2022/05/06 - 2022/05/07
30位(同エリア470件中)
トゥーバーズさん
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「え?あれ?こんなところに温泉があるんだ」
「どうしたの?」
「いや、なんか面白い所みつけた」
「何々?」
「ランプの宿って知ってる?」
「有名よ。青森の青荷温泉だっけ?電気が通ってなくて夜がランプの灯しかないのよね」
「え?岐阜県にあるの見つけたんだけど、ランプの宿ってチェーンなの?」
「そんなことないでしょ…岐阜にもあるの?」
「渡合温泉っていって、電気は自家発電で昼間だけ。携帯圏外、アクセスが未舗装路で10km近くみたいな所みたい」
「それはすごいわね。面白そう。たまには携帯とか無しの夜もいいかもね」
帰省のついで。神岡から安房峠→安曇野を抜けて戻るのが一般的な下道ルートですが、それを東海北陸道から五箇山を抜けて高山、下呂まで南下。少しばかり大回りして旧加子母村へ。電気も携帯もない山奥の宿へ。寄り道の旅のハイライトです。
※長文注意
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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富山県を出発して東海北陸道で飛騨清見まで南下。高山近辺まで一気に運転して進んだところで時間的には1時間30分。おおよそお昼になり、お腹も空いてきて休憩場所を探します。
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「お腹すいたね~」
「前に高山きた時に飛騨牛食べたの美味しかったよね」
「珍しくめちゃくちゃ美味しいって言ってたよね」
「せっかく来たから飛騨牛のお店があったら食べてみない?」
「賛成~」
しばらく下呂方面に走るうちに、立派な看板を出している飛騨牛のお店があったのでそちらにすることに。牛一 グルメ・レストラン
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立派な店構えで、お客さんも結構入っています。
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飛騨牛でお値打ち定食、なんとなく惹かれますね。
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お庭に山藤が綺麗に咲いていました。
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牛スジ煮込み。脂強くてゼラチン質でも舌に脂が残らずサッパリ。
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こちら飛騨牛の定食。お肉美味しいです。んま~い!
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お安い設定の焼肉定食。食べ比べるとお値段なりで、やっぱり飛騨牛定食の方が良いです。
まあでも二人でシェアしながら美味しくいただきました。ご馳走様でした。 -
牛一さんからもう少し南下して、お饅頭目当てで下呂温泉に立ち寄りました。
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まずは駐車場に車を停めて、下呂駅前まで歩きます。
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「駅のこっち側は前きた時は来なかったから新鮮だね」
「お客さん待ってる旅館の人がいるのを見るとホッとするわ」
「だなあ。このゴールデンウィークが勝負だよね」
「途中川沿いに電車撮影してる人がたくさんいたし、電車でくる人も多いんでしょうね」
「撮影隊そういえば沢山いたね~」下呂駅 駅
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駅前に顔ハメ看板を見つけたので、ちょっと遊んで写真撮影。いろんな所で顔ハメ看板楽しんでいます。
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駅前を歩いて、お目当てのお饅頭屋さん。仁太郎さんに到着しました。初代の仁太郎さんが作ったお饅頭や栗きんとんが名物。これから伺う加子母村最大にして最強の和菓子屋さんです。下呂温泉店があるというのであればやっぱりここは外せません。
仁太郎 下呂駅前店 グルメ・レストラン
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仁太饅頭は90円。黒糖饅頭は100円ですが、特に仁太饅頭は印象に残るレベルの美味しさ。これは人気も納得。美味しいです。
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同じ系列で洋菓子店もやってらっしゃるためか、下呂店では洋菓子も扱われています。
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駅舎にツバメが来ていました。
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お饅頭も買ったので、下呂の温泉街に戻ります。途中山形屋さんの玄関前に源泉掛け流しの手水ならぬ手湯がありました。
よろこんで手を洗ってみると、なにかおかしな成分が入ってるんじゃないかと思うくらいに手がツルツルに。
「なにこれ?!」
「お風呂よりすごいかも、さすが下呂温泉源泉だね」
「シルキーよすごい」 -
橋を渡って温泉街に。河原に噴泉池の足湯が見えます。去年から足湯専門になっていますが、相変わらずの盛況ぶりです。
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橋を渡った先にあるゆあみ屋さんに伺いました。
ゆあみ屋 グルメ・レストラン
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店先に足湯があって、使うことができます。
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下呂温泉まんじゅう、当店人気No.2!
