2024/10/10 - 2024/10/11
124位(同エリア229件中)
ひらしまさん
旅も4日目。きょうは月山ハイキングの予定。
ところが、朝方、一時は明るかった空の雲が厚くなり、風も強い。天気は昨日の方がましだったか。宿の主人が気の毒そうな顔で送り出してくれた。
9時前に姥沢駐車場に着いたとき、気温は9度。上はすごく寒いから低体温症に気をつけてと係員が助言してくれる。もとよりそのつもりで、ウインドブレーカーの下にセーターを着込み、ズボンの上にはレインパンツを重ねて、出発。
駐車場からリフト駅までが遠かった。道を間違えたかと思ったほどだ。そして最後が急坂。
宿で買った割引引換券(1200円)を窓口でリフト券に交換する。10分以上リフトに乗って上駅に着くと、案じていた通りの霧で、月山はおろか目の前の姥ヶ岳すらほとんど見えない。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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軟弱ハイカーの我々の目標は月山でも姥ヶ岳でもなく、その間の尾根の牛首だ。
歩き出すと石の登山道で、脚が回復途上にある妻には危なく、手を引いて登る。
途中から木道に変わって、ほっとして振り向いて撮った写真。 -
左は姥ヶ岳への登り、右は牛首方向という分岐にたどり着いた。ベンチがたくさんあるのでしばし休憩。
写真は牛首方向の谷。草紅葉がきれいだ。
2,3枚写真を撮ったところで突然カメラが動かなくなって、スマホに切り替える。この程度の寒さで動かなくなるはずはないのだけれど、充電器を忘れたためにバッテリー残量が少ないことがきっと響いたのだ。 -
霧が動いて山に日があたるようになってきた。
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姥ヶ岳方向。頂上をめざす人たちが見える。
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牛首方向。青空も時々見えるようになってうれしい。
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妻はこれ以上は無理だと言うので、わたしだけ少し先まで進んで30分で戻ってくることにした。
牛首に向けて石の道を下ると、また木道になった。 -
ここぞという時は懐で温めたカメラで撮ったけれど、前回書いた事情でそれらの写真は消えてしまった。
この写真に写っている人と、晴れてよかったですねと言葉を交わした後、来た道を戻った。 -
牛首までも行けなかったけれど十分満足。
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刻々と変わる空模様を楽しんだ。
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リフト上駅の奥に広がる紅葉は低いカエデらしかった。
ケガなくハイキングができたことを喜びつつリフトをおりる。
下駅に近い月山リゾートインで昼食。久々のコーヒー、紅茶がおいしかった。 -
午後は最後の訪問地山形へ。
山形で見たかったのは、この県郷土資料館文翔館。 -
1916年に山形県庁舎として建てられ、1975年まで使われた。県庁移転のあと取り壊して駐車場にするなどの案もあったが、文化財として残そうということになり、復元改修を経て郷土資料館として無料公開されている。
正面玄関からはいるとすぐ、ボランティアガイドの方に声をかけられ、一緒に回っていただくことになった。 -
玄関ロビーのある2階から3階に上がる階段からして重厚だ。
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極力、同じ材料、同じ工法で復元しているという。
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式典に使われた部屋。寄木張りの床、大理石の柱はオリジナルのまま。
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知事室の絨毯は山形県の名門ブランド「山形緞通」が1960年に織ったもの。
羊毛と関係なさそうな山形に、なぜ一流絨毯製造会社があるのかと不思議に思いあとで調べたら、この会社は1930年代、凶作大不況のどん底にあった山形に雇用を創り出そうと、綿織物業経営者が中国から緞通技術者を招き、2年間もの伝習を経て創業したのだという。
そしてその後、バチカンの教皇謁見の間に使われるなど世界的に認められる企業に育っている。すばらしい! -
主要な部屋の天井には漆喰の花飾りが復元されている。
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漆喰がここまで精緻な美を造り出すとは知らなかった。
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時計塔の動力装置は当初のものが今も使われている。それは、重りをつるし、5日かけて落ちる位置エネルギーで時計を動かしているとの説明に驚いた。5日ごとに時計屋さんが来て、重りを引き上げ時刻を調整しているとのことだった。
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郷土資料館なので、山形の歴史が展示されている。その中で初代県令三島通庸(みちつね)がとても大きく取り上げられていた。
三島通庸は自由民権運動を弾圧した警視総監として有名だけれど、山形では県政の基礎を築いた偉大な政治家として記憶されていることがガイドさんの説明からも伝わってきた。 -
山形と言えば紅花。紅花染めの振り袖を見て、その上品で深い赤に妻はため息をついていた。
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1階に下りて、中庭へ。建物外回りの壁は煉瓦の上に石が貼られているが、中庭側は煉瓦のままで、なんだか英国の古い大学にいるよう。映画のロケによく使われるそうだ。
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隣の議事堂も拝見して見学を終える。ガイドは当初30分でお願いしたが、内容豊かなお話なので時間はお任せして結局1時間ほど案内していただき、そのあとでもう一度回って写真を撮った。
これだけ本格的な復元改修をするのは財政的に大変な負担だったと思うが、異論もある中でもあえてそうさせたのは、豪華な元県庁舎を誇りに思う山形県人のナショナリズムだったのではないか。そんなことを思いながら文翔館をあとにした。
甘い匂いに吸い寄せられて近くのケーキ屋さんに寄ってから、宿のダイワロイネットにはいる。
機械でルームキーが発券される初の経験をしたあと、アップグレードしてくれたデラックスルームの8階角部屋へ。大通りを見下ろし、広さも余裕があり、機能はもちろん十分だ。これでもう少し安ければありがたいんだけど。 -
旅の最後の夕食は、この日が記念日ということもあり、鉄板焼き蝶結で。
前菜のあと、茶碗蒸し、魚料理と進む。妻が選んだアワビの皿に3cmくらいのなにか(写真左上)があった。聞けば、アワビの口だとのこと。コリコリしておいしかったそうな。 -
シャーベットに続いて、山形牛フィレステーキ。1切れ食べてしまってから写真を撮った。
牛肉はもちろん付け合わせの野菜も塩も、どこの誰の何々とシェフが説明してくれる。その野菜が甘くて実においしかった。 -
ご飯のあとのレアチーズケーキがまたおいしく、満ち足りた気持ちで宿に帰った。帰ってから明細を見たら、妻が飲んだグラスワインがなんと我が家の過去最高値だったので、「山形で…」と仰天した。「分かっていたらもっともっと味わって飲んだのに」と妻。
ちなみにわたしが飲んだワインの値段はその5分の1だった。 -
最終日。この日はお土産を買うだけ。
まずは乃し梅本舗佐藤屋(写真)。つづいてJAやまがた紅の蔵店で果物、野菜を買い込み、東北道経由で一路我が家へと帰った。
終始快調に走ってくれたプリウスよ、ありがとう。
(終)
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