2023/07/03 - 2023/07/08
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funasanさん
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見知らぬ外国の中央駅に来ると“身震いするような”緊張感と感動をおぼえます。特に、ここ「ミラノ中央駅」(写真)はその感が強いです。
私はこれだけ壮大な駅舎に出合ったことがありません。誰が、何故、このような建築物を建てたのか?歴史をひも解くと面白いかもしれませんが…、
(それはさておき)個人でイタリアを鉄道旅行する場合、多少のノウハウがいります。ここではミラノ中央駅を例にして私の実践例を紹介します。
鉄道の旅はロマンを掻き立てますね。私の旅行記をきっかけにイタリア(ヨーロッパ)鉄道の旅をはじめられることを願っています。
私のホームページに著書紹介、旅行記多数あり。
※新著紹介あります
『第二の人生を豊かに』
http://www.e-funahashi.jp/work/index.htm
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北イタリアのミラノからローマまで高速鉄道が走っており、途中に「パルマ、ボローニャ、フィレンツェ」など、魅力的な都市が散らばっています。これらの都市を鉄道で乗りついで旅をすると楽しいですね。お勧めです。
写真:グーグルマップ利用 -
ミラノ・ローマ間は約574Kmあり、高速鉄道で3時間10分です。日本の新幹線の東京・新神戸間は約590Kmあり、「のぞみ」で2時間40~50分で走ります。距離的にも時間的にも「ミラノ→ローマ」は「東京→神戸」と同じくらいなので十分鉄道旅行できます。
写真:ミラノ中央駅にて -
イタリア(ミラノ)到着の翌日(7月3日)我々はボローニャに出かけました。ミラノから高速鉄道で1時間14分なので、十分日帰り圏内です。時刻表をネットで調べてみると幸い30分に1本程度の高速列車がありました。しかし、ちょっと注意がいります。
写真:グーグルマップより -
日本にJRと私鉄があるように、イタリアにもイタリア国鉄の事業を引き継いだTrenitalia(トレニタリア)と、フェラーリ特急と言われる私鉄.italo(イタロ)があります。2種類の全く違った列車が別々に運行しているのです。
写真:私の時刻表メモ -
中央駅の電光掲示板で列車の種類と番号を見つけなければ乗車できませんので、この赤い矢「フレッチャロッサ」(写真)のイタリア語「Frecciarossa」を覚えておきましょう。
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一方の私鉄「イタロ」は、ミラノ・ローマ間、ローマ・ヴェネツァ間など主要都市間を結んでいます。赤色の車両からフェラーリ特急という愛称で呼ばれていますがフェラーリ社 (法人)との資本関係はありません。
Italo(イタロ)公式ページ
https://www.italotreno.it/en -
さて、ミラノ中央駅の真横にひときわ豪華な、まるで宮殿のような建物があります。「エクシオールホテル・ガリア・オートグラフコレクション」(写真)です。マリオット傘下のホテルですが、高くて(1泊10万円以上?)とても泊まれません。(涙)
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私は毎朝、エクシオールホテルの前を通ってミラノ中央駅(写真)に行きます。そして、この巨大な門をくぐると…。
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そこは単なる巨大空間(写真)でした。横幅は200mもあり、天井高は72mに達します。この大空間は当初は「ガッレリーア・デッレ・カロッツェ」(Galleria delle Carrozze)と呼ばれるアーケード式の車寄せでした。現在は歩行用のコンコースとなっています。
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この一角にカフェ(写真)がありました。ここで朝のコーヒーとクロワッサンでも頂ければミラノっ子になれますね。カフェは結構にぎわっています。地元の人だけでなく、ヨーロッパ中から鉄道で旅人がやってくるのでしょう。
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私がヨーロッパ鉄道の旅に魅了された最大の理由は「シェンゲン協定」の存在です。この協定加盟国(現27か国)は国境検査なしで国境を越えることができるます。何と列車に乗ったままパスポート検査なしで易々と国境を越えられるのです。
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そして、国際特急列車の到着地の駅舎はその国・その都市の歴史と文化・芸術が詰まっています。ここミラノ中央駅のカフェから見上げると、大理石製の壁に様々な装飾(写真)がなされ、アーチ状の天井と相まってまるで美術館にいるようです。
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誰が、何故、このような壮大な駅舎を建てたのでしょうか?実は、ミラノ中央駅の建設は1912年に開始されましたが、第一次世界大戦とその後のイタリアの経済危機の影響で工事は途中で何度も中断しました。
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ところが、1922年にファシスト党のムッソリーニが首相になると、ファシスト政体の権力を象徴するような権威主義的なデザインが付加され、駅舎は荘厳で豪華な仕様に変更され、1931年に完成しました。絶対王政の権力の誇示と同じ!