一個70円で日持ちもします。一口サイズで食べやすく、お味もなかなかでした。
温泉街は前に来た時に一通り歩いたこともあって、早く渡合温泉に向かって周辺散策なんかもしてみたくて今回はパス。お饅頭だけ購入して、サササッと駐車場に戻ります。 -
下呂温泉を後にして、県道486号王滝加子母付知線をひた走ります。
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しばらく進むと渡合温泉の看板が見えました。途中ご飯と下呂温泉時間立ち寄っていませんが、時間は3時過ぎ。思ったより時間が掛かっていて、なんとか日のあるうちに到着できそうです。
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ロードサイドのこれより加子母村の看板が、そろそろ悪路を予感させます。
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ゲートがありました。物々しい感じで、これより先は山岳道路と警告が出ています。
「見る限りまだ舗装されてるけど…」
「このままどこまで行けるのかしら」
「事前の話だとここからダート路とかいう話だけど。スピード出せないのが辛い。到着が遅くなっちゃう」
「今日の車だと心配よね。軽自動車だし」
「日産が無駄にハイウェイスターにしてて車高が低いからね」
「大丈夫なの?」
「砂利道はゆっくり走れば問題ないんだよ。普通の車ならむしろ怖いのはパンクなんだ」
「じゃあますます急がないでね」 -
雨が降ると通行禁止。何かあったら自己責任だそうです。
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渡合温泉の看板によるとあと8.3km。昼食、日帰り温泉はここから連絡しないとこの先圏外、渡合温泉のお電話は衛星電話で繋がるんだそうです。
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確かに山道ですが、この程度なら…
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付知峡自然休養林の看板があります。
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山深い景色になってきました。
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渡合温泉まであと4.6km。あと半分。まだ道路は舗装されています。
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付知峡にかかる橋を渡ります。
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いくつかの橋を渡った後に、ついに砂利道が始まりました。
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GPSでは、残り3km少々。時間は4時を過ぎています。
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砂利道になったり、簡易舗装路になったりしながら道は続きます。
「思ったより砂利道の距離は短いね、よかった」
「これならなんとか明るいうちに着けそうだ」 -
じゃーり、じゃーり、じゃーり、じゃーり…
時々石が踏まれて跳ねて車の下に当たるとドキッとします。
幸い、大きい落石や酷い溝があるわけでなく、きちんと整備された砂利道で助かりました。 -
残り600m。ついにランプのお宿、渡合温泉に到着です。
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道沿いに渡合ランプ村の建物がありました。入り口戸が打ち付けられていて、廃屋なのか一時閉鎖しているのか休業中なのか…
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看板に従って、二股に分かれる道を谷底に向かって進みます。
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じゃりじゃりじゃり…
木々が大きく育っていて、間を縫って道を走っていくと、駐車場につきました。 -
車を停めて、看板に沿って、今度は徒歩で階段を上がります。
つきそうでなかなか着きません…
だんだん薄暗くなってきて、ますます怖いです。 -
「結構登るね」
「そんなに遠くないと思うけど」
「荷物持って上がるの大変だし、必要なもの以外は車に置いとこう」
「そうね」 -
階段を登っていくと、雰囲気のある玄関が見えてきます。
「着いた!」
「ここがランプの宿?」
「多分」渡合温泉 宿・ホテル
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達筆の看板と入り口のランプ。
間違いありません!ランプの宿、渡合温泉。到着しました! -
玄関先に天然の冷蔵庫。"冷えてます"
