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マラッカでもペナンでも“べちゃ”にはよい思い出がある。<br />満艦飾、電飾などなかったころ。<br />といっても、ほんの20年前であり、どちらも世界遺産に登録される前にも大観光地であり、もちろん観光客相手のもあった。今ほど溢れてなかった頃。<br /><br />街角で偶然出会ったのは、おそらく町の人の足がわりとしてのそれであったと、ずっと後で分かった。市場のそばで所在投げに立っていた小柄なおじいさんと、座れる部分を自転車にくっつけたようなベチャだった。<br />

私達は アイザックに遇った

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2023/03/30 - 2023/04/01

149位(同エリア2107件中)

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mom K

mom Kさん

マラッカでもペナンでも“べちゃ”にはよい思い出がある。
満艦飾、電飾などなかったころ。
といっても、ほんの20年前であり、どちらも世界遺産に登録される前にも大観光地であり、もちろん観光客相手のもあった。今ほど溢れてなかった頃。

街角で偶然出会ったのは、おそらく町の人の足がわりとしてのそれであったと、ずっと後で分かった。市場のそばで所在投げに立っていた小柄なおじいさんと、座れる部分を自転車にくっつけたようなベチャだった。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
4.5
交通手段
高速・路線バス タクシー 徒歩
航空会社
ANA スクート
旅行の手配内容
個別手配
  • 朝6時。<br />ベッドをそっと出る。

    朝6時。
    ベッドをそっと出る。

  • マレーの朝は、別の世界。私は知っている。<br />寝てなんぞいられない。ましてやペナンは13年ぶり。人生はあっという間に終わる。<br /><br />ホテルへ曲がる目印、この看板に、にっこり。

    マレーの朝は、別の世界。私は知っている。
    寝てなんぞいられない。ましてやペナンは13年ぶり。人生はあっという間に終わる。

    ホテルへ曲がる目印、この看板に、にっこり。

  • 港からタクシーで来たときも、昨夜、夕食に出かけたときも通ったはずなのに見落としている。

    港からタクシーで来たときも、昨夜、夕食に出かけたときも通ったはずなのに見落としている。

  • 早起きは三文の得<br />この辺りは、かつてスパイシーズホテルのような建物が並んでいたということが分かる。<br />

    早起きは三文の得
    この辺りは、かつてスパイシーズホテルのような建物が並んでいたということが分かる。

  • 朝はこれ。

    朝はこれ。

  • やっとペナン

    やっとペナン

  • この辺りは、E&amp;Oからは遠い。ジャランジャランできていなかった。

    この辺りは、E&Oからは遠い。ジャランジャランできていなかった。

  • 軒下向こうに人の動きが見えた。<br />新聞屋さんだ。<br />買ってみよう。<br />読めないのに。星洲の文字が懐かしくて。

    軒下向こうに人の動きが見えた。
    新聞屋さんだ。
    買ってみよう。
    読めないのに。星洲の文字が懐かしくて。

  • 折り込んでいる男性に挨拶をする。<br />「新聞を一部買いたいのですが」<br />奥から販売所の人がでてきて、<br />♂「そこのアンティから買ってくれ。」<br />振り向くと、道にはみ出たテーブルで出来立てが並べられたばかり。プラスチック椅子に座りなおしたアンティがにっこり。

    折り込んでいる男性に挨拶をする。
    「新聞を一部買いたいのですが」
    奥から販売所の人がでてきて、
    ♂「そこのアンティから買ってくれ。」
    振り向くと、道にはみ出たテーブルで出来立てが並べられたばかり。プラスチック椅子に座りなおしたアンティがにっこり。

  • いっちょ前に新聞片手で歩く私。<br />朝ごはんは、点心がいいなあ。<br />その角まで来て、さてどっちに行けばときょろきょろしていた時だった。<br />♂「どこに行きたいんだ。」と向こうの角の男性から声がかかった。<br />見れば、脇に”べちゃ”<br />手帖を取り出し、「この点心のお店に連れて行ってくれる?」<br />♂「わかった。」<br />

