している。名前から想像するようなテーマパーク的な施設ではなく、標高1,000m付近に広がる原生林の一帯であり、その広さはおよそ270ヘクタールに及ぶ。エリア内には複数のハイキングコースが整備されており、屋久杉を間近に見ることができる貴重な場である。
エントランス付近には、約30台分の駐車スペースが設けられているが、夏季の混雑期には不足するのではないかと心配になる。ただ、実際にはガイド付きのツアーや観光バス、乗合バスなどで訪れる人が多く、レンタカーで訪れる観光客はそれほど多くはないように感じた。 -
ハイキングコースは5つある。
1. ふれあいの径30分コース 約0.8km
2. いにしえの森50分コース 約1.2km
3. つつじ河原80分コース 約2.0km
4. やくすぎの森150分コース 約3.0km
5. 天文の森210分コース 約4.4km
1.2.のコースは歩道が整備されていて、3.以降は登山道となっている。登山は無理なので50分コースを前提に出発。体力的にきつければ30分コースに切り替えるつもりで、分岐点で判断することにした。ヤクスギランド 自然・景勝地
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エントランスを入ってすぐのところにあるのが「くぐり栂」。その名のとおり、幹の根元がアーチ状に開いていて、人がくぐれるようになっている。そのままのネーミング。
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「日本に存在する1,600種類ほどの苔のうち、屋久島では600種類以上の苔が生息しているといわれています。
白谷雲水峡が有名ですが、ここヤクスギランドも苔天国です。」と説明しているガイドさんの声が耳に入り、ついつい苔を撮った。ただし、種類はとても判別できない。なにしろ600種もあるのだから…… -
杉の形状もさまざまである。伐採されて切り株となったもの、地表に露出した根が曲線を描いて芸術作品のような形になっているもの、そして木肌に深いしわを刻んだ老木など、それぞれが自然の造形美を見せている。
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この切り株は、江戸時代に伐採された屋久杉の名残であり、その上に新しい木が育っている。中には、秀吉の命による方広寺建立の際に、試し切りされたと伝わる切り株もあるという。屋久杉の伐採はこの頃から始まり、江戸時代に本格化。1984年に伐採が全面禁止されるまで続いた。そして、2019年3月の競りを最後に市場への供給も終わり、現在流通しているものは店頭や業者の倉庫にある在庫限りとなっている。ごく最近まで出荷されていたという事実には驚かされた。
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名札にあるように「千年杉」。まだ屋久杉とはいえない小物という意味で驚きだ。
千年杉を過ぎて少し行った④地点で30分コースは左折するようになっているが、さすがにもう少しは歩きたいので、そのまま直進することにした。 -
ヤクスギランドは、下流で安房川に合流する荒川沿いの渓谷地に広がっている。ネーミングが「白谷雲水峡」ほど風情があれば、印象も変わったのではと思ってしまうが、それでも森の魅力は十分である。小さな滝があちこちに現れ、森に水音を添えている。
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一帯は、白谷雲水峡と同じように、苔むした深い森である。光を受けて緑がきらめき幻想的な空間だった。
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足元の苔の合間に、白く可憐な花が咲いていた。調べてみると「オオゴカヨウオウレン」という春先に咲く花であることがわかった。静かな森の中で、その姿が印象的だった。
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コース上に「荒川橋」という吊り橋が見えてきた。ここで橋を渡ると80分コース、左に進めば50分コースである。当初、80分コースは登山道を含むと聞いていたため選択肢にはなかったが、思ったほど時間も経っておらず、疲労感もなかったので、そのまま吊り橋を渡ることにした。
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その吊り橋からの青い空と川の水の光景。まさに峡谷のながめである。
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白く泡立つ瀬になっているところもある。
少し行くと今度は右に行くと150・210分コースとの分岐がある。さすがにここから先に行くことは控え、80分コースをたどることにした。 -