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付知川で釣れたのでしょうか、大きな天然岩魚が玄関先の水槽で泳いでいました。
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ランプでいっぱいの玄関。
お宿の方を呼びましたら、奥さまが出てこられて案内してくださいました。
「こんにちは~、遅くなりました~」
「お待ちしていました~。お部屋にご案内しますね」
「お願いします~」 -
お部屋に向かう途中にも所々にランプが飾ってあります。
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案内されたのは趣のある和室のお部屋でした。
「こたつがある~」
「豆炭こたつなんですよ」
「豆炭!!懐かしい」
「ご存じなんですか?」
「ああ、アンカとかね。よく使ってた。低温やけどになるんだよね」
「よくご存じですね~」
「田舎で育ったからねぇ」
「そうなんですか~。お食事は6時からです。今日は2組だけなので、お風呂入られる時は貸し切りできますので、入浴中の札を出しておいてくださいね~」
「は~い」 -
「お風呂は夜は8時30分まで。電気は夜10時になると消えますので、お食事の後でランプの点け方を教えますので、フロントにきてくださいね」
「へ~、楽しみ」
「そうだね~」
お茶請けの御菓子をいただきながら、ちょっと一息。
「まだ少しご飯まで時間もあるし、お風呂入る?」
「明るいうちに少し周りを散歩してみようよ」
「そうね。それも面白そうだわ」 -
お宿のご案内の中に、周辺のマップを見つけたので、撮影して持ち歩くことにして、まずは散歩…いえいえ、”探検”に出発です。
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崖地に建物が建っているので、下のフロアの客室までは急な階段で繋がっています。
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浴室は別棟になっていて、昭和レトロなコレクションが並んでいます。お風呂はお部屋と同じフロアにあって、降りなくていいのは助かります。
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お風呂の入り口にあった洗面台。湧水がじゃばじゃば出っ放しです。横にコップもあって飲むこともできます。冷たくて美味しいお水でした。
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館内から出て、駐車場の広場まで降りてきました。駐車場からは川が見えませんが、小さい池がすぐ近くにできています。
-
「魚泳いでるけど…鯉みたい」
「普通はもっと下流にいるものだけどね。宿で出すためなのかも」 -
池の隣が生簀になっていて、真っ黒にお魚が泳いでいます。
「こっちは岩魚かな。背中が黒い」
「ここから逃げて住み着いてるのかしら?」
「さあ?でも実際、養殖場から魚逃げるからね。昔よく養殖場の隣の用水で岩魚釣ったり素手で捕まえられたもの。うちの周りは岩魚がいるような山じゃないから、養殖場から逃げたやつでさ。逃げた魚だから泥棒にもならないし、川じゃないから遊魚料も要らないし、捕まえたらラッキーだったんだ」
「相変わらず同世代とは思えないわ。いつの時代の人よ」
「向こうの道から生簀の向こうを回り込んでいけば、池の直ぐそばまで歩けそうだよ?」
「明日、周りで鳥さん探してみるときに行ってみましょ」 -
直ぐ近くで水の流れる音がしているので、川を見にいくことにしてそれらしい方向に歩きます。
この辺り、裏木曽県立自然公園なのだそう。年季の入った看板がありました。 -
しばらく進むと川原が見えます。
元キャンプ場の敷地の方に本流があり、そのに向かって流れ込んでいるようです。橋の横から河原に降りられそうです。 -
「冷たーい」
「綺麗な水だね~」
「どうする?このままキャンプ場まで行ってみる?」
「もう夕方だし、ご飯の前に少しお部屋でゴロゴロしたい」
「じゃあいい加減にして戻ろうか」 -
お宿に向かう途中に、小さな祠があるのを見つけたので、少し調べてみます。
-
うーん、雰囲気あるお社ですね。
-
近づいてみると…
「……」
「これって…」
「確か周辺マップに山の神様は女神さまって書いてあった」
「女の神様へのお供えものなのね」
「付知川って、途中で西股谷と東股谷に分かれてて、こっちの西股谷の方が本流なんだけどさ。東股谷のほうは男谷、西股谷は女谷なんだって。だから女神様信仰なのかもしれないし、山神信仰の女神様なのかもしれない。どっちでも山に入る時の安全を祈願したんだろうね」
「じゃあ手を合わせておきましょうか」 -
お社で折り返して、お宿の方に降りる道でなく、登る道の方をしばらく登ってみましたが、結構続いているみたい。
「このまま先まで行ってみる?どうする?」
「どこまで続くかわからないしね…」
「この辺からなら真っ直ぐ林を突っ切れば駐車場に戻れる」
「危なくない?」
「この辺からなら獣道になってる」
「え~」
