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《2023.October》あみんちゅぶらり北陸を歩く旅石川そのⅡ~能登旅行貯金と輪島・穴水ライトアップ巡り編~<br /><br />令和5(2023)年10月29日月曜日<br />8:00の目覚ましより少し早く起床する。昨日と違って天気は良い。取り敢えず朝食を頂くために1階のレストランへと向かう。和洋のバイキングは久しぶりである。というより朝食バイキングのプランが付いている宿泊自体が久しぶりだと言うことを思い出した。<br /><br />昼抜きにするのはいつものことなので、朝はガッツリと頂くのも変わりはない。質・量とも十分なものであり、加えてフリードリンクサービス付きであるため大満足する私であった。<br /><br />部屋へと戻り荷物を作る。今日の予定も夜のイルミネーションが主体なので昼間はフリーである。こういった場合普通の旅人ならば付近の観光地巡りを考えるのであろう。しかし普通でない私が選んだのは“旅行貯金”、つまり郵便局巡りである。旅行貯金の旅路は常にはるが旅の友であった。しかしコロナ禍前に佐渡ヶ島、ロックダウン明けの福井・石川、GoTo適用時期に小豆島・岡山に行ってからまーさんの許可が下りず以降行ってはいない。おまけにはるが入退院をするようになってからは尚更だ。<br /><br />今回の旅のように“夜に用事”があるパターンであれば、昼間ははるに付き合って、夜は自由行動にするようにすれば効率は良い。日曜日の出発故に初日は郵便局には行けないが、2日めはガッツリと回ることが出来る。はるの通帳を預かれば訪問局数は増えるが、本人は行ってはいないため価値はない。また私一人だと分刻みのコースは組まないので、それ程多くの郵便局を回れないのも事実である。能登半島を一周するコースは過去に組んだことがあるのだが、確か全局を回るのに4日掛かった筈だと記憶している。まぁ行きたいと言えば運転はするが、宿泊できる場所も限られており、当然空走距離も増えてしまう。かと言って2回に分けても自宅からの移動回数が倍になるため効率が悪い。その点では過去の奄美や佐渡ヶ島のように飛行機を使っても走るエリアを絞れる方が効率は良くなる。そこまでの予定は組んではいないので適当にドライブしながら道中の局に立ち寄るパターンに決めた。そして9:45、今日もek-spaceクンに乗り込んで2日目の行程をスタートさせることにした。<br /><br />先ずは和倉温泉郵便局。文字通り和倉温泉内にある郵便局だが、意外にもATMのホリデーサービスを行っていない普通の特定局だということを知る。まぁ和倉温泉に宿泊されるお客さんには手持ちが足りずに金融機関に走ることもないのかも知れない。しかし局員さんも旅行貯金の対応は慣れているようで、通帳に押す“局名印”の種類を聞いてくれる。私自身が旅行貯金をマジでやっていた頃は知名度が低く、こんなことして何かあるんですか?等という失礼な言葉を掛けられた時代と比べると大違いである。2日目の最初の局で暖かい対応を受け、気分上々で出発出来ることに感謝する。次いで和倉温泉駅近くの石崎郵便局、七尾津向簡易郵便局と巡り、セブンイレブン七尾和倉温泉店で一息入れる。能登島大橋を渡るとそこは能登島、先ずは西島郵便局。こちらでもお声がけを頂きテンションも上がる。次いで向かった能登島郵便局は以前は集配局だった痕跡が残る郵便局であった。ポスト収集は担当しているのかも知れないが、ポストに書かれた集配局は七尾局とあった。日本郵便の物流部門が赤字だと言うことは盛んに言われてはいることだが、かと言って離れた集配局が担当することによって、不在届が入った郵便物を取りに行かねばならないのはいかがなものかと常日頃から思っている。他の宅配を含め個人宅に送るのに曜日や時間の指定がされていないことも効率の悪さを生み出しているように思えてならない。対面手渡しの必要性を言うのであれば、メール等で配達時刻等の希望を聞いてからでも良いように思う。ポスト投函される通常郵便物の配達が土日祝日されなくなった。それにより書留などの特殊郵便物や郵便小荷物の配達はスピードアップされた。郵便物の差別化を謳ってはいるが、どこまで必要なんだろうと思えてならない。勿論配達日を限定することで配達員氏の仕事が減るならばやる価値はあるかも知れないが、どうもその様になっているようには思えない。そういう意味では対面手渡しが必要なもの程時間を決めて再配達を減らすように持って行かなければ意味がないと私には思えてならない。