    いっちょ前に新聞片手で歩く私。
    朝ごはんは、点心がいいなあ。
    その角まで来て、さてどっちに行けばときょろきょろしていた時だった。
    ♂「どこに行きたいんだ。」と向こうの角の男性から声がかかった。
    見れば、脇に”べちゃ”
    手帖を取り出し、「この点心のお店に連れて行ってくれる?」
    ♂「わかった。」

  • 私も今乗るつもりでいたわけでなく、彼も客寄せの呼びかけでもなかった。だから、ひょいとこうなった。<br /><br />ああ、マレーに来て初めてふれる爽やかさ。<br />「気持ちがいいわあ。」とつぶやいた。<br />♂「モーニング フレッシュ エア」とゆっくり彼が応えてくれた。<br />自分にも言っている声。

    私も今乗るつもりでいたわけでなく、彼も客寄せの呼びかけでもなかった。だから、ひょいとこうなった。

    ああ、マレーに来て初めてふれる爽やかさ。
    「気持ちがいいわあ。」とつぶやいた。
    ♂「モーニング フレッシュ エア」とゆっくり彼が応えてくれた。
    自分にも言っている声。

  • そうそう”べちゃ”は、逆走もできるんだった。<br />車たちは警笛鳴らさず、速やかに左右に分かれ、徐行。私真ん中。そこのけそこのけ○○夫人が通られます状態。<br />お出かけ用バジュクロンでよかった。顔は、チャイニーズ系マレーシアンでいけます。

    そうそう”べちゃ”は、逆走もできるんだった。
    車たちは警笛鳴らさず、速やかに左右に分かれ、徐行。私真ん中。そこのけそこのけ○○夫人が通られます状態。
    お出かけ用バジュクロンでよかった。顔は、チャイニーズ系マレーシアンでいけます。

  • 植民地当時の建物が立ち並ぶ官庁街を通り抜け、思わぬ観光もし、お願いしたDim Sumのお店に着いた。<br />♂「ここで食べ終わるのを待っててあげる。ホテルまで送っていくよ。(彼は私が何処に泊っているかは知らない)それで、RM50だけど、どうだい?」<br />「ありがとう。今私は食べない。このレストランの場所を知りたかったの。ありがとう。歩いて、ホテルまで帰れます。」<br />彼が要求した料金は、RM.20。<br /> 「私は、○○。あなたの名前は、何ですか。」<br />♂「アイザック」<br /><br />ああ、ここは覚えてる。E&amp;Oから朝の散歩で出会った、市場。変わらず、野菜も魚も溢れていた。<br /><br />陽が上り、今日もマレーの暑い一日が始まる。<br />相方が起きていたら、さっきのお店に行こう。

    植民地当時の建物が立ち並ぶ官庁街を通り抜け、思わぬ観光もし、お願いしたDim Sumのお店に着いた。
    ♂「ここで食べ終わるのを待っててあげる。ホテルまで送っていくよ。(彼は私が何処に泊っているかは知らない)それで、RM50だけど、どうだい?」
    「ありがとう。今私は食べない。このレストランの場所を知りたかったの。ありがとう。歩いて、ホテルまで帰れます。」
    彼が要求した料金は、RM.20。
     「私は、○○。あなたの名前は、何ですか。」
    ♂「アイザック」

    ああ、ここは覚えてる。E&Oから朝の散歩で出会った、市場。変わらず、野菜も魚も溢れていた。

    陽が上り、今日もマレーの暑い一日が始まる。
    相方が起きていたら、さっきのお店に行こう。

  • 今度は二人でアイザックの元に戻った。<br />「さっきのお店に連れて行ってください」

    今度は二人でアイザックの元に戻った。
    「さっきのお店に連れて行ってください」

  • 今度は、植民地時代のコロニアル建築が立ち並ぶ大通りを観光しながら、ペナンの爽やかな朝を楽しむドライブをして到着した。彼が選んだ道。<br /><br /> 「7時にあの場所に行けば、あなたに会えますね。そのとき、1時間乗せてください。」<br />♂「わかった」

