京都で湯葉丼と鱧と鮎を食べて鎌倉仏教について考えた。　2022年の夏の暑い日

2022/08/07 - 2022/08/08

所要で京都。
行動制限のないお盆の京都に向かうと大変なことになりそうなので、混雑を避けて8月の初旬に都入り。

いくつか所用を済ませ、京料理を楽しんできました。
翌日は神戸でKOBE BEEF。
グルメが目的の旅ではなかったのだけれど、あれこれ予定が崩れ神戸泊をキャンセル。
結果として食べていただけの京都＆神戸一泊二日。

この旅行記では京都を中心に。

エリア 京都駅周辺(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: 新幹線 JRローカル

久しぶりの京都駅am10:30。

思っていたほど人は多くなく、
思っていたほど暑くもない。

もっとも涼しく感じたのは2時間新幹線で体が冷やされていたからだということをこの後、嫌というほど知ることになる。

京都駅 駅

まず向かったのは、五条の半兵衛麩。

https://www.hanbey.co.jp/

本店ではなくこの４月にオープンしたカフェ　ふふふ庵へ。

茶房「半兵衛」 グルメ・レストラン

カフェは二階。
エレベーターのボタンが非接触だったことにちょっと驚く。
存在は知ってはいたが、凄いな。

清水五条というちょっと地味な場所ではあるが、鴨川を見下ろす景観は言うことなし。
ではあるけれど店内ちょっと違和感。重厚な本店とのギャップか？
それともオープンして間もないからですかね。

