2023 青森で紅葉を見る3泊4日の旅 4日目 その１

2023/10/29 - 2023/11/01

青森には今までに何度か足を伸ばしていますが、桜の時期ばかりで紅葉は見たことがありませんでした。
今回、以前から見たいと思っていた奥入瀬渓流の紅葉を見に行きました。
折角十和田湖まで足を伸ばすんだから、ということで、朝焼けで有名な蔦沼にも行ってみました。
後は弘前で紅葉とアップルパイを楽しみ、行ったことの無かった下北半島まで足を伸ばしてみました。

弘前は紅葉には早かったですが、メインである十和田や蔦沼では十分に楽しめました。
あと、下北半島では思いがけずに見事な紅葉を見ることができました。

旅程は以下の通りです。

1日目：自宅から八戸へ向かい、八戸でレンタカーを借りて十和田市へ
2日目：蔦沼に寄ってから弘前へ向かい、また十和田市へ
3日目：蔦沼に再度訪問し、朝焼けを見てから奥入瀬を散策、十和田湖を展望してから十和田市へ
4日目：恐山から薬研渓流、尻屋崎を見てから八戸へ戻り、自宅へ

この旅行記は4日目の恐山の記録になります。

よろしければご覧ください。

エリア 下北半島(青森)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• 交通: 1.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: レンタカー 自転車 新幹線
• 旅行の手配内容: 個別手配

この青森旅行も4日目で最終日です。
この日は下北半島を巡ります。

まずは下北駅に向かいました。
列車で行ったわけでは無いのですが、本州最北端の駅、ということで訪ねました。
駅前の下北半島のオブジェがイイ感じです。
立て替えてから15年くらいは経っている筈ですが、外見はまだまだ綺麗ですね。
構内も綺麗で明るい雰囲気でした。

まだ朝早い時間ですが、結構バスターミナルでバスを待っている方が多かったです。

下北駅 駅

こちらは恐山冷水です。
恐山に向かって釜臥山を上っていく途中にあります。
ここが俗界と霊界の境目で、古来よりここで手を洗い、口をすすいで霊場に入るのが習わしだそうです。
目の前にバス停もありましたから、バスでも行けるんだと思います。
あと、道を挟んで向かい側に小屋がありました。トイレかな？
近寄らなかったので判りませんが。

何となくこの手の湧水は清冽で透き通った印象がありますが、こちらはそういう雰囲気では無かったですね。
普通に飲めますし、ひんやりして美味しい水ではあるんですが。
霊水の字を当てた方が似合っていそうな雰囲気でした。
看板に不老水と書かれていましたが、後で調べたら1杯で10年、2杯で20年、3杯で死ぬまで若返る、と言われているそうです。
知らなかったので1杯しか飲みませんでした。
もっと飲めばよかった…

恐山 自然・景勝地

恐山冷水から直接恐山菩提寺には向かわず、まずは釜臥山の展望台、通称ガメラレーダーと言われているレーダー施設の近くの展望台を目指します。
ですが、無情にも通行止めでした…
尻屋崎から陸奥横浜までが一望でき、下北半島がアゲハチョウのように見えると有名な場所なので是非見たかったのですが、その景色を見ることは叶いませんでした。

この日は11月1日だったので、ちょうど冬季閉鎖になったんでしょうね。
なんて間の悪い…

仕方ないので、ゲート手前のむつ湾展望台へ行きます。

むつ湾展望台 名所・史跡

むつ湾展望台からの眺めです。
やはり山頂の展望台よりも低い位置にあるので、アゲハチョウの様には見えないですね。

この日は尻屋崎方面が薄く雲に覆われていたんですが、時折太陽が顔を出すと写真のように神々しく照らされ、展望台の真下が紅葉していたこともあって、中々良い感じでした。

むつ湾展望台 名所・史跡

尻屋崎方面の眺めです。

むつ湾展望台 名所・史跡

こちらは陸奥湾ですね。
外海に繋がっているんですが、ここからは大きな湖のようにも見えます。

むつ湾展望台 名所・史跡

むつ湾展望台から見えたガメラレーダーです。
左下に見えるのが、目指していた展望台です。
雲海に覆われていました。

今回は行けませんでしたが、機会があれば行ってみたいです。

むつ湾展望台 名所・史跡

次は恐山展望台です。むつ湾展望台から少し下ったところにあります。

恐山展望台 名所・史跡

宇曽利湖と、宇曽利湖を囲む山々が一望できます。
恐山菩提寺は山の陰に隠れてしまって、ちょっと見えにくかったです。
山々が紅葉しており、非常に美しい景色でした。

恐山には紅葉のイメージは全く無かったので、意外でした。
まぁ、山の中にあるんですから、紅葉していて当たり前と言えば当たり前なんですが。
もう少し雲が晴れてくれれば最高の景色だったのですが、そこは仕方ないですね。

