2023/02/24 - 2023/02/24
26位(同エリア154件中)
Tagucyanさん
- TagucyanさんTOP
- 旅行記557冊
- クチコミ276件
- Q&A回答1件
- 1,027,121アクセス
- フォロワー155人
年度末が迫ってきた2月下旬、有休の消化を兼ねて休みを取って、北関東に来ています。ここには関東1都6県のうちの5県が隣接して、県境が入り組んでいる地域があります。
ここで、短時間の間に何回も県境を越えて、これも県境にあるその名も「茨城県境町」まで来ました。
ここに来た理由は、境町が全国に先駆けて定期運転を始めた「自動運転バス」に乗ること。実質的に町営バスのような位置づけになっています。
いろんなメディアで紹介されていて、町のホームページにも載っていて、どんなものだか1度乗ってみたかったのでした。
自動運転のレベルとしてはまだ「部分的自動運転」の段階で、オペレーターさんが乗務しており、そのオペさんからいろんな話を聞きながら町内を行く自動運転バスを体験してみました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
【その2】からのつづき
今日は朝から北関東の県境が入り組んでいるところを巡っている。
昼食後は、南栗橋駅から路線バス2本+徒歩で短時間のあいだに県境を4回も越えて、茨城県境町までやってきた。 -
茨城県境町にある「道の駅さかい」。
ちなみに福井県坂井市にも同じ名前の道の駅がある。道の駅 さかい 道の駅
-
メインの建物の奥にはブルワリー。
地元産「さしま茶」を原料として造った地ビールを提供するらしい。さかい河岸ブルワリー グルメ・レストラン
-
メインの建物の館内マップ。
-
メインの建物は地元の物産館になっている。
-
その隣には、なぜか沖縄県国頭村の公設市場。
-
その先には、これも地元産の食材にこだわったちょっとオシャレなレストラン。
-
その建物のさらに先は駐車場になっているのだが、ここにあるのが・・・
-
町内を走る「自動運転バス」のバス停がある。
現在、全国いろんなところで社会実験が行われている「自動運転バス」だが、ここ境町では全国に先駆けて2020年11月から定期運転を始めた。
運賃は無料、実質的に「町営バス」のようになっている。
境町に来た目的は、これに乗ること。ウワサを聞いて、1度乗ってみたかったんです。 -
境町の自動運転バスはここ「道の駅さかい」を起点に2路線ある。
このうち、町内の北側にある高速バスセンターまで行く路線に乗ることにしている。 -
しばらく待っていると、向こうにある道から、目的の自動運転バスがゆっくり入ってきた。
-
駐車場の中を器用に走り、
-
最後にバックして定位置に停車。
-
境町内を走る自動運転バスは3台あり、この車両は3号車だった。
なので車のナンバーも「3」。境町はつくばナンバーなんですね。 -
専門的なことを言うと、自動運転のレベルには5段階あり、このバスは「レベル2」の「部分的自動運転」で、オペレーターさんが乗っている。
さらに今年の秋には、「レベル4」の「条件付完全自動運転」のバスを導入するとか。 -
座席は、入口を囲むようにコの字形に配置されている。
まずは進行方向にあるこの席に優先的に座るらしく、私もずっとここに座っていた。 -
「このバスのじゃないんですけどね」と言われつつオペレーターさんからシールをもらった。
これをきっかけに、オペレーターさんといろいろと話をした。
このバスはソフトバンク系の会社が技術支援しており、同様のバスが羽田のイノベーションシティー内と、北海道の上士幌町でも走っていて、同社のオペさんが派遣されているとか。 -
天井には各種センサーや空調設備がある。
オペさん「でも夏場のカンカン照りの日にはクーラーの効きが悪くて暑いんですよ。逆に冬の晴れた日は暖房はいらないです」 -
出発前に車内のモニターにこれから進むコースの設定をするオペさん。
将来的には、この作業を車内ではなく遠隔で行う予定だとか。 -
オペさんはコントローラーのようなものを持っている。
路上駐車の車など、障害物を避けるときは、今のところはこれを使って手動で行っていた。 -
定刻が来て出発。
境町内を走る自動運転バスは3台ある。1号車はフランス製。
それに対して、2号車と今乗っている3号車は材料はフランス製だが組み立てたのはアメリカ。そのせいか、「建付けが雑」(オペさん談)。
走るとギシギシするし、加速とかが急すぎて、当初はお年寄りが座席から転げ落ちることもあったらしく、ソフトで抑えているとのこと。
現在ソフト改造中で、それが済めば、もう少しなめらかな動きになると思われる、と言っていた。 -
3台のうち、毎日1台は整備をしていて、通常は2台で運用している。
今日はその2台のうち1台が視察に使われているそうで、そういうときはハイエースを代車として走っていて、そのハイエースとすれ違う。
視察が終わり次第その1台が運用に戻るそうだ。
このような場合、高速バスターミナル線の方が、高速バスからこれ目当てで乗継いでくる人がいるので、こちらに自動運転バスを投入するらしい。
高速バスターミナル線で予定しておいてよかった。
ちなみに、視察は全国から結構多く来るらしい。 -
もうひとつの施設「河岸の駅さかい」の前を通る。
道の駅さかいが運営するベーカリーで、現在ここで作ったパンは直売はしておらず、実質的にはただのパン工場になっている。さかいサンド グルメ・レストラン
-
その向かいには、さっきまで乗っていた朝日バスの営業所の跡地。現在の営業所は別の場所にある。
-
さっき乗ってたバスが、その営業所で折り返してきて、すれ違う。
ちなみに、2号車と3号車は障害物を検知するセンサーが過敏すぎて、対向車が来ると停まってしまうらしい。
路線バスの運転士さんはその辺を心得ていて、大きくよけてくれるそうだ。 -
