2023/08/05 - 2023/08/06
14844位(同エリア59285件中)
ひらしまさん
知床から根室に向けて走る間、クナシリ島がよく見えた。大きくて存在感がある。ここに来たことは、あらためて「北方領土」問題を勉強するきっかけになった。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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5日目。屈斜路湖の宿を出て知床へ向けて北上する途中で、清里町のさくらの滝に寄る。カーナビにはなくグーグルマップで探しながら行くと、意外に広い駐車場が整備されていた。
川方向に歩いてすぐ、滝が見えると思わず歓声が出た。
高さ2~3メートルほどの滝に向かって、魚が次々とジャンプしている! -
この川で生まれた桜鱒(サクラマス)が海に出て大きく育ち、産卵のためにこの川に戻ってきた遡上の場面なのだ。ちなみに川に残った個体がヤマメとよばれ、桜鱒の体長はヤマメの2倍以上になるそうだ。
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そのジャンプは見事でよくあんなに高く飛べるなと驚くが、しかしそれでも、ずっと見ていて一匹たりとも滝を越えられない。懸命に努力し続けてなお実らないその姿に、この滝にスロープをつけてあげられないものかと、つい思ってしまうのだった。
(ここは写真より動画を載せたいと思ったけれどMP4をGIFファイルに変換しても貼り付けると静止画になってしまう。どなたか動画の載せ方をご存じでしたら教えてください。) -
車はオホーツク海沿いに出た。ウトロの道の駅でパンかおにぎりで軽い昼食をとろうと思ったが、そういう物は売っていない。しかたなくそこの食堂に入ったが、出てきた蕎麦は具がわずかでそのうえまずい。最悪の食事だった。
ウトロの町を過ぎると一気に山になった。道路脇に鹿が現れる。 -
今日は知床五湖の地上遊歩道を歩く予定だ。雨で道はぬかるんでいるはずなので、手前の自然センターで長靴を借りようとしたら、今日は熊が出たので地上遊歩道は閉鎖されていると教えてくれた。
残念だけど仕方がない。高架木道を歩こう。
小雨の中、傘を差して高架木道を歩き始めた。木道はとてもしっかり作られている。熊よけの電気柵まである。
オホーツクの海は鉛色に霞んで見える。 -
知床連山は雲がかかっていた。
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高架木道はゆるやかに上り、終点は一湖だった。五湖のうち残りの四つは地上遊歩道でしか行けないのだ。
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青空だったらずいぶん違うんだろうなと思い、でもこういう気候こそ湿原にふさわしいのだろうと思う。
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来るときに通り過ぎたオシンコシンの滝を見てから宿に向かった。
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KIKI知床ナチュラルリゾートはウトロの高台にある大型ホテル。
東ウィングはおしゃれでリゾート感あふれているが、我が西ウィングという名の旧館はエレベータからしてどこにあるか分からない日陰の存在だった。B・T・洗面一体で狭く旧式。
2食ともブッフェで1人1万5千円だったらもう少し快適な部屋かと思っていたけれど、宿泊料相場は知らないうちに高騰しているようだ。
サッカー女子W杯ノルウェイ戦をテレビ応援したあとの夕食はおいしかった。ホテルの写真は1枚も撮ってなかったので公式サイトより借用。
大浴場は湯温が4種類もあり快適だったが、翌朝、風呂から上がったときに脱衣所でちょっとした事件があった。女性がはいってきたので宿のスタッフだと思っていたら、その人が他の人と同じように衣服を脱ぎ始めた。昨今話題のトランスジェンダーの方かなと思い、それ以上は見ていなかった。
すると、1分後くらいに、その人が洗い場からあわてた様子で出て来たのが目に入った。彼女が近くにいた外国人に英語で話すには、前夜と男湯・女湯が入れ替わっていたのでうっかり間違えたのだそうだ。それにしても脱衣所で気がつきそうなものだが、思い込みは怖い。しかし、これが女性だから笑い話ですんだけど、男だったら逮捕されちゃうな。 -
6日目。南下して根室に向かう。
霧の知床峠を越えるとヘアピンカーブの連続だった。 -
羅臼に下りるとクナシリ島が大きく見える。
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海保の巡視船もいる国境の港だ。
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クナシリを左に見ながら南下する幹線道路沿いでキタキツネ発見。人家の庭に慣れた様子ではいっていった。
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草を食む蝦夷鹿もいた。
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近寄ってカメラを向けると注視はするが逃げたりはしない。
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鹿を近くで見られて観光客としてはうれしいが、でも君たち、やっぱり増えすぎだよ。
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北海道に来たらやっぱセイコーマートでしょと妻が言い、表敬訪問。
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風蓮湖の道の駅であんパン昼食。
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展示されている動物たちの剥製に迫力があった。