ダダダダダっと崖を駆け降りて、お宿の入り口付近に戻ってきました。 -
一時間ほどで探検を終えて、お部屋に戻ります。
しばらくゴロゴロしているとご飯の準備ができたようで、呼びにきてくださいました。
「ご飯できましたので~。それとご飯の後、8時半からロビーでランプの使い方のご説明しますので、来てくださいね~」
「はーい!」
楽しみにしていたご飯です! -
別室のお食事の間に行くと、お料理がどんどん運ばれてきます。
「こ、こんなに食べられないよ!」
「凄いね。今時珍しく山の幸だ。楽しみだったんだよね~」
「お刺身がある?」
「岩魚だね。お魚も川魚で出してきてこそ山の宿だよねえ、やっぱり。地のものがいいよ」
「お漬物も美味しいわ」
「これであとスズメが出れば完璧な山の料亭だなあ」
「スズメは食べるとこないでしょ」
「山のほうの料亭行くと昔は料理屋で岩魚とスズメを出してたもんだよ」
「かわいいんだから食べない」
「たいして美味しいもんじゃないし、今は獲っちゃいけないから」 -
鯉の甘露煮。臭みもなく、しっかりした身は食べ応えもあって美味しかったです。下の池で泳いでた子かしら。
-
お汁も優しいお味で美味しかったです。
-
岩魚の塩焼き。焼き加減絶品でした。ガスレンジで焼いたのと全然違います。
-
旦那がオプションで頼んでおいた岩魚の骨酒。
「普段お酒飲まないけど、せっかくだからね…飲んでみなよ」
「へー、美味しい。少しお魚のエキスが濃すぎるけど」
「普通それを美味しいって言うんだけどね」 -
どーん!
嫁のイチオシが五平餅。大人の顔くらいある巨大五平餅は甘いタレが染みておいしさ満点でした。
「ヤバくない?食べきれないわよ、こんなに」
「残すと美味しくないみたいに見えるし弱ったな」
「が、がんばろー!」
あまりのインパクトに思わず記念撮影しました。 -
山菜の天ぷら。時節柄メインはコシアブラでした。香り高く、めちゃくちゃ美味しかったです。タラノメとかも、山で採れるのと栽培だと香りと甘みが違うんですよね。山の幸づくしのお料理、ごちそうさまでした。美味しかったです。
お腹いっぱいになって、ヒィヒィ言いながら、お風呂の温泉をいただいたのですが、お客さんも少なかったので貸切風呂にしていただきました。お風呂については、その後朝に入った時に紹介しますので、ここでは飛ばします。
その後、いよいよランプの宿らしいイベント。ランプのつけ方を習いにロビーに集合します。 -
ロビーに行くと、ランプが人数分準備されていて、お宿のご主人の軽快なトークでランプの付け方を学びます。実際に火をつけて見ながら、正しい芯の設定や火の状況を学びます。
-
イチオシ
ご主人の指導の賜物で、ランプ初心者の私たちでもちゃんと灯りをつけることが出来ました。
この後、ロビーで宿のご主人が色々と夜長を楽しむためのゲームをご準備してくださっていたりして、宿泊客みんなでチャレンジしましたが、ゲーム楽しみすぎて疲れてしまい、ランプの風景を撮影することをすっかり忘れて寝てしまったり。
今から思えば私たち楽しみすぎました…
せっかく夜に綺麗に撮れるカメラも持ってるのに。なんか幻想的な景色を撮れるチャンスを逃した気がしますよ。 -
翌朝。朝の5時から起き出して、鳥さん目当てにマップにあった宿近くのハイキングコースをぐるっと回ってみることにしました。
渡合三滝コース。鳥さんに会えるでしょうか? -
昨日とは違う小さな祠がありました。マップによると木曽古道に点在する33観音の一つで、道中の安全を護る石仏さまだそうです。
-
しばらく歩くと川沿いに出ました。
看板に従って渡合三滝に向かいます。 -
さらに歩くと崩れそうな木橋が沢にかかっています。
ギシギシ…ギシギシ…
下まで結構高さもあって、一人ずつ慎重に渡ります。このままだと早晩使用禁止になりそうな朽ち果てっぷりです。ちなみにマップにも「橋危険」と書いてありました。 -
結構高いでしょ?橋を渡った後も、細い道が崖面に沿って続いています。
「なるほど、マップのこのバッテンが危険箇所ってことか」
「じゃあもう危ない所はないってことね、良かった」
「確かに。渡合三滝方面にはこの橋しかバッテンはついてないね」 -
斜面に沿ってグネグネ道を上がると、左右に分かれて大きめの道が伸びています。渡合三滝方面は石清水歩道です。
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木製の苔むした階段や朽ちた木柵が独特の雰囲気の散策路をずっと登っていきます。
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鳥さんはよく鳴いていますが、森が深く木が高いうえ道も険しいため、今ひとつ観察向きではありません。でもいい雰囲気のある森です。
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もうすぐ渡合三滝かねえ?なんて2人でマップを見ながら歩いていると、唐突に急斜面で道が無くなります。
「あれ、行き止まりだ。道間違えたかな?」
「マップだと一本道よ?」
「これ、ここから道が崩落してるんだ…」
「え?!どういうこと?」 -
