2022/06/19 - 2022/06/19
8位(同エリア47件中)
とーりさん
初めて海外を旅してから早20数年になります。私の海外旅行は「安心安全の完全パックツアー」から始まり、往復航空券とホテルチケットを代理店に依頼する「個人ツアー」を経て、今では航空券やホテルなど自分で手配して回る「個人自由旅行」へと形態を変えてきました。また、行先も最初はアジアを巡る旅がほとんどでしたが、次第にヨーロッパへとシフトしていき、ついでに北米やオセアニア、アフリカや中東にも足跡を残すことができました。
個人旅行ゆえ、自身で情報を集め計画を立て(それが一番楽しいですが)、それを実行に移し、計画を遂行するため拙い語学力に身振り手振りを交えて地元の方々と話すことで、いつしか旅行計画の遂行のみならず、会話というか意思疎通をすることができることに喜びを見出し、旅の楽しみも深まりました。
一方で自分の海外旅行形態が個人自由旅行へ変わり、行動範囲も広がったことからトラブルにも遭遇することが出てきました。といっても事故や怪我、事件や犯罪にはほとんど遭遇せず、遭っても未遂や軽微なもので何とか克服することができたのはとても幸運なことだと思っています。
そんな自分の海外旅行史でのトラブルランキングを付けてみました。楽しかった思い出とは裏腹なものですが、こちらの方が記憶に残っているというのは皮肉なものです。既に旅行記中でお話していることがほとんどですが、改めてご紹介したいと思います。
ということで今回はいよいよ(?)第2位、そして1位です。
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第2位 ~ 空前絶後...にしたい大敗北 ~
2017年 ヨーロッパ「ソ連」国家群と未承認国家&東欧諸国の旅から
場所はウクライナ第三の都市オデーサです。 -
この日は日中首都キーウ市内を観光し、夜の便で黒海沿岸の都市オデーサに向かいました。
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オデーサには20時に到着。空港からはバスで市内へ向かう予定でした。情報では本数は少ないですがバスは21時まではあるとのこと。ですが辺りを探しても見当たらず、空港係員に聞いても「バスはもうない」と言います。情報が少ない旧ソ連国家群、しかも地方都市なので危惧していましたがやはりこういうことはあるものです。
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残る移動方法はタクシーしかありません。夜間のタクシー乗車は避けたいところでしたがやむを得ません。これまでチュニジアやキューバ、モルドバでも乗っていたという自信もあったので交渉してみることにしました。
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空港から市内へは直線で5km程度。20分もあれば着くだろうし、物価の安いウクライナなら100グリヴナ(400円程度)もあれば行けるだろうと踏んで、空港内にたむろするタクシー運転手たちの中からおとなしそうな初老の運ちゃんを見つけ声をかけてみました。
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すると、面白がってか仲間の運ちゃんも集まって来ました。そしてその中の写真の男が口を挟んで来て「40ユーロ(5,000円以上)かかる」と言い始めるではありませんか。余りに高いので反論すると「30ユーロ(4,000円程度)でいいよ」となりましたが、それでも法外な値段です。暫し考えましたが移動方法はこれしかないし、疲れているのもあってぼったくりとわかりながら了承しました。
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足取りは重かったですが、運ちゃんは最初に交渉したおとなしそうな初老の運ちゃんです。この運ちゃんと1対1なら話が着くかもと、車内で何とか少しでも値切れないか考え、支払い時にもう一度言ってみることにしました。
ホテルには予想通り20分もかからず到着しました。 -
支払時に「お金がないから25ユーロにマケて欲しい」と言うと初老の運ちゃんは逆に最初に吹っ掛けてきた額の「40ユーロ払え」と言い出し、さらに携帯で仲間を呼ぶような素振りまで見せるではありませんか。さすがに頭に来て「さっき30ユーロって言ったじゃないか」と怒りましたが言った手前仕方なく30ユーロを払わざるを得ませんでした。やむなく支払うと、運ちゃんは満足気に受取り握手を求めてきましたが、これは最後の抵抗で断固拒否しました。
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翌日、観光を終えバスで空港まで戻りました。時間はかかりましたが運賃は5グリヴナと荷物代5グリヴナの併せて10グリヴナ(約40円)。昨日のタクシーの1/100の値段で来ることができました。
