津和野から萩、角島、秋芳洞を経由して山口市内へ☆山口市内散策

2024/10/18 - 2024/10/19

山陰の小京都と呼ばれ、和洋文化が調和した城下町・津和野、
明治維新に多大な影響を与え、風情ある街並みが残る萩、
青い海に架かる角島大橋と、自然が創り出した絶景・秋芳洞と秋吉台、
西の京と呼ばれ、200年にわたる大内文化が色濃く残る山口市街、
を6日かけて巡ってきました。歴史あり、自然あり、とりわけ歴史好きには面白いエリアです。

この旅行記は山口市内の史跡を訪ねた時のものです。

エリア 山口市(山口)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー 新幹線 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

10月１８日は湯田温泉に泊まりました。チェックインする前にJR山口線湯田温泉駅に寄りました。駅前に高さ８ｍの白狐のモニュメントがありました。湯田温泉白狐の湯と書かれ、愛称はゆう太です。傷ついた白狐が発見したという白狐伝説が説明板に書いてありました。

ゆう太 名所・史跡

朝から雨が降っていますが、山口市内観光を始めました。常栄寺に行きました。大内政弘の母の菩提を弔うために、別邸だった地を寺にしたそうです。趣ある鐘楼門が建っています。

常栄寺 寺・神社・教会

本堂から南溟庭を眺めました。住職が雪舟より良い庭を作られては困る。恥をかくような下手な庭を作ってもらいたいと重森三玲に依頼した枯山水庭園です。先ほどくぐった鐘楼門と天皇や使いの者のみが通ることのできた勅使門を組み合わせたすっきりとした庭園です。

常栄寺 寺・神社・教会

本堂の裏に、室町時代の画家・雪舟によって築庭された庭園が広がっています。周囲を山に囲まれ、池を中心にした緑豊かな池泉回遊式庭園で、本堂と池の間には大小さまざまな石が配置されています。庭園内を散策することもできましたが、大雨になったので本堂から眺めるだけになってしまいました。訪れる人も少なく心落ち着く庭園です。

常栄寺雪舟庭 寺・神社・教会

香山公園に行きました。駐車場の横に香山公園前観光案内所があります。香山公園を散策するため地図をもらいに寄りました。

香山公園前観光案内所 名所・史跡

国宝五重塔で知られる瑠璃光寺を中心とした、室町時代から明治維新にかけての、多くの史跡や建物が残る広々とした香山公園です。薩長連合の密儀が行われた枕流亭や、毛利敬親が倒幕について密議を行った茶室・露山堂、萩藩主敬親、元徳、元昭とそれぞれの夫人が眠る墓所などがあり、歴史を感じることができました。

香山公園 公園・植物園

曹洞宗寺院の瑠璃光寺に参拝しました。応仁の乱で亡くなった大内氏の重臣・陶弘房の霊を弔うために、弘房の夫人が建てた寺です。寺域には応仁の乱で戦死した大内家25代義弘氏の菩提を弔うために、26代盛見氏が建立した国宝の五重塔が建っていますが、2026年3月まで改修中のため見学できませんでした。

瑠璃光寺 寺・神社・教会

瑠璃光寺の受付の後ろに資料館があります。修復工事中の五重塔の来歴のパネルがありました。全国各地の五重塔40塔の写真と説明が展示されていて、全国各地の五重塔のミニチュアが飾ってありました。

瑠璃光寺資料館 美術館・博物館

修理工事の作業状況のモニターがあり興味深かったです。屋根の作業をしていました。左下の画面がモニターです。受付スタッフが、五重塔は覆われて見えないが、作業している場所は中でライトをつけているので薄っすら灯りが漏れているからわかると教えてもらいました。モニターで見た場所が灯りのところだと知りました。

瑠璃光寺資料館 美術館・博物館

香山公園内の一画に萩藩主敬親、元徳、元昭とそれぞれの夫人が眠る墓所があります。背後には緑豊かな林があり、それぞれの墓石の後ろには古墳の様な小山が造られています。墓地の周囲には家臣が奉納したと思われる石燈籠も置かれていて、藩主の墓らしさが感じられました。墓所に向かう参道は、歩いたり手を叩いたりすると、石段に反響して音が出る鴬張りの石畳になっています。

香山公園 公園・植物園

幕末、薩摩から西郷隆盛や大久保利通たちが、長州からは木戸孝允や伊藤博文たちが集まり、薩長連合と倒幕についての密議を行った建物です。木造二階建てで、最初は一の坂川の流れが見える湖畔に建っていたことから、沈流亭という名が付いたそうです。現在、建物一階には、密議に参加した人物の説明が書かれたパネルが展示されています。明治維新はここから始まったのですね。

枕流亭 名所・史跡

香山公園を出ると洞春寺が建っています。現在の山口県を治めていた大内氏に代わり、その後山口を治めた毛利元就の菩提寺です。大内氏が納めていた頃に建っていた国清寺の地に建っています。現在の山門は国清寺当時からあったもので、重要文化財に指定されている檜皮葺の四脚門です。大きな本堂、木造の鐘楼門など歴史が感じられる寺です。

