2022/10/04 - 2022/10/11
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TKさん
歴史の時間軸上で、後に生まれたことのメリット一つに、歴史上の出来事を俯瞰的(広範囲に)に眺められるという優位点がある。
例えば、長崎の出島。
あの時代、鎖国の日本にオランダ人が年に一度季節風に乗って、長崎へやって来る。
好奇心旺盛な日本の蘭学者は、たった一つ開いた世界への窓口へ押しかけ、まるでスポンジが新しい情報の水を吸い取るように、どんな些細なことも見逃さないようどん欲に吸収していった。
当然、長崎の出島の端にある、貿易物資搬入口門のその先のある、はるばるインド洋を渡ってきた巨大なオランダ船に乗り込んで、世界を垣間見てみたいと、身体を焦がすほど切望したいに違いない。
しかし、どんなに財力があろうと当時の日本人にはその知的欲望は、到底かなわぬ夢だったのである。
ところが、現代に生まれた日本人は、幸福なことに科学技術の発達により、出島のはるか先にあるオランダというものを体験できるようになった。
もちろん、江戸時代当時の蘭学者の情熱や、はるばる大航海して日本に来たオランダ人たちの、好奇心・エネルギーのダイナミックな息吹は、その時代に活躍した当時の人々しか感じ取ることは不可能であるが。。。。。
その何十分の一でも良いから、出島の先のオランダの雰囲気というものを味わいに行けるのは、現代に生まれた私たちの有難い幸せである。
今回、アムステルダムへ行ける機会があったので、長崎・出島の先にあるオランダの雰囲気の一部を楽しみに行った。なんて、硬そうな出だしになったが、いつも通りの街歩き旅行記であります。お楽しみください!
===<今回のフライト概要:★印が本旅行記>===
★10月4日 羽田=>ロンドン=>アムステルダム
★ アムステルダム滞在
10月11日 アムステルダム=>ミュンヘン=>アテネ
10月13日 アテネ=>サントリーニ島
10月15日 サントリーニ島=>ロンドン=>マドリード
10月19日 マドリード=>サンチャゴ・デ・コンポステーラ
10月20日 サンチャゴ・デ・コンポステーラ=>マドリード
10月21日 マドリード=>ロンドン=>羽田(22日)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今日は、JALでロンドンへ、その後英国航空でアムステルダムへ。
チェックイン後、ラウンジへ。 -
羽田のラウンジは新しくなった。入ると、JALのシンボルカラーREDのお出迎えが。
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大人の空間、くつろぎのREDスイートへ。
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中に入ると、イギリス王室ご用達のシャンペン「ローランペリエ」がキンキンに。
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落ち着いた室内の一角に、なんと、昔の航空料金一覧表が。
なになに?
東京=>北米西海岸(サンフランシスコ・ロスアンジェルス・シアトル)が$650だって。でも、1ドル360円なので、23万4千円です。
戦後日本の国際線第一便として、日本航空のDC-6「シティ・オブ・トウキョウ」がサンフランシスコに飛んだ1954年の大卒初任給が1万円弱。2年分の給料で片道分という計算。ものすごく高根の花運賃だったのですね。 -
しばらく本格的お寿司はいただけないので、ここでしっかり味わっておきました。なかなか、美味しかったです。
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お時間になり、113番ゲートから搭乗開始。
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お席に着き、記念写真を。はいチーズ。
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早速、JAL特製パジャマに着替えてセーターを着てくつろぎファッションへ。
食事が始まり、まず、「幻のシャンパン」と言われるSALON 2007ヴィンテージで、乾杯! -
しばらくは日本食は食べられないので、今回は、日本食コースをオーダー。
まずは、先付け五種。「神楽坂石かわ」の石川秀樹シェフと「琥珀」の小泉店主の監修とのこと。アマダイ・伊勢エビ・松茸・鰆のトリュフソース・アナゴと、旨味がぎっしり。 -
次は、トラフグの叩きと、キャビアと湯葉と出汁醤油のジュレ。
特にびっくりしたのは、キャビアと湯葉(と出汁醤油のジュレ)がこんなに合うとは知らなかった!初めての食体験でした。本当に美味しい! -
和食なのに、ワインをオーダー。
オーストラリアのジャイアント・ステップスワイナリーのシャルドネーです。
フルーティーで大変口当たりがよかった。美味しい! -
金目鯛の煮物に、いくらのご飯。高度一万メートルの気圧の低い飛行機の中でも、こんなに美味しくいただけるのですね。
あ、足が出ている。恥ずかしい!ここだけ見ないでね。 -
デザートは、柿羊羹と小豆とラム酒のゼリー。それに緑茶。整いました!
