2024/10/18 - 2024/10/30
672位(同エリア17050件中)
ばねおさん
11泊したモンパルナスのシタディーヌは小さなキッチン付きホテル。
今年1月までのパリ暮らしの気分がまだ残っていて、自炊を基本にするつもりでいたのだが、限られた滞在では食材をあまり買い込むわけにもいかず、結局は、外食とテイクアウトが多くなってしまった。
パリでアパート暮らしをしていた時には、外食はせいぜい週1,2回程度であったものが、ほぼ毎日となると、いろいろ変化を求めたいところだが、振り返ってみると、食事先は自分が馴染んできたモンパルナスの周辺が多くを占めていた。
左岸の食事処というよりは、モンパルナス界隈としたほうが適切なのかも知れない。
写真がある中からピックアップしてみた。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
パリに到着した翌日、朝食をとりに向かったのはカフェ「La Liberté ラ・リベルテ(自由)」。ホテルからは5分もかからない距離にある。
ゲテ通りとエドガーーキネ通りと交差する角にあるこの店の斜向かいには、藤田嗣治が一時滞在していたホテル「Odessa オデッサ」があり、階下は同名のカフェでいつも賑わっている。 -
「La Liberté ラ・リベルテ」は、かってサルトルがよく利用していた店でもある。
サルトルというと、ボーヴォワールと共にサンジェルマンデプレのカフェ「フロール」と「ドゥ・マゴ」が良く知られているが、ここは言わば普段使いの店だったのだろう。
この近辺には二人の足跡が数多く残っている。 -
考えてみると、パリで暮らしていた6年の間で朝のカフェを利用したことは数えるほどしかなかった。住んでいるといつでも来れるという気持ちになるからだろう。
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せっかくなので、ここはカフェオレにクロワッサンと洒落込みたいところだが、どうもフランス式朝食では腹が持たない。
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頼んだのはこちら。
大きなソーセージにfrites(フライドポテト)の付け合わせ。
朝のエンジンをかけるにはこれくらいは必要だ。 -
朝食の間、外はいつの間にか小雨になっていた。
出てみると近くのカフェの路上席もすっかり濡れていた。 -
この日はエドガーキネのマルシェの日。
ここのマルシェにもずいぶんと通った思い出がある。
野菜、果物、チーズ製品の良い店が揃っている。
いつも賑わっているのだが、雨模様のせいか人出が少ない。 -
昼食に最初に行った店は「La Coupole(ラ・ク-ポール)」だ。
モンパルナスでは、「La Closerie des Lilas」と並んでやはりこの店は外せない。
1920年代の狂乱の時代のパリで、ここで時を過ごした芸術家たちの名を挙げればきりがないほどだ。
ソフィー・マルソーの出世作「La Boum (ラ・ブーム)」に登場するのもこの店だ。 -
アールデコで統一された店内装飾。
接客の良さ、料理の質、リーズナブルな料金。
自分にとってお気に入り上位5指に入っている。 -
魚介料理が定評で、昼から大きな盛り合わせをとっている客も少なくない。
こちらは少々しょぼいが、時間の都合もあり、昼定食の中からムール貝のワイン蒸し。
定番のフランスの味だ。と言っても、もともとはベルギーの料理で、この近くには有名な「レオン」もあり、ムール貝を食するなら何もク-ポールに来ずともよいのだが、やはり滞在中に一度は寄ってみたかった。 -
ク-ポールの地階にはダンスホールがあって、ある時、この店で知人と食事をした際に、週末にはここでよく踊ったと聞かされてびっくりした。
およそダンスとは無縁に思える人だけに、ずいぶん意外な面があるものだと驚いた。 -
そのダンスホールはいつも扉が閉まっていて内部がうかがえなかったのだが、今回、運よく中を見ることができた。
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かって、ジョゼフィン・ベーカーはじめ、ブルースやジャズの名だたる面々がここで大いに喝さいを浴びた昔日の面影が、まだまだ色濃く残っているようだ。
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昼食に行った2番目の店は、15区コメルス通りにある「Le Café du Commerce (コメルス)」。
100年を超す歴史を持つブラッスリーだ。
コメルス通りは長い商店街になっていて、高級店が並ぶサン・トノレ通りや庶民的なムフタール通りとはまた趣を異にする、至って雰囲気の良い通りである。 -
食事をしたのは1階席。
開店間もない時刻であったため入店客は少ないが、やがて次第に増えてきてしばらくすると満席になった。 -
まだ客が少ないのを幸いにして2階に上がり写真を撮ってきた。
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客席は3階まであって、中央が天井のガラス屋根まで吹き抜けになっている。
この構造がこの店の売りでもあるが、レストランになる前はブティックであったらしい。 -
昼食には数種類の定食が用意されていて、皿料理+デザート+カフェで19.6ユーロである。
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定番中の定番。
ステーキとfrites。自家製ソース付。
日本にいると、これが無性に懐かしく食べたくなる。
それにしてもフランスのフライドポテトはどうしてこんなに旨いのだろう。 -
こちらも定番のオニオングラタンスープ
寒い時期になるとオニオンスープを売りにする店はパリに数多くあって、どれも甲乙つけがたいが、こちらのも実に美味い。 -
デザートは大きなババ・オ・ラム。