    今度は、植民地時代のコロニアル建築が立ち並ぶ大通りを観光しながら、ペナンの爽やかな朝を楽しむドライブをして到着した。彼が選んだ道。

     「7時にあの場所に行けば、あなたに会えますね。そのとき、1時間乗せてください。」
    ♂「わかった」

  • さあ、ペナンの朝食の始まり。<br />ジャスミン茶は、この旅で初めてね。<br />二人ともがぶがぶ。

    さあ、ペナンの朝食の始まり。
    ジャスミン茶は、この旅で初めてね。
    二人ともがぶがぶ。

  • ワゴンがやってきた。甘いのはパス。<br />つぎは、蒸した点心たち。<br />これだね。<br />「ぷりぷり海老シューマイ」

    ワゴンがやってきた。甘いのはパス。
    つぎは、蒸した点心たち。
    これだね。
    「ぷりぷり海老シューマイ」

  • 大根餅のお味はどうかな。

    大根餅のお味はどうかな。

  • 絶品中国粥。<br />いつ以来だろう。<br />新竹の市場近く「鳳仙」で食べたのは、少なくとも5年前。あそこの朝食は、アイリッシュブレックファストに匹敵すると、私は確信する。嗚呼、パットに並ぶおかず群。<br /><br />夕方7時にあの場所に行ってみたが、アイザックは、いなかった。

    絶品中国粥。
    いつ以来だろう。
    新竹の市場近く「鳳仙」で食べたのは、少なくとも5年前。あそこの朝食は、アイリッシュブレックファストに匹敵すると、私は確信する。嗚呼、パットに並ぶおかず群。

    夕方7時にあの場所に行ってみたが、アイザックは、いなかった。

  • 翌朝、7時、私達が出遭えた場所に行った。<br />数分すぎて、彼はやってきた。<br />私は、ブルーマンションがみたいと注文した。<br />それだけで、通じた。

    翌朝、7時、私達が出遭えた場所に行った。
    数分すぎて、彼はやってきた。
    私は、ブルーマンションがみたいと注文した。
    それだけで、通じた。

  • 昨日と異なり、ウォールアートのある道を通ったり、

    昨日と異なり、ウォールアートのある道を通ったり、

  • 古い中国家屋の連なる細い道を通り抜けたりしながら、

    古い中国家屋の連なる細い道を通り抜けたりしながら、

  • べちゃツアーだから、写真が斜め

    べちゃツアーだから、写真が斜め

  • アイザックは、観光名所だからと見せてくれるために通ってくれたんだけど・・・。

    アイザックは、観光名所だからと見せてくれるために通ってくれたんだけど・・・。

  • ブルーマンションに着いた。<br />ガードマンは、建物に近づくのをさえぎった。<br />そうですね。現役世界遺産ホテルです。

    ブルーマンションに着いた。
    ガードマンは、建物に近づくのをさえぎった。
    そうですね。現役世界遺産ホテルです。

  • 門の横壁のプレートを読んでいた。<br />福建省から来島、貿易を主に財を築いたらしい。<br />アイザックに「あなたも福建人ですか。」<br />♂「いいえ、私は、客家です。」<br />ああ、李登輝さんに、私の台湾の娘分の母方ルーツだ。<br />「クレバーね。」とほほ笑むと、<br />彼も「そう、クレバーだよ。」と笑う。<br />「私の名前は○○」と中国名を教えてくれた。私はうれしかった。

    門の横壁のプレートを読んでいた。
    福建省から来島、貿易を主に財を築いたらしい。
    アイザックに「あなたも福建人ですか。」
    ♂「いいえ、私は、客家です。」
    ああ、李登輝さんに、私の台湾の娘分の母方ルーツだ。
    「クレバーね。」とほほ笑むと、
    彼も「そう、クレバーだよ。」と笑う。
    「私の名前は○○」と中国名を教えてくれた。私はうれしかった。

