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12月24日、3日目。朝食中の9時にウルシャ駅着。ここで下りのロシア号とすれ違ったが、カメラを携えていなかったのでただ見過ごすだけだった。<br />と言っても列車の窓ガラスの外側はもともと汚れきっているので窓を通して綺麗な写真を撮るのは難しい。<br />そこで昼下がりのアマザル駅でホームに降り、みんなで背を伸ばしティッシュで窓ガラスを水拭きする。<br />だが拭くそばから凍り付くため汚れはなかなか落ちない。これは今後の課題となった。<br /><br />15時、女性の車掌さんに紅茶を注文する。紅茶だけは車掌さんがいれてくれる。<br />大きな角砂糖が二つもついて5カペイカ、日本円でわずか1円だ。<br /><br />各車両には必ず一人車掌さんがいて、列車のドアの開閉、車内の清掃、暖房の調整などにあたっている。紅茶のデリバリーも彼らの仕事だ。<br />ウラジオストク・モスクワ間の一往復連続2週間を昼夜2交代でこなすハードな仕事だが、女性もいれば年配者もいる。<br />次の2週間が丸々休みなのでそこが魅力らしい。また各車両の彼らの部屋は狭いながらも個室になっている。<br /><br />私はこの旅行でロシア紅茶の正しい飲み方を初めて知った。<br />まず角砂糖がついてきた場合はそれを紅茶に少し浸し、かじっては紅茶を飲みかじっては飲む。こうすると角砂糖は1個で充分なので、溶かして飲むより減糖になる。<br />ジャムがついてきた場合はそれをスプーンですくって舐めては紅茶を飲み、舐めては飲む。<br />ジャムを紅茶に入れてかき回して飲むのは邪道だそうだ。<br /><br />16時、コンパートメントでロシア語教室が開かれた。先生はもちろんガイドのマリーナさんだ。<br />私たちは遊びのつもりでも先生はそう思っていない。ジョークを言ってもたしなめられる。<br />インツーリストの職員と言えば立派な国家公務員だからお堅いのも当然か。<br /><br />この日の車窓には雪原、白樺林、なだらかな山々が終日続き、時に寒村が見え隠れした。<br />この日は計6駅でホームに降り立った。<br /><br />今夜はヨールカ祭(クリスマスイブ)だが、さすが社会主義の国、車内には何の飾りつけも無くクリスマスソングも聞こえなかった。<br /><br />就寝間際、誰かの発案で明朝4時にチタ駅に降り立ってみる約束がまとまった。<br />そこには中国からの列車が乗り入れており、シベリア鉄道の要衝のひとつとなっている。<br /><br /><ここで少し触れておきますが、この旅行記を書くためにはメモ帳が手放せませんでした。列車の通路で、ベッドの上で、あるいは移動のバスの中で、自分にしか解らないような乱雑な字でメモを取りまくりました。>

シベリア鉄道の車窓から=35年前の真冬の冒険 ④ ロシア紅茶の正しい飲み方

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1989/12/24 - 1990/01/05

93位(同エリア149件中)

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かちかち山たぬ吉

かちかち山たぬ吉さん

12月24日、3日目。朝食中の9時にウルシャ駅着。ここで下りのロシア号とすれ違ったが、カメラを携えていなかったのでただ見過ごすだけだった。
と言っても列車の窓ガラスの外側はもともと汚れきっているので窓を通して綺麗な写真を撮るのは難しい。
そこで昼下がりのアマザル駅でホームに降り、みんなで背を伸ばしティッシュで窓ガラスを水拭きする。
だが拭くそばから凍り付くため汚れはなかなか落ちない。これは今後の課題となった。

15時、女性の車掌さんに紅茶を注文する。紅茶だけは車掌さんがいれてくれる。
大きな角砂糖が二つもついて5カペイカ、日本円でわずか1円だ。

各車両には必ず一人車掌さんがいて、列車のドアの開閉、車内の清掃、暖房の調整などにあたっている。紅茶のデリバリーも彼らの仕事だ。
ウラジオストク・モスクワ間の一往復連続2週間を昼夜2交代でこなすハードな仕事だが、女性もいれば年配者もいる。
次の2週間が丸々休みなのでそこが魅力らしい。また各車両の彼らの部屋は狭いながらも個室になっている。

私はこの旅行でロシア紅茶の正しい飲み方を初めて知った。
まず角砂糖がついてきた場合はそれを紅茶に少し浸し、かじっては紅茶を飲みかじっては飲む。こうすると角砂糖は1個で充分なので、溶かして飲むより減糖になる。
ジャムがついてきた場合はそれをスプーンですくって舐めては紅茶を飲み、舐めては飲む。
ジャムを紅茶に入れてかき回して飲むのは邪道だそうだ。

16時、コンパートメントでロシア語教室が開かれた。先生はもちろんガイドのマリーナさんだ。
私たちは遊びのつもりでも先生はそう思っていない。ジョークを言ってもたしなめられる。
インツーリストの職員と言えば立派な国家公務員だからお堅いのも当然か。

この日の車窓には雪原、白樺林、なだらかな山々が終日続き、時に寒村が見え隠れした。
この日は計6駅でホームに降り立った。

今夜はヨールカ祭(クリスマスイブ)だが、さすが社会主義の国、車内には何の飾りつけも無くクリスマスソングも聞こえなかった。

就寝間際、誰かの発案で明朝4時にチタ駅に降り立ってみる約束がまとまった。
そこには中国からの列車が乗り入れており、シベリア鉄道の要衝のひとつとなっている。

<ここで少し触れておきますが、この旅行記を書くためにはメモ帳が手放せませんでした。列車の通路で、ベッドの上で、あるいは移動のバスの中で、自分にしか解らないような乱雑な字でメモを取りまくりました。>

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 観光バス 徒歩 飛行機
航空会社
アエロフロート・ロシア航空
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)
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