「ほら、あそこの林のところに道が続いてたのが、崩落してる」
「崖崩れがあったのね」
「土の感じからみても最近だね…マップにも反映されてない」
「後で宿のご主人に伝えてあげましょ」
「そうだね。滝はちょっと無理みたいだ、引き返そう」 -
この状況で三滝を目指すほどの根性は無く、引き返してキャンプ場に向かうルートの散策路を歩いてみることにしました。
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引き返して反対側に進むと、崖沿いにまた違う橋があります。
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先程の危険な橋と同じくらい苔むしています。かかっている沢に高さが無いので危険な感じはあまりしませんが、警戒して一人ずつ慎重に渡ります。
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地図のバッテンマークポイント近く。折り返して上がるポイントが柵が崩落して通路が半分ほど無くなっていました。
なんとか通れるので、ここも慎重に進みます。
色々な散策路や山の公園に行きましたが、ここまでハードな状況の公園は初めてです。 -
危険箇所を過ぎると、広い道に出て一安心。このままキャンプ場方面に行けるかと歩みも早まります。
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薮が酷くなってきて、道を歩くのが大変になってきました。
「いたた…」
「トゲ生えてるから気をつけて」 -
イチオシ
そんな時です。目の前に大きな石楠花の木が花を咲かせていました。自然の中で自生している木みたいです。
「山の中で自生石楠花か、なんかいかにも深山でちょっと嬉しいね」
「石楠花ってこんな大きくなるのね」
「葉っぱばかりになるから普通は木を大きくしないものね」 -
小さい滝がありました。いや、崩れてできてました。
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進むうちに、道は道幅はあっても段々と薮状態に。
トゲがあって進むのが難儀になってきます。
「痛いし、この後バッテンだし、キャンプ場抜けないでもう戻ろう」
「そう?もう少しだと思うんだけど」
「この枝、攻撃してくるんだよ!」
ここまで自然に呑み込まれた散策路も珍しく、スリリングで楽しめましたが、ここで断念。引き返すことにしました。 -
渓谷にかかる危険な橋を再び渡り、宿に戻ります。
エメラルドグリーンの綺麗な淵でいい沢だと思うのですが、荒れ果てっぷりが勿体ないです。 -
お宿の前から降りて、逆側から元キャンプ場を目指します。先程の沢の先の川があるはずです。
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元キャンプ場敷地は、森の中にポッカリと開けた空間になっていて、鳥さんも期待できそうです。
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キャンプ場の跡地だけに、朽ち果てた竈があったり。
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こっちは元炊事場でしょうか。
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敷地は川で分かれていて、古い吊り橋でつながっています。
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橋はまだ使えそうで、向こう岸に歩いていけます。
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向こう側には新しいトイレ。中は水が通っていなくて、誰が使ったのか、きったない状態でしたけれど…
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こちら側にも雰囲気のある屋根が…なんだかウォーキングデッドの世界で勝手にドキドキしています。
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付知峡度合の森。元キャンプ場の名前でしょうか。
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本流にしっかりした橋がかかっています。
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いつものお約束です。
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イチオシ
すっごい綺麗です。付知川に幾つかキャンプ場があってくる途中にもありましたが、結構賑わっていました。ここのキャンプ場も人気はあったそうなんですけど、閉鎖しちゃったんだそうです。勿体ない、綺麗なのに。
