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 最初の旅プランでは、積丹半島のあと富良野にも行くつもりだった。で、富良野から釧路へJRの根室本線で行くイメージだった。ところが、調べてみると途中の東鹿越~新得間は16年の水害で不通となったまま復旧されず、代行バス輸送になっているではないか。さらに、来年には富良野~新得間が廃止されることも決まったという。北海道の鉄道の苦境をあらためて知らされた。<br /> よく考えずに往復飛行機にしてしまったけれど、せめて行きだけは北海道新幹線を使えばよかったと反省している。<br /><br /> 3日目。レンタカーを返した新千歳空港で鉄道に乗り、乗り換えの南千歳駅の売店で菓子パンを買って待ち時間に昼食。特急が止まる駅だから駅前においしいパン屋でもあるかと思ったが、見事に何もない。あるのは駐車場ばかりだった。<br /> 釧路に向かう特急おおぞら5号の窓は、水垢か油膜かで白く曇っている。風景自体もあまり変化がない原野が続く。<br /> 当たり前だけど、風光明媚だけが北海道ではない。こういう何もないところを開拓してきたんだなあと先人の苦労を思う。朝ドラ「なつぞら」の草刈正雄や高畑淳子の顔が脳裏に浮かんだ。<br /> 海の近くを走るようになって、畑に2羽の丹頂鶴発見。そして3時間半の乗車でお尻が痛くなったころ釧路に着いた。

大自然の中の北海道 '23夏(2)釧路湿原カヌーツアー

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2023/08/03 - 2023/08/05

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ひらしま

ひらしまさん

 最初の旅プランでは、積丹半島のあと富良野にも行くつもりだった。で、富良野から釧路へJRの根室本線で行くイメージだった。ところが、調べてみると途中の東鹿越~新得間は16年の水害で不通となったまま復旧されず、代行バス輸送になっているではないか。さらに、来年には富良野~新得間が廃止されることも決まったという。北海道の鉄道の苦境をあらためて知らされた。
 よく考えずに往復飛行機にしてしまったけれど、せめて行きだけは北海道新幹線を使えばよかったと反省している。

 3日目。レンタカーを返した新千歳空港で鉄道に乗り、乗り換えの南千歳駅の売店で菓子パンを買って待ち時間に昼食。特急が止まる駅だから駅前においしいパン屋でもあるかと思ったが、見事に何もない。あるのは駐車場ばかりだった。
 釧路に向かう特急おおぞら5号の窓は、水垢か油膜かで白く曇っている。風景自体もあまり変化がない原野が続く。
 当たり前だけど、風光明媚だけが北海道ではない。こういう何もないところを開拓してきたんだなあと先人の苦労を思う。朝ドラ「なつぞら」の草刈正雄や高畑淳子の顔が脳裏に浮かんだ。
 海の近くを走るようになって、畑に2羽の丹頂鶴発見。そして3時間半の乗車でお尻が痛くなったころ釧路に着いた。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
旅行の手配内容
個別手配
  •  釧路の宿は釧路プリンスホテル。大きな窓から釧路川や港が見えるのがいい。でも室内は旧式の安普請。これで素泊まり1人12000円は高すぎる。

     釧路の宿は釧路プリンスホテル。大きな窓から釧路川や港が見えるのがいい。でも室内は旧式の安普請。これで素泊まり1人12000円は高すぎる。

  •  夕食はホテル裏口出てすぐの炉端焼きの店「かねきち」へ。開店の5時に行くとすでに十人ほどの先客が店の前で待っていた。

     夕食はホテル裏口出てすぐの炉端焼きの店「かねきち」へ。開店の5時に行くとすでに十人ほどの先客が店の前で待っていた。

  •  焼き担当のおじさんと3人ほどいる女性たちの対応が気持ちいい店だ。焼き魚のほか刺身や春巻きなどを食べ、朝食用におにぎりも握ってもらった。

     焼き担当のおじさんと3人ほどいる女性たちの対応が気持ちいい店だ。焼き魚のほか刺身や春巻きなどを食べ、朝食用におにぎりも握ってもらった。

  •  4日目。釧路湿原カヌーツアーの日だ。6時半起床。<br /> 前日までの天気予報ではかなりの強風となっていて実施を危ぶんでいたが、7時過ぎに「カヌープロ」から天気は問題なく実施すると電話があった。<br /> オリックスレンタカーで銀色のヤリスクロスを借り、待ち合わせ場所の達古武オートキャンプ場で9時前にカヌープロのお二人と会う。そこからさらに上流の塘路湖まであちらの車に同乗して移動した。

