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12月29日、8日目。朝食が済むと、車掌さんの友人だというセルゲイ青年と富山の数学教師F氏がチェスで国際対局を開始。結果は日本の三連敗だった。<br /><br />そのセルゲイ青年が何と熊の手を持っていた。熊手ではない、本物の熊の手だ。<br />イルクーツクで自分が銃で仕留めたもので、食堂車へ持ち込んで料理してもらうのだと言う。<br />熊の手は煮込むと大変おいしいそうで、中国料理でも珍重されている素材だ。<br />私はあえて見なかったが、彼はおもむろにナイフを取り出し、コンパーメントの中でその肉を削ぎ始めたそうである。<br />結局食堂車には検疫の問題で断られたらしいが、何ともシベリア的なハプニングではないか。<br /><br />この日である、ルーマニアのチャウチェスク大統領が公開処刑されたというニュースが車内を駆け巡ったのは。マリーナさんがキオスクでプラウダを買って読んでいた。<br /><br />夕闇が迫る中、モスクワが近づく。皆通路のガラスにへばりついて感慨無量の様子。<br />このロシア号の旅は様々な新鮮な体験によって確かに充実していた。<br />また三食昼寝付きでもあった。お陰で旅行記の詳細なメモを取ることもできた。<br /><br />17時、モスクワ駅に到着。車中計5泊7日のシベリア横断鉄道の旅が終わった。大仕事を成し遂げたような満足感が込み上げる。「やはりこのツアーを選んで良かった」と思う。<br /><br />18時、モスクワオリンピックの時に建てられたホテル「コスモス」にチェックイン。プールもあればディスコもある高級ホテルだ。<br />バイキング式の夕食を済ませた後、添乗員さんら数名と地下鉄で赤の広場へ。ほかの仲間は夕食も摂らずにボリショイ劇場へバレエを見に行った。<br /><br />いくつもの尖塔を持つクレムリン宮殿が、おとぎの国のお城のような聖ワシリー寺院がライトアップされていてこの上なく美しい。<br />また、1時間ごとに行われるレーニン廟の衛兵の交代の儀式も目にすることができた。兵隊さんが機械仕掛けの人形のように行進し、表情も全く変えない。社会主義の国にもこのような儀式があるのだから滑稽だ。<br />この兵士らを笑わせると「レーニン勲章」がもらえるというブラックジョークがある。ソ連最高位の勲章で、一時金も年金も獲得できる。<br /><br />23時、申し込んでおいた自宅への電話がつながる。何事もなくほっとする。<br />当時、ソ連⇔日本間の電話はまだダイヤル式ではなく「予約申し込み式」だった。料金も5分単位で5000円と大変高額だった。<br /><br />明日はモスクワ観光の後、夜行特急でレニングラードへと向かう。<br /><br />実はボリショイ劇場へバレエを見に行った仲間たちに謝らなければならないことがある。面と向かって言えることではないのでここに書く。<br />彼らは夕食も摂らずに出かけたので、ホテルのレストランで彼らの分にと思ってサンドウィッチを人数分作った。バイキング式だからそれが可能だった。<br />いざレストランを出ようとした際にそれを入れる袋を誰も持っていないことに気づいた。<br />私は部屋に戻り適当な袋を探した。いろいろ探したが見当たらない。仕方がないので汚れ物を入れておいたビニール袋を空けて持って行った。もちろんレストランで待っていた仲間にもその袋の出所は告げていない。<br />ボリショイ劇場から帰った仲間は、「おいしいおいしい、さすがMさん(私)は気が利く」と喜んだ。私だけの秘密だ。

シベリア鉄道の車窓から=35年前の真冬の冒険 ⑨ こんばんは、モスクワ

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1989/12/29 - 1990/01/05

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14

かちかち山たぬ吉

かちかち山たぬ吉さん

12月29日、8日目。朝食が済むと、車掌さんの友人だというセルゲイ青年と富山の数学教師F氏がチェスで国際対局を開始。結果は日本の三連敗だった。

そのセルゲイ青年が何と熊の手を持っていた。熊手ではない、本物の熊の手だ。
イルクーツクで自分が銃で仕留めたもので、食堂車へ持ち込んで料理してもらうのだと言う。
熊の手は煮込むと大変おいしいそうで、中国料理でも珍重されている素材だ。
私はあえて見なかったが、彼はおもむろにナイフを取り出し、コンパーメントの中でその肉を削ぎ始めたそうである。
結局食堂車には検疫の問題で断られたらしいが、何ともシベリア的なハプニングではないか。

この日である、ルーマニアのチャウチェスク大統領が公開処刑されたというニュースが車内を駆け巡ったのは。マリーナさんがキオスクでプラウダを買って読んでいた。

夕闇が迫る中、モスクワが近づく。皆通路のガラスにへばりついて感慨無量の様子。
このロシア号の旅は様々な新鮮な体験によって確かに充実していた。
また三食昼寝付きでもあった。お陰で旅行記の詳細なメモを取ることもできた。

17時、モスクワ駅に到着。車中計5泊7日のシベリア横断鉄道の旅が終わった。大仕事を成し遂げたような満足感が込み上げる。「やはりこのツアーを選んで良かった」と思う。

