イギリス一周　3500km走破のドライブ旅　《7日目　グレンフィナン　グレンコー　グラスゴー編》

2024/07/10 - 2024/07/25

1年前、勤続30周年で約3週間のご褒美休暇に『全英オープンゴルフ観戦』をしたいと言い出した旦那さん。
開催地はトゥルーン…ってどこ？
スコットランドのグラスゴー近くにあるらしい。

スコットランドに興味も関心もなかった私。
4年前にロンドンを中心に旅行したけど、コロナを境に状況は一変している模様。
1年かけて現在の情報を調べ、歴史を学び、円安に怯えながらコツコツとルートを組み立てていきました。

歴史好き、ハリーポッター好き、ウィスキー好きの息子も途中から合流することになり、行きたい所をリストアップしていったら、イギリスをぐるりと一周するようなルートに。その距離なんと3500km！
ほぼ修行のような旅程、本当に行けるのか？最後まで体力は持つのか？

7日目です。
スコットランドの大自然をレンタカーで駆け抜ける1日です。
そして大都市グラスゴーへ。

旅のスケジュール

7/10(水)朝、JAL 大阪空港→羽田→ロンドンへ　　　　　　 ロンドン泊
11(木)～12(金) ロンドン観光　　　　　　　　　　　　　　 ロンドン泊　
13(土) 息子ヒースロー空港で合流、レンタカーでヨーク→ダラム観光→
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハドリアヌスの城壁付近にて泊
14(日) ハドリアヌス→アニック城→ホーリーアイランド→ エジンバラ泊
15(月) スペイサイドのウィスキー蒸溜所巡り　　 インヴァネス泊
16(火) ネス湖→グレンフィナン→グレンコー　　 グラスゴー泊
17(水) 全英オープンゴルフ観戦、キャンベルタウン等　　 グラスゴー泊
18(木) 全英オープンゴルフ観戦　　　　　　　　　　　　 グラスゴー泊
19(金) 息子　エジンバラ→日本へ帰国
　　　　見送り後エジンバラ観光　　　　　　　　　　　 エジンバラ泊
20(土) セントアンドリュースのウォーキングツアー参加
　　　　エジンバラ観光　　　　　　　　　　　　　　　　 エジンバラ泊
21(日) カーライル大聖堂→チェスター観光　　　　　　　 チェスター泊
22(月) ウェールズ地方観光　　　　　　　　　　　　　　 チェスター泊
23(火) ストークオントレント→コッツウォルズ観光　 コッツウォルズ泊
24(水) コッツウォルズ観光→ヒースロー空港へ
　　　　レンタカー返却　夕方　JAL ヒースロー空港発　　　　　 機内泊
25(木) 羽田空港→大阪空港→自宅へ

エリア イギリス

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

16日(火)、薄靄のインヴァネスの朝。
　
今日はゆっくりめの出発です。
ホテルの朝食ビュッフェをたっぷりといただきました。
お昼兼用です。

10時のチェックアウト頃には、靄も晴れて青空となりました。
昨日も思いましたが、この周辺にもっと滞在するスケジュールにすれば良かった。
宿泊だけなんてもったいない街でした。

おじさんがペットボトルにお水を溜めています。
スコットランドではこの青い給水場があちこちにあります。

旅行ではいつも髪がギシギシになりますが、スコットランドではしっとり、まとまりやすいと実感しています。肌も乾燥しない。
やっぱり水がいいんですね。

車をホテルに回してくるのではなく、わざわざ駐車場までスーツケースを引きながら歩いて行きます。
少しでもこの風景を感じていたくて。

名残惜しいけどインヴァネスを出発します。
次の目的地へは30分くらいで到着。
「LOCH NESS 」そう、ネッシーの住むネス湖です。

目を凝らして探しましたが、残念ながらネッシーは発見できませんでした。　
静かな湖面です。

細長いネス湖に沿って南に進んだ先にあるグレンフィナンという小さな小さな集落です。

はい、今度はハリーポッター関連です。
カーブを描く線路をホグワーツ特急が走る場面が印象的なあの場所です。
1日2往復、ホグワーツ特急になった黒と赤の機関車（ジャコバイト号）が走るのです。
訪れるにはなかなか難しい場所ですが、大きい駐車場もほぼ満車の大盛況ぶり。
早めに来て良かった。
1.20pmに通過するジャコバイト号を見るため、ここから20分ほどトレイルを歩きます。