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こちらは昨夜ひと悶着あった到着ターミナル。昨日の男がいるかもしれないので一言言ってやりたいところですが、返り討ちに遭うのが関の山なので自重します。
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このタクシーの件だけでなく、遊覧船に乗り損ねたりとウクライナはあまりいい思い出が無いはずですが、不思議とまた行きたいなと思うところでした。
昨今のロシアによる侵略行為により街が奪われ、尊い人命が失われ、私が訪れたキーウもオデーサもその街並みは破壊されてしまったかもしれません。ですが戦争が止み、ウクライナの人たちの領土と美しい街並みが再び蘇ることを祈念してやみません。
危険度★★★★★★★
焦り度★★★★★★★★
旅行記は以下から。よろしければ見ていただければと思います。
※ 都市表記等は以前の「キエフ」「オデッサ」となっています。
https://4travel.jp/travelogue/11344340 -
第1位 ~ 未承認国家での奇跡 ~
映えある?第1位がこちら。こちらも第2位と同じ回の 2017年 ヨーロッパ「ソ連」国家群と未承認国家&東欧諸国の旅」から
場所は未承認国家「沿ドニエストル」の「首都」ティラスポリです。 -
そもそも沿ドニエストルとは奇妙な国名です。場所は旧ヨーロッパソ連の外れ、モルドバの一部でしたが、ソ連解体時にそのモルドバとの戦争を経て実質的に勝利を収め、モルドバ施政の及ばない事実上独立国のようになっています。ただしこの戦争の黒幕であったロシアも含め国連加盟国からの承認はなく、我が日本も承認していない所謂「未承認国家」となっています。地理マニアの中では横綱級の未承認「国家」です。
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横綱級の未承認国家ゆえ敷居が高いかと思いましたが、戦争していた相手であるモルドバの首都キシナウからバスで約1時間半で行くことができます。しかもバスは頻発しているので便利です。
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という訳でバスに1時間弱乗車し、沿ドニエストルの「国境」に到着しました。ここでは先人旅行者が写真撮影しているのが見つかりその写真を消去されたとか、係員にいちゃもんを付けられ賄賂を要求されたとか色々ヤバそうな情報があり緊張します。さすがは未承認国家(?)です。
バスに乗って来た入管係員は乗客のパスポートを丹念に確認しています。すると私だけは車を降りて建物内で手続きしろと言います。これは来たかなと身構えます。 -
建物に入ると先客がいたので少しほっとしました。危惧していた賄賂を要求されることもなく事務的に手続きは進み、写真の入国許可証のような物をもらいました。
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再びバスに乗車し、キシナウから約1時間半でティラスポリに到着。終点は駅でした。
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ガイド本など特に無いので、グーグルマップや先人の記録を頼りに観光します。こちらは市庁舎。いかにも共産主義的な建物です。
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いっときソ連の象徴ともいえるレーニン像は旧ソ連各地で撤去や破壊されていたりしていましたが、ここ沿ドニエストルでは今も丁重に扱われています。今でも「ソ連」が生きている国です。
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こちらが「国旗」。日本政府の保護の届かないこの場所に自分が居ることが不思議な気もします。
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さて色々観光していると道の向こうに戦車が見えました。面白そうなので行ってみようと写真の少年たち二人と道を横断し始めました。
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意外と通行量は多く、中央分離帯付近で車をやり過ごし、渡った直後その先にいた警官に見つかり、3人ともちょっと来いということになりました。