最近amazon他通販を利用することは私自身も例には漏れず増えては来ている。しかしその際も対面手渡しとなる“ゆうパック”等を利用しない業者を極力選ぶようにしている。なかなか配送手段迄確認しながら購入するには骨が折れる作業が伴うが、少しでも人的負担を減らすように考えたい自分があるのであった。<br /><br />能登島郵便局を後にして暫く県道を走る。目指すは東島簡易郵便局であるがその前に向田漁港に立ち寄ってトイレ&一服休憩を取る。<br /><br />目的地である東島簡易郵便局界隈は所謂漁師町らしい細い道が入り組んでいる集落であった。ナビの指し示す通り走って行くが、基本“車が通れる道”という判断だろうか?一向に目的地に辿り着かない。普通の道しか走った経験がない者からすれば走れない狭窄路。狭い道には慣れている筈の私だったが、その道に入る前にミラーを擦らないことを確認してブレーキを緩めた瞬間エマージェンシーブレーキが作動し急停止。どうやらミラー先端から何cmという設定があるようだ。仕方なしにミラーを畳んで徐行しながら通過した。この様な道ばかりなので、車で行くことが出来る場所への案内になってしまう。結果いつまで経っても目的地には辿り着けないために港の広場に車を停め、歩くことでやっと東島簡易郵便局に辿り着く事ができた。<br /><br />この東島簡易郵便局、以前は特定局だったようでその痕跡が残っていた。毎度のごとく500円を貯金し、局印を押して貰って車へと戻る。防波堤はあるもののその先には富山湾が広がっている。時間があれば暫くぼ~っとしていたい気分ではあるが、貧乏性故に先を急ぐことにする。<br /><br />次の目的地はえの目郵便局。能登島先端にある郵便局は以前“鰀目郵便局”と漢字で標記されていた。どんな理由があったのかはわからないが、難読地名から脱却しようとしたのかも?といった理由は考えられる。ちなみに局舎の入口に記載されているのは“鰀目郵便局”であった。<br /><br />えの目郵便局もそつなくこなし、能登半島に向かって走り出す。途中道の駅のとじまに立ち寄って一息入れる。店舗も営業していたので、職場へのお土産を探すことにした。お手頃価格からそれなりの値段迄の商品が、種類・量とも豊富に置かれており、この界隈では数少ない“販売所”であることには間違いないだろう。<br /><br />ただここでひとつ致命的な失敗をしてしまった。予定では17:00過ぎに輪島に到着するという漠然とした“時間取り”を気にし過ぎていたようで、道の駅のとじまに1時間半滞在してしまった。私の場合普段ならば道の駅の滞在は10分~30分である。しかしここで“旅行貯金”のコース決めをしてしまったがために大幅に滞在時間を超過。気が付けば残り1時間となっていた。そのことに気づいた私はすぐさま車を走らせる。先ずは根木ポケットパークまで行き、一服&トイレ休憩を入れる。この区間で“ツインブリッジのと”も通過しているのだが、車を降りてまで橋の景色を見る余裕は全くなかった。<br /><br />根木ポケットパークから国道249号線を走り、穴水町に入ると間もなく穴水川島簡易郵便局に到着する。こちらも以前は特定局の面影を残す局舎であった。穴水川島簡易郵便局の出発時刻は15:33。後30分弱しか余裕はない。穴水川島簡易郵便局の局員さんが教えてくれた近隣局の情報を元に穴水郵便局を目指すことにした。<br /><br />穴水町唯一の集配局であり混雑も覚悟はしていたが、結局取り越し苦労に終わり数分の滞在で済ませることが出来た。ただこの穴水郵便局、局前に川が流れている上に道も狭く局舎の写真が撮れなかった。しかし記録を取らねば忘れてしまうこと故に、川の対岸から撮影しようと考え実践した。結果として正解だったために穴水郵便局局舎の画像をカメラに収めることが出来たのであった。<br /><br />そしてまた車を走らせ、向かった先は来迎寺谷簡易郵便局。穴水川島簡易郵便局で金沢方面に向かう体で紹介された局である。以前は“なにもなかった”場所だったと思われるが、現在ではのと里山海道の高架橋が“谷”を横切る様に建設されていた。<br /><br />来迎寺谷簡易郵便局を出たのは15:55。時間的には次はないのだが、スマホナビで最寄りの局を検索すると所要時間5分の中居郵便局が表示され、ダメ元で行ってみることにした。しかし途中の道で工事をしているために片側交互通行になっており、やむを得ないタイムロスが生じてしまった。結局遅れること5分で到着したものの窓口の受付はできないと言われてしまった。