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吊り橋のあった川との合流です。周りの廃墟も味出していて、隠れ家的な魅力のある空間です。穏やかで綺麗な河原で、静かで人気もなくて。いい感じじゃありません?
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橋を渡ってみたのですが、直ぐにキケン通行止めの看板で行き止まりです。
朝霧歩道という看板が出ていますが、ほとんど読むこともできません。 -
マップで見る限り、先程戻ってきた道に繋がるはずなんですが、まさか大きい方の出入り口が閉鎖になっていたとは意外でした。
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ご覧の通り、道は塞がっています。
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こっちは朝霧歩道になるのかしら?
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元キャンプ場だけに、河原に向かう階段があって、水辺に降りることができます。
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広場に戻って、少し鳥さんを待ってみることにしました。
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イチオシ
しばらくすると鳥さんが飛んできます。逆光でなんの子かわかりませんけれど…
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この子はヤマガラかなあ。オレンジちゃん。木が大きくてあまりうまく撮れません。
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木陰に入ってしまって、はっきりしませんが、キセキレイちゃんのようです。
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お宿に戻って、朝食をいただきます。
朝の光でみるロビーは昨日よりメロウな感じです。
ご主人とお会いしたので、度合三滝方面が崖崩れで通路がなくなっていたことを報告しました。
お話を伺うと、中津川市に合併して加子母村がなくなってから公園やキャンプ場の整備に市が予算を割かなくなって、陳情しても何もしてくれないのだそう。
以前は人気のあったキャンプ場だったのに…と少し寂しそうに、今にして思えば元気がいいのは合併しなかった村ばかりと話されていたのが印象的でした。
せっかく綺麗な淵や自然があるのに、他の自治体との綱引きで無くなるというのも残念です。 -
朝ごはんもお魚やお漬物が美味しかったです。朝から贅沢な気持ちになりました。ごちそうさまでした。
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ご飯をいただいた後、チェックアウトの前にもう一度お風呂でさっぱりします。
夜の雰囲気も良かったですが、朝のこのお宿のお風呂はとても素敵です。 -
浴槽が二つ、一つは温泉。もう一つは湧水を使って二種類のお湯を沸かしています。
手前が温泉で、窓際が山の湧水。温泉はナトリウム ? 塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。pHは8.1の弱アルカリ性です。どちらもサッパリした感じのお湯ですが、やや温泉の方が柔らかい印象のお水で、高野槙の浴槽の香りもリラックスできる気持ちいいお風呂でした。 -
タイルの洗い場もモダンでレトロ。窓の外の緑が美しすぎるお風呂です。
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お風呂場にもランプが飾ってありました。
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お風呂を上がった後、お世話になった渡合温泉をチェックアウトします。
携帯も電気もない山奥に寄り道しての一晩、堪能しました。 -
お部屋のすぐそこに咲いているお花ともお別れです。
せっかく渡合に泊まったので、午前中は付知峡を観光してから東京に戻ります。 -
じゃりじゃりじゃり…と走って、舗装路に戻ってきたあたりに髙樽の滝がありました。付知川の西股谷側に入ったあたりの名所で、ここまでは綺麗に整備されています。
ただ人気はあまりありませんが… -
自働車の道路の橋の隣に、歩行者用の橋がかかっています。
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イチオシ
髙樽の滝の滝壺が橋の上から一望できます。高さも水量もあって、ぽっかり開いて日の当たる滝壺になっているのも、なかなか見栄えの良い滝です。
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淵の青さが涼し気でいいですね。
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イチオシ