ランチメニューは二つ。
弁慶と牛若丸。

弁慶と名付けられた湯葉丼中心のメニュー

茶房「半兵衛」 グルメ・レストラン

今は8月だから生麩は緑色なんだろう。
秋になったら、紅葉の生麩に変わるに違いない。

こちらは牛若丸という名の湯葉グラタンと麩入りパン

五条大橋の袂なので、弁慶と牛若丸というのはわかるが料理との関係は不明。

もの凄くまったりとした京ことばでしゃべる店員さんと、てきぱきした標準語で喋る店員さんがいて、どちらモードで対応すべきか頭がちょっと混乱。

一応結構な感染者数を誇る関東から来ているのでちょっと気を遣う。

尚、ふふふ庵銀座店は今年の1月に閉店している。
一度行かなきゃと思っている間に消えた。
生麩文化のない東京では厳しかったかな。

大谷祖廟

ここでは写真を撮っちゃあいけないような気がするので、あまりシャッターを押さず。
詳細はHPでどうぞ。

https://www.higashihonganji.or.jp/about/guide/otani/

大谷祖廟 寺・神社・教会

大谷祖廟は親鸞聖人の御廟所。

親鸞は1173年京都に生まれ、比叡山で修業。
29歳の時、比叡山と決別し、聖徳太子ゆかりの六角堂に籠った後、当時69歳であった法然上人の弟子になる。

法然が浄土宗、親鸞が浄土真宗とされるが親鸞は新たな宗を開いた自覚はなかったといわれている。
尚、
浄土宗の総本山が知恩院。

鎌倉仏教と呼ばれるものを整理すると、

・法然・浄土宗・知恩院
・親鸞・浄土真宗・本願寺
・栄西・臨済宗・建仁寺
・日蓮・日蓮宗・久遠寺
・一遍・時宗・情清光寺
・道元・曹洞宗・永平寺


元をただすと、比叡山と高野山に行きつく。


最初の遣唐使が中国を目指したのは804年。
天台宗をおこす最澄と、真言宗をおこす空海が乗っていた。

天台宗総本山が、法然や親鸞が修行した比叡山延暦寺。
天台宗を広めたのが最澄。
真言宗を広めたのが空海(弘法大師)　高野山・金剛峯寺

大谷祖廟、親鸞聖人の御廟所であることは知っていたが、東本願寺の飛地境内であることを今回初めて知った。
東本願寺は真宗大谷派の本山なので当然といえば当然だが。

親鸞が亡くなった後、遺骨は現在の知恩院当たりの大谷と呼ばれる場所に納められた、と。
それで大谷派と呼ぶのかと今更ながらに納得。

この辺りのことは疎いので、一度ちゃんと学ばなきゃと思うものの明日になれば忘れちゃうんだろうなあ。

まあ、エンゼルスの大谷とは関係は無かろう。

鎌倉仏教、中学の教科書に載っていたような気もするが中学生、仏教なんぞに興味はないわな。

暑いのですぐクーラーの効いている休憩所へ避難。

さすが京都、宇治という名のついたかき氷が４種もあるなと喫茶コーナーの渋いサンプルを眺めていると、

〇〇ちゃん、ここにはブルーハワイないわ～
との母子の会話が聞こえてきた。

親鸞の墓所にブルーハワイはないと思うぞ。

京都を訪れた翌週、2022年の五山の送り火は、３年ぶりに全面点火された。

送り火は精霊を送る仏教行事で花火大会じゃないのだよ、
以前いたずら点火した不埒者に言っておく。

点火してみたくなる気持ちもわからないでもないが。

所用を済ませて、伏見へ。

今日も美味いモン喰わせてくださいな。


ここでちょっと余談。

今回、移動ににカーシェアリングを使ったのだが、車内にアイマスクの忘れ物。聞くところによると、カーシェアの車をコロナ陽性者の隔離場所として使用するケースがあるそうな。

旅先で車を借りるケースもあろうかと思います。
念のため除菌・殺菌はお忘れなく。

辻政 グルメ・レストラン

先月利尻で満喫したので、うにの話はもうするまい。

京都なので、玉乃光で通す。

お造り。

鱧落とし、鯛のこぶ締め、大間のまぐろ、下津井のたこ、イカの産地は聞き忘れた。
印象に残ったのはそのイカ。

下津井のたこは、変わらぬおいしさ。

鱧の葛打ち椀

黒い椀に白い鱧が映える。

今日イチはこれ。

夏らしく鮎。

ある夏、仕事で訪れた京都の大学の学食に鮎の塩焼き定食があり驚いたことがある。
鮎を食べる度にこの話を話すも、誰も信じてくれない。

里芋と鯛の子の煮物

関東の味付けに慣れた舌には、甘く感じる。

揚げ物

鴨ロース

ひそかに焼いた茶碗蒸しと呼んでいる出汁巻き。


かなり代替わりが進行中のようだけれど、久しぶりの関西料理。
ごちそうさまでした。

この次お邪魔する頃は、4代目さんが店を仕切っているかもしれないなと思いながら店を後にする。

竜馬通りに七夕の笹が忘れられていた。

今年の京の七夕はどんなのだったんですかね。

竜馬通り商店街 名所・史跡

本日の宿は、廊下が長いホテルグランヴィア京都

ホテルグランヴィア京都 宿・ホテル

何度か泊ったことがあるが、そつのないホテルという印象。

テーブルも広いし、コンセントの数も問題なし。

何も過不足ないのだが、その分印象に残らないというか・・・


強いて言うならば、バスローブがゴワゴワなことと歯ブラシが今一つな点だろうか。

駅前の立ち飲みへ行きたいのを自粛して部屋でビールを飲んでいると、
明日神戸で会う予定の知人から、のどが痛くて熱もある。
明日のことは、病院へ行ってから考えるとの連絡が入る。

夏風邪だと良いのだけれど。

久しぶりの京都の朝。

少しは京都で旅っぽいこともしておかなきゃ、とお東さんへ。

京都タワー側のホテルに泊まった時は、東本願寺。
八条口側に泊まった時は、東寺が朝の散歩コース。
どちらも開門が早い。

https://www.higashihonganji.or.jp/

ついでだが、東寺の正式名称は教王護国寺。
真言宗の総本山である。

泊ったホテルによって宗旨替えしているようなものだが、まあよろしかろう。

東本願寺(お東さん) 寺・神社・教会

東本願寺の開門時間は下記だ。

3月～10月 5:50～17:30
11月～2月 6:20～16:30

手水舎の龍

こちらの龍はかなり独特。
今にも動き出しそうだ。

早朝の寺院は人も少なく気持ちがいい。

ここで横になったらさぞかし気持ちよかろう、と思ったものの、
寝転んではならない、との張り紙が目に入った。

考えることはみな同じ。

阿弥陀堂で朝の法要が始まった。

8月は宗主の命日が多いようだ。

今日も暑くなりそうだ。

ところで。
唐突だけれど、お東さんとお西さんのこと。

１１年間続いた織田信長と石山本願寺(浄土真宗)との石山合戦の後、石山本願寺は和解派と抗戦派の二派に分かれる。
信長亡き後、
当時の為政者秀吉が、本願寺(和解派・父)を京都へ移転させ西本願寺となる。