     4日目。釧路湿原カヌーツアーの日だ。6時半起床。
     前日までの天気予報ではかなりの強風となっていて実施を危ぶんでいたが、7時過ぎに「カヌープロ」から天気は問題なく実施すると電話があった。
     オリックスレンタカーで銀色のヤリスクロスを借り、待ち合わせ場所の達古武オートキャンプ場で9時前にカヌープロのお二人と会う。そこからさらに上流の塘路湖まであちらの車に同乗して移動した。

  •  しっかりしたライフジャケットを装着してカヌーに乗り込む。先頭にわたし、真ん中に妻、後ろに漕ぎ手兼ガイドの伊藤さん。伊藤さんは50歳くらいの男性でよくしゃべる明るい人だ。<br /> 舟はすぐに塘路湖を出て、国道391号とJR釧網本線の下をくぐって釧路川にはいる。

     しっかりしたライフジャケットを装着してカヌーに乗り込む。先頭にわたし、真ん中に妻、後ろに漕ぎ手兼ガイドの伊藤さん。伊藤さんは50歳くらいの男性でよくしゃべる明るい人だ。
     舟はすぐに塘路湖を出て、国道391号とJR釧網本線の下をくぐって釧路川にはいる。

  •  よく晴れて、風も穏やか。<br /> 前方の木に尾白鷲がいると、伊藤さんが教えてくれたが見つけられない。<br />

     よく晴れて、風も穏やか。
     前方の木に尾白鷲がいると、伊藤さんが教えてくれたが見つけられない。

  •  近づいてようやく見分けられた。さすがプロは違う。<br /> 尾白鷲のような大きな鳥が止まれる枝は限定されるので、ガイドはそういう枝に目を配るんだそうだ。<br />

     近づいてようやく見分けられた。さすがプロは違う。
     尾白鷲のような大きな鳥が止まれる枝は限定されるので、ガイドはそういう枝に目を配るんだそうだ。

  •  またも尾白鷲がいた。<br /> 尾白鷲は翼を広げると2mを越える日本最大級の猛禽類。多くは冬の間だけロシアから日本に来るけれど、ここ道東では繁殖もして年間通して生息している。国の天然記念物にして絶滅危惧種なのだ。<br /> ちなみに、尾が白いから尾白鷲なんだけど、その白い部分は小さく目立たない。

     またも尾白鷲がいた。
     尾白鷲は翼を広げると2mを越える日本最大級の猛禽類。多くは冬の間だけロシアから日本に来るけれど、ここ道東では繁殖もして年間通して生息している。国の天然記念物にして絶滅危惧種なのだ。
     ちなみに、尾が白いから尾白鷲なんだけど、その白い部分は小さく目立たない。

  •  川の蛇行の外側は流れが速いので岸が削られ、さらに蛇行が大きくなっていくのだそうだ。

     川の蛇行の外側は流れが速いので岸が削られ、さらに蛇行が大きくなっていくのだそうだ。

  •  蝦夷鹿の親子。

     蝦夷鹿の親子。

  •  蝦夷鹿には何回も出会ったが、人間をまったく警戒せず悠然と草を食む姿がいい。<br />

     蝦夷鹿には何回も出会ったが、人間をまったく警戒せず悠然と草を食む姿がいい。

  •  コンクリートの見えない川って普段見られないよな。右岸は国立公園の特別保護区域なので、倒木も勝手に動かせないのだとか。<br />

     コンクリートの見えない川って普段見られないよな。右岸は国立公園の特別保護区域なので、倒木も勝手に動かせないのだとか。

  •  「ミンクがいます」と言われて一瞬黒いモノが動くのを見たけれど、闇夜のカラス、暗がりのミンク。<br /> 釧路湿原にミンクがいるなんて意外だったが、かつて毛皮をとるために飼育されていたものが逃げ出したり放棄されたりして、今では大量に住み着いているのだそうだ。

