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 自転車の旅 信州の高原巡り(前編)<br /><br /> コロナウィルスのお陰で、国内・海外を問わず何処へも行けなくなってしまいました。お陰でこうして過去の旅をブログにしています。大昔に行ったサイクリングの旅も14作目の今回は、素晴らしい景色の中を走り廻った信州の高原巡りです。<br /><br /> 8月の3、4、5と、軽井沢で行われた子供達のサマースクールをあたふたと手伝って、会場である山荘の掃除を済ませたら、これからがやっと私の夏本番、サイクリングのスタートであります。

自転車の旅 信州の高原巡り(前編)

6いいね!

1988/08/05 - 1988/08/07

173位(同エリア230件中)

おく

おくさん

 自転車の旅 信州の高原巡り(前編)

 コロナウィルスのお陰で、国内・海外を問わず何処へも行けなくなってしまいました。お陰でこうして過去の旅をブログにしています。大昔に行ったサイクリングの旅も14作目の今回は、素晴らしい景色の中を走り廻った信州の高原巡りです。

 8月の3、4、5と、軽井沢で行われた子供達のサマースクールをあたふたと手伝って、会場である山荘の掃除を済ませたら、これからがやっと私の夏本番、サイクリングのスタートであります。

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満

PR

  •  その時のサマースクールの写真ですが、いま2022年なので既に34年前になります。この子達全員が40前後の立派な小父さん小母さんになっていることでしょう。<br /><br /> 最初立てた予定では、新潟県から静岡県までを5日間掛けて走る予定だったが、このサマースクールを手伝うことになった為に急遽変更。軽井沢をスタート地点に2泊3日で遊び回ることにしました。行き先は、8年前、Uちゃんと目指して果たせなかった美ヶ原とビーナスライン。それとプラス蓼科のおまけつき。そう、今回は信州の高原めぐり企画なんであります。メーンエベントも考えてあって、当時の国道最高地点である麦草峠での記念撮影がそれ。急遽考えたコースとしては中々いいのができたと自己満足しております。<br /><br /> サマースクールの食事係を担当してくれたおば様達に、お昼の弁当用にとおむすびその他を頂き、カーッと晴れ上がった夏空の下を元気いっぱい走り出しました。<br /><br /> 国道18号を離れ、信濃追分へ向かう田舎道を進んでいると「あれー?」また元の18号に出てしまった。不思議だなーと地図を見ながら考えたところ、やっと逆走したことに気づいてしまう。普通は信濃追分の駅が地図とは逆の位置にある時点で気づくはずなのに、一度Uちゃんと走ったことがあるという変な慣れが地図をないがしろにしたための失敗でした。間違えた距離も時間も大したことなかったけど、やっぱりロスしてしまったというのは気分が悪いモンだ。30分のロスだと、30分先を走っていたであろう自分の姿を思い描いてしまい、時間旅行の世界を感じて不思議な感覚になってしまう。<br /><br /> この辺りは狭い道ばっかりで路地裏のような所もあるから、昔の記憶で「こーいう道もあったかなぁ」と、知らなければ本当にこれでいいんだろうかと、とても不安になってしまうそんな道だ。町同士を繋ぐ主要道路の筈なのに、こんなに粗末な道ってのも珍しい。<br /><br /> また幾らか迷ったのか、その内、別荘地帯に入ってしまい、一層分かりづらくなってきたので、住人に道を尋ねたりしてやっとのことで迷路みたいな地域から脱出できる。更に走っていくと、道路表示板で何とか行き先を確認出来る程度の道に出られたので一安心。半信半疑のまま走っているのはとても気持ちが悪い。2022年の現代ならスマホやタブレットにGPSアプリが仕込んであるので迷うことはないが、1988年のこの時代は何しろ紙の地図しか頼る物がないので大変です。この方が旅本来の味わいが出来るなんて言ってられません。<br /><br /> 望月町を抜けたところのコインレストランで、地元のドライバーらしいのが話しかけてきたので武石村方面への分岐を尋ねると、もう少し行ったところで上田・丸子方面の看板があるから、そこで曲がればいいらしい。山越えが結構きついんだそうだ。<br /><br /> 走っていくと教えられた通りの標識があったので、迷わず右折。やっぱりここも山道だが、峠のような本格的なものじゃないから、これくらいはまだまだ屁のカッパだ。