まあ営業時間外になったのは仕方がないが、提案されたATMで入金して局印を押すとのことも500円の場合手数料が生じてしまうのが現状のゆうちょ銀行。文句をたれても仕方がないので“日を改めます”と強がって出発することにした。<br /><br />そう言えば急いだあまり来迎寺谷簡易郵便局の局舎の写真を撮り忘れたことに気付き、今来た道を戻ることにする。相変わらず対面通行の場所で短い渋滞が発生していたが、その前の場所であらぬ方向を向いた車がトマッテいることに気付く。横向きの車両の前輪は道路に残ってはいるものの、後輪は宙に浮いている。渋滞に気付くのが遅れ急ブレーキを踏んだらスピンしたのかも知れないが、正しく注意1秒事故一生。他人事とは思えず心を引き締めて走ることにする。<br /><br />そして無事来迎寺谷簡易郵便局の局舎の写真を取り終えて、いよいよ2日目のイベント開催地へと向かうことにする。行き先は能登半島の先端にある輪島市である。その前に道の駅あなみずに立ち寄って一服休憩を入れる。のと鉄道穴水駅前に位置する道の駅あなみずだが、以前は輪島と珠洲方面に向かう分岐点の駅であった。しかし21世紀を迎えて両線は廃止。三セクのと鉄道の終着駅として穴水駅は残ることとなった。個人客ならば穴水まで鉄路を使いその後はバス移動とすることは理解できる。しかし意外にもツアー客がホームから出てきた後に観光バスに乗り込む姿を目の当たりにした。和倉温泉迄は特急利用は可能だが、その後普通列車に乗車して穴水迄移動するのだろうか?色々と思うところがあった穴水駅並びに道の駅あなみずであった。<br /><br />一息ついた後再び走り出し、穴水ICからのと里山空港IC迄の能越自動車道、そして輪島までは国道249号線を進んで行く。輪島の市街ではなく反対方向にしばらく走ると本日の第一目的地である道の駅千枚田ポケットパークに到着する。この道の駅千枚田ポケットパークから海側に広がる棚田が千枚田と呼ばれるものとなっている。海に面した田んぼだと潮風が悪さをするのではといった心配もあるそうだが、逆に潮風が害虫予防となって実りに繋げることができるとテレビでは言っていた。<br /><br />輪島の白米千枚田とは“どう読むのだろう”と普通に思った私だが、深く考えずに輪島市白米(しらよね)にある千枚田(せんまいだ)と読めば良いということを現地で知った。イルミネーション目当てに来ているので到着時刻は17:30過ぎ。辺りは夜の帳が下りている状況下ではさすがに“海”と“千枚田”という景色のコラボを見ることは叶わない。しかし“あぜのきらめき”というイルミネーションのタイトルは、見た瞬間わかるものではあった。<br /><br />この千枚田だが耕作者のいない休耕田を利用したものであるそうだ。平成23(2011)年に日本で初めて世界農業遺産に認定された“能登の里山里海”というものの構成要素のひとつとして“白米千枚田”が組み込まれた。他に類を見ない海にせり出す様に広がる千枚田はシンボル的な存在であり、特徴である一枚辺りの小さな面積は18平方メートル程のものであり、中には50cm四方しかないものもあるようだ。この狭さ故農業機械が入れないため、今も田植え・稲刈りは地元住民やボランティアによる手作業で賄われている。平成26(2014)年には日本の原風景を後世に残そうと、稲の種を直播(じかまき)して育成する日本古来の農法“稲代田”を復活させて今日に至っている。それらの維持のため“マイ田んぼ”システムが導入されており、気に入った田んぼのオーナーになれるというものだ。勿論耕作者のいない田んぼの維持という体でのもの故借地権や所有権は生じない。7回の耕作作業に携わることもできるのだが、大抵は“お任せ”パターンになるのだろう。事実耕作管理は白米千枚田愛耕会が実施しており、耕作作業の参加も任意であることを踏まえれば、そうなることは容易に想像がつく。しかし耕作管理者も高齢化が進んでおり、永続的に続けることに無理があることが指摘されている。交通の便が決して良くはない輪島に於いて、手放して生産者年齢層を増やすことは容易ではないことは理解できるものの、観光資源でありかつ輪島ならではの光景をみすみす手放してしまうことに対して観光協会をはじめ行政機関が主体となって、問題解決に向けて舵を切らねばならない時期に差し掛かっていることは間違いない。実際の耕作に対しては素人ゆえに口出しすることはできないが、日本全国あちらこちらで開催されているイルミネーションイベントの中でも“海にせり出した田んぼ”を利用してのイベントは聞いたことがない。そういう点で考えてもやはり後世に残すべき“景色”だと私には思えてならない。