Saint Jamesとメニューに銘打っていて、好きなだけ自分でかけてくれと言わんばかりに丸ごと一本出てきた。
それでは、と本当に思い切りよくドボドボとババにかけて口に運んでいると、すっかり心地よくなってきた。
何しろアルコール度数が54度だからたまらない。
本当にデザートなのか、ラム酒を飲んでいるのかわからなくなる。 -
昼食その3。「Bouillon Chartier Montparnasse ブイヨン・シャルティエ」。
ここは開店時間を見計らって出かけた。
とにかく行列の絶えない店なのだ。
店の前を通るバスをよく利用したが、いつ見ても行列で、少ない時でも20人、多い時には40人以上も並んでいるのが見えた。 -
開店10分前に着くと、この日はまだ数人しかいなかった。
前に並んでいた老紳士は、郊外のソーから週に2回やってくるという。
彼曰く、この店はパリで一番だという。
一番というのは行列のことか?と揶揄したくなったが、彼にとってこの店での食事は生活上のたいへんな楽しみらしい。
写真の先右手にはパリで唯一のとんかつ店「Tombo」があって、日本のとんかつを味わうことができる。 -
この店の魅力は、まず第一に店内の装飾である。
そして値段の安さである。(たしか2ユーロ以下のポタージュから用意されている。)
味は格別にどうということはない(決して不味くはない)が、とにかくコストパフォーマンスの良さは確かにパリで一番に違いない。
写真は入り口近くからのもので、奥行きがかなりある。 -
開業は1903年。修復されながら受け継がれてきたアール・ヌーヴォー装飾で統一されている内装は、歴史記念物にも指定されている。
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この店を初めて訪れたのは、かなり以前のことになるが、ここまで大行列ができる店ではなかった。その時の印象は、接客も丁寧で、ニンジンのサラダがめっぽう旨かったことを憶えている。
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ずいぶん久しぶりに入店してみると、やはり押し寄せる客をさばくことが優先されている感がある。4人連れ以外は必ず相席になるし、観光客が多いせいか短時間で切り上げる人が多い。
この店はモンマルトルの丘の下にもあって、そちらも同じように行列である。
行列の最大の原因は、予約を取らないという店の方針にあるのだが、これは変えるつもりはなさそうだ。 -
客から注文を受けると、テーブルクロス(紙)に品名と金額を記入して残していく方法も変わらない。追加注文すれば書き足して、最後に合計額を計算する。
明瞭だし、間違いも生じない実用的なやり方だ。 -
ここでも注文したのはステーキとfrites。まことに芸がない、と言われそうだが、これを飽きるまでパリで食べていきたい気持ちが強い。
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観光旅行だと、つい名の知れた店に的を絞りがちだけど、通りすがりの街のカフェ飯もなかなか楽しい。
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カフェでは、大体がワンプレートだ。
一皿に美味しい宇宙を凝縮させている。 -
初めて入店する店はまさに未知との遭遇で、むしろこれぞ旅の醍醐味だとも思う。
もちろん入る前にあれこれ品定めをするのだが、観光名所でなければ、やはり客の入りで概ね判断できる。 -
カフェの独特のお品書きを読むのもまた面白い。
今はGoogleで、あっという間に日本語変換してくれるだろうが、その訳がちんぷんかんぷんな場合もある。
もっとも正しく翻訳できたとしても、その料理内容を正しく推定するのがなかなか難しいこともある。 -
時に、想像とはまるで違っていた皿が出てきたときには困惑するが、あとで思い出すと言葉の意味違いに気づいたりしておかしくなってしまう。
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パリを発つ日に寄ってみた、モンパルナスタワー前にある、とんかつの「Tombo」。
リーズナブルな価格で提供される日本のとんかつ定食は、パリっ子にも大人気だ。
細やかな女将の接待は変わらないが、仕入れた肉が良くなかったのか、とんかつの味が少々落ちた気がしたのがちょっと残念だった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- sanaboさん 2024/12/27 23:05:57
- はじめまして
- ばねおさん、はじめまして
ご訪問、ご投票をいただきまして、ありがとうございました。
以前デルフトの旅行記を拝見させていただき、秀逸な内容に
感銘を受けた記憶があります。
ばねおさんはパリに6年間お住まいでらしたのですね。
ご帰国後、9か月ぶりにパリを訪問され、第二の故郷となった
パリへの愛着と郷愁が漂うご旅行記を楽しませていただきました。
観光客目線とは異なるパリの今を感じながら、今後の旅行の
参考にもさせていただきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
sanabo
- ばねおさん からの返信 2024/12/28 20:58:36
- Re: はじめまして
- コメントを頂戴し、ありがとうございます。恐縮です。
sanaboさんの旅行記のように具体的で分かりやすく、皆さんの役に立つ情報をと、常々心がけてはいるのですが、どうも生きている世界が狭いようで、いつも身辺雑記のような内容に終始しております。
それでもご興味を持っていただけるとすれば、望外の喜びで、また書いてみようかという励みにもなります。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
ばねお
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