ここは河原だが倒木がトレイルを遮っていてくぐらねばならなかった。カメラを手に腰をかがめるのにちょっと苦労。両手が使えるようにしてくぐればよかったと反省
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次の橋は苔の橋。この2枚は橋の上からの上流と下流。
左の上流側がつつじ河原か。まだツツジの季節ではないが、その季節にくればきれいなのだろうと想像する。 -
周囲の苔の密度はこれまで以上に濃い印象を受けた。橋の名の由来はこのあたりの苔の豊かさにあるのかもしれない。
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⑫番の案内板のところ。もちろん日帰り不可の花之江河(はなのえごう)の方ではなく、⑬仏陀杉、80分コース出口方向へ進んだ。この辺りは起伏もあり登山道らしい雰囲気だった。
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ふと足元に目をやると、木漏れ日に照らされた苔が美しく、思わず立ち止まって見入った。
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仏陀杉に到着。幹には大きな空洞と無数の瘤があり、いかにも老木という風格を備えている。瘤のひとつが顔に見えるため、仏陀杉という名がつけられたのだろう。すでに樹勢はかなり衰えており、保護のために見学スペースにはデッキが敷かれ、根を踏みつけないよう配慮されている。
我々は80分コースを進んできたが、反対側から仏陀杉に来る人もいた。案内板によれば、50分コースでは⑨番から右に入り、⑩番を経て寄り道の形で仏陀杉に立ち寄るルートとなっている。見学後は⑨番で50分コースに合流し、出口方面へと向かう。 -
⑨番から少し行くと倒木がある。なかなかの迫力。以前知床で見た倒木の根を思い出した。
このあたりでは木漏れ日のなかで輝く苔が、いや苔に着いた水滴がキラキラとしていて気持ちが良い遊歩道だった。
⑤番で30分コースとも合流し、双子杉が見えてくる。 -
「双子杉」は古い切り株の上に育つ二本の小杉である。伐採による樹木の更新の状況が見て取れる。また、ここでは空がよく見えている。つまり間伐による森の再生と同じことがおこなわれたことになるのだろう。数千年の樹齢をもつ屋久杉が伐採されたことで、新たな命が芽吹き、2000年後の森の姿をも形づくっていると思えば、伐採が単なる破壊行為とは言い切れないのではないか――そんな考えがよぎった。
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次は「くぐり杉」 遊歩道をまたいでいる二股の杉。太い杉の上に倒れ込んだもう一本が合体してこんな形になったらしい。なんでもありというか...大自然の技は計り知れない。
ここも全体像は掴みづらい。記念写真のアングルが遊歩道をまたぐ状況を撮っていた唯一の写真だった。 -
これも伐採後の切り株。このあたりにはいくつも見られる。比較的切り出しやすい地形だったのかもしれない。
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土砂崩れの後。前年2024年8月の台風10号によるものと思われる。まだ完全に復旧したわけではないようだ。
この後は清涼橋を渡り出口へ向かう。 -
いた! 橋を渡った先のつづら折りの上り道の脇で、ヤクシマザルに遭遇。道路上では何度か見かけていたが、こうして至近距離で、しかもあまり動かずにいる姿を見られたのは幸運であった。太陽を背にしていたため、顔などは完全な逆光になってしまったが、どうにか撮影はできていた。他にも2匹が木陰にいたが、そちらは顔まで確認できなかった。さらに少し進んだところでは、下の河原にいるサルのカップルが毛づくろいをしている様子も見られた。
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ということで、ついに終点到着。80分コースを踏破した。とはいえ、ゆっくり歩き、説明を読みながら、写真を撮りながらだったので.所要時間は約2時間半、150分くらいだった。十分に楽しめて満足だった。
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帰路、霞がかかるような感じだったが遠くに太忠岳の天柱石を見ることができた。
ヤクスギランドの途中ではあまり疲れを感じなかったが、ランチを逃していたのでお腹が空いてどこかのレストランに行こうかとネットで探してみたが危惧していたとおり、午後3時過ぎというこの時間に開いているところを見つけられなかった。そこでホテル近くの前述したAコープの一つ尾之間店でお惣菜を買ってきて早い夕食を取ることにした。
思っていたより多くの写真を掲載することになったので、ここまでをその①として以降は別編とすることにする。
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