     その時のサマースクールの写真ですが、いま2022年なので既に34年前になります。この子達全員が40前後の立派な小父さん小母さんになっていることでしょう。

     最初立てた予定では、新潟県から静岡県までを5日間掛けて走る予定だったが、このサマースクールを手伝うことになった為に急遽変更。軽井沢をスタート地点に2泊3日で遊び回ることにしました。行き先は、8年前、Uちゃんと目指して果たせなかった美ヶ原とビーナスライン。それとプラス蓼科のおまけつき。そう、今回は信州の高原めぐり企画なんであります。メーンエベントも考えてあって、当時の国道最高地点である麦草峠での記念撮影がそれ。急遽考えたコースとしては中々いいのができたと自己満足しております。

     サマースクールの食事係を担当してくれたおば様達に、お昼の弁当用にとおむすびその他を頂き、カーッと晴れ上がった夏空の下を元気いっぱい走り出しました。

     国道18号を離れ、信濃追分へ向かう田舎道を進んでいると「あれー?」また元の18号に出てしまった。不思議だなーと地図を見ながら考えたところ、やっと逆走したことに気づいてしまう。普通は信濃追分の駅が地図とは逆の位置にある時点で気づくはずなのに、一度Uちゃんと走ったことがあるという変な慣れが地図をないがしろにしたための失敗でした。間違えた距離も時間も大したことなかったけど、やっぱりロスしてしまったというのは気分が悪いモンだ。30分のロスだと、30分先を走っていたであろう自分の姿を思い描いてしまい、時間旅行の世界を感じて不思議な感覚になってしまう。

     この辺りは狭い道ばっかりで路地裏のような所もあるから、昔の記憶で「こーいう道もあったかなぁ」と、知らなければ本当にこれでいいんだろうかと、とても不安になってしまうそんな道だ。町同士を繋ぐ主要道路の筈なのに、こんなに粗末な道ってのも珍しい。

     また幾らか迷ったのか、その内、別荘地帯に入ってしまい、一層分かりづらくなってきたので、住人に道を尋ねたりしてやっとのことで迷路みたいな地域から脱出できる。更に走っていくと、道路表示板で何とか行き先を確認出来る程度の道に出られたので一安心。半信半疑のまま走っているのはとても気持ちが悪い。2022年の現代ならスマホやタブレットにGPSアプリが仕込んであるので迷うことはないが、1988年のこの時代は何しろ紙の地図しか頼る物がないので大変です。この方が旅本来の味わいが出来るなんて言ってられません。

     望月町を抜けたところのコインレストランで、地元のドライバーらしいのが話しかけてきたので武石村方面への分岐を尋ねると、もう少し行ったところで上田・丸子方面の看板があるから、そこで曲がればいいらしい。山越えが結構きついんだそうだ。

     走っていくと教えられた通りの標識があったので、迷わず右折。やっぱりここも山道だが、峠のような本格的なものじゃないから、これくらいはまだまだ屁のカッパだ。

  •  一時間程走っただろうか、やっと町の中へ入ってきた。何となく地図とは違うようだなぁと思いながらも武石村方面と思われる方角へそのまま走り続ける。<br /><br /> ここは丸子町と書いてあるが、丸子の端っこかなー?と半信半疑のまま北上していく。道路標識を見てもいまひとつピンとこない。どうも地図の感じとは違うような気がするんだけどなー。<br /><br /> 「左折・別所温泉」の標識があったので、地図で別所温泉がどこにあるのか探してみると、と、とと、またもや逆走しているのに気づいてしまった。ムカーッ。今度のは信濃追分の場合と違って、1時間以上のロスだ、チックショーッ。あのアホが知ったかぶりして良く分からない道を教えるからだと頭に来る。「よく分からないんだけど」と付け加えてくれればこっちも地図を頼りに探すのに、自信たっぷりに教えるもんだからついこっちも信じてしまったよ。まったくう。<br /><br /> 間違いに気づいて地図をよーく見てみると、教わったのは本来の道より1本手前の道のようだ。山の中の道を走っただけでも倍の距離で、丸子に入ってからも大分走ってしまった。あんなアホに聞かずに地図をよーく見ながら走っていればこんなことにはならなかったものを、トホホの気分だ。これから武石へは8km程バックしなければならないが致し方ない。車と違い、自転車で往復16kmの距離は相当な損失だが腐ってても仕方ないので気を取り直して戻ることにする。ふー<br /><br /> 丸子町の橋のたもとでおば様達にもらった弁当を食べることにする。時間はもう1時近い。おむすびは4個もあったので、あんまり腹を一杯にするのは良くないから、2個食べて後の楽しみに2個は取っておく(実はこの判断が後になって大助かりに繋がるのだった)。おかずはと言うと、ウィンナーとゆでたジャガイモ。丁寧に塩まで入れてくれている。特にジャガイモとおむすびは旨い。欲言うと、おむすびには梅干し2個入れてもらうと良かったなー。<br /><br /> 腹具合も良くなったことだし、気分一新走り出す。武石村に入り、そろそろこの辺が店のある最後の地点だろから食料仕入れなくっちゃと思いながら走っていくと、あるといいなーと思ってた農協の売店がドンピシャあったので早速買い出し。今回は二晩とも野宿なので、昼夜は食堂があるとしても、朝食は望みなしなのでそのためと、山の中で空腹にならないように食料と水は必携なんであります。「ベビーチーズ沢山、箱入りハイレモン、ベビーサラミ、ギンビスアスパラガス、東鳩オールレーズン、梅しば、干しぶどう、ガム」締めて1600円也。こんだけ食いモン持ってりゃ何かあっても心強いってもんです。