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さらにフルーツの盛り合わせとアイスクリームで〆。
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ぐっすり寝て、お目覚めはトマトジュースと宮城産のひとめぼれのご飯。
追加で、柿安霜降り松阪牛しぐれ煮も、頂きました。 -
プーチンの戦争のために北極回りになり、通常より3時間多くかかりましたよ。その後ロンドン経由BAでアムステルダムへ。
合計、約20時間でアムステルダムへ到着。お疲れ様。
いや、疲れません。
大航海時代の人たちは何か月もかかってきた距離を、たったの20時間で着くのだから、ぜいたくを言ってはいけません。 -
はい、アムステルダムのアパート(Canal View Amsterdam Apartment)へ到着。
場所は、アムステルダムの静かで美しいヨルダン地区。中近東のヨルダン人がたくさんいるのかと思っていたら、フランス語で「庭」と言う意味の、Jardin(ジャルダン)が訛って、Jordaan(ヨルダン)と、呼ばれるようになったとのこと。
広いリビングダイニングルームの窓からは、=>次のページへ -
美しい初秋の運河が眺められます。ここで、7日間ゆったり暮らします。楽しみ!
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キッチン・冷蔵庫・食器・洗濯機(裏側)もすべてそろっていて、快適なアパート生活のスタート。
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これは、運河の反対側から見たアパート。
中央の赤い入り口ドアーのある建物の2階が私たちのお部屋です。 -
ここヨルダン地区は、フランス語で「庭」。その名のとおり、街のあちこちに花が咲き、樹木もたくさんあり緑豊か。
アムステルダムのダム広場の喧騒とは別世界。
ゆったり運河散策やお店めぐりが楽しめます。 -
アパートの前の運河は、ひっきりなしにボートが観光客を乗せて過ぎ去っていきます。
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アパートの部屋の窓から、のんびりワインを飲みつつ、行き交う運河ボートを眺めながら、アムステルダムの行く秋を味わいました。
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早速、秋のヨルダン地区の、運河散歩に出かけましょう。
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お!跳ね橋では、ボートが狭い橋を渡っている。運転手はなかなかの腕前。
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橋の欄干には、お花が咲き誇っています。
車の走らない静かな運河の脇道散歩は日本では経験できない新鮮な体験。楽しいしウキウキしてくる。 -
おや?これは何だろう。
今日は、ボランティアがボートに乗って、運河に浮いているごみの回収。
こうやって運河の美化を保っているのですね。「ご苦労様!」 -
ちょっと小道に入ると、お洒落なお店のオンパレード。
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ウィンドウショッピングを楽しみましょう!
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カラフル、オランダ。意外とファッショナブル。
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これは、デルフト焼のお人形。見ていて癒されます。
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さらに小道に入ると、窓にしがみついている子供たちが!
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また、運河沿いに戻ると、これは何だ?
チーズ屋さん? 入ってみましょう。 -
そう。オランダ名産のチーズです。形は同じでも、味が微妙に違う。
刻んだチーズの味見ができるので、いろいろ楽しめて、お買い上げ。 -
運河沿いのオープンテラスでは、カフェを楽しむ人たちでいっぱい。
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ヨルダン地区には有名なアンネフランクの家もあります。前に行ったときは、こんな囲いはなかったけど、今は立派になっていました。(注:入館には予約が必須)
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建物の前には、アンネの立像が凛々しく建っていた。
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さすが、オランダ。いろいろな種類のアマリリスやチューリップの球根が売られています。
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こんなに多くの種類があるのですねえ。
買っていきたいけど、法律で日本空港で没収になるので、今回は涙を飲んで断念。 -
さて、今日は、トラムに乗って、アムステルダム国立美術館へ行きます。
まず、歩いて5分、アムステルダム中央駅へ。
ホント!東京駅にそっくり。 -
駅の前にあるチケット売り場で、一日乗車券を購入。
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はい、着きました。アムステルダム国立美術館は、アムステルダム中央駅と同じ設計者ペトルト・カイパース。雰囲気も似ていて、大変美しい建物。
さあ~入場しましょう! -
で、初めに行ったところは、いつもどおり、まづ休憩。
地上階の明るく広々としたカフェスペースでコーヒーブレイク。ここ快適ですよ!