恐山展望台 名所・史跡

宇曽利湖をアップで。
オレンジと緑と青が組み合わさり、見事な景観を形作っています。

恐山展望台 名所・史跡

恐山菩提寺方面をアップしてみました。
やっぱり見えにくいですね。
ですが、菩提寺の周囲が紅葉していることが判るので、期待が高まります。

恐山展望台 名所・史跡

展望台を周って恐山菩提寺に到着です。
まずは奪衣婆と懸衣翁が三途川でお出迎えです。
ご丁寧に懸衣翁が衣を懸けるための樹まで植えてあります。

これだけ見るとどこかのテーマパークのようですが、宇曽利湖から流れ出る正津川は古来から三途川に見立てられているそうです。
三途川に掛かっている太鼓橋は老朽化のために通行禁止です。
寺務所で建て替えのためのお布施を募っていました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

恐山菩提寺の総門です。

三途川から総門まで、数百ｍほど離れています。
三途川を渡ったらすぐに境内、というわけではありません。
歩ける距離ではありますが、総門前に広い駐車場があるので、三途川を見た後に総門前に車を停め、境内を散策するのが良いでしょう。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

総門から入ったところです。
正面に山門、左側に本堂が見えます。
意外ですが、本堂は山門の手前にあります。
山門の奥にあるのは地蔵殿で、本堂ではありません。

訪問した日は11月1日で、本来恐山菩提寺は閉山している筈なんですが、何故か2023年は11月5日まで延長されていました。
但し、開門時間は9:00~16:00となっていました。
知っている人も少ないのか、ほとんど人も居らず、ゆっくりと拝観できました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

本堂の写真です。

ほとんどの方はこちらの寺院を『恐山』と呼称しますが、恐山はこの辺り一帯の山地の名称で、寺院の正式名称は『菩提寺』です。
ただ、山門に『恐山』と掲げているので、恐らく山号なのでしょうね。
ですから、寺院は『菩提寺』、又は『恐山菩提寺』と呼称するのが正しいです。

恐山菩提寺は比叡山、高野山と並ぶ日本三大霊場の一つで、開基も古く、慈覚大師が862年に開山したと伝わっています。
以前、NHKのブラタモリで恐山菩提寺が取り上げられたことがありますが、その際には院代（住職代理）の南禅師が、最初は温泉を目当てに修験者が入山したのでは、と仰ってましたね。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地蔵殿への参道です。
地蔵殿奥の地蔵山が見事に紅葉しています。

展望台から見ていたときは晴れ間もあったんですが、入山してから雲が掛かってきて、青空が隠れてしまいました。
晴れていれば良い景色だったろうな、と思う反面、やはり霊場なのだからカラッとした青空より、どんよりした曇り空の方が似合っているかも、とも思いましたね。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

境内にある温泉、薬師の湯です。
こちらは男湯で、参道を挟んで逆側に冷抜の湯、古滝の湯という女湯があります。
当然入湯料は取られないので、入山料を払って境内に入っていれば自由に浸かれます。

今まで日本全国、様々な寺院や神社を訪ねましたが、境内の、しかも参道脇に温泉があるのは初めてです。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地蔵殿です。
中に本尊の延命地蔵菩薩がお祀りされています。
当然、写真撮影は厳禁です。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地蔵殿隣の宿坊越しの景色です。
剣山が見事に紅葉していますね。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地蔵殿の脇から地獄めぐりの始まりです。
荒涼とした岩場の向こうに紅葉が見え、何とも現実離れした光景です。
足場が悪いので、しっかりした靴で巡ることをお勧めします。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

恐山菩提寺の奥ノ院です。
地獄めぐりを始めると直ぐに奥ノ院へ続く不動尊参道の階段がありますので、そちらを上っていくと辿り着けます。
奥ノ院と言っても、不動明王像が鎮座されているだけの様ですが。
こちらも既に冬支度でブルーシートが掛けられており、参拝は叶いませんでした。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