     一時間程走っただろうか、やっと町の中へ入ってきた。何となく地図とは違うようだなぁと思いながらも武石村方面と思われる方角へそのまま走り続ける。

     ここは丸子町と書いてあるが、丸子の端っこかなー?と半信半疑のまま北上していく。道路標識を見てもいまひとつピンとこない。どうも地図の感じとは違うような気がするんだけどなー。

     「左折・別所温泉」の標識があったので、地図で別所温泉がどこにあるのか探してみると、と、とと、またもや逆走しているのに気づいてしまった。ムカーッ。今度のは信濃追分の場合と違って、1時間以上のロスだ、チックショーッ。あのアホが知ったかぶりして良く分からない道を教えるからだと頭に来る。「よく分からないんだけど」と付け加えてくれればこっちも地図を頼りに探すのに、自信たっぷりに教えるもんだからついこっちも信じてしまったよ。まったくう。

     間違いに気づいて地図をよーく見てみると、教わったのは本来の道より1本手前の道のようだ。山の中の道を走っただけでも倍の距離で、丸子に入ってからも大分走ってしまった。あんなアホに聞かずに地図をよーく見ながら走っていればこんなことにはならなかったものを、トホホの気分だ。これから武石へは8km程バックしなければならないが致し方ない。車と違い、自転車で往復16kmの距離は相当な損失だが腐ってても仕方ないので気を取り直して戻ることにする。ふー

     丸子町の橋のたもとでおば様達にもらった弁当を食べることにする。時間はもう1時近い。おむすびは4個もあったので、あんまり腹を一杯にするのは良くないから、2個食べて後の楽しみに2個は取っておく(実はこの判断が後になって大助かりに繋がるのだった)。おかずはと言うと、ウィンナーとゆでたジャガイモ。丁寧に塩まで入れてくれている。特にジャガイモとおむすびは旨い。欲言うと、おむすびには梅干し2個入れてもらうと良かったなー。

     腹具合も良くなったことだし、気分一新走り出す。武石村に入り、そろそろこの辺が店のある最後の地点だろから食料仕入れなくっちゃと思いながら走っていくと、あるといいなーと思ってた農協の売店がドンピシャあったので早速買い出し。今回は二晩とも野宿なので、昼夜は食堂があるとしても、朝食は望みなしなのでそのためと、山の中で空腹にならないように食料と水は必携なんであります。「ベビーチーズ沢山、箱入りハイレモン、ベビーサラミ、ギンビスアスパラガス、東鳩オールレーズン、梅しば、干しぶどう、ガム」締めて1600円也。こんだけ食いモン持ってりゃ何かあっても心強いってもんです。

  •  ここから山の上にキラキラした金属製の光がよく見えた。きっとあれが美ヶ原高原美術館のオブジェの気がする。まだまだ相当登らないと着かないだろなと確認できてしまうのは良いのか悪いのか。<br /><br /> 美ヶ原の上り口に武石観光センターがある。昔、Uちゃんと来たときにハーハー言いながらここまで登ってきて、更に見上げるような山の上に道路が続いているのを見て怖じ気づき、時間的にも遅くなってしまったから美ヶ原チャレンジは無理ってことにこじつけて登坂は断念。武石峠経由松本にした曰く付きの道路だ。今回、時間はまだ3時半、何とか暗くなる頃には頂上に辿り着けるだろう。

     ここから山の上にキラキラした金属製の光がよく見えた。きっとあれが美ヶ原高原美術館のオブジェの気がする。まだまだ相当登らないと着かないだろなと確認できてしまうのは良いのか悪いのか。

     美ヶ原の上り口に武石観光センターがある。昔、Uちゃんと来たときにハーハー言いながらここまで登ってきて、更に見上げるような山の上に道路が続いているのを見て怖じ気づき、時間的にも遅くなってしまったから美ヶ原チャレンジは無理ってことにこじつけて登坂は断念。武石峠経由松本にした曰く付きの道路だ。今回、時間はまだ3時半、何とか暗くなる頃には頂上に辿り着けるだろう。