カフェの横に大階段(写真)があります。 -
この大階段を上っていくとミラノ中央駅の中心部(写真)に出ます。この周囲にカフェ・レストラン・ショップがあり長距離列車の場合は食料の調達をしましょう。
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現地の生の情報をお届けします。駅のカフェのショーウインドー(写真)から、クロワッサン1.4ユーロ(224円)、大きめサイズのマフィン2.9ユーロ(464円)。
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野菜サンドの感じですが名前は「Vegano」となっています。サイズが大きいのでこれ1つで十分ランチになります。1個5.3ユーロ(848円)。ところで、イタリアの色々なところで「Vegano」(ヴィーガン)という言葉を見かけます。
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ヴィーガンとは、“徹底した”菜食主義のことで、肉や魚に加えて、卵・乳製品などの動物由来の食材を摂取しないという特徴があります。ヴィーガン・サンドイッチは卵やチーズも含まない野菜サンドとなります。
写真:「Veggy Salad9.9ユーロ(1584円)」 -
サンドイッチにコーヒーを調達して列車に乗り込みましょう。各種のコーヒーの値段は、エスプレッソ1.3ユーロ(208円)、カフェ・マキアート1.3ユーロ(208円)
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ヨーロッパの鉄道駅には改札がありません。誰でも自由に駅のプラットホームに立てて、友人・恋人と涙のお別れができます。そのまま一緒に乗車も可能です。でも、車内では車掌による改札がありますので、無賃乗車で捕まってしまいます。
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8月3日の朝9時過ぎに、ミラノからボローニャまでの切符を買うために、Trenitalia(トレニタリア)の窓口に行きました。すると長蛇の列ができていました。順番に並んでいたらいつチケットが買えるかわかりません。
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そこで、窓口の外側にあったTrenitalia(トレニタリア)の切符自販機で購入しようとしました。正直、これが難関でした。何度も失敗し、諦めかけていた頃、ここでも妻の知恵が働いたのです。
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彼女は隣の自販機で(苦労して)チケットを購入していた若いカップルに声をかけたのです。「Help me please」と。彼らはハンガリーから来た旅行者で英語で丁寧に教えてくれました。そして、見事、写真のようなチケットが出てきたのです。
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ミラノからボローニャまでは別の鉄道会社「イタロ」も走っています。こちらは幹線鉄道だけの運営なので、窓口(写真)も比較的すいています。しかし、ヨーロッパを鉄道旅行する場合は、自販機による切符購入が必須だと思いました。これができないと苦しいです。
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さて、切符を買っても、次に大きな問題があります。その列車が何時何分に何番線から出発するのか確認しなければなりません。ヨーロッパの鉄道は往々にして遅れが発生し、ダイヤが乱れます。出発するプラットフォームも次々と変わります。
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チケット売り場からもう一度上階にあがり、電光掲示板(写真)を見ます。この電光掲示板の周囲の壁画が素晴らしいです。
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ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、をイメージした絵が描かれています。
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電光掲示板より本日の列車を探します。
列車番号:Frecciarossa(フレッチャロッサ)9572
行先:SALERUNO(サレルノ)
出発時間:10時10分
見つかりましたか? -
列車番号と出発時間が同じであれば間違いないですが、行先がボローニャではありません。ここで、電光掲示板「サレルノ」までの経路をグーグルマップで調べれ(駅ではWifi接続可)ば、写真のように、「ミラノ→ボローニャ→フィレンツェ→ローマ→ナポリ→サレルノ」と走る長距離列車であることが分かります。
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プラットフォーム(写真)に出てみましょう。プラットフォームは何本もあり、全長341mと先が見えないくらい長いです。そして、プラットフォーム全体が66,000平方メートルの鉄とガラスのトレイン・シェッドで覆われています。ここも壮大な空間です。
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ちょっとやっかいなのは、列車のプラットホーム番号が、出発の10分~15分くらい前にならなと掲示板に表示されないことです。あまり先に行くと、途中で変更になる場合もありますので、常に、注意する必要があります。
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待ち時間が多ければ駅のカフェ・ラウンジでゆっくりしましょう。写真に人が沢山集まっていますが、皆さん電光掲示板を見ているのです。この一番いい場所の上階に鉄道会社「イタロ」のエグゼクティブ・ラウンジがあります。
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「イタロ」の最上級席「クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)」の乗客は各駅にある専用ラウンジ(写真)で、無料のスナックやドリンクを飲みながら、出発まで待つことができます。
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別に専用ラウンジに入らなくっても、この横に一般利用のカフェ(写真)があります。ここで十分飲食が楽しめます。
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現地最新情報です。カフェの前の広告より、大きなハンバーガー(写真)が12.9ユーロ(2064円)でした。1個2000円のハンバーガー!駅のカフェでも高いですね。
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そして、チキン・シーザーサラダ(写真)が11.9ユーロ(1904円)。ハンバーガーとサラダで4000円!あり得ません。(涙)
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節約して、軽くセットメニューで、5ユーロ(800円)。日本円の「1000円」がどんどんなくなっていきます。
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電光掲示板(写真)にプラットフォームが掲示されたら移動です。そのうち列車が到着し多くの乗客が下車します。
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引き続き乗客が乗り込み、(注意!)発車の合図も何もなく、静かに列車は出発します。さあ、ヨーロッパ鉄道の旅に出かけましょう!
参考:1943年12月から1945年1月の間に「ミラノ中央駅21番ホーム」(当初は貨物列車専用線路)から多数の護送列車が出発しました。行先はアウシュビッツ等の絶滅収容所や強制収容所等です。ユダヤ人、政治犯、党派、反ファシスト労働者を追放したのです。中央駅21番線は現在ホロコースト記念館として当時の状況を再現しています。華やかな現在のミラノ中央駅に隠された歴史の負の遺産です。忘れないでおきましょう。
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