秩父札所三十四観音霊場（1）札所1番四萬部寺～11番常楽寺

2010/05/01 - 2010/05/01

２０１０（平成22）年のGWに秩父札所三十四観音霊場を周ってきました。秩父札所三十四観音霊場は、埼玉県秩父地方にある34か所の観音霊場の総称で、第一番札所の四萬部寺から第三十四番札所の水潜寺までを巡拝すると、その道程は約100キロメートルになるそうです。秩父札所三十四ヶ所観音霊場は文暦元年（1234年）開創と云われ、室町時代後期には秩父札所が定着していたと考えられています。江戸時代になると、江戸から近く、短期間で巡拝できることから、江戸の庶民でにぎわいました。坂東三十三ヶ所、西国三十三ヶ所とともに「日本百観音」といい、その結願寺は秩父三十四ヶ所の第三十四番「水潜寺」です。
旅行記（1）は、札所1番四萬部寺～11番常楽寺までです。

エリア 秩父(埼玉)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車

秩父の札所を巡るにあたって、最初は、ここ札所一番四萬部寺からです。
納経所で御朱印帳を買いました。

本堂は千鳥破風をふした入母屋造りで美しく整っており、埼玉県有形文化財に指定されております。

誦経山 四萬部寺 (札所一番) 寺・神社・教会

札所一番四萬部寺の御朱印

札所1番四万部寺より栃谷口から徒歩40分(登り坂)、赤い観音のぼりが見えると真福寺観音堂三間四面のお堂のみあります。

大棚山 真福寺 (札所二番) 寺・神社・教会

長享年間（1487年～1489年）の水害で秩父33ヶ所から外されましたが、信者からの復活要望で室町時代後期に34ヶ所目の札所となりました。これにより、西国33ヶ所、坂東33ヶ所に秩父34ヶ所を合わせて日本百観音となっています。

札所二番真福寺の御朱印

前面に水田、背景に山、絵姿のような境内の札所三番常泉寺

岩本山 常泉寺 (札所三番) 寺・神社・教会

田園のなかの細い一本道を歩いて行くと、参拝者を仁王像が迎えてくれます。常泉寺の寺名は本堂前にある井戸（長命水）に由来します。

蓮池の先の石段を上ると観音堂があります。

観音堂は、三間四面で表に一間の大唐破風の向拝を付しています。神仏分離となったとき、明治３年（1870年）に、秩父神社境内の「薬師堂」を移築したものです。

札所三番常泉寺の御朱印

秩父札所の中でも屈指の仁王門をもち、『石仏の寺』としてもよく知られている金昌寺です。

高谷山 金昌寺 (札所四番) 寺・神社・教会

大きなわらじのかかった仁王門をくぐると、およそ1300体以上にも及ぶ表情豊かな石仏が迎えてくれます

左の坂を上ると奥の院があります。

観音堂回廊には、江戸の豪商が亡くなった妻子の姿をうつして作らせたという慈母観音像があり、母親と幼児のほのぼのとした愛情を感じられます。

札所四番金昌寺の御朱印

秩父札所5番語歌堂です。「語歌堂」の名は、昔、村の裕福な檀徒で風流人でもあった本間孫八が、ある夜現れた一人の旅僧と徹夜で歌道の奥義を談じ合ったことによります。旅僧は、暁方にかき消えるようにしていなくなりました。そこで孫八は、旅僧が観音の化身であったと悟り、旅僧が訪れた堂を歌を語る堂と名づけ、慈覚大師の作と伝えられる准胝観音を安置したと云われております。

秩父札所5番の准胝観音は、仏母ともいわれ、密教の女性尊で除災・延命・求児・徐病などをつかさどります。日本百観霊場中、西国第十一番札所の上醍醐寺と、この語歌堂だけが本尊としています。

小川山 語歌堂 (札所五番) 寺・神社・教会

札所五番語歌堂の御朱印

札所六番卜雲寺は「荻野堂」とも呼ばれていました。「卜雲寺」という珍しい寺名は、この寺の開基とされる嶋田与左衛門の法号が「卜雲源心庵主」である事に由来されます。

向陽山 卜雲寺 (札所六番) 寺・神社・教会

境内から一望できる秩父のシンボル武甲山の眺めが素晴らしい。

武甲山 自然・景勝地

札所六番卜雲寺の御朱印

札所第七番法長寺の本堂は、江戸の科学者「平賀源内」の設計によるものと伝えられ、秩父札所の中で一番大きい建物（本堂）です。

青苔山 法長寺 (札所七番) 寺・神社・教会

行基作の本尊「十一面観世音菩薩」が安置されています。

札所七番法長寺の御朱印

札所第八番西善寺の本堂は、弘化２年（1845年）に再建されたもので、本堂の正面奥には、札所の本尊「十一面観世音菩薩」が安置されています。

清泰山 西善寺 (札所八番) 寺・神社・教会

山門をくぐると本堂前に樹齢約600年の巨大な「楓」が境内いっぱいに広がっています。

通称「西善寺のコミネモミジ」と呼ばれる見事な楓は、樹齢約600年という老木ですが、樹勢は衰えず見事です。

札所第八番西善寺の御朱印

山門もなく開けっ広げの境内に、柱や扉の朱色と白壁のコントラストのまばゆい札所九番明智寺の観音堂が建っています。

明星山 明智寺 (札所九番) 寺・神社・教会

恵心僧都作と伝わる本尊「如意輪観世音菩薩」が観音堂に安置されています。安産と子育ての観音さまとして信仰が厚く毎年1月16日と8月16日の観音縁日には、女性参拝客で賑わうそうです。

札所九番明智寺の御朱印

札所十番大慈寺は、平安時代の天台僧「恵心僧都・源信」作の「聖観世音菩薩」を観音堂を建立して祀ったのが始まりとされています。

参道から石段を登っていくと、楼門形式のどっしりとした仁王門を見ることができます。

万松山 大慈寺 (札所十番) 寺・神社・教会

山門の左右の窓からは、木彫乾漆の非常に美しい金剛力士像（仁王像）をうかがうことができます。

本堂は、寄棟の本堂に大きな唐破風向拝をつけて、玄関のような佇まいになっています。堂内には、本尊「聖観音菩薩」と、脇仏「子安観音・地蔵菩薩」が安置されている。特に子安観音は安産子育ての仏として有名です。

札所十番大慈寺の御朱印

交通量の多い国道から桜並木の坂道を上ると、札所第十一番常楽寺の本堂と納経所があります。

南石山 常楽寺 (札所十一番) 寺・神社・教会

金比羅さまを祀る森を背に、本堂と納経所があります。

札所第十一番常楽寺の御朱印