  •  観光センターの水道でボトルに水を満タンにして、美ヶ原まで12kmの看板の下をモタモタとくぐっていく。しかしさすがにこれは登り口から見上げただけで分かるように、キツイ上りであります。ここまでやって来るのに体力を大分使ってしまったから一層きつく感じるのかも知れないけど、しょーがないからここは押し(自転車を押し上げて登る)を多用しなくてはならない。これでも立ち止まってるよりは多少なりとも先に進むからいいだろう。押しの疲れは乗って疲れたのより遙かにダメージが大きいのは分かってるんだけど、取りあえずここをクリアしなくちゃ始まらないので押しの泥沼ばてばて地獄てところだ。

     観光センターの水道でボトルに水を満タンにして、美ヶ原まで12kmの看板の下をモタモタとくぐっていく。しかしさすがにこれは登り口から見上げただけで分かるように、キツイ上りであります。ここまでやって来るのに体力を大分使ってしまったから一層きつく感じるのかも知れないけど、しょーがないからここは押し(自転車を押し上げて登る)を多用しなくてはならない。これでも立ち止まってるよりは多少なりとも先に進むからいいだろう。押しの疲れは乗って疲れたのより遙かにダメージが大きいのは分かってるんだけど、取りあえずここをクリアしなくちゃ始まらないので押しの泥沼ばてばて地獄てところだ。

  •  6時、やっと白樺平という所までやってくる。ここは美ヶ原の隠れた名所と言うらしいが、そんなのを楽しむ余裕はこれっぽっちも持ち合わせてない。辺りは天気がイマイチなため、薄暗くなってきている。有名な美ヶ原へ続く道だから、もっと車が走っているものと思ったけど、意外や通り過ぎる車は滅多にない。大体普通はこういう所があるとすぐに頂上になるものなのだが、ここの場合はまだ大分先がありそうだ。<br /><br /> 買い込んできたガムをかんだり、ハイレモンや梅しばをバリバリかじって気を紛らわしながら登っていくと、後ろから来た軽トラの小父さんが乗せてくれるなんて言ってるよ。でも、ここまで自力で登ってきて最後を車で運んでもらったんじゃ美ヶ原まで登ったと言えないから丁重に断る。自分の足で走り通すってことにちょっと拘りがあるのですよねこれでも。(輪行利用の場合はこの限りではありませんが)<br /><br /> でも結局そこから更に40分も登ることになってしまう。小父さんもこの後まだ暫く先があるのを知ってたから乗せてやろうとの声かけだったのかも知れない。<br />

     6時、やっと白樺平という所までやってくる。ここは美ヶ原の隠れた名所と言うらしいが、そんなのを楽しむ余裕はこれっぽっちも持ち合わせてない。辺りは天気がイマイチなため、薄暗くなってきている。有名な美ヶ原へ続く道だから、もっと車が走っているものと思ったけど、意外や通り過ぎる車は滅多にない。大体普通はこういう所があるとすぐに頂上になるものなのだが、ここの場合はまだ大分先がありそうだ。

     買い込んできたガムをかんだり、ハイレモンや梅しばをバリバリかじって気を紛らわしながら登っていくと、後ろから来た軽トラの小父さんが乗せてくれるなんて言ってるよ。でも、ここまで自力で登ってきて最後を車で運んでもらったんじゃ美ヶ原まで登ったと言えないから丁重に断る。自分の足で走り通すってことにちょっと拘りがあるのですよねこれでも。(輪行利用の場合はこの限りではありませんが)