洞春寺 寺・神社・教会

香山公園から大内氏館跡へ向かいました。館跡駐車場のそばに八坂神社が建っています。24代当主大内弘世が650年ほど前に京都から勧請した神社です。1520年に建てられた檜皮葺の本殿が現在も使用されています。7月20日から7日間に渡って行われる山口祇園祭では、鷺二羽に奉納される鷺の舞が、500年近く途切れることなく演じられているそうです。訪れた時は静かな神社でしたが、長い歴史がある伝統的な民俗芸能を引き継いでいる神社であることがわかりました。

八坂神社 寺・神社・教会

八坂神社と隣り合うように建つ築山神社です。毛利輝元が大内義隆を祀るために建立した神社です。

築山神社 寺・神社・教会

八坂神社と築山神社が建つ敷地内の一画に、積み上げられた土塁が残っています。大内氏28代当主の教弘氏が築山館を築き、その後、歴代当主の居館になったところです。現在建物はなく、池も埋め立てられてしまい残っていません。当時の遺構として土塁のみが残っています。

築山跡(大内氏遺跡) 名所・史跡

大内氏館跡は室町時代の守護大名大内氏の居館があったところです。大内義隆の菩提寺龍福寺が館跡に建立されています。1978年から始められた発掘調査で、池泉庭園や枯山水庭園、門、井戸、台所の跡などが見つかり、復元整備されています。駐車場脇に土塁がありました。龍福寺境内にも庭園や門などが復元されていて散策しながら館を想像しました。

大内氏館跡(大内氏遺跡) 名所・史跡

大内氏館跡に建つ曹洞宗龍福寺に行きました。守護大名大内義隆を反乱で滅ぼした陶氏を毛利が滅ぼし、1557年に大内義隆の菩提を弔うために毛利隆元が館跡に建立しました。道路から山門までの参道は両側のモミジの枝が下がっていて、モミジのトンネルのようでした。

龍福寺 寺・神社・教会

建立当時の本堂は火災で焼失し、天台宗興隆寺の釈迦堂を移築しました。平成に保存修理工事が行われ、本堂は室町時代の姿へ戻されました。屋根の曲線が美しい本堂です。

龍福寺 寺・神社・教会

龍福寺本堂の手前に、龍福寺資料館があります。入口に大内義興の馬上展望像が建っています。掛軸や茶道具など龍福寺宝や大内義隆の略伝などが展示されています。大内義隆と毛利元就・隆元の対面場面を人形で表しています。毛利氏との親密な関係を知ることができました。

龍福寺資料館 美術館・博物館

竪小路に山口ふるさと伝承総合センターがあります。1886年に建築した酒造屋敷と土地が寄贈され市民がコミュニティ活動に使用しています。白壁で太い梁と高い天井の建物を地元の産業や文化の伝承と振興に利用されています。丸くて可愛らしい大内人形や大内塗、陶芸などが紹介されていて、作品が展示されています。

山口ふるさと伝承総合センター 美術館・博物館

訪れた時、イベント展示がありました。狂言の柿山伏で使われる装束と面などが展示されていました。なかなか接することがない伝統芸能を近くで見ることができました。

山口ふるさと伝承総合センター 美術館・博物館

室町時代、大内氏により京都を模して山口の町は作られました。一の坂川は京都の鴨川に見立てられたと説明板に記されています。川幅は約２ｍ、水の流れていない部分に草が生えています。川の両側の道路に桜並木があり、桜の時期はライトアップされ夜桜を観賞できるそうです。初夏にゲンジボタルが飛ぶそうです。きれいな水が流れています。

一の坂川 自然・景勝地

車で亀山公園に行きました。公園の南側、坂の途中に山口ザビエル記念聖堂が建っています。ザビエルが山口を訪れてから400年を記念して1952年に建てられました。1991年に焼失しましたが、1998年に現在の建物が再建されました。高さ53ｍの二本の塔と屋根が特徴の建物です。正面からはわかりませんでしたが、三角錐のデザインだそうです。結婚式に参列する人たちが集まり、新郎の姿が遠目に見えました。

亀山公園は山口県庁の南側にある高台の上にあります。戦国時代末期に長山城が築かれました。明治維新における長州藩の功績顕彰のため、当時としては珍しい西洋式銅像が建てられました。毛利敬親を中心に四支藩主と毛利元徳の銅像が建立されました。1906年に除幕式が行われ、一大銅像公園として開園しました。第二次世界大戦で銅像は供出され、台座のみ残りました。1980年山口市制施行50周年記念で、毛利敬親の新たな銅像が建立しました。芝生広場に松などの木が生えている静かな公園です。

亀山公園(亀山公園山頂広場) 公園・植物園

津和野から萩、秋芳洞、山口市内を巡った旅を終え、新幹線に乗るまで新山口駅構内を歩きました。駅改札口から連絡通路を北へ歩いたところに、新山口駅観光案内所があります。山口県内の名所の他、日本全国の名所の英語版のパンフレットがありました。訪れた時、スタッフが英語で観光客に説明していました。ゆっくり観光した６日間でした。

新山口駅観光案内所 名所・史跡