私自身は展望台から体力が許す(だろう)レベルで順路を歩いて来た。そのため広大なイルミネーションエリアを全て回った訳ではない。また写真ではわからないが、通路の傾斜も場所によってはかなり急なところもある。あぜのきらめきは例年10月下旬から3月中旬頃まで行われている。雪景色をしたイルミネーションもオツなものだろうとは思うのだが、遠景を楽しむだけならいざ知らず、近くまで行きたいのであれば、雪のない時期をお勧めする。<br /><br />あぜのきらめきを1時間半ほど掛けてゆっくりと歩いて来た。しかしなんせ広い田んぼであるために、超広角レンズを用いても全景を撮影することができなかったことが少し残念であったが仕方がない。という時間を過ごしてから車に戻り、今回の旅路最後のイルミネーションイベントに向かうために出発することにした。<br /><br />行きに通った道を折り返す形で走って行く。穴水町まで戻る形で走り、向かった場所は能登長寿大仏である。大仏とは言ってもお寺ではなく、財団法人が運営している文化施設の中に建立されたものである。宗教法人と記されているものもあるようだが、あくまでも登記上は一般財団法人とされている。地元穴水町で建設業を営んでいた建立者が“町民の安らぎの場になれば”との想いから作られたものだそうで、建立者が101歳で天寿を全うしたという経緯から“長寿大仏”と呼ばれるようになったらしい。建立者曰く“自分の存命中は話題にも上らないが、死後きっと人々がその有り難さをわかってくれるだろう”との予想通り、穴水町が“町興し”の一環として能登長寿大仏を取り上げ、町の観光名所のひとつとして宣伝し現在に至っている。ライトアップは令和2(2020)年11月に始まり、翌年からは~大仏の灯り~と名付けられて現在に至っている。コロナ禍との兼ね合いは記されてはいないが、観光客数の落ち込みに対し、穴水町の観光交流課が主体となり、紅葉の時期に合わせて“能登長寿大仏&amp;紅葉ライトアップ~大仏の灯り~”というイベントとして行われている旨が記されていた。ただイベント詳細はどこまでを施設側が請負っているかまでは記されてはいないために経費負担等はわからない。しかし17:00~20:00という点灯時間はしっかり守られており、白米千枚田で少々ゆっくりし過ぎて19:51に到着したのであったが、長寿大仏とその脇に映える紅葉の写真を数枚撮影したところで時間切れになり、一瞬にして辺りは真っ暗となった。実際のところギリギリの時間に人がいるかどうかまでは確認する術はないようで、一律20:00になると照明が落ちるようになっているようだった。確かに入園無料の施設の場合、終演時間が来る照明が落とされてしまうことはよくあることで、別に能登長寿大仏が特別ではないが、穴水町という場所柄“宿泊”する者はそう多くはないと思う。やはり近隣の和倉温泉やツアーで切り込む金沢といった場所での宿泊客が訪れることを踏まえればもう少し時間に対して寛容にしても良くないか?と思ったのが正直な気持ちであった。前日和倉の青林寺が時間切れで訪れることができなかったこともあり余計にそう思えた私であった。<br /><br />ライトアップが終ってしまえば車の場所すらわからなくなる位真っ暗の場所では何をすることもできないので、素直に今回の旅路に於けるイルミネーションイベントはこれにて終了として、本日の宿である金沢方面へと向かうことにする。<br /><br />暫く走り続けることになるので最寄りの道の駅あなみずに再度立ち寄って一息入れる。そして穴水ICからのと里山海道を走り羽咋へと向かう。山の合間を縫って走るルートではあるが、海が見える区間であっても眺望は望めないために、寄り道はせずに予定通りの立ち寄り地へと向かうことにする。<br /><br />羽咋を立ち寄り地としてピックアップしたのは食事と給油をするためである。とはいえ金沢に向かうルート付近にある場所であるために、のと里山海道を十分に活用できるからありがたい。ところがちょっとしたハプニングが発生する。なんと給油ランプが点灯したのだ。車種によりガソリン残量に違いはあるようだが、おおよそ10L程度の残量だと言われている。給油予定のGS迄は80km程走らねばならない。1,000円分だけでも入れておこうかとも考えたが、給油するならばのと里山海道を外れなければならないので、まあ大丈夫だろうとタカを括って走って行く。とにかく羽咋迄は戻ってこられたので、先に夕食を摂ってからGSのあるかほく市を目指すことにした。<br /><br />  《続く》