このバス、時速が20kmしか出ない。
最初の頃は、町の人もマジメにバスの後ろについて走っていたので、渋滞の原因になってしまったらしい。 -
現在は町の人も慣れてきて、後ろから抜いてくれる。
将来的には抜いて下さいという表示を出したいけど、法律に引っかかるそうで、現在はウインカーで対応していた。
ちなみに路上駐車などの障害物をセンサーが検知すると「キンコン」とチャイムが鳴る。当初は停まるまでチャイムが鳴り続けていたが、のちに改造したとのこと。 -
私が乗っているのは今日の最終便で、乗客は私1人だったが、昼間はお客さんが多く、最終便になってようやく落ち着いてきたそうだ。
最近テレビとかで取り上げられて、乗りに来る人が急に増えてきて、休日は乗り切れないことがあるらしい。
座席の配列が真ん中を囲むようになっている。オペさんとお客さんが会話しやすいようにという配慮とのこと。
でもお客さんが多いと、みんなオペさんに質問してくるので、オペさんは安全確認しながらの対応が大変なのだとか。 -
交通量の多い交差点を右折。
-
ここに、エコスというショッピングセンターがあり、立ち寄る。
-
オペさん「このバスはプログラムで決められたところを走るので、タイヤの跡がついてますよね」
ホントだ(笑) -
正面入口の真ん前にバス停があり、停車。
その横のベンチに座っていた地元おじさんとオペさんが親しく挨拶をしていた。毎日ここを通っていれば顔なじみになりますよね。 -
町内に自動運転バスを総合的に遠隔管理している施設があり、オペさんはたまにそこと無線交信をしていた。
オペさん曰く、現在オペさんが手動でしていることを、ゆくゆくはすべてその施設から遠隔でする予定なのだとか。でも、歩道との段差などの安全確認が必要なので、完全な無人化はしない方がよいのでは、という話になっているとのこと。 -
そのエコスから街路に出たところで、車道をお爺さんがヨロヨロと自転車をこいでいた。
オペさん曰く「最悪のパターン」
センサーが働いて、抜くに抜けないらしく、ノロノロとついていくしかないのだった。
(写真はそのお爺さんがいなくなったあと) -
交差点ではラインで停止するようにプログラムされている。その手前に車が止まっていると、センサーが働いて停止。
その車が動き出すと、ラインのところまで行く。
一般論として、自動運転の開発で一番重要なのが、交差点を通過するところと言われている。 -
見通しのいい道路。ここは、表通りが混んでいるときの抜け道になる道で、自動運転バスに慣れていない車も多いとのこと。
でもこのバスは時速20kmしか出ないので、煽られることもあるらしく、オペさんは「もどかしい区間」と言っていた。 -
細い道に入った。オペさん曰く細い道の出入りもなかなか難しいところ、とのこと。
しかもこの道に入るところにちょっとした勾配があり、その勾配が変化したところをセンサーが障害物として検知してしまうこともあるそうだ。 -
この細い道も抜け道になっているようで、車通りが意外とある。
センサーをキンコンと鳴らしながら、ソロリソロリとすれ違う。 -
なぜこの道を通るかと言えば、道沿いに町の施設がいろいろとあるから。
子供向けの遊戯施設や、その奥に町立体育館などがある場所の前を通る。 -
反対側には歴史民俗資料館などもある。
境町立歴史民族資料館 美術館・博物館
-
今度はトラックが来た。ゆっくりとすれ違う。
-
その細い道から出てすぐ先のところが、終点の高速バスターミナルなのだが、このバスはそこを通り過ぎて、境町の観光情報発信施設も兼ねているカフェの前を通る。
-
ここも、テレビで紹介されて、週末などは混雑するそうだ。
そもそも圏央道のICからも近いので、利用勝手がよいのでしょうね。8代葵カフェ ハワイ境店 グルメ・レストラン
-
その施設がある場所と、高速バスターミナルは敷地がつながっている。現在はそこを通り抜けるルートになっているのだが、プログラムは一旦街路に出るようになっているらしく、この区間はオペさんが手動で操縦。
途中にある人工サーフィン施設。境町とハワイのホノルルが姉妹都市なのだそうで、その縁で東京の大井町から移転してきた施設とのこと。 -
そして、終点の境町高速バスターミナルに到着。
所要時間は約30分。ここまでいろいろと案内してくれたオペさんにお礼を言って下車した。境町高速バスターミナル 乗り物
-
バスターミナルには多くの人がいた。
向こうでスタンバイしてる東京駅行きの高速バスに乗る人たちらしい。
この自動運転バスも、そのバスに接続するダイヤになっている。 -
今まで乗ってきた自動運転バスと高速バスのツーショット。
-
このバスターミナルの構内には、カーシェアとサイクルシェアの施設があり、町内の移動に便利になっている。
私はここから、自転車を借りることにしている。 -
このサイクルシェアを利用するには、専用のアプリから予約。
このアプリ、全国の多くのサイクルシェアが使えるスグレモノ。
カギの開閉などもこのアプリを使って行う。
町内にこのような施設が何ヶ所かあり、どこで返却してもOK。 -
今回借りたSKI006号。
いつの間にか乗ってきた自動運転バスは折返し出発してしまい、そこに東京駅行きの高速バスが停まっていた。 -
これに乗って、次の目的地へ向かいます。
【その4】につづく
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2023.2 北関東・県境が入り組んでいるところに行く
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
この旅行で行ったグルメ・レストラン
古河(茨城) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2023.2 北関東・県境が入り組んでいるところに行く
0
51