     でも結局そこから更に40分も登ることになってしまう。小父さんもこの後まだ暫く先があるのを知ってたから乗せてやろうとの声かけだったのかも知れない。

  •  すっかり暗くなった頃、やっと頂上の有料道路料金所が見えてきた。料金所の赤と青のランプが暗闇の中にクッキリと浮かび上がっているのが見える。すぐ隣には美ヶ原高原美術館の彫刻群も見えている。<br /><br /> 真っ暗けの中、尾根の向こう側から重そうな白い雲が強風に押し上げられ、音もなくこちら側になだれ落ちているのが暗闇の中にやけに目立つ。彫刻群と相まって何とも薄気味悪い光景だ。車も途絶えたそんな気味悪い光景の中を、一人トボトボと自転車を押している私がいる。オヨヨ。<br /><br /> こんな山の中なので、周りには人家はもとより人っ子一人いないのが歴然としている状況だが、少なくとも料金所だけは人がいるのが証明されているようでほんの少し心強い。通行料50円を払い、食事が出来るところを聞いてみると、あと1km位行けば山本小屋と言うのがあるそうだ。一休みしてそこを目指す。<br /><br /> あ、これかぁ。しばらく走るとガイドブックにも載っていた国民宿舎「山本小屋」があった。うらぶれた感じの山本小屋(と言ってもでっかい物)の中に入って食事ができるか聞いてみると、もう終わったのでダメだそうだ。近くには食事が出来る所はないってよ。無愛想な物言いをした男の隣でバイトらしい女の子が二人、本当に済まなそうな顔をして心配そうに私のことを見てくれてるが、こっちはそれ程悲壮感はない。何ってたっておむすび2個持ってるもんね!本当は寒いからラーメンかうどんを食べたかったんだけど、表の自販機用にお札を崩してもらえれば十分だ。<br /><br /> 表に出て暖かい緑茶を買って、おむすびとチーズで立ったまま夕飯にする。真っ暗闇で何も見えない所だから、食べたらもう起きてる理由は何もない。建物横の小さいひさしが出ている軒下で、さっさとシュラフに潜り込む。時折、山小屋の泊まり客らしいのが横を通り過ぎるが、この際構うもんか。<br /><br /> 9時過ぎくらいだろうか、霧雨がひさしをくぐってシュラフに掛かってくる。濡れたら明日乾かせばいいやとそのまま寝続ける。夜中にポツポツと顔を叩く雨に起こされる。この降りではびしょ濡れになるだろう。しょーがない移動しようか。<br /><br /> 山本小屋の玄関は大きなひさしが突き出てて、自販機がたくさん置かれているのを確認しておいたので、「雨が降ってきたらここに移動」としっかり目を付けておいたのだ。こちとら伊達に野宿ばっかりやってんじゃないぞ。備えあれば憂いなしだ、<br /><br /> シュラフから這い出すと、いきなり凄い寒さが襲ってくる。アワワワワと、風邪引いた時の悪寒のようにブルブルと体中凄い震えがくる。玄関に移動してすぐにシュラフに潜り込む。入っても寒さが収まらないので、何かもっと着る物をと、シュラフに入ったままフロントバッグの中に手を伸ばすと、Tシャツが引っかかってくる。長袖がどっかに入ってる筈なのだが、極寒のシュラフの外へはとても出る気がしないので、取りあえずTシャツを重ね着してじっとしていると何とか震えは収まった。これでまず一安心と寝続けることにする。<br /><br /> 一眠りしたら今度は車の音で目が覚める。アホな若者が夜中に遊び歩っているらしい。何でこんな山の中までやってくるんかいの、もっと町の中で遊べばいいのに。私が自販機の後ろで寝ているのも知らずに大声ではしゃいでいる。<br /><br /> 私の所からは離れた自販機のコーラを取るのに、とまってる蛾が嫌らしく盛んに自販機を蹴飛ばして蛾を追っ払おうとしているようだ。その内、金も入れんのにランプがついて釣り銭が出てきたらしい。壊れたとか、前の人が金入れたままだったとか言ってるが、蹴飛ばしてる内、また釣り銭が出たため味をしめて盛んに蹴飛ばし始める。4,5回は出たようだ。へー、そんなこともあるんだなぁとシュラフの中で感心していると、パリンッなんて音がする。あーあー、奴らめとうとう壊しちまったらしいや。<br /><br /><br />

     すっかり暗くなった頃、やっと頂上の有料道路料金所が見えてきた。料金所の赤と青のランプが暗闇の中にクッキリと浮かび上がっているのが見える。すぐ隣には美ヶ原高原美術館の彫刻群も見えている。

     真っ暗けの中、尾根の向こう側から重そうな白い雲が強風に押し上げられ、音もなくこちら側になだれ落ちているのが暗闇の中にやけに目立つ。彫刻群と相まって何とも薄気味悪い光景だ。車も途絶えたそんな気味悪い光景の中を、一人トボトボと自転車を押している私がいる。オヨヨ。

     こんな山の中なので、周りには人家はもとより人っ子一人いないのが歴然としている状況だが、少なくとも料金所だけは人がいるのが証明されているようでほんの少し心強い。通行料50円を払い、食事が出来るところを聞いてみると、あと1km位行けば山本小屋と言うのがあるそうだ。一休みしてそこを目指す。