     「ミンクがいます」と言われて一瞬黒いモノが動くのを見たけれど、闇夜のカラス、暗がりのミンク。
     釧路湿原にミンクがいるなんて意外だったが、かつて毛皮をとるために飼育されていたものが逃げ出したり放棄されたりして、今では大量に住み着いているのだそうだ。

  •  ツアーは終盤にさしかかり、釧路川から支流の達古武川にはいる。これまでの広々とした流れとうってかわってジャングルクルーズだ。<br />

     ツアーは終盤にさしかかり、釧路川から支流の達古武川にはいる。これまでの広々とした流れとうってかわってジャングルクルーズだ。

  •  カワセミが何度も目の前を通るのにびっくり。心の準備もなくピンぼけ・ぶれぶれ写真だけど写ってるだけでよしとする。

     カワセミが何度も目の前を通るのにびっくり。心の準備もなくピンぼけ・ぶれぶれ写真だけど写ってるだけでよしとする。

  •  そして、達古武湖に近づき少し開けてきたところで、尾白鷲も飛ぶ姿を見せてくれた。

     そして、達古武湖に近づき少し開けてきたところで、尾白鷲も飛ぶ姿を見せてくれた。

  •  かっこいい!

     かっこいい!

  •  この勇姿をいつまでも。

     この勇姿をいつまでも。

  •  ゴールの達古武湖。菱という水草をかき分けるように湖を横断し、車を置いたオートキャンプ場に着いた。<br />

     ゴールの達古武湖。菱という水草をかき分けるように湖を横断し、車を置いたオートキャンプ場に着いた。

  •  自然の中で自由に振る舞う動物たちを間近で見られた楽しい2時間だった。カヌーは静かで、自然界にお邪魔させていただいているという謙虚な感じがいい。伊藤さん、ありがとうございました。

     自然の中で自由に振る舞う動物たちを間近で見られた楽しい2時間だった。カヌーは静かで、自然界にお邪魔させていただいているという謙虚な感じがいい。伊藤さん、ありがとうございました。

  •  塘路湖近くのプレッツェモーロという店でパスタランチ。待っている客がとぎれない人気店ではあるが、値段は高かった。

     塘路湖近くのプレッツェモーロという店でパスタランチ。待っている客がとぎれない人気店ではあるが、値段は高かった。

  •  午後の目的地はオンネトー。<br /> 国道を離れ、滅多に列車の通らなそうな踏切を越えて、北西に進むと、すぐに砂利道に突入。砂利道なんて走った記憶のない軟弱ドライバーなので、時速30キロくらいでそろそろ進む。オンネトーまでずっとこうなのかなあと不安だったが、5キロくらいで舗装道路になってほっとした。<br /> その先もほとんど人家のない道がずっと続き、オンネトーに行くまでがすでに秘境だった。

     午後の目的地はオンネトー。
     国道を離れ、滅多に列車の通らなそうな踏切を越えて、北西に進むと、すぐに砂利道に突入。砂利道なんて走った記憶のない軟弱ドライバーなので、時速30キロくらいでそろそろ進む。オンネトーまでずっとこうなのかなあと不安だったが、5キロくらいで舗装道路になってほっとした。
     その先もほとんど人家のない道がずっと続き、オンネトーに行くまでがすでに秘境だった。

  •  2時間近くかかってたどり着いたオンネトーは、やはり静かな湖だった。展望デッキには数人の人がいた。

     2時間近くかかってたどり着いたオンネトーは、やはり静かな湖だった。展望デッキには数人の人がいた。

  •  雌阿寒岳ってどっちだろうと思ったが、あとで調べると雌阿寒岳はいくつもの火山の総称で、左が主峰のポンマチネシリ、右が阿寒富士らしい。<br /> オンネトーの先に湯の滝というのがあって、原始林を歩くアプローチも含めてよさそうで行きたいと思っていたけれど、過去に熊出没の情報もあり、あした知床五湖を歩くからこちらはやめておくことにして一路宿に向かった。