《2023.October》あみんちゅぶらり北陸を歩く旅石川そのⅡ~能登旅行貯金と輪島・穴水ライトアップ巡り編~

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《2023.October》あみんちゅぶらり北陸を歩く旅石川そのⅡ~能登旅行貯金と輪島・穴水ライトアップ巡り編~

令和5(2023)年10月29日月曜日
8:00の目覚ましより少し早く起床する。昨日と違って天気は良い。取り敢えず朝食を頂くために1階のレストランへと向かう。和洋のバイキングは久しぶりである。というより朝食バイキングのプランが付いている宿泊自体が久しぶりだと言うことを思い出した。

昼抜きにするのはいつものことなので、朝はガッツリと頂くのも変わりはない。質・量とも十分なものであり、加えてフリードリンクサービス付きであるため大満足する私であった。

部屋へと戻り荷物を作る。今日の予定も夜のイルミネーションが主体なので昼間はフリーである。こういった場合普通の旅人ならば付近の観光地巡りを考えるのであろう。しかし普通でない私が選んだのは“旅行貯金”、つまり郵便局巡りである。旅行貯金の旅路は常にはるが旅の友であった。しかしコロナ禍前に佐渡ヶ島、ロックダウン明けの福井・石川、GoTo適用時期に小豆島・岡山に行ってからまーさんの許可が下りず以降行ってはいない。おまけにはるが入退院をするようになってからは尚更だ。

今回の旅のように“夜に用事”があるパターンであれば、昼間ははるに付き合って、夜は自由行動にするようにすれば効率は良い。日曜日の出発故に初日は郵便局には行けないが、2日めはガッツリと回ることが出来る。はるの通帳を預かれば訪問局数は増えるが、本人は行ってはいないため価値はない。また私一人だと分刻みのコースは組まないので、それ程多くの郵便局を回れないのも事実である。能登半島を一周するコースは過去に組んだことがあるのだが、確か全局を回るのに4日掛かった筈だと記憶している。まぁ行きたいと言えば運転はするが、宿泊できる場所も限られており、当然空走距離も増えてしまう。かと言って2回に分けても自宅からの移動回数が倍になるため効率が悪い。その点では過去の奄美や佐渡ヶ島のように飛行機を使っても走るエリアを絞れる方が効率は良くなる。そこまでの予定は組んではいないので適当にドライブしながら道中の局に立ち寄るパターンに決めた。そして9:45、今日もek-spaceクンに乗り込んで2日目の行程をスタートさせることにした。

先ずは和倉温泉郵便局。文字通り和倉温泉内にある郵便局だが、意外にもATMのホリデーサービスを行っていない普通の特定局だということを知る。まぁ和倉温泉に宿泊されるお客さんには手持ちが足りずに金融機関に走ることもないのかも知れない。しかし局員さんも旅行貯金の対応は慣れているようで、通帳に押す“局名印”の種類を聞いてくれる。私自身が旅行貯金をマジでやっていた頃は知名度が低く、こんなことして何かあるんですか?等という失礼な言葉を掛けられた時代と比べると大違いである。2日目の最初の局で暖かい対応を受け、気分上々で出発出来ることに感謝する。次いで和倉温泉駅近くの石崎郵便局、七尾津向簡易郵便局と巡り、セブンイレブン七尾和倉温泉店で一息入れる。能登島大橋を渡るとそこは能登島、先ずは西島郵便局。こちらでもお声がけを頂きテンションも上がる。次いで向かった能登島郵便局は以前は集配局だった痕跡が残る郵便局であった。ポスト収集は担当しているのかも知れないが、ポストに書かれた集配局は七尾局とあった。日本郵便の物流部門が赤字だと言うことは盛んに言われてはいることだが、かと言って離れた集配局が担当することによって、不在届が入った郵便物を取りに行かねばならないのはいかがなものかと常日頃から思っている。他の宅配を含め個人宅に送るのに曜日や時間の指定がされていないことも効率の悪さを生み出しているように思えてならない。対面手渡しの必要性を言うのであれば、メール等で配達時刻等の希望を聞いてからでも良いように思う。ポスト投函される通常郵便物の配達が土日祝日されなくなった。それにより書留などの特殊郵便物や郵便小荷物の配達はスピードアップされた。郵便物の差別化を謳ってはいるが、どこまで必要なんだろうと思えてならない。勿論配達日を限定することで配達員氏の仕事が減るならばやる価値はあるかも知れないが、どうもその様になっているようには思えない。そういう意味では対面手渡しが必要なもの程時間を決めて再配達を減らすように持って行かなければ意味がないと私には思えてならない。最近amazon他通販を利用することは私自身も例には漏れず増えては来ている。しかしその際も対面手渡しとなる“ゆうパック”等を利用しない業者を極力選ぶようにしている。なかなか配送手段迄確認しながら購入するには骨が折れる作業が伴うが、少しでも人的負担を減らすように考えたい自分があるのであった。

