バングラデシュ(2)何もないけど何か在る／ダッカ

2023/08/06 - 2023/08/14

世界で最も観光客が来ない国の一つ、バングラデシュ。２日目も案の定絶望的な渋滞です。見えているそこまで行くのに何時間も。「現行犯逮捕された犯人たちと一緒に雨宿り」を始め、すぐさま誰かに話したくなるエピソードが次から次へと増えていく過密都市ダッカ。くたびれ果てたのに、なぜか心地良い不思議な街を彷徨います。

エリア ダッカ(バングラデシュ)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 1.5

• 同行者: 友人
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ダッカ大学の先生の友達ラナさんが車を出してくれたので、オールドダッカ訪問をリクエストしてみました。朝の内はまだ軽めの渋滞、行き交う路線バスがどうしてそんなボコボコの状態で普通に走行できるのか、実に謎。

いきなり余談ですが、陽気なドライバー氏は数分おきに丸いブラシで髪を整えます。限りある資源を大切に。

ちっとも直行してくれません。さっそく遠回りで国会議事堂へ。会期中でなければ有料で見学できるそうですが、広大な芝生を挟んで柵越しに暫く見てくれ、と駐車。

バングラデシュ国会議事堂 (ジャティヨ ションショッド) 現代・近代建築

議事堂近くの池クレセントレイクを橋で渡ると。

ジアウル・ラフマンの廟。暗殺された元大統領のお墓の周囲は市民の愉快な憩いの場って。

微妙な水質の溜め池で、元気に水浴びする方々、多数。

禁酒国では往々にして甘い果物屋さんに男子が集まる。

酸っぱそうなパックンフラワー状の果物を試すと、問答無用で塩を振りかけられ、結局ちっとも甘くはなくただ「しょっぱい！」を全身で表現する羽目になり、バングラおじさんたちが大喜び。

バングラ男子の普段着、ルンギ。筒状の布を腰で縛るだけのシンプル民族衣装ですが、結び目の所に秘密が！実はスマホや紙幣をそのままイン。

まだまだオールドダッカに着きません。別の溜め池周辺を散歩せよ、と。

確かにほっと一息系の光景です…蒸し暑くさえなければ。濁った水辺で沐浴するおじさんたちのすぐ目の前で若いカップルがデートしてたりします。

あっつあつのミルクティを振舞ってもらいました。たっぷり歩いて大汗かいた後、灼熱のダッカにて。

※念のため…バングラデシュの紅茶はとっても美味です。

ルンギに興味を示しまくった結果、市場の民族衣装屋さんに。こちらもバングラ男子の普段着、パンジャビ。薄手で涼しくて、実は腰に小さなポケットも。１着お買い上げ。

勿論セットでルンギも！筒状なので余った部分をウェストの所で縛って調節。なんとバングラ男子の99%はノーパンらしく、万が一結び目が緩いと大変な事態になります。

ルンギ男子たち、絶対にパンツ穿いてません。ジーンズなど洋装であっても、まず下には何も穿いてません。

ニューマーケット 市場

ニューマーケットの一角に、ベンガル言語運動の碑。かつて東パキスタンだったバングラデシュでは、元々話していたベンガル語ではなくパキスタンのウルドゥー語を公用語とせよ、との政策が推し進められ、反発した人々が言葉を取り戻そうと立ち上がりました。

超難解なベンガル語で溢れる古書街。ベンガル言語運動があったからこそ。

巨大マーケットの中央には立派なモスクです。少し覗いてみたい、と話してもラナさんは「見なくていいから先へ行きましょう」って。でもオールドダッカには向かってくれない。

マーケットから次の場所（どこ？）は近いそうで、リキシャに乗り換えます。無秩序な渋滞の中、自家用車もタクシーもバスものべつ幕なしにクラクションを鳴らし続けています。

リキシャの乗車賃は事前交渉。英語NGな人も多いので、道中バングラ人の友達に任せっきりでした。

じわじわオールドダッカには近づいているようで、ダッカ大学に寄り道。前夜に会ったバリ先生と研究室の若者たちと学食でビリヤーニなどランチに。

先生たちはスプーンで食べなさい、と言うけれども、地元の人に倣い右手でトライし続けると大学院生のハッサンが大喜びで意気投合。次の日いっしょに街歩きしてくれる事になりました。

ダッカ大学 散歩・街歩き

ようやくオールドダッカ界隈に辿り着いたのに、お目当てのピンクパレス目前で「兄がやっている布屋さんに寄りましょう」とラナさん。各種布の説明を受け、椰子の実ジュースをいただき小一時間ほど。

そしてバングラデシュの数少ない観光地、ピンクパレス（アッシャンモンジール）に着いた時には既にクローズド…また出直しましょう。

ピンク パレス (アーシャン モンジール) 博物館・美術館・ギャラリー

気を取り直して徒歩圏のショドルガットに。異臭に満ちたブリゴンガ川の船着き場に近づくと一天にわかにかき曇り。

ショドル ガット 船系

大粒の雨が痛いほどのスコールです。一緒に雨宿りを、と手招きしてくれたおじさんたちは実は私服警官。暴風雨から逃れようと身を寄せ合う中には、詐欺罪で捕まりたての手錠おじさん２名もばつが悪そうに。その真横でニコニコ「日本に行ってみたいんだよねぇ」とお巡りさんたち。

夜は現地駐在中の大学の後輩と会う約束をしていたので、ラナさんと別れて三輪タクシーのCNGに。

鉄格子に囲まれ、囚人気分で出発。

先ほどのスコールで、下水処理施設の整備が遅れているダッカはあっという間に内水氾濫です。

そこへ重なる狂気の大渋滞。水位は刻々と増し、車内にいても足が浸かる所まで来ました。地図上では１時間程度に見えた距離をなんと５時間近くかけて…早くも混沌都市ダッカの洗礼を。