2023/08/01 - 2023/08/02
180位(同エリア590件中)
ひらしまさん
8月、猛暑から逃れるように北海道を1週間旅した。
旅は新千歳空港からレンタカーで始まる。そのホンダ・ラベンダー店の空港でのピックアップが、かなり歩かされた上に日の当たる場所で待たされ、噴き出す汗に安さで選んだことを悔やんだ。でも、送迎バスで隣合わせた韓国人青年とおしゃべりできたから、まあいいか。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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フィットハイブリッドで道央道を南下し、白老のウポポイに到着。
ウポポイは、アイヌ自身がこの地に創立したアイヌ民族博物館を受け継いだ「民族共生象徴空間」の愛称で、「(おおぜいで)歌うこと」を意味するとのこと。わたしは今までアイヌの文化に触れる機会がなかったので、まずは少し知ってみようと思う。
ウポポイの中心施設である国立アイヌ民族博物館の2階に上がると、ポロト湖ののびやかな景色が窓いっぱいに広がる。 -
展示室で最初に目を引いたイナウ。家を守る神で、左は女、右は男だそう。簡素だけど華やか。
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子熊の魂をカムイモシリ(神々の世界)へ送り帰すイオマンテは盛大におこなわれたらしい。
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コタン(村)の写真。「世界の大多数の民族がそうであったように、アイヌ民族は国家を持つことはありませんでした」というキャプションに、古今東西、国家があるのが当たり前のような錯覚に陥っている自分を発見する。
展示の説明が基本的にアイヌを主体として「わたしたちは」と書かれているのが強く印象に残った。 -
伝統芸能上演の時間になったので、体験交流ホールに移動する。
ムックリ(口琴)や独特な発声の歌、それに踊り、語りなど、変化に富むプログラムだった。写真は撮れないので公式サイトより借用。 -
コタンが再現されているエリアに進もう。
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独特の美しさがある屋根。
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一番大きなチセ(家)にはいった。
こんな大きな家があったのかと不思議に思い係の人に尋ねると、これは展示用に作ったもので実際は手前に建っているような小さなものだと苦笑いしながら答えてくれた。アイヌ文化をアピールしたい気持ちは分かるけど、ウソはよくないね。 -
チセは小さくても鮭は大きかったはずだ。それで十分立派だと思う。
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コタンの中に弓矢の体験コーナーがあった。妻は見事に鹿を射止めたが、わたしはハズレ…。
近年、アメリカで先史時代の女性狩猟者の墓が発見されて、狩猟は男、採集は女という従来の固定的な見方は、実は現代の性別役割意識によるものだったという見解が出ているそうだが、どうやらその新説が当たっていそうだ。
ウポポイではあちこちに立っているスタッフが笑顔で声をかけてくれ、それがとてもよい印象となって残った。 -
最初の宿は、白老から少し西にはいった北湯沢温泉にある「緑の風リゾートきたゆざわ」。
部屋の窓全面が山の緑なのがいい。温泉以外何もないことが上手に生かされている。露天風呂の方は期待したほどのものではなかったけれど。 -
夕朝食ともブッフェ。料理が豊富なのでわくわく感がある。
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味にも満足。
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2日目。朝食は早めに、そして食べ過ぎないようにすませ、積丹半島に向けて北上する。
途中で渡るどこの川も、自然のままなのがよくて、つい車を止めたくなってしまう。 -
左手に形のいい山を見ながら走る。これが有名な羊蹄山か。
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積丹では、この季節がおいしいというウニをぜひとも食べたいと思っていた。積丹に多くあるウニ丼の店のひとつ「なぎさ食堂」に11時頃着いた。
のれんをくぐると同時に「ムラサキしかないけどいいですか?」と声が飛んできた。ムラサキというのはムラサキウニのこと。希少なバフンウニは高価な上、朝早く行かないと食べられないそうで、そこまでのこだわりはない我が家はもとよりムラサキでOK。
出てきたのはインスタント吸い物と沢庵がついただけのシンプルな丼。ウニで腹一杯になるという豪勢な経験をさせてもらった。3800円也。まあ、一生に一度でいいや。 -
店内の壁には三十年ほど前からのお客さんたちの写真がたくさん貼られている。今以上にウニを生で食べるのが難しかった時代にはるばる訪れた人たちに喜ばれていたのが伝わってくる。