能登島郵便局を後にして暫く県道を走る。目指すは東島簡易郵便局であるがその前に向田漁港に立ち寄ってトイレ&一服休憩を取る。

目的地である東島簡易郵便局界隈は所謂漁師町らしい細い道が入り組んでいる集落であった。ナビの指し示す通り走って行くが、基本“車が通れる道”という判断だろうか?一向に目的地に辿り着かない。普通の道しか走った経験がない者からすれば走れない狭窄路。狭い道には慣れている筈の私だったが、その道に入る前にミラーを擦らないことを確認してブレーキを緩めた瞬間エマージェンシーブレーキが作動し急停止。どうやらミラー先端から何cmという設定があるようだ。仕方なしにミラーを畳んで徐行しながら通過した。この様な道ばかりなので、車で行くことが出来る場所への案内になってしまう。結果いつまで経っても目的地には辿り着けないために港の広場に車を停め、歩くことでやっと東島簡易郵便局に辿り着く事ができた。

この東島簡易郵便局、以前は特定局だったようでその痕跡が残っていた。毎度のごとく500円を貯金し、局印を押して貰って車へと戻る。防波堤はあるもののその先には富山湾が広がっている。時間があれば暫くぼ~っとしていたい気分ではあるが、貧乏性故に先を急ぐことにする。

次の目的地はえの目郵便局。能登島先端にある郵便局は以前“鰀目郵便局”と漢字で標記されていた。どんな理由があったのかはわからないが、難読地名から脱却しようとしたのかも?といった理由は考えられる。ちなみに局舎の入口に記載されているのは“鰀目郵便局”であった。

えの目郵便局もそつなくこなし、能登半島に向かって走り出す。途中道の駅のとじまに立ち寄って一息入れる。店舗も営業していたので、職場へのお土産を探すことにした。お手頃価格からそれなりの値段迄の商品が、種類・量とも豊富に置かれており、この界隈では数少ない“販売所”であることには間違いないだろう。

ただここでひとつ致命的な失敗をしてしまった。予定では17:00過ぎに輪島に到着するという漠然とした“時間取り”を気にし過ぎていたようで、道の駅のとじまに1時間半滞在してしまった。私の場合普段ならば道の駅の滞在は10分~30分である。しかしここで“旅行貯金”のコース決めをしてしまったがために大幅に滞在時間を超過。気が付けば残り1時間となっていた。そのことに気づいた私はすぐさま車を走らせる。先ずは根木ポケットパークまで行き、一服&トイレ休憩を入れる。この区間で“ツインブリッジのと”も通過しているのだが、車を降りてまで橋の景色を見る余裕は全くなかった。

根木ポケットパークから国道249号線を走り、穴水町に入ると間もなく穴水川島簡易郵便局に到着する。こちらも以前は特定局の面影を残す局舎であった。穴水川島簡易郵便局の出発時刻は15:33。後30分弱しか余裕はない。穴水川島簡易郵便局の局員さんが教えてくれた近隣局の情報を元に穴水郵便局を目指すことにした。

穴水町唯一の集配局であり混雑も覚悟はしていたが、結局取り越し苦労に終わり数分の滞在で済ませることが出来た。ただこの穴水郵便局、局前に川が流れている上に道も狭く局舎の写真が撮れなかった。しかし記録を取らねば忘れてしまうこと故に、川の対岸から撮影しようと考え実践した。結果として正解だったために穴水郵便局局舎の画像をカメラに収めることが出来たのであった。

そしてまた車を走らせ、向かった先は来迎寺谷簡易郵便局。穴水川島簡易郵便局で金沢方面に向かう体で紹介された局である。以前は“なにもなかった”場所だったと思われるが、現在ではのと里山海道の高架橋が“谷”を横切る様に建設されていた。

来迎寺谷簡易郵便局を出たのは15:55。時間的には次はないのだが、スマホナビで最寄りの局を検索すると所要時間5分の中居郵便局が表示され、ダメ元で行ってみることにした。しかし途中の道で工事をしているために片側交互通行になっており、やむを得ないタイムロスが生じてしまった。結局遅れること5分で到着したものの窓口の受付はできないと言われてしまった。まあ営業時間外になったのは仕方がないが、提案されたATMで入金して局印を押すとのことも500円の場合手数料が生じてしまうのが現状のゆうちょ銀行。文句をたれても仕方がないので“日を改めます”と強がって出発することにした。