羽田のJALラウンジと同じように、テーブルにあるQRコードを読んで注文できます。 -
テーブルには、大きなデルフト焼の花器。
花器の角に花を差し込むのですね。初めて観ました。これも豪華! -
まず行ったの、オランダ東インド会社に関連する展示コーナー。
香辛料貿易での膨大な利益を狙って、オランダを出た帆船は、南アフリカ、スリランカ、を経由して東インド会社のあるバタヴィア(今のジャカルタ)で寄港。さらに、一部は、季節風を待って、長崎・出島へ向かった。 -
ここの展示コーナーには、長崎・出島の模型があります。オランダからみても日本への入り口は、出島だったのですね。日本から視たら、出島はオランダへの唯一開かれた窓口。 これは面白い。
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文献の見開き一ページに出島の絵図が。
長崎・出島は、オランダと日本のまるでドラえもんの「どこでもドアー」のような感じ? -
当時のオランダの海洋技術は世界一流。オランダ人は、こんな強力な艦船で世界へ繰り出してきたのですね。
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そんな艦船は日本へも。
これは、オランダも参加した馬関(下関)戦争の絵。連合軍の圧倒的勝利で終わった。これで、長州は攘夷は無理と身に染みて理解する。大きく日本の方向性が変わった事件。
ところで、この時の日本の船はというと、絵の左側にありますよ。
アップしてみましょう=>次の写真へ -
ほら。これじゃ勝てませんよね。右下には沈没する船にしがみついているお侍が。
こんな絵がオランダにあったとは。 -
一方、これは、ロッテルダムからアジアへ出兵する戦士の出征式の絵。
兵隊達はオランダ中から集められ、合計85000人の若き兵隊が派兵された。これら若人は、自分たちが、これから行く遠方の東アジアがどうなっているかなんて想像だに出来ずにいたに違いない。 -
さて、国立美術館は3階建てになっていて、一流の絵画・工芸品・デルフト焼・家具・宝石・楽器、さらには古い図書館まで広範囲に展示されている。ざっと見学するだけで最低3時間は必須。
尺の関係で、以下ほんの一部だけど、2枚だけ紹介しますね。
これは、最近やっと修復完了したレンブラントの「夜警」。昔は無かったガラス張りの中に展示されていて、その前では、見学の小学生たちが先生から説明を聞いていた。 -
もちろんフェルメールの絵もありますよ。
これは、日本にも来た「牛乳を注ぐ女」
フェルメールのすごいところは、ありきたりな日常生活の描写でありながら圧倒的な存在感。 -
次の日になりました。今日も良い天気。
本日はオランダ海洋博物館へ。アパートメントから歩いて20分で到着。
建物は、1655年に造られたオランダ海軍の倉庫を改造したもの。その隣には、当時の実物大の軍艦帆船が。 -
中はカフェも飲める広場になっていて、その屋根は開放感にあふれる設計となっている=>次のページへ。
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ほら、素晴らしいでしょ!
青空とのんびり流れている雲がフレーム枠のその外に。粋な屋根ですね。 -
さて、この海洋博物館には、世界の海を制覇した、オランダの輝かしい海軍や海運に関連した展示物がいっぱい。
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早速、その中のJAPAN室へ。
ところでこの絵はどこの絵でしょう? 答えは=>次のページに -
それは、なんと、江戸時代の日本の長崎湾です。
オランダ帆船が停泊して、その横には出島が見えます。 -
長崎や、出島の詳細な地図も展示されている。
オランダから視ると、日本イコール、先ずは「出島」だったのですね。 -
このような大航海ができたのも、天体観測技術や望遠鏡・羅針盤・分度器などの海洋航海技術が発展していたから。
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さらに、その基本となったのは、貿易による莫大な利益とCuriosities(知的好奇心)である。
隣の部屋には、オランダ東インド会社のあるインドネシアやスリランカや南アフリカのなどの、世界をまたにかけた貿易網の概要が展示されていた。大変興味深い。 -
さあ、外に出てみましょう。
オランダから、世界へ繰り出した帆船の実物展示があり、その先には半分沈没した船のような「科学博物館」も見えます。よくこのような小さな船で、何か月もかけて、大西洋・インド洋を渡って日本まで来たものだ!