ここは恐らく無限地獄だと思うんですが、あまり自信は無いです。
紅葉をバックに、慈覚大師堂が見えます。
細かく穴の開いた不気味な造形をした岩や、積まれた小石が無数に存在していて、確かに普段は見かけない光景です。

この辺りは元々高温のガスや温泉が噴き出していて、その影響で低温で溶ける物質が溶け出し、このような造形になったようです。
ただ、科学的な知見を持って見れば不思議でもなんでもない光景ですが、長年の信仰が沁みついているとでも言えば良いのか、他の寺院では味わえないような雰囲気がありました。
周囲に人がいればそうでも無いんでしょうが、このときは誰も居らず、荒涼とした中に一人でいましたから、余計にそう感じたのかも知れません。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

慈覚大師堂です。
荒涼とした中に建つお堂にお地蔵様が鎮座されています。
周囲に積み上げられた石と、色とりどりの風車に囲まれ、後ろを鮮やかな紅葉が彩っている景色は何とも言えずに独特です。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

大師説法之地とありますが、この辺りで慈覚大師が説法したんでしょうか。
寺伝に残っているのかな。

晴れ間が見え始めました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

永代供養碑ではなく、永代無縁碑が立っています…
一緒に大平和観音様が建立されています。
どういう経緯で建てられたのかな…

相変わらず背後の紅葉は綺麗です。
晴れ間も大分広がってきました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

永代無縁碑からみた宇曽利湖の景色です。
荒涼とした賽の河原の向こうに宇曽利湖と山並が見えています。
まだ雲が多いものの日が射してきて、雰囲気も徐々に和らいできました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

ただ、賽の河原を見渡すと、まだまだ和らいだとは言えない景色が続きます。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

賽の河原の千手観音様です。
大体この辺りまで来ると、地獄めぐりも終了です。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

賽の河原から八角堂へ向かいます。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

八角堂です。
背後の美しい紅葉が八角堂と見事な対比をなしており、美しい光景です。

開山期間中であれば扉が開いていて自由に参拝できるようですが、やはり冬支度の為に門扉は閉じられ、手前の手水にもブルーシートが掛けられていました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

水子供養の小抱地蔵尊です。
背後の紅葉が見事だったので一緒に撮ってみました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地獄と賽の河原を通り抜けて、極楽浜に来ました。
名前の通り、晴れていれば白い砂浜の向こうにコバルトブルーの宇曽利湖が見え、極楽を思わせる光景が見られる様です。
松が無いので白砂青松ではないですが、似たようなものでしょう。
あの荒涼とした地獄を抜けた後に綺麗な景色を見て、極楽だと思ったんでしょうね。

この時は残念ながら極楽とまでは言えませんが、かなり晴れ間も見えてきて、真正面（恐らく円山）の山も影が掛かっているものの、紅葉しているのが見て取れます。
中々良い景色でした。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

鶏頭山と後ろの山並みです。
まだ雲が多いものの、十分に綺麗な景色です。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

こちらは釜臥山方面です。
まだ山並は陰に隠れています。
遠くにガメラレーダーが小さく見えています。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

極楽浜を本堂に向かって歩いて行くと、何かのオブジェのようなものが見えます。
こちらは東日本大震災の慰霊のために建てられた地蔵菩薩様の光背です。
遠くからだと何だか判らないですが。

遠目だと何か模様があるな、くらいしか判らないんですが、近寄ってみると沢山の手形が押されていることが判ります。
お地蔵様の光背であることを知らなければ、恐山菩提寺、という立地からして、少々不謹慎ですが結構不気味なオブジェなんじゃないでしょうか。
これ、何も知らずに暗い中で近寄って行ったら結構怖いような気がします。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

鶏頭山の紅葉です。
青空と白い砂浜が組み合わさり、極楽っぽい景色になってきました。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

改めて、極楽浜の端から鶏頭山を見てみました。
青空と鶏頭山の紅葉、同じく背後に連なる紅葉する山並、淡いコバルトブルーの宇曽利湖と、極楽に相応しい光景が広がっています。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

本堂近くに戻ってきました。
地蔵山や鶏頭山の紅葉が青空に映え、見事な景色です。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

地獄から戻ってきて改めて撮った山門と紅葉です。
最初とは違い、素晴らしい光景です。

最初は曇り空でしたが、地獄めぐりを終えたら晴れ渡ったので、地獄を巡ったことで功徳を積んだか業やら煩悩やらを洗い流したのか、ここに集う死者がご褒美をくれたのかな、とも思えましたね。

恐山菩提寺 寺・神社・教会