楽しいハイキングの途中で、あの高架橋の下をくぐります。
ここからは登りです。

皆さん、あちこちに腰をおろしています。
背が低い私でも見渡せる場所を探して座りましたが、息子くんは別の場所を選択。
各々ベストポジションと思う場所で陣取り、違う電車が通るのを眺めたり軽食をつまみながら、蒸気機関車が来るのを待ちます。
通過時間に近づくにつれ人がどんどん増えてきました。

あっ、来た！
その場にいる人が一斉にどよめきます。

ん？

んんん？

赤と黒のホグワーツ特急とちゃうやん！

何食わぬ風にやってきた機関車、ここで一旦停車して、申し訳ない程度の蒸気を吐きます。

運転士さん、こっちの反応窺ってドヤ顔ですが、違いますから。

その場にいた人がため息とともに、無言で山を降りていく姿は万国共通でした。
何かあったんでしょうね。仕方ないけど。

グレンフィナン駐車場まで戻りました。
駐車場の前の道を渡ると、グレンフィナンモニュメントが見えます。

この銅像はジャコバイト軍の戦士像と言われています。
機関車名ともなっている「ジャコバイト」とは、1688年イングランドで起こった名誉革命の反革命勢力の通称です。
18世紀、王朝再興をかけ政府軍に反乱を起こします。その時に彼の軍旗が掲げられたのが、記念碑が立っているここ、グレンフィナンです。
スコットランド独立心や愛国心のシンボルとして、今もスコットランド人の誇りです。

スコットランドを旅するにあたり歴史を学ぼうと、映画「ブレイブハート」を観ました。
脚色されてるとは言え、その映画に出てくるイングランドの残虐な制圧に戦慄を覚えました。
スコットランドにとってはイングランドは悪。
逆もまた然り。イングランド側にも言い分があるのでしょう。
それでもスコットランドが弾圧に耐え続けた歴史があることは事実です。

現代の世界でも同じようなことが起こっているように思えてなりません。
この美しい景色を見ながら、考えてしまいました。

グレンフィナンを離れ、次の目的地に向かいます。

グレンコーです。
スコットランドで最も美しいと言われる峡谷。
ここは私のリクエスト。
氷河の侵食により作られた、日本ではあまり見ない地形です。

グレンコーはゲール語で「嘆きの谷」という意味。
1692年「グレンコーの大虐殺」と呼ばれる悲しい歴史がここにもあります。
胸が詰まるような悲劇です。
そんな歴史を刻みながらも、雄大な自然の美しさで包み込んでくれる絶景がここにはあります。

実はここもハリーポッターが関係しています。
この雄大な景色がホグワーツの建物の背景として使用されているそう。

アズカバンの囚人以降のハグリットの小屋は、実際ここにセットが組まれて撮影されたとか。
今は撤去して跡形もないけど。

他にも007シリーズとか数多くの映画の撮影場所になっているそう。

ここはスリーシスターズというポイントかな？
有名スポットのため車が集中してしまい、駐車場に停めるのに危険を感じたので、すぐ出ることにしました。

狭い谷の底に道路があり、その両側から1000m級の山々が覆い被さってくる感じです。

少し開けた風景になりました。
スリーシスターズから2kmほど離れた所にある駐車場。
ここは整然と車が並び、安全そうなので停めます。
車はあるけど、周りに人はいません。
この辺りはトレイルコースがたくさんあり、皆さん本格的なトレッキングに出かけています。
私たちも思い思いの場所を歩きます。

ぐんぐん上まで登っていく息子くん。
あっという間に姿が見えなくなりました。

私は足元の花を見たり景色を写真に収めたりでなかなか進みません。
それぞれの楽しみ方をしています。

グレンコーは1日のうちで四季があると言われている気候。
目まぐるしく天気が変わります。
さっきまでどんより曇っていたのに、ここは吸い込まれるような青空。

360度広がるパノラマの世界は私のカメラ技術なんかじゃ収まりきりません。
自然の素晴らしさや圧倒的な迫力は、実際に見て触れて五感で感じるもの。
私の中の感動スイッチのメーターが振り切れました。