日本から10なん時間でオランダへ来てしまう時代が来るなんて、当時の人には想像だに出来なかっただろう。すごい時代になったものだ。感動。 -
近づくと、船の側面からは、にゅっと突き出した、大砲が。
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中に入ってみると、子供たちが発砲中。キャーキャー叫んで楽しんでいました。実際に「弾込め・どーーん」の音響効果も聞こえますよ。
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ところで、この船(オランダの船)、甲板の広さに比べて、側面のほうが海に突き出して、少しデブっちょ!
なんででしょう~~~か?
答えは、当時、船には甲板の広さに比例して税金が課税されたそうです。だから、甲板は狭めにして、荷物がたくさん積めるおデブさんになったのですね。さすが、お金に厳しいオランダ人の発想です。 -
船内のベッド。でもこれが驚くほど小さい。
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平均2メートルもあると思われる今のオランダ人(写真の右上:見えます?)と比較しても、こんなに小さい。昔のオランダ人は小さかったようだ。驚きです。
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これは、キャピタンの食堂。結構豪華だけど、このような狭苦しい帆船で、はるばる日本まで来たとは、好奇心・情熱・の素晴らしさに、それと「アジア貿易の莫大な利益への欲望」に感動いたします。
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話はガラッと変わって、次の日。
本日は、デン・ハーグへワンデイツアー。
切符は、アムステルダム中央駅<=>デン・ハーグの往復切符を購入 -
アムステルダム中央駅から2階建ての列車で約50分ほどの遠足。
-
はい着きました。
目的地は、フェルメールファンが泣いて喜ぶマウリッツハイス美術館。
デン・ハーグ駅から歩いて10分くらい。 -
お目当ては、もちろんフェルメールの絵画鑑賞三昧です。
入り口のお花も美しい。さすが、花の都オランダです。 -
レセプションで入場券を購入。
このカウンターの裏に、ロッカーがあり、ここにバッグを預けて入場。 -
まず、観たかったのは、「真珠の耳飾りの少女」!
-
やはりすごい!
なんですか、この言葉では表現できないほどの、訴えるような目線、うっすら開いた(私だけに語り掛けるような:勝手なこと言うな!)ふくよかな唇。 -
耳飾りの真珠。本当に発光して(表現力のなさに恥じますが)いるように輝いています。
コロナの中でも、はるばる来て良かった!涙ウルウル。 -
さらに、ここに来て、TKが個人的にもっとも感動した絵は、「真珠の耳飾りの少女」と同じ部屋の反対側の壁に展示されている「デルフトの眺望」。
何少し小さくて見えずらい?はい分かりました。
拡大します。=>次のページへ -
室内絵画だけと思われるフェルメール。実はこんな素晴らしい風景画も。観た瞬間、ハッと息をのむ美しさです。
なんて言うか、まるで、絵画が窓になっていて、そこから鮮やかな「デルフトの街並み眺望」が出来るような錯覚におちいりました。日本に帰ってからいろいろな解説書を読みましたが、フェルメールの繊細な技術によって魔法にかけられたのでしょう。幸せな気分になりました。
ここに示す私の拙悪な写真だけではその感動をうまくお伝えできません(あたりまえ、むりむり)。是非、その迫力をマウリッツハイス美術館でご確認ください。 -
絵画の左下にいる小さな人物も活き活きしていて、彼女らの会話もじかに聞けそうな迫力。
フェルメール、天才ですね! -
「ディアナとニンフたち」もあるし、
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これは、「士官と笑う娘」。
上品な顔立ちで静かに談笑する若い美人のお嬢さん。ほんの一瞬の笑顔だと思うけど、その瞬間を鮮やかに切り取った作品。フェルメールすごい。 -
もちろん、
今回紹介したのはマウリッツハイス美術館のほ~~~んの一部。
レンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」もここにある。
当時のオランダでは、画家と言えば肖像画家のことだった。また、本物の外科医は解剖もできることが条件であった。ようするに、テュルプ博士は自分は解剖もできる本物の外科医であるということを示したく、宣伝のためにレンブラントにこの解剖を講義しているところを描いてもらったのである。結果は大成功だったのは言うまでもない。