後の為政者家康が、抗戦派であった教如上人・長男に寺地を寄進し東本願寺となる。
和解派と抗戦派のトップは親子である点がちょっとややこしい。
秀吉の息のかかった西本願寺と秀吉の墓の間にあえて、東本願寺を置いたという説を何かで読んだことがある。

いつの時代も政治と宗教の関係はややこしい。

尚、幕末に新選組が屯所にしたのはお西さん。
境内で豚を飼い、肉食を行って新しい屯所を西本願寺に建てさせたのは有名な話だ。

慶長撞鐘

教如上人が造らせた鐘で日本で五番目の大きさであると案内にあった。

第二次世界大戦で多くの鐘が供出された。

これは大砲にならず生き残ったものの一つなのだろう。

東本願寺 お買い物広場

そろそろクーラーが恋しくなってきたが、さすがにこちらはまだ開いていない。

東本願寺 お買い物広場 お土産屋・直売所・特産品

暑いな、ホテルへ帰ろうと堀に眼をやると蓮が咲いていた。

蓮は朝に咲き、昼には閉じる。

早起きは三文の時とはよく言ったもの。

蓮の葉に溜まる水に一度メダカを泳がせてみたい。

蓮の英名がLotusであることを知ったのはついこの前だ。

それにしても朝陽で背中がジリジリする。

京都まで来て朝マック、もといマクドかよ、

と自分でも思うが京都のam:7:30、暑すぎる。
クーラーの効いた場所へ避難。
ついでに朝食。

しっかり身体を冷やしてホテルへ。

暑いと誰しも思考能力が鈍る。
カウンターに忘れてあった女性用の財布、店に預けておきましたよ。

二回目の朝食はグランビア１Ｆのル・タンのカレーパンで。

ル・タン グルメ・レストラン

京都産黒毛和牛のスパイシーカレーパン420円。
暑さでぼーっとしていたので深く考えずに支払ったが、結構な値段のカレーパン。

京都産黒毛和牛ってことは丹波牛か？
あれ、丹波って兵庫じゃなかったか？

今日のランチは神戸でKOBE BEEFを予定している。
プロに訊いてみよう。

ステーションホテルの窓から～
という歌をふと思い出す。
昨晩は、出たり入ったりする列車が良い酒の肴になった。


京都駅の北には京都グランビア。
南側に都シティ 近鉄京都駅(旧京都近鉄ホテル)がある。

どちらのホテルも日本一長いホームを擁する京都駅を見下ろすことができるのだけれど、
駅を見下ろす度、京都駅の屋根って三十三間堂あたりの屋根をイメージしているんじゃないの？

と思う。

チェックアウト時不意に、昨夜はよくお休みになられましたか？

とステキな笑顔でフロントマンに訊かれた。

そんな顔されると、バスローブと歯ブラシの質をもう少し・・・
なんて言えなくなるじゃないか。

京都駅の改札を見下ろす。
数年前は人の頭しか見えなかった場所だ。

グランビアのロビーにも京都駅にも恐竜の骨格があった。
やけに恐竜推ししているなと思ったら、福井の恐竜博物館とのコラボであるらしい。

１ 開催期間
令和４年８月６日（土）から８月１８日（木）まで

２ 設置物および設置場所
・フクイラプトル・キタダニエンシス１／２骨格模型
フクイサウルス・テトリエンシス１／２骨格模型
【京都駅ビル２階 インフォメーション前】
・ダイノベンチ【京都駅ビル駅前広場】
・恐竜フィギュア【ホテルグランヴィア京都】

この方は恐竜博士というらしい。

夏休みを迎えた京都の子供たちを福井に迎えようとしているのか、京都に旅行に来た親子連れを福井に引っ張ろうとしているのかは知らないが、恐竜達の健闘を祈って大阪経由で神戸へ向かう。

神戸で神戸ビーフを食べてオミクロンに翻弄されてきた。　2022年の夏の暑い日
https://4travel.jp/travelogue/11771738
へ続きます。

知らぬわけじゃないけれど、やはり暑いな、京の夏。