そう言えば急いだあまり来迎寺谷簡易郵便局の局舎の写真を撮り忘れたことに気付き、今来た道を戻ることにする。相変わらず対面通行の場所で短い渋滞が発生していたが、その前の場所であらぬ方向を向いた車がトマッテいることに気付く。横向きの車両の前輪は道路に残ってはいるものの、後輪は宙に浮いている。渋滞に気付くのが遅れ急ブレーキを踏んだらスピンしたのかも知れないが、正しく注意1秒事故一生。他人事とは思えず心を引き締めて走ることにする。

そして無事来迎寺谷簡易郵便局の局舎の写真を取り終えて、いよいよ2日目のイベント開催地へと向かうことにする。行き先は能登半島の先端にある輪島市である。その前に道の駅あなみずに立ち寄って一服休憩を入れる。のと鉄道穴水駅前に位置する道の駅あなみずだが、以前は輪島と珠洲方面に向かう分岐点の駅であった。しかし21世紀を迎えて両線は廃止。三セクのと鉄道の終着駅として穴水駅は残ることとなった。個人客ならば穴水まで鉄路を使いその後はバス移動とすることは理解できる。しかし意外にもツアー客がホームから出てきた後に観光バスに乗り込む姿を目の当たりにした。和倉温泉迄は特急利用は可能だが、その後普通列車に乗車して穴水迄移動するのだろうか?色々と思うところがあった穴水駅並びに道の駅あなみずであった。

一息ついた後再び走り出し、穴水ICからのと里山空港IC迄の能越自動車道、そして輪島までは国道249号線を進んで行く。輪島の市街ではなく反対方向にしばらく走ると本日の第一目的地である道の駅千枚田ポケットパークに到着する。この道の駅千枚田ポケットパークから海側に広がる棚田が千枚田と呼ばれるものとなっている。海に面した田んぼだと潮風が悪さをするのではといった心配もあるそうだが、逆に潮風が害虫予防となって実りに繋げることができるとテレビでは言っていた。

輪島の白米千枚田とは“どう読むのだろう”と普通に思った私だが、深く考えずに輪島市白米(しらよね)にある千枚田(せんまいだ)と読めば良いということを現地で知った。イルミネーション目当てに来ているので到着時刻は17:30過ぎ。辺りは夜の帳が下りている状況下ではさすがに“海”と“千枚田”という景色のコラボを見ることは叶わない。しかし“あぜのきらめき”というイルミネーションのタイトルは、見た瞬間わかるものではあった。

この千枚田だが耕作者のいない休耕田を利用したものであるそうだ。平成23(2011)年に日本で初めて世界農業遺産に認定された“能登の里山里海”というものの構成要素のひとつとして“白米千枚田”が組み込まれた。他に類を見ない海にせり出す様に広がる千枚田はシンボル的な存在であり、特徴である一枚辺りの小さな面積は18平方メートル程のものであり、中には50cm四方しかないものもあるようだ。この狭さ故農業機械が入れないため、今も田植え・稲刈りは地元住民やボランティアによる手作業で賄われている。平成26(2014)年には日本の原風景を後世に残そうと、稲の種を直播(じかまき)して育成する日本古来の農法“稲代田”を復活させて今日に至っている。それらの維持のため“マイ田んぼ”システムが導入されており、気に入った田んぼのオーナーになれるというものだ。勿論耕作者のいない田んぼの維持という体でのもの故借地権や所有権は生じない。7回の耕作作業に携わることもできるのだが、大抵は“お任せ”パターンになるのだろう。事実耕作管理は白米千枚田愛耕会が実施しており、耕作作業の参加も任意であることを踏まえれば、そうなることは容易に想像がつく。しかし耕作管理者も高齢化が進んでおり、永続的に続けることに無理があることが指摘されている。交通の便が決して良くはない輪島に於いて、手放して生産者年齢層を増やすことは容易ではないことは理解できるものの、観光資源でありかつ輪島ならではの光景をみすみす手放してしまうことに対して観光協会をはじめ行政機関が主体となって、問題解決に向けて舵を切らねばならない時期に差し掛かっていることは間違いない。実際の耕作に対しては素人ゆえに口出しすることはできないが、日本全国あちらこちらで開催されているイルミネーションイベントの中でも“海にせり出した田んぼ”を利用してのイベントは聞いたことがない。そういう点で考えてもやはり後世に残すべき“景色”だと私には思えてならない。私自身は展望台から体力が許す(だろう)レベルで順路を歩いて来た。そのため広大なイルミネーションエリアを全て回った訳ではない。また写真ではわからないが、通路の傾斜も場所によってはかなり急なところもある。あぜのきらめきは例年10月下旬から3月中旬頃まで行われている。雪景色をしたイルミネーションもオツなものだろうとは思うのだが、遠景を楽しむだけならいざ知らず、近くまで行きたいのであれば、雪のない時期をお勧めする。