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少年たちとは別にされ、1対1での「取り調べ」となりました。詳しくは旅行記に記していますが、警官は交通違反を理由に罰金(賄賂)を要求してきました。私としては言葉が通じないのに乗じて、「おっしゃっていることがわかりません」という姿勢で臨みました。そして最終的には警官は諦めてくれ、仲良く?なりました。それにしても日本政府の庇護の及ばない未承認国家での犯罪であり、連行されたときはどうしようかと思いました。拘束時間は10分程度でしたが、無事解放されたときはホッとして、どっと汗が噴き出ました。この「事件」が私のとらべるトラブルの最大の出来事です。
危険度★★★★★★★★★★
焦り度★★★★★★★★★★
旅行記は以下から。よろしければ見ていただければと思います。
https://4travel.jp/travelogue/11338080 (国境)
https://4travel.jp/travelogue/11338121 (悪徳警官) -
私の欧州制覇(訪問)はバルトの国、ラトビアとリトアニアの残り2カ国というところでコロナ禍とそれに続く世界情勢の悪化でお預けとなってしまいました。負け惜しみかもしれませんが、目標は達成してしまうより残っている方が張り合いがあるという考えもあると思います。
ちなみにその欧州各国を含め、今まで以下の合計76もの国や地域を訪問してきました。地図に色を塗って見ると改めてよく回ったなと思います。
※(地域)は私の独断によるものですので悪しからず願います。
中国、(台湾)、韓国、北朝鮮、ベトナム、(香港)、(マカオ)、タイ、カンボジア、シンガポール、マレーシア、インドネシア、イギリス、フランス、スペイン、ミャンマー、ラオス、ドイツ、チェコ、ハンガリー、オーストリア、イタリア、バチカン、チュニジア、アメリカ、カナダ、オランダ、ギリシャ、ベルギー、ルクセンブルク、ポルトガル、(ジブラルタル)、(セウタ)、モロッコ、ロシア、エストニア、フィンランド、デンマーク、トルコ、(北キプロス)、キプロス、クロアチア、モンテネグロ、ボスニアヘルツェゴビナ、オーストラリア、セルビア、コソボ、アルバニア、北マケドニア、ブルガリア、ルーマニア、アラブ首長国連邦、キューバ、メキシコ、(沿ドニエストル)、モルドバ、ウクライナ、ベラルーシ、スロバキア、ポーランド、モナコ、アイルランド、サンマリノ、(ハワイ)、アイスランド、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、(アルツァフ)、アンドラ、スロベニア、マルタ、スウェーデン、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン。
思ったよりたくさんあるとはいうものの、北朝鮮は韓国側からのツアーで行った板門店だけですし、インドネシアはシンガポールから船で渡ったビンタン島に入国しただけです。また、リヒテンシュタインに至っては国に滞在していた時間が僅か101分と、まさに足跡を残しただけという訪問になっています。これが私の旅行スタイルといえばそれまでですが、こんな旅行もあっていいかなと思っています。
という訳で締まりませんが、いずれまた海外に普通に行ける日が来ることを期待して、もちろんこの「とらべるトラブル記」の上位に新たなトピックが追加されないと願いながら筆を置きたいと思います。
長い旅行記見ていただいてありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ふわっくまさん 2022/12/16 07:39:50
- 空前絶後・・
- とーりさん、おはようございます。
世界の旅のトラブル上位!=1,2位を、拝見させていただきました。
とーりさんはロシア軍が攻め込む前のキーウを観光されていたのも、改めて貴重な経験をされたのだなぁーと思いましたが・・
地方都市オデーサで、タクシー初老の運ちゃんと仲間たちにボッタクれたのですね。
バスなら1/100のお値段だったとは、さぞ悔しかったと思ったものの・・
命があっての旅ということで、こうして振り返っていらっしゃるとも感じました。
栄えある1位は、沿ドニエストルでしたか・・
日本政府の保護が行き届かないところで、警官に罰金という名の賄賂を要求されるなんて(>_<)
やっぱりとーりさんは、すごい体験をされたのですねー
未踏の地の海外旅行⇒ドキドキハラハラと興味深く、いつか参考にさせていただける日が来るといいなぁーと思いました。
ふわっくま
- とーりさん からの返信 2022/12/16 21:47:59
- RE: 空前絶後・・
- ふわっくまさんこんばんは、とーりです。いつもありがとうございます。
旅行記というか回想録になってしまいましたが、見ていただきありがとうございます。
コロナ禍はまだ続きそうですが、旅行は少しずつできるようになってきましたね。とりあえず私もふわっくまさんに負けずに、充実した旅行を楽しみたいと思っています(笑)。
また訪問させていただき、参考にさせていただきます。それでは!
とーり
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