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風蓮湖と春国岱。
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根室半島に入り、道立北方四島交流センターにお邪魔した。立派な施設なのに、入場者は我々だけで閑散としている。
ロシア文化の紹介が手厚く、千島や樺太の歴史の展示もあるが充実しているとは言えない。 -
このパネルにはびっくりした。
サンフランシスコ平和会議において吉田茂首相が「千島列島には四島が含まれないことを各国の代表団に伝えました」とある。ということは、サンフランシスコ平和条約で千島列島の領有権は放棄するけれど、クナシリ、エトロフはその放棄する千島列島には含まれないと各国に宣言したと読める。
初耳だったので、あとで外務省の北方領土サイトを探してみたけれど、そんな資料どこにも載ってない。 -
おそらく、条約受諾演説で吉田首相が、千島列島及び南樺太は日本が侵略によつて奪取したものではないと訴え、続けて次のように述べたことを指しているのだろう。
「日本開国の当時、千島南部の二島、択捉、国後両島が日本領であることについては、帝政ロシアも何ら異議を挿さまなかつたのであります。ただ得撫以北の北千島諸島と樺太南部は、当時日露両国人の混住の地でありました」。
「千島列島及び樺太南部は、日本降伏直後の1945年9月20日一方的にソ連領に収容されたのであります。また、日本の本土たる北海道の一部を構成する色丹島及び歯舞諸島も終戦当時たまたま日本兵営が存在したためにソ連軍に占領されたままであります」。
しかし、この吉田の演説を落ち着いて読めば、吉田がクナシリ、エトロフを含めて千島列島と呼び、そのうちのウルップ以北は北千島と呼んでいることが分かる。けして、ウルップ以北だけが千島列島だなどとあのパネルのようなことは言っていない。これがサンフランシスコ平和条約における日本政府の公式態度だった。
つまり、千島列島の一部であるクナシリ、エトロフの領有権は、あのとき明確に放棄させられてしまったのだ。当時の政府は国会でもそう答えていた。
そういう国際社会への約束を踏まえ、1955年に始まったソ連との平和条約交渉で日本政府は、豊かな漁場があり日本の支配が長かったクナシリ、エトロフを含めた4島返還を一応掲げながらも、実質的には歯舞・色丹2島返還による日ソ平和条約の締結をめざした。
しかし、冷戦下で日ソが接近することを恐れる米国政府から「だったら沖縄は未来永劫返さないぞ」と圧力をかけられて日ソ交渉は中断し、翌56年に日本政府は「クナシリ、エトロフは千島にあらず」と、それまでの見解をひっくり返してしまう。
さらにいわゆる”ダレスの恫喝”に屈服した日本政府は、無理筋で現実性もない4島返還要求に完全転換してしまい、その当然の結果として、その後70年近く、何の成果も得られず現在に至っている。 -
北方四島交流センターの別のパネルの地図を見ても、きちんとクナシリ、エトロフを含めた全体を千島列島と表記していた。帰宅してから、わたしの高校時代の教科書を引っ張り出して見ても同様だった。
千島列島がどこからどこまでかというのは地理的概念だから、時の政府の国会答弁に合わせて広くなったり狭くなったりするものでないのは当たり前だが、でも、そう言えたのは過去の話。
今の教科書ではそれが許されなくなっていて、千島列島はウルップ以北の狭い範囲に変えられている。日本の教科書は、学問を曲げても政府見解通りに書くことを強制されているのだ。そういう点で、我等が日本政府は、ほかならぬロシア政府と「価値観を共有している」。
※下記サイト「北方領土問題」を大変参考にさせていただきました。
https://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm -
さらに根室半島を東に走り、先端をめざす。風の中、放牧されていた馬の群れ。
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人で賑わうモニュメント・エリアはさっと見て、灯台の前まで車を進め、さらに歩くと納沙布(ノサップ)岬の先端に出た。ここまで来る人は少ない。
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野鳥観察所があり、行きかう海鳥を窓から眺める。
見えないけれど、この先に歯舞群島、さらに色丹島があるはずだ。 -
市街に戻り、根室市歴史と自然の資料館を訪ねた。小学校と児童館に挟まれて目立たず、入り口もほんとにここかなと不安になるほどしょぼい。
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軽物(かるもの)交易という言葉をここで知った。アイヌがラッコ、アザラシ、クロテンなどの毛皮や鷲の羽などを大陸や内地との交易で米などと交換していた。和人の支配が強まってからは私的流通が禁じられ、幕府や松前藩が独占したという。
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樺太で日本とロシアの境界に置かれていた石。
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裏面はロシア語表記だ。
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かと思えば、根室本線が伸びてきた歴史も展示されていた。
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動物の剥製展示もたくさんある中で、かわいかったのがこのタヌキ。
狭い館内にいろんな展示を詰め込んだ感はあるけれど、素朴でわかりやすい資料館だった。
閉館の5時に出て、霧多布の宿へ急いだ。
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