滝のしぶきで虹ができています。
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イチオシ
うーん、最高のご褒美、いただきました。
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虹がよく映るように撮ってみました。
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付知川の青が綺麗です。通称”青川”は伊達じゃありませんね。
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加子母には加子母川という川が西に流れていて、そっちは白川というので、対なのかもしれませんね。
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髙樽の滝、最後に全景です。本当に美しい滝でした。
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橋を渡り切ると、山の上に向かって細い道が続いています。
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どこに着くのか登ってみました。
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なんと幅の広い砂利道に王滝新道という標識が。ということは、この先が真弓峠のはず。王滝というからには王滝村に向かう道なのでしょう。
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少し新道を登ってみることにしました。昔の御嶽山への参拝通路という話もあるみたいですが、ここは最近開発して砂利道にした感じ。歩くうちに暑くなってきて、カワラバッタになった気分になってきたので、適当なところで引き返すことにしました。
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キノコがたくさん生えていました。
食べられる種類だったんでしょうか?
いつも気になりますが、持って帰ったことがありません。 -
橋まで戻ってきて、今度は滝壺に向かう階段を降ります。
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階段を降りていくと、滝見台が造られていて、谷底から滝を眺められます。
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木々の間から髙樽の滝を眺めます。
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滝の水飛沫を撮ってみました。
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迫力ありますね~
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キセキレイちゃんも滝の近くで滝見に来てました。
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髙樽の滝からさらに戻ります。付知川の分岐に沿って道も分かれるので、渡合温泉のある向かって左手から、向かって右手の不動公園の方向に進みます。
渡合のある西股谷側が地図では本流扱いになっていてあくまで分流側が東股谷な気がしないでもないのですが、中津川市が開発を止めているので、付知川と地図に表記される川(西股谷)に付知峡(東股谷)が無いという不思議なことが起きています。
本来は両方あっての付知峡のはずなのですが、看板の一番上の渡合三滝からして崩落で道も無くなっているのに放置ですから、既に観光地と言っていいものかどうか?
とにかく滝を見れなかったので、代わりに不動公園の不動滝を目指します。 -
道や谷の険しさは渡合以上ですが、舗装路です。お店やキャンプ場も、このあたりは旧付知町になるためか予算分配が渡合より上手くいっているのか、ちゃんと機能しているみたいです。
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不動公園は観光バスの駐車場もあり、立派に観光地になってました。観光客もひっきりなしにやってきて、結構な賑わいです。
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順路に沿って滝を観れる公園になっています。足元もしっかり整備されていて、谷底まで降りるのも容易です。
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不動公園にはいくつか滝があって、一番近いのが観音滝。
側面から見るような形になります。 -
綺麗ですけど…髙樽の滝を観た後では、正直刺さるものはあまり…
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あ!虹が見れました!