今朝は波が高く不漁だったそうで、我々の次のお客さんでウニがなくなってしまい営業終了。明日から今週一杯は休漁だろうと女主人はおっしゃるから、我々は運がよかったようだ。
地元の方はよくウニを食べるんですかと妻が聞くと、「いやあ、はじいたのを食べるくらいだね」。そりゃ、そうだよな。 -
少し戻って神威岬へ。広い駐車場にはたくさんの車が止まっていたが、岬の手前で強風のため入場禁止となっていた。残念。
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実際カメラも静止させるのが難しいほどで、北海道の岬の風は半端じゃないと知る。早々に退散した。
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積丹半島を時計回りに走る。
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変化に富む海岸線。
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どの岬の先にも縦長の大岩が立っている。この岩は海を見つめる人の横顔だ。
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半島東側にある黄金岬は、駐車場から坂を登り林の中を数百メートル歩く。ここでは、神威岬の強風が嘘のように穏やかな海を眺めることができた。
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人が少なく静かなのもよく、積丹ブルーをゆっくり楽しんだ。
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積丹半島一周を終えて小樽市街を抜け、2泊目のホテル・ノイシュロスにはいった。祝津の海に面した高台のホテルの部屋からは、断崖絶壁の海岸線が見える。
しかも、部屋の風呂までも海側にある。早速、明るいうちに風呂にはいった。
ふつう、風呂から海が見えると言っても、湯船につかれば海は見えなくなってしまうものだ。ところがここはうまく設計されていて、湯船に首までつかっても海が見える。
青い海を見ながらお湯につかる。極楽極楽。運転の疲れも吹っ飛んだ。 -
見回せば客室の内装や調度品も立派でちょっと驚く。
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宿のレストランはフランス料理。主菜の合鴨のコンフィがよかったし、写真のデザートもとてもおいしい。
2食付き1人あたり1万9千円はこの旅でいちばん高額だけれど、満足度も高かった。
翌日、新千歳空港でレンタカーを返し、鉄道で道東へ移動する。
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この旅行記へのコメント (2)
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- sanaboさん 2023/08/31 16:21:12
- 夏の北海道
- ひらしまさん、こんにちは
まだまだ厳しい残暑が続く中、猛暑から逃れて北海道へいらした
ご旅行記を羨ましく思いながら拝読させていただきました。
独身時代に両親と北海道旅行した際にアイヌ民族博物館を
訪れたことがありますが、その後国の事業として整備され
ウポポイが誕生したのですね。
アイヌ文化の継承者も少なくなり、国主体でアイヌ民族の
伝統文化が継承されていくのは喜ばしいことですね。
それにしても積丹で召し上がったウニ丼の美味しそうなこと☆彡
お値段さえ考えなければ、私でしたら一生に一度どころか
何度でもいただきたい大好物です(笑)
ホテル・ノイシュロスでは湯船に浸かりながら海を眺めるという
極楽を味わわれ、美味しいフランス料理も召し上がって
ひと夏分のお疲れが吹き飛びましたね。
道東編も楽しみにしております♪
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2023/08/31 23:38:21
- Re: 夏の北海道
- sanaboさん、こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。
> アイヌ文化の継承者も少なくなり、国主体でアイヌ民族の伝統文化が継承されていくのは喜ばしいことですね。
白老のウポポイはsanaboさんにとってご両親との思い出の場所のひとつなのですね。
美しい自然の中にアイヌ文化が誇りを持って伝えられている様子に僕もよかったなと思いました。
> それにしても積丹で召し上がったウニ丼の美味しそうなこと☆彡
お値段さえ考えなければ、私でしたら一生に一度どころか何度でもいただきたい大好物です(笑)
すみません、僕はお値段考えても考えなくても、親子丼のほうが好きかな。もちろん鶏の。
うんと贅沢しても、ウニ、イクラ、ホタテの三色丼ですね。
フランス料理でも、本場風のガツンとした単品の皿より、デギュスタシオンが好き。
sanaboさんは断然ガツン派ですよね。
今夜は風が少し涼しく感じます。
秋よ来い! 秋よ来い! ひらしま
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