息子くんが帰ってきました。

彼の目線からの風景。
大自然の中の旦那さんと私。

晴天でも雨でも曇っていても雰囲気があります。

ここまでの道のりは大変だったけど、一生の想い出となる風景がここにありました。

スコットランドの自然を充分に堪能して出発します。
向かうはスコットランド最大都市、グラスゴー。
今までほぼ一本道、のんびりドライブを楽しんでいたけれど、徐々に車の量も増えて道も複雑に。
更にイギリスならではの交通ルールがややこしい。

高速を降りて、迷い迷いながらやっと辿り着きました。
家主のレイモンドさんが待っていてくれて、部屋の説明をしてくれました。
これから3日間お世話になります。

ウェストジョージストリートアパートメント。
キッチン付きのコンドミニアムです。

グラスゴーにはグラスゴー中央駅とクイーンズストリート駅という大きな駅が二つあるのですが、そのちょうど中間に位置する非常に便利の良い立地です。
どちらの駅にも5分くらいで行けます。

部屋は2LDKです。
一棟貸切なので、3日間家族で自由に使うことができます。
ドアがたくさんあり、しばらくは家の中で迷子状態。

ここは息子くんの部屋です。
通りに面して夜は賑やかになるかもしれませんが、彼は寝たら何があっても起きないので大丈夫でしょう。

息子くんの部屋についてるバルコニーから見る風景。

私と旦那さんの部屋。
こちらは落ち着いたシックな雰囲気。
質の良いタータンチェックのベッドランナーがスコットランドですね。

トイレとシャワールーム。

キッチンです。
コンパクトながらなんでも揃っています。
多分、日本の味が恋しくなる頃なのではと思い、自炊できるキッチン付きの部屋が第一条件でした。
想定外だったのはイギリスの食事が美味しくて日本食が恋しくならなかったこと(笑)
窓からこんな景色を見ながらお料理できるなんて嬉しすぎる。

キッチンに洗濯乾燥機も付いています。

今晩はパスタとベーコンを買ってペペロンチーノを作りました。
簡単、美味しい、安い。

いちごが旬なので毎日1パックくらい食べています。

家主のレイモンドさん、パンやコーンフレーク、牛乳などの朝食セットを準備してくれていました。

そしてなんといってもこの広々リビング。
我が家は3人家族のため、ホテル利用をする場合、2部屋を利用することが多いです。
当然、年頃の息子が1部屋を独占するのですが、共通の道具の貸し借りや集合時間のすり合わせなんかも結構大変。

ここは自炊できるし、たまった洗濯もできるし、プライバシーも確保できるので、我が家のような家族構成にはピッタリでした。
少しお高めの料金設定でしたが、思い切って良かった。
こんな素敵な場所で暮らすみたいに生活ができるのって幸せです。

食事を終えて、リビングで寛ぎます。

この壁紙、素敵。
部屋が広くて天井が高いからこそマッチするんでしょうね。
小物はアジアンチックなものでまとめられています。
本当におしゃれです。

ここで息子くん、爆弾発言。
元々、明日は単独行動することになっていたんだけど、車でここから300Km先にあるキャンベルタウンという町に行って来ると言います。
車の運転はともかく、イギリスの交通ルールをほとんど知らない、事故に遭った時の処理の仕方も知らないので非常に心配です。
wi-if環境も不安定な場所っぽい。

明日、私たちは全英オープンゴルフ観戦に行く予定。
すでにチケットを購入済み。
タイガーウッズと息子くん…私はどっちに行こう？
天秤にかけて息子が勝ちました。
息子は必要ない（来られる方が迷惑って態度がありあり）って言うんだけど、こちらが落ち着かないので一緒について行くことに。
往復600km、ナビや運転の交代要員としても少しはサポートしたい。
さあ、予定が大幅に変更、早く寝て明日に備えよう。

旦那さんは予定通りゴルフ観戦へ。
HPで明日のスケジュールが発表されて、予習に余念がありません。
お先に失礼しますね。
おやすみなさい。