     雌阿寒岳ってどっちだろうと思ったが、あとで調べると雌阿寒岳はいくつもの火山の総称で、左が主峰のポンマチネシリ、右が阿寒富士らしい。
     オンネトーの先に湯の滝というのがあって、原始林を歩くアプローチも含めてよさそうで行きたいと思っていたけれど、過去に熊出没の情報もあり、あした知床五湖を歩くからこちらはやめておくことにして一路宿に向かった。

  •  今夜は屈斜路湖の三香温泉に泊まる。三十数年前、わたしにとって初めての北海道旅行で泊まった懐かしい場所だ。<br /> ひまわりの種を食べるエゾリスが迎えてくれた。<br /> 「せっかく来ていただいたのにこんなに暑くて申し訳ありません」とご主人に頭を下げられた。我々関東人にとっては全然暑くないが、こちらでは30度超えは大事件のようだ。<br /><br /> 雨がかなり降ってきたため目当ての露天風呂は明朝はいることにして、夕食なしの宿なので川湯温泉にある居酒屋源平に向かった。

     今夜は屈斜路湖の三香温泉に泊まる。三十数年前、わたしにとって初めての北海道旅行で泊まった懐かしい場所だ。
     ひまわりの種を食べるエゾリスが迎えてくれた。
     「せっかく来ていただいたのにこんなに暑くて申し訳ありません」とご主人に頭を下げられた。我々関東人にとっては全然暑くないが、こちらでは30度超えは大事件のようだ。

     雨がかなり降ってきたため目当ての露天風呂は明朝はいることにして、夕食なしの宿なので川湯温泉にある居酒屋源平に向かった。

  •  同じ屈斜路湖周辺なのだから車で5分もあれば着くかと思っていたら、なんと二十数キロも距離があった。屈斜路湖はでかいのだ。雨の道を飛ばして、開店5分過ぎ、最後の席に滑り込んだ。

     同じ屈斜路湖周辺なのだから車で5分もあれば着くかと思っていたら、なんと二十数キロも距離があった。屈斜路湖はでかいのだ。雨の道を飛ばして、開店5分過ぎ、最後の席に滑り込んだ。

  •  源平の名を冠したコロッケから締めの塩バタコーンラーメンまで、料理はみなおいしかった。若いお姉さんが客が来るたびに「何名ですか」と上から口調で言うのだけが耳障りだったが、若いからしょうがないか。それとも、北海道ではそういう言い方が普通なのか。<br /><br /> 帰りの湖畔の道路は真っ暗で、両側の反射板だけが頼りだ。狸が横切っていった。北海道は野生動物が近い。

     源平の名を冠したコロッケから締めの塩バタコーンラーメンまで、料理はみなおいしかった。若いお姉さんが客が来るたびに「何名ですか」と上から口調で言うのだけが耳障りだったが、若いからしょうがないか。それとも、北海道ではそういう言い方が普通なのか。

     帰りの湖畔の道路は真っ暗で、両側の反射板だけが頼りだ。狸が横切っていった。北海道は野生動物が近い。

  •  三香温泉の部屋は2階で、風呂もトイレも洗面所も階下にしかない。夜はひさしをたたく雨音が大きく、なかなか眠れなかった。三十数年前はともかく、今の我々にはちょっと不向きだった。<br /><br /> それでも、翌朝はいった露天風呂はやはりよかった。記憶のようなプールほどの広さはなかったが、目の前が屈斜路湖に続く原生林という環境がすばらしい。<br /> 女湯には葦の囲いがあって原生林の雰囲気は味わえないものの、2匹のエゾリスが木の枝で追いかけっこして遊んでいて、その仕草がとても可愛かったそうだ。<br /> えさ台には小鳥も来ていた。

     三香温泉の部屋は2階で、風呂もトイレも洗面所も階下にしかない。夜はひさしをたたく雨音が大きく、なかなか眠れなかった。三十数年前はともかく、今の我々にはちょっと不向きだった。

     それでも、翌朝はいった露天風呂はやはりよかった。記憶のようなプールほどの広さはなかったが、目の前が屈斜路湖に続く原生林という環境がすばらしい。
     女湯には葦の囲いがあって原生林の雰囲気は味わえないものの、2匹のエゾリスが木の枝で追いかけっこして遊んでいて、その仕草がとても可愛かったそうだ。
     えさ台には小鳥も来ていた。

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