レンブラントはこの絵で出世の階段を上り始めた。 -
アムステルダムに戻って来た。
さて、今晩は近くの教会で開催される金管楽器のコンサートへ行く。 -
アパートメントを出ると、そろそろ暗くなり、運河周りの夜のとばりは、さらに美しく。暖かい街灯の反射光が運河の水面に瞬いている。
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昼間と違った景色の、ヨルダン地区の夕暮れの運河沿散歩も大変楽しい。
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灯り橋の下を静かに通り過ぎる運河クルーズボートを眺めながら、コンサート会場へ。
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今回の演奏は、ロンドンから来た、金管アンサンブル。
インターネットで前日予約でOK. -
コンサート会場は、歩いて5分のヨルダン地区のPosthoornkerk教会。
ドリンク付きの入場券で、ワインを頂きながら、20人ほどの観客のいる会場へ。ローカルで気軽に楽しめる演奏会。いいですね。 -
高い天井の教会内部は音響効果が大変よく、金属的で透き通るような響き渡る音が、心に浸みこみます。
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ブラックに統一した衣装で、金色の楽器と音色を引き立たせていた。
久しぶりに、金管楽器だけのコンサートを満喫いたしました。 -
あっという間の2時間が過ぎてコンサート終了。
心豊かな気持ちになって、外に出ると、美しい満月が帰宅への運河道を照らしてくれていた。
おやすみなさい。 -
アムステルダム滞在も終わりに近くなり、今日はゴッホ美術館へ。この博物館だけは絶対外せない。
さて、ここで皆さんに有益な情報を。
皆さん!アムステルダムのゴッホ美術館へ行くときは、日本から予約をしておいたほうが無難ですよ!
私は油断していました。ゴッホ美術館は人気が高い。アムステルダムに着いてから予約したら、5日後しか空いていなかった。でも、取れてラッキー。 -
ゴッホ美術館には、200点以上の作品が時代順に並べられて、大変よく構成されている。ゴッホのひたむきな絵に対するほとばしる情熱の素晴らしさが、体感できる美術館である。改めて、ゴッホの絵の素晴らしさに感動した。来て良かった!
まずは、燃える筆使いの、眼光鋭いゴッホおじさんの自画像がご挨拶。 -
厚塗りの絵画が多い彼の絵具やパレットも展示されている。
-
ゴッホ絵画の原点は、これ。「馬鈴薯を食べる人々」。
激しい労働後の農民たちが、汚れた手でジャガイモとコーヒーだけの貧しい夕食をとると言う、ありのままの姿が描かれている。
ミレーにあこがれ、ゴッホは農民たちの働く姿や顔を描いてゆく。でも、普通の人から見たら、この絵、暗すぎません?ブレイクするはずありません。家内も言いました。「こんな暗い絵を自分の居間に置きたいとは思わないわW」
しかし、これはゴッホの自信作だったのである。自信満々で、知人にこの絵の評価を依頼したら、「醜い絵だ、農民の鼻なんかサイコロの形をしている。」ボロクソの評価が帰ってきた。ショックのゴッホはその後美術学校へ行くことになる。
でも、もう一度じっくり観ると、農民の活き活きとした顔が輝いているのです。よく観てください。これは、(私見ですが)まさしく傑作です! -
有名な「ひまわり」。
黄色中心の、いかにもゴッホの荒々しい筆使いが印象的。生きた花ばかりでなく、枯れた花も描いている。彼のひたむきな眼は、枯れた花にも美しさを見出しているのである。 -
「ゴッホの寝室」
アルル時代のゴッホのわくわくした時代が感じられる明るくなる絵である。 -
「花咲くアーモンドの木の枝」
ゴッホは、新しい生命の象徴として、アーモンドの木の枝を選んだ。
ゴッホの弟テオと妻ヨーとの間に長男が生まれたお祝いに、この絵を完成させ送っている。
早春に咲くアーモンドの花の、淡い色合いと優美な線。控えめな美しさや心地よさがあります。
そしてカンヴァスいっぱいに広がる伸びやかな枝は、まるで甥っ子の健やかな成長を祈っているかのようですね。私の好きな絵の一つでもある。 -
「アイリスのある花瓶」
ゴッホの精神状況が非常に危機的状況にあった時の作品と言われているが、無意識のうちに「黄色」と「青」という補色(互いの色が鮮やかになる)関係の色を使い、強烈な印象を浮かびだしている。 -
「カラスのいる麦畑」
ファン・ゴッホが死の寸前に描いていた作品である。いかにもゴッホらしい、うねりくる麦の躍動感がすごい!