     あ、これかぁ。しばらく走るとガイドブックにも載っていた国民宿舎「山本小屋」があった。うらぶれた感じの山本小屋(と言ってもでっかい物)の中に入って食事ができるか聞いてみると、もう終わったのでダメだそうだ。近くには食事が出来る所はないってよ。無愛想な物言いをした男の隣でバイトらしい女の子が二人、本当に済まなそうな顔をして心配そうに私のことを見てくれてるが、こっちはそれ程悲壮感はない。何ってたっておむすび2個持ってるもんね!本当は寒いからラーメンかうどんを食べたかったんだけど、表の自販機用にお札を崩してもらえれば十分だ。

     表に出て暖かい緑茶を買って、おむすびとチーズで立ったまま夕飯にする。真っ暗闇で何も見えない所だから、食べたらもう起きてる理由は何もない。建物横の小さいひさしが出ている軒下で、さっさとシュラフに潜り込む。時折、山小屋の泊まり客らしいのが横を通り過ぎるが、この際構うもんか。

     9時過ぎくらいだろうか、霧雨がひさしをくぐってシュラフに掛かってくる。濡れたら明日乾かせばいいやとそのまま寝続ける。夜中にポツポツと顔を叩く雨に起こされる。この降りではびしょ濡れになるだろう。しょーがない移動しようか。

     山本小屋の玄関は大きなひさしが突き出てて、自販機がたくさん置かれているのを確認しておいたので、「雨が降ってきたらここに移動」としっかり目を付けておいたのだ。こちとら伊達に野宿ばっかりやってんじゃないぞ。備えあれば憂いなしだ、

     シュラフから這い出すと、いきなり凄い寒さが襲ってくる。アワワワワと、風邪引いた時の悪寒のようにブルブルと体中凄い震えがくる。玄関に移動してすぐにシュラフに潜り込む。入っても寒さが収まらないので、何かもっと着る物をと、シュラフに入ったままフロントバッグの中に手を伸ばすと、Tシャツが引っかかってくる。長袖がどっかに入ってる筈なのだが、極寒のシュラフの外へはとても出る気がしないので、取りあえずTシャツを重ね着してじっとしていると何とか震えは収まった。これでまず一安心と寝続けることにする。

     一眠りしたら今度は車の音で目が覚める。アホな若者が夜中に遊び歩っているらしい。何でこんな山の中までやってくるんかいの、もっと町の中で遊べばいいのに。私が自販機の後ろで寝ているのも知らずに大声ではしゃいでいる。

     私の所からは離れた自販機のコーラを取るのに、とまってる蛾が嫌らしく盛んに自販機を蹴飛ばして蛾を追っ払おうとしているようだ。その内、金も入れんのにランプがついて釣り銭が出てきたらしい。壊れたとか、前の人が金入れたままだったとか言ってるが、蹴飛ばしてる内、また釣り銭が出たため味をしめて盛んに蹴飛ばし始める。4,5回は出たようだ。へー、そんなこともあるんだなぁとシュラフの中で感心していると、パリンッなんて音がする。あーあー、奴らめとうとう壊しちまったらしいや。


  •  自転車の旅2日目8月6日。山小屋の自販機の裏で迎える朝。<br /> その後は何だか分からない夢を見て、薄明るくなった頃目覚める。だがとても寒いので、陽が射してくるまでシュラフの中に入ってようと決め込むが、5時頃になると山本小屋から団体の小学生達がバラバラと出て来始めたので、玄関に寝ている身としては起きざるを得ませんがな。<br /><br /> ありゃま、自販機の大きなプラスチックケースがメチャメチャになってるよ。パリンッの後も暫く蹴飛ばしてたからなぁ。普通の人間は壊れたら逃げ出すだろうに、こんなになるまでやってるとは、大分悪さをしなれてる連中だったらしいや。これはもう犯罪レベル。

     自転車の旅2日目8月6日。山小屋の自販機の裏で迎える朝。
     その後は何だか分からない夢を見て、薄明るくなった頃目覚める。だがとても寒いので、陽が射してくるまでシュラフの中に入ってようと決め込むが、5時頃になると山本小屋から団体の小学生達がバラバラと出て来始めたので、玄関に寝ている身としては起きざるを得ませんがな。

     ありゃま、自販機の大きなプラスチックケースがメチャメチャになってるよ。パリンッの後も暫く蹴飛ばしてたからなぁ。普通の人間は壊れたら逃げ出すだろうに、こんなになるまでやってるとは、大分悪さをしなれてる連中だったらしいや。これはもう犯罪レベル。

  •  山本小屋から少し奥に入った美ヶ原高原ホテル(と言っても、こっちも山小屋風)前に自転車を置いて、そこから先は歩きで美ヶ原を散策する。あっ富士山が見える!凄いなー、富士山ってどこからでも見えるな。真夏だけど朝の澄み切った空気なので富士山が良ーく見えたので今日はついてるんじゃないかな?