あぜのきらめきを1時間半ほど掛けてゆっくりと歩いて来た。しかしなんせ広い田んぼであるために、超広角レンズを用いても全景を撮影することができなかったことが少し残念であったが仕方がない。という時間を過ごしてから車に戻り、今回の旅路最後のイルミネーションイベントに向かうために出発することにした。

行きに通った道を折り返す形で走って行く。穴水町まで戻る形で走り、向かった場所は能登長寿大仏である。大仏とは言ってもお寺ではなく、財団法人が運営している文化施設の中に建立されたものである。宗教法人と記されているものもあるようだが、あくまでも登記上は一般財団法人とされている。地元穴水町で建設業を営んでいた建立者が“町民の安らぎの場になれば”との想いから作られたものだそうで、建立者が101歳で天寿を全うしたという経緯から“長寿大仏”と呼ばれるようになったらしい。建立者曰く“自分の存命中は話題にも上らないが、死後きっと人々がその有り難さをわかってくれるだろう”との予想通り、穴水町が“町興し”の一環として能登長寿大仏を取り上げ、町の観光名所のひとつとして宣伝し現在に至っている。ライトアップは令和2(2020)年11月に始まり、翌年からは~大仏の灯り~と名付けられて現在に至っている。コロナ禍との兼ね合いは記されてはいないが、観光客数の落ち込みに対し、穴水町の観光交流課が主体となり、紅葉の時期に合わせて“能登長寿大仏&紅葉ライトアップ~大仏の灯り~”というイベントとして行われている旨が記されていた。ただイベント詳細はどこまでを施設側が請負っているかまでは記されてはいないために経費負担等はわからない。しかし17:00~20:00という点灯時間はしっかり守られており、白米千枚田で少々ゆっくりし過ぎて19:51に到着したのであったが、長寿大仏とその脇に映える紅葉の写真を数枚撮影したところで時間切れになり、一瞬にして辺りは真っ暗となった。実際のところギリギリの時間に人がいるかどうかまでは確認する術はないようで、一律20:00になると照明が落ちるようになっているようだった。確かに入園無料の施設の場合、終演時間が来る照明が落とされてしまうことはよくあることで、別に能登長寿大仏が特別ではないが、穴水町という場所柄“宿泊”する者はそう多くはないと思う。やはり近隣の和倉温泉やツアーで切り込む金沢といった場所での宿泊客が訪れることを踏まえればもう少し時間に対して寛容にしても良くないか?と思ったのが正直な気持ちであった。前日和倉の青林寺が時間切れで訪れることができなかったこともあり余計にそう思えた私であった。

ライトアップが終ってしまえば車の場所すらわからなくなる位真っ暗の場所では何をすることもできないので、素直に今回の旅路に於けるイルミネーションイベントはこれにて終了として、本日の宿である金沢方面へと向かうことにする。

暫く走り続けることになるので最寄りの道の駅あなみずに再度立ち寄って一息入れる。そして穴水ICからのと里山海道を走り羽咋へと向かう。山の合間を縫って走るルートではあるが、海が見える区間であっても眺望は望めないために、寄り道はせずに予定通りの立ち寄り地へと向かうことにする。

羽咋を立ち寄り地としてピックアップしたのは食事と給油をするためである。とはいえ金沢に向かうルート付近にある場所であるために、のと里山海道を十分に活用できるからありがたい。ところがちょっとしたハプニングが発生する。なんと給油ランプが点灯したのだ。車種によりガソリン残量に違いはあるようだが、おおよそ10L程度の残量だと言われている。給油予定のGS迄は80km程走らねばならない。1,000円分だけでも入れておこうかとも考えたが、給油するならばのと里山海道を外れなければならないので、まあ大丈夫だろうとタカを括って走って行く。とにかく羽咋迄は戻ってこられたので、先に夕食を摂ってからGSのあるかほく市を目指すことにした。

  《続く》

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
高速・路線バス レンタカー JR特急 JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行なし)
利用旅行会社
JTB

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