何か良くわからないが、絵画から漂うゴッホの魂の叫びや孤独感が、どこへあわてて飛んでいくのかわからないカラスの存在やうねり狂う麦から感じる、のは私だけではないはずだ。
このゴッホ美術館は、アムステルダムへ行ったら、必ず訪問すべき。絶対がっかりはしない。 -
おしまいの6枚はこれ。
オランダには自転車がよく似合う。最初の写真は、運河沿いを巡るサイクリングツアー。残りの5枚は運河の街にある花自転車。
オランダは自転車大国。歩道の隣に自転車専用道路が設置されている。日本人には自転車専用道路なんて「それなに?」という感じ。その上、かなりのスピードで走って来るので、もたもたしていると大事故に巻き込まれてしまうほど。私も、何回は危ない目にあった。これ本当。 -
それほど、自転車はポピュラー。自転車への愛着も強い。街のあちこちには、花電車ならぬ花自転車が。。。街を華やかに。
ヨルダン地区を歩きながら出会った花自転車を紹介いたします。見てて大変楽しいよ! -
草と黄色い蝶の自転車。
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ピンクの花自転車。
-
跳ね橋にある緑と黄色い花に囲まれた花自転車。
-
その右側にもピンクの花自転車。
花自転車を見つけながらのヨルダン地区の運河散歩も、アムステルダムだからこそ体験できる味なものでした!
以上、TKがアムステルダム・ヨルダン地区からお伝えいたしました。
楽しく優雅な7日間はあっという間に過ぎ去り、明日は、いよいよアテネ・サントリーニ島へ向かいます。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- SuperManさん 2023/01/03 15:48:40
- 又アムステルダムに行きたくなりました
- こんにちは!
TKさん博学ですね。色々な知識をお持ちですね。特に美術に関する幅広い知識をお持ちだと思いました。
良くアムステルダムは見所が少ないと言いますが、見所が少ないと思うのは知識が無いからだと痛感しました。
知識が無い自分は事前にもっと勉強してから旅行に行こうと思いました。
- TKさん からの返信 2023/01/04 16:16:27
- Re: 又アムステルダムに行きたくなりました
- SuperManさん
こんにちは
コメント、ご訪問ありがとうございます。
とんでもない。私は博学でもないし、美術に関する知識など皆無に近いです。芸術創作能力はないので、もっぱら、鑑賞する方に徹しております。
ただ、芸術家は作品を創作するとき身体をかけて思いを込めて創作活動をすると思っております。ので、絵画などを鑑賞するときは、作者が何を訴えようとしてこの作品を創作したのか、注意深く感受性高く鑑賞するようにしています。そうすると、より楽しく絵画鑑賞ができますね。
オランダ・アムステルダムは他のヨーロッパと同じように見どころ満載の、お国・都市ですよ。是非もう一度アムステルダムへご訪問ください。
SuperManさんの、現地密着型の迫力あるアマゾン旅行記拝読いたしました。わくわくしながら楽しめました。ありがとうございます。私たちも行きましたよ。SuperManさんほどの迫力はなく、超軟弱な4T旅行記ですが、お時間がありましたら、ご訪問ください。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
TK
- SuperManさん からの返信 2023/01/04 17:04:19
- Re: 又アムステルダムに行きたくなりました
- 美術がお好きなのが伝わって来ました。
返信有り難うございました。
-
- 片思いさん 2022/11/05 16:35:41
- 豪華な旅ですね
- 出発から豪華な旅ですね
掲載写真もきれいです
- TKさん からの返信 2022/11/06 09:44:43
- Re: 豪華な旅ですね
- 片思いさん
おはようございます。
励みになるコメントありがとうございます。
シニアになり、最近は、楽な疲れない旅をするようになりました。
ホテルではなく、アパートメントでゆっくり滞在しながら現地を巡る旅が多くなり、のんびり旅を楽しんでいます。
最近のカメラの画像処理技術は飛躍的に向上しており、ただ、ボタンを押せば、美しい画像が簡単に写せるせるようになりました。助かりますね。
今後とも、よろしくお願いいたします。
TK
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