18時、モスクワオリンピックの時に建てられたホテル「コスモス」にチェックイン。プールもあればディスコもある高級ホテルだ。
バイキング式の夕食を済ませた後、添乗員さんら数名と地下鉄で赤の広場へ。ほかの仲間は夕食も摂らずにボリショイ劇場へバレエを見に行った。

いくつもの尖塔を持つクレムリン宮殿が、おとぎの国のお城のような聖ワシリー寺院がライトアップされていてこの上なく美しい。
また、1時間ごとに行われるレーニン廟の衛兵の交代の儀式も目にすることができた。兵隊さんが機械仕掛けの人形のように行進し、表情も全く変えない。社会主義の国にもこのような儀式があるのだから滑稽だ。
この兵士らを笑わせると「レーニン勲章」がもらえるというブラックジョークがある。ソ連最高位の勲章で、一時金も年金も獲得できる。

23時、申し込んでおいた自宅への電話がつながる。何事もなくほっとする。
当時、ソ連⇔日本間の電話はまだダイヤル式ではなく「予約申し込み式」だった。料金も5分単位で5000円と大変高額だった。

明日はモスクワ観光の後、夜行特急でレニングラードへと向かう。

実はボリショイ劇場へバレエを見に行った仲間たちに謝らなければならないことがある。面と向かって言えることではないのでここに書く。
彼らは夕食も摂らずに出かけたので、ホテルのレストランで彼らの分にと思ってサンドウィッチを人数分作った。バイキング式だからそれが可能だった。
いざレストランを出ようとした際にそれを入れる袋を誰も持っていないことに気づいた。
私は部屋に戻り適当な袋を探した。いろいろ探したが見当たらない。仕方がないので汚れ物を入れておいたビニール袋を空けて持って行った。もちろんレストランで待っていた仲間にもその袋の出所は告げていない。
ボリショイ劇場から帰った仲間は、「おいしいおいしい、さすがMさん(私)は気が利く」と喜んだ。私だけの秘密だ。

旅行の満足度
5.0
観光
4.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 観光バス 徒歩 飛行機
航空会社
アエロフロート・ロシア航空
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)
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この旅行記へのコメント (4)

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  • Emmyさん 2024/12/21 00:28:36
    憧れのシベリア鉄道!
    かちかち山たぬ吉さん、おはようございます!

    5泊7日のシベリア横断鉄道の旅!長旅ですね。皆さんがモスクワ到着を待ち侘びる気持ちがよくわかります。

    車中でのチェス国際対決に本物の熊の手騒動。色んなハプニングがあって楽しそう。コンパートメントだからできる体験ですね。貴重な体験をされましたね。

    私も死ぬまでにシベリア鉄道に乗ってモスクワに行きたいです。冬は寒そうですが、やはりシベリア鉄道は雪景色が似合いますね。

    続きを楽しみにしています。

    Emmy

    かちかち山たぬ吉

    かちかち山たぬ吉さん からの返信 2024/12/21 09:11:12
    Re: 憧れのシベリア鉄道!
    コメントありがとうございます。
    はい、忘れがたい貴重な体験をたくさん致しました。
    確かに冬は寒いですが、シベリア鉄道は真冬をお勧めします。ほかの季節と比べて旅のインパクトが全く違うように思います。
    また、Emmyさんは旅慣れていらっしゃるようですが、シベリア鉄道の旅だけはロシア語ガイド付きのツアーをお勧めします。

    スズダリの旅行記を興味深く読ませていただきました。
    実は2005年4月にも航空機でロシアに行き、スズダリにも1泊したのですが、まだまだ雪深くて撮影もままならないほどでした。
    おまけにカメラのメモリーチップが破損して、このロシア旅行の写真はすべて「無」に帰しました。ははは。

    Emmy

    Emmyさん からの返信 2024/12/21 09:41:09
    Re: 憧れのシベリア鉄道!
    かちかち山たぬ吉さん

    2005年といえば、カメラがフィルムからデジカル化に移行していた頃ですよね。私もメモリーチップで色々トラブった経験があるのでよくわかります。悔しいですよね。

    かちかち山たぬ吉さんのロシア旅行記続編は写真なしでは難しいですか?きっとかちかち山たぬ吉さんの中ではしっかりご記憶に残っていらっしゃると思いますが、旅行記にお邪魔してご一緒したいものです。

    Emmy

    かちかち山たぬ吉

    かちかち山たぬ吉さん からの返信 2024/12/21 16:23:58
    Re: 憧れのシベリア鉄道!
    Emmyさん コメントありがとうございます。

    2回目のロシア旅行は全くメモを取っておりません。もう自営業に移行しており、社誌への投稿が必要なかったのです。
    日程表などを引っ張り出し見ればある程度のことは思い出せるかもしれませんがちょっと自信がありません。

    アイルランド、東欧4か国等の写真は残っておりますので、そちらを順次投稿してゆきたいと思っています。

    それにつけても、タルコフスキーの「アンドレイ・ルブリョフ」などよくご存じですね。
    彼の作品はDVDですべて持っておりますが、時にメチャクチャ難解な作品があって往生します。「水」へのこだわりがすごいですね。

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