     山本小屋から少し奥に入った美ヶ原高原ホテル(と言っても、こっちも山小屋風)前に自転車を置いて、そこから先は歩きで美ヶ原を散策する。あっ富士山が見える!凄いなー、富士山ってどこからでも見えるな。真夏だけど朝の澄み切った空気なので富士山が良ーく見えたので今日はついてるんじゃないかな?

  •  すぐに有名な美しの塔があった。中は人が何人も横になれるスペースがあり、天井には鐘が吊してある。昨日、明るい内に美ヶ原に着いてれば、ここにこんなにいい寝ぐらがあるのが分かったのになーと残念な気持ちになることしきり。あんな山小屋の軒先なんかより、ずっと快適に過ごせたかも知れないし、こんな有名な建物の中で泊まれたらいい思い出になったのになー。まぁ知らなかったんだから仕方がない。

     すぐに有名な美しの塔があった。中は人が何人も横になれるスペースがあり、天井には鐘が吊してある。昨日、明るい内に美ヶ原に着いてれば、ここにこんなにいい寝ぐらがあるのが分かったのになーと残念な気持ちになることしきり。あんな山小屋の軒先なんかより、ずっと快適に過ごせたかも知れないし、こんな有名な建物の中で泊まれたらいい思い出になったのになー。まぁ知らなかったんだから仕方がない。

  •  草原の先には小高い丘があって、あれが王が塔と言うものらしい。まるで軍事基地みたいにアンテナが林立している。まぁあそこまで歩いていってもどうせ中を解放してる筈ないので行きませんが。

     草原の先には小高い丘があって、あれが王が塔と言うものらしい。まるで軍事基地みたいにアンテナが林立している。まぁあそこまで歩いていってもどうせ中を解放してる筈ないので行きませんが。

  •  美ヶ原の中に入っていくと、富士山が更に良く見えるようになったのでこちらからもパチリ。今度の方が朝霧の中に大きな富士山が入ったので良い写真が撮れた(自画自賛)。<br /><br /> この辺りは見渡す限りの草原で空が近く感じる。詩人の尾崎喜八がこの風景を「世界ノ天井ガ抜ケタカト思ウ」と詠んだのが分かる気がする。近くには牛が放牧されており、牛に塩をやるための塩くれ場というのがあった。塩を乗せて牛がなめ続けた岩は、見事にすり減って天然のお皿のようになっている。ガイドブックの通りなのが見られて嬉しい。フィルムを入れ替え写真をいっぱい撮る。

     美ヶ原の中に入っていくと、富士山が更に良く見えるようになったのでこちらからもパチリ。今度の方が朝霧の中に大きな富士山が入ったので良い写真が撮れた(自画自賛)。

     この辺りは見渡す限りの草原で空が近く感じる。詩人の尾崎喜八がこの風景を「世界ノ天井ガ抜ケタカト思ウ」と詠んだのが分かる気がする。近くには牛が放牧されており、牛に塩をやるための塩くれ場というのがあった。塩を乗せて牛がなめ続けた岩は、見事にすり減って天然のお皿のようになっている。ガイドブックの通りなのが見られて嬉しい。フィルムを入れ替え写真をいっぱい撮る。

  •  自転車に戻り、次の見物場所の美ヶ原高原美術館へと昨夜走って来た道を引き返す。昨夜は暗くて分からなかったけど、途中に、標高1959mの標識があったので記念に撮っておく。下らんことかも知れないけど、自分的には自転車で標高何メートルまで上ったなんてのが結構記念になるのですよ。後ろの彫刻がこの風景にぴったりの雰囲気あるので拡大してみました。<br /><br /> 美術館の開館が9時なので、それまでにはまだ2時間もある。少し離れた眺めのいい高台で朝飯にする。朝食のメニューは自販機のあったかい缶コーヒーとレモンティー。平地の5割増だが、寒いので値段には代えられない有り難さがある。<br /><br /> サマーキャンプで子供のハイキングの時に持たせて貰った、こまごまとしたお菓子類が入った一袋を持っている。やっぱり、えびせんなんかは飯代わりと思って食べると味気ないもんだ。嬉しいのは昨日持たせて貰った弁当の残りのブドウとキュウリ。やっぱり山ではこういう水気のあるものが一番美味いな。

     自転車に戻り、次の見物場所の美ヶ原高原美術館へと昨夜走って来た道を引き返す。昨夜は暗くて分からなかったけど、途中に、標高1959mの標識があったので記念に撮っておく。下らんことかも知れないけど、自分的には自転車で標高何メートルまで上ったなんてのが結構記念になるのですよ。後ろの彫刻がこの風景にぴったりの雰囲気あるので拡大してみました。