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次が不動滝。観音滝の下側から始まる滝です。
この二つの連続する滝の沢は、公園の中をしっかり工事されて流れてくる農業用水が落ちているので、見た目は綺麗な滝なんですけど、自然というより公園なんですよね。ここはあくまでも。 -
滝のすぐ横に、お不動さんが祀られています。
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高さは今ひとつですが、迫力は観音滝よりありますね。
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順路を辿ります。次は仙樽の滝です。
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吊り橋を二つ渡って川に沿って歩きます。渡合の元キャンプ場に残された吊り橋と比べると雲泥の差の立派な吊り橋です。注意書きまで至れり尽くせりです。
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ひょいひょいと渡ってしまいます。
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2本目の橋が、仙樽橋なのだそう。
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ってことは、滝が見えるのかしら?
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これ?いや流石にこれはただ川が流れててちょっと落ちたくらいかと。
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ということは、その奥のこれかしら?
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もっと奥にもあるけど…?
仙樽の滝ってどれですか?
結局よくわからなかったです。 -
仙樽の滝が見つからないのでしばらく上流に向かって歩いたら、人工の砂防ダムが。これが一番立派でした。
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戻って出口に向かいます。
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途中の水路。お魚も泳いでました。
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順路を歩いていると綺麗なヒカゲツツジ。
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石楠花も咲いていました。
公園だけにちょうどいいサイズで、お花も綺麗でした。滝もお花も見れたしで、不動公園を後にして、旧加子母村側に戻ります。 -
先日下呂温泉駅前でお饅頭を買いに寄った仁太郎さん。実は本店が加子母村にあります。
仁太郎 加子母本店 グルメ・レストラン
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せっかく来たのですから、本店に立ち寄らない手はありません。表で他のお客さまが息子さん(お孫さん?)に「二代めがやり手でお店大きくされたの。昔から加子母にあるお店だから、あなたも知っておきなさい」みたいな地域の歴史を話しながら入店していくのを見て、さすが老舗と感心することしきりです。
-
こちらでもお饅頭をいただきました。仁太さんも草葉の陰で自分のお饅頭がこんなにも愛されていることに驚いてるんじゃないでしょうか。
でも確かにここのお饅頭は、印象に残るレベルの美味しさです。 -
本店の隣には工場も併設されています。
-
周囲にお饅頭のいい香りを漂わせているので、窓からコッソリ覗いてみたり。
「うーん、いい香り!」
「お饅頭のにおいがする」
「工場見学とかやってないのかしら?」
「入口開いてなさそうだね」
「ざーんねん!お饅頭ツアーとかやってくれればいいのに」 -
仁太郎さんの本店の後は、東京に向けて中津川インター方向に。途中でお昼を食べにくり・くりの里に立ち寄りました。
障がい者の方達の仕事の場として開発された中津川市の観光施設です。くりくりの里中津川 グルメ・レストラン
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施設内に色々レストランがあります。
私たちは軽食たんぽぽさんで、嫁はサンドイッチ。 -
旦那はカレーを頼んでシェアして食べました。
お値段も安くて美味しかったです。ごちそうさまでした! -
その後中央道に入り、ひたすらに東京を目指します。諏訪湖SAで休憩して、ちょっとリフレッシュしました。
-
高台になっていて、諏訪湖が一望できるいい眺めです。
後はお家に無事に帰るだけ。
渡合地区については、旧加子母村では東の外れになり道路動線が異なることから元々難しい地区なのでしょうし事情は様々なのでしょう。ただ中津川市になったことでますます放置が進み、旧付知町側以上に荒れ果てた状況になっているのは間違いありません。
旧キャンプ場の復活は無理でも、規模を小さくしてでも散策路の再整備復旧はしていただけると嬉しく思います。
あと3年も経てば平成の市町村合併から30年が過ぎます。郡部・旧村にとって、物理的に大きな地域の一部になる合併が良かった部分とうまくいかなかった部分、それぞれあるでしょう。一度しっかり振り返って、より良い地域の姿になるようにしていけないものかと、少し気を揉む"寄り道"になりました。
貴重な体験をさせていただいた渡合温泉の皆さまに感謝して、この旅行記はお終いです。皆さまの旅行計画のお役に立てれば幸いです。
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旅行記グループ ちょこっと寄り道、いつも通る道から半歩だけ
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