  • 今回は、スコールは一度もない。<br />小雨が、あったかな。傘は、ずっと日傘になっている。

    今回は、スコールは一度もない。
    小雨が、あったかな。傘は、ずっと日傘になっている。

  • 向こうにホテル<br />このエリアは、スパイスホテルあたりの中国人街と異なる地区だったに違いない。<br />炎天下と自動車道路では彷徨い見つけられないところだった。

    向こうにホテル
    このエリアは、スパイスホテルあたりの中国人街と異なる地区だったに違いない。
    炎天下と自動車道路では彷徨い見つけられないところだった。

  • 帰りは、また楽しい。私好みを選んでくれている。<br />♂「あれは、○○だよ。」と振り返るように教えてくれる。

    帰りは、また楽しい。私好みを選んでくれている。
    ♂「あれは、○○だよ。」と振り返るように教えてくれる。

  • 同じ中華街でもこちらは観光客は少なさそう。<br />お土産屋さんを見かけないもの。

    同じ中華街でもこちらは観光客は少なさそう。
    お土産屋さんを見かけないもの。

  • 今朝は ♂「(^^♪mor~ning   cle~an   air~♪」<br />詠う様に彼が言う。

    今朝は ♂「(^^♪mor~ning   cle~an   air~♪」
    詠う様に彼が言う。

  • 住宅の壁にひょいと、こんな感じ。

    住宅の壁にひょいと、こんな感じ。

  • 青空車窓観光だ。

    青空車窓観光だ。

  • ぐっときました。心の用意がなかったから、一層。

    ぐっときました。心の用意がなかったから、一層。

  • 「ホテルの方に戻らないでください。」というと、<br />彼は、「分かった」<br />私の指示する方向に進めてくれた。<br />ローカルだけが行くような古いカフェ兼食堂を見つけていた。<br />一緒に朝ごはんを食べようと私は決めていた。<br />チェックアウトは、数時間後。もう会えない。<br /><br />♂「朝ごはん、早くに食べています。」<br /> 「では、テタレでも一緒にどうですか。」<br />♂「フエリー・・・(時計を見せる仕草)・・・」<br />彼、困ってる。<br />お客さんとは食事をしないキマリかもしれない。<br />誰かをフェリーターミナルでピックアップするのかもしれない。(昔のように町びとの足がわりのように)<br />わたしは、「だったら、これはあなたの朝食です。」と言って、<br />RM.10を受け取ってもらった。彼は、情けなさそうな顔をして、両手を合わせる。<br />なんども私たちとさよならをして去って行った。<br />

    「ホテルの方に戻らないでください。」というと、
    彼は、「分かった」
    私の指示する方向に進めてくれた。
    ローカルだけが行くような古いカフェ兼食堂を見つけていた。
    一緒に朝ごはんを食べようと私は決めていた。
    チェックアウトは、数時間後。もう会えない。

    ♂「朝ごはん、早くに食べています。」
     「では、テタレでも一緒にどうですか。」
    ♂「フエリー・・・(時計を見せる仕草)・・・」
    彼、困ってる。
    お客さんとは食事をしないキマリかもしれない。
    誰かをフェリーターミナルでピックアップするのかもしれない。(昔のように町びとの足がわりのように)
    わたしは、「だったら、これはあなたの朝食です。」と言って、
    RM.10を受け取ってもらった。彼は、情けなさそうな顔をして、両手を合わせる。
    なんども私たちとさよならをして去って行った。

  • テタレを飲みながら、私はどうしたらよかったんだろうと思っていた。<br />彼は、客家人。<br />会えてよかったと思った。

    テタレを飲みながら、私はどうしたらよかったんだろうと思っていた。
    彼は、客家人。
    会えてよかったと思った。

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