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12月28日、7日目。午前0時にノボシビルスク駅到着。<br />まずウオッカの瓶をホームの雪の下に埋める。ウオッカはギンギンに冷やしてトロ味を出すと旨い。<br /><br />ここは第二次世界大戦時の独ソ戦で、スターリンが軍事工場を丸ごと疎開させたのがきっかけで発展した街だ。ドイツ空軍機が飛んで来れないウラル山脈の東を選んだそうだ。随分大胆なことをやったものだ。<br />今やシベリア最大の150万都市だけあって駅舎も5階まである。<br />女性陣の記念撮影の雑用係として2階のチケットビューローまで行ってみたが、深夜にもかかわらず大変な混雑だ。<br />ここでも東洋系の人々を多く見かけたが、表情がはつらつとしている。この大工業都市で働くことを誇りに思っているかのようだ。<br /><br />ウオッカをチビリチビリやってしばし床に就く。同室のS氏はウィスキー党で相当数のボトルを仕込んできている。しかも専用のリュックで。<br />ついでながら、日本人は元来食道や胃の粘膜が弱く、アルコール度19度以上の酒をストレートで飲むとそれらに炎症を起こすという医学的データがあるそうだ。<br />実は私、この10年後にそれで入院し酒をやめた。今は全く飲んでいない。<br /><br />空腹感で6時に目覚め通路でカップヌードルを食べた。ルームメイトは皆まだ寝ているから「通路で」なのだ。<br />食堂車の朝食では目玉焼きに持ってきた醬油を使い、皆でインスタント味噌汁を飲んで梅干も食べた。ウェイター、ウェイトレスのあざけりにも似た視線、もうそんなものはお構いなしである。この時期のこのツアーに参加すること自体、奇人変人の集まりなのだから。<br /><br />また食堂車には出前係のおじさんがいて、アルミ鍋のような器に入った食事を事前注文に応じてコンパーメントまで届けている。これを利用できるのは裕福なロシア人だけで、多くの人は持ち込んだ食料を工夫して食事をとっている。<br />食堂車を利用できる人も限られているのが現状だ。<br /><br />17時。宵闇の中、ウラル山脈にあるアジアとヨーロッパの境界を通過した。オベリスクが立っているはずだが暗くて見えず、皆ただ闇雲にストロボをたくだけだった。<br />山脈といっても丘陵にしか見えない。列車は難なく登り降りできるしトンネルもない。<br /><br />このシベリア鉄道だが、改善して欲しい点がいくつかあった。<br />まず走行中に時として恐ろしいまでの上下動を来たす。脱線の恐怖さえ感じる。保線がうまくいっていないのだろうか。<br />にもかかわらず上段ベッドには転落防止用の柵が無い。カーテンが無いのはすでに書いたとおりだ。<br />そして上段に登るためのはしごの足掛け部分がステップではなくて細い棒のため、足の裏がとても痛い。靴を履いたまま登ることを想定しての設計だろうか。<br />また、トイレにはペーパーが備えられていない。各自その都度、部屋から自前のペーパーを持参するのだ。<br />更に車両と車両の連結部分の両端には、子供なら落ちてしまうほどの大きな隙間があり、そこから銀色の線路が覗けるのだ。当然寒風が吹きこむ。<br />私たちは日に三度、そこを渡って4両先の食堂車まで往復した。<br /><br />今では新しい車両が導入されているそうだが、果たしてどこまで改善されただろうか。<br /><br />窓の外には今日も一日雪が舞っていた。いよいよシベリア鉄道最後の夜、明日はモスクワだ。S氏と飲みながら音楽談議に花を咲かせる。彼は大のクラシック愛好家だ。よくチャイコフスキーを「ラ、ラ、ラ」で歌っていた。

シベリア鉄道の車窓から=35年前の真冬の冒険 ⑧ シベリア鉄道の改善して欲しい点

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1989/12/28 - 1990/01/05

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かちかち山たぬ吉

かちかち山たぬ吉さん

12月28日、7日目。午前0時にノボシビルスク駅到着。
まずウオッカの瓶をホームの雪の下に埋める。ウオッカはギンギンに冷やしてトロ味を出すと旨い。

ここは第二次世界大戦時の独ソ戦で、スターリンが軍事工場を丸ごと疎開させたのがきっかけで発展した街だ。ドイツ空軍機が飛んで来れないウラル山脈の東を選んだそうだ。随分大胆なことをやったものだ。
今やシベリア最大の150万都市だけあって駅舎も5階まである。
女性陣の記念撮影の雑用係として2階のチケットビューローまで行ってみたが、深夜にもかかわらず大変な混雑だ。
ここでも東洋系の人々を多く見かけたが、表情がはつらつとしている。この大工業都市で働くことを誇りに思っているかのようだ。

ウオッカをチビリチビリやってしばし床に就く。同室のS氏はウィスキー党で相当数のボトルを仕込んできている。しかも専用のリュックで。
ついでながら、日本人は元来食道や胃の粘膜が弱く、アルコール度19度以上の酒をストレートで飲むとそれらに炎症を起こすという医学的データがあるそうだ。
実は私、この10年後にそれで入院し酒をやめた。今は全く飲んでいない。

空腹感で6時に目覚め通路でカップヌードルを食べた。ルームメイトは皆まだ寝ているから「通路で」なのだ。
食堂車の朝食では目玉焼きに持ってきた醬油を使い、皆でインスタント味噌汁を飲んで梅干も食べた。ウェイター、ウェイトレスのあざけりにも似た視線、もうそんなものはお構いなしである。この時期のこのツアーに参加すること自体、奇人変人の集まりなのだから。

また食堂車には出前係のおじさんがいて、アルミ鍋のような器に入った食事を事前注文に応じてコンパーメントまで届けている。これを利用できるのは裕福なロシア人だけで、多くの人は持ち込んだ食料を工夫して食事をとっている。
食堂車を利用できる人も限られているのが現状だ。

17時。宵闇の中、ウラル山脈にあるアジアとヨーロッパの境界を通過した。オベリスクが立っているはずだが暗くて見えず、皆ただ闇雲にストロボをたくだけだった。
山脈といっても丘陵にしか見えない。列車は難なく登り降りできるしトンネルもない。

このシベリア鉄道だが、改善して欲しい点がいくつかあった。
まず走行中に時として恐ろしいまでの上下動を来たす。脱線の恐怖さえ感じる。保線がうまくいっていないのだろうか。
にもかかわらず上段ベッドには転落防止用の柵が無い。カーテンが無いのはすでに書いたとおりだ。
そして上段に登るためのはしごの足掛け部分がステップではなくて細い棒のため、足の裏がとても痛い。靴を履いたまま登ることを想定しての設計だろうか。
また、トイレにはペーパーが備えられていない。各自その都度、部屋から自前のペーパーを持参するのだ。
更に車両と車両の連結部分の両端には、子供なら落ちてしまうほどの大きな隙間があり、そこから銀色の線路が覗けるのだ。当然寒風が吹きこむ。
私たちは日に三度、そこを渡って4両先の食堂車まで往復した。

今では新しい車両が導入されているそうだが、果たしてどこまで改善されただろうか。

窓の外には今日も一日雪が舞っていた。いよいよシベリア鉄道最後の夜、明日はモスクワだ。S氏と飲みながら音楽談議に花を咲かせる。彼は大のクラシック愛好家だ。よくチャイコフスキーを「ラ、ラ、ラ」で歌っていた。

旅行の満足度
5.0
観光
4.0
ホテル
4.0
グルメ
4.0
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 観光バス 徒歩 飛行機
航空会社
アエロフロート・ロシア航空
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)
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