思いがけずに見事な紅葉が見られました
- 5.0
- 旅行時期:2023/11(約2年前)
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by masa8982さん(男性)
下北半島 クチコミ:6件
日本三大霊場の1つとして知られる、宇曽利湖の畔に建つ寺院です。開基は古く、慈覚大師が862年に開山したと伝わっています。一般的には寺院そのものが『恐山』と呼ばれますが、『恐山』はこの辺り一帯の山地の名称で、寺院の正式名称は『菩提寺』です。ですので、寺院は『菩提寺』、又は『恐山菩提寺』と呼称するのが正しいようです。
こちらではまず、宇曽利湖から流れ出る正津川を渡って総門に向かうのですが、古来から正津川が三途川に見立てられているようで、三途川を渡る太鼓橋のそばに奪衣婆と懸衣翁の像が置かれ、彼岸であることを強く訴えかけてきます。寺院の堂宇に特筆すべきものはありませんが、境内の参道脇には温泉浴場が設置されていて、入山料を払っていれば自由に入れるようになっているのが独特だと思います。
こちらの目玉はやはり、地蔵殿から続く地獄巡りと、地獄巡りの後の極楽浜の景色でしょう。地獄巡りをすることで功徳を積み、それによって極楽浄土を目にする、という一連の流れが信仰を集めたのだと思います。今回、自分で実際に巡ってみましたが、然もありなん、と思わせる雰囲気を味わえました。丁度菩提寺の裏側の地蔵山や鶏頭山が美しく紅葉しており、それを背景に細かく穴の開いた不気味な造形をした岩や、無数の積まれた小石が存在している荒涼とした景色は浮世離れしているというか、本当に独自の景観を作り出していました。元々高温のガスや温泉が噴き出しており、その影響で低温で溶ける物質が溶け出し、その結果できた造形であることは承知していましたが、長年の信仰が沁みついているとでも言えば良いのか、他の寺院では味わえないような雰囲気がありました。また、地獄巡りの間は曇り空だったのですが、極楽浜に着いた際には晴れ間がかなり見えてきており、白い砂浜の向こうにコバルトブルーの宇曽利湖と紅葉した鶏頭山と背後の山々が見え、極楽を思わせる光景が見られました。科学的な知見の無い時代であれば、信仰を集めて当然かな、と思えました。
中々訪ねていくには大変な場所ですが、わざわざ訪ねるだけの価値がある場所だと思います。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 2.0
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- バリアフリー:
- 1.0
- 見ごたえ:
- 5.0
クチコミ投稿日:2023/12/05
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