     美術館の開館が9時なので、それまでにはまだ2時間もある。少し離れた眺めのいい高台で朝飯にする。朝食のメニューは自販機のあったかい缶コーヒーとレモンティー。平地の5割増だが、寒いので値段には代えられない有り難さがある。

     サマーキャンプで子供のハイキングの時に持たせて貰った、こまごまとしたお菓子類が入った一袋を持っている。やっぱり、えびせんなんかは飯代わりと思って食べると味気ないもんだ。嬉しいのは昨日持たせて貰った弁当の残りのブドウとキュウリ。やっぱり山ではこういう水気のあるものが一番美味いな。

  •  あれ?!ここから武石村が見える。昨日、あそこを走っていたとき、山の上にここの建物がキラッと見えたと思われる集落が遥か下のほうに見えている。あそこから上ってきたんだなーと思うとなんだか面白いもんだ。昨日、あそこからここを撮ったので、今度はここからあそこを撮ってみる。パチリ。こちらも分かりづらいので村の辺りを拡大してみました。

     あれ?!ここから武石村が見える。昨日、あそこを走っていたとき、山の上にここの建物がキラッと見えたと思われる集落が遥か下のほうに見えている。あそこから上ってきたんだなーと思うとなんだか面白いもんだ。昨日、あそこからここを撮ったので、今度はここからあそこを撮ってみる。パチリ。こちらも分かりづらいので村の辺りを拡大してみました。

  •  8時半、まだ開館には早いけど、こうしてても仕方ないので美術館の玄関まで行ってみる。大きな券売所には女の子が何人も座ってるところを見ると、もう開館したのかな?自転車を目立つところに立てかけてから「もうやってんですか?」と聞いてみると、案の定だったので、大枚1300円も払っていよいよ中に入ってみる。それにしてもこのチケット、値段の割に粗末過ぎないか!?これ大きく見えますが、実物は切手サイズの小さな物です。省エネ?<br /><br /> 高原美術館は彫刻だけじゃなく、建物の中には絵もあった。その絵画館にはピカソと平山郁夫のが数点。あとは私が知らない画家のでっかい絵が沢山あった。知らない人の絵は見てもなー。2階から陸橋を渡って向こう側の丘に渡るのがコースなので、順序に従って移動する。なかなか洒落た順路だと感心する。

     8時半、まだ開館には早いけど、こうしてても仕方ないので美術館の玄関まで行ってみる。大きな券売所には女の子が何人も座ってるところを見ると、もう開館したのかな?自転車を目立つところに立てかけてから「もうやってんですか?」と聞いてみると、案の定だったので、大枚1300円も払っていよいよ中に入ってみる。それにしてもこのチケット、値段の割に粗末過ぎないか!?これ大きく見えますが、実物は切手サイズの小さな物です。省エネ?

     高原美術館は彫刻だけじゃなく、建物の中には絵もあった。その絵画館にはピカソと平山郁夫のが数点。あとは私が知らない画家のでっかい絵が沢山あった。知らない人の絵は見てもなー。2階から陸橋を渡って向こう側の丘に渡るのがコースなので、順序に従って移動する。なかなか洒落た順路だと感心する。

  •  青空の下の、だだっ広い敷地内に無数の彫刻群があり、その間を縫うように小石を敷いた小道がくねくねと続いている。出口の看板は所々にあるが、順路の案内板が見あたらないんだが。この網の目のようなコースを、見学者は自分の知恵で見落としがないように見て回らなくてはならないらしい。この2枚の写真、私はなにげに作品の真似をしているところです。言わないと分からないと思うので言ってみました。たはは

     青空の下の、だだっ広い敷地内に無数の彫刻群があり、その間を縫うように小石を敷いた小道がくねくねと続いている。出口の看板は所々にあるが、順路の案内板が見あたらないんだが。この網の目のようなコースを、見学者は自分の知恵で見落としがないように見て回らなくてはならないらしい。この2枚の写真、私はなにげに作品の真似をしているところです。言わないと分からないと思うので言ってみました。たはは

  •  中には子供が楽しめる建物や、美術館の映画を見せる所。展望台もあったりして、全部見て回るのにはやっぱり2時間以上も掛かってしまった。あ、しまった!そう言えば、美術館では2時間位は掛かるだろうと予測してたので、入る前に昨夜湿ったシュラフを乾かすために広げてから入る作戦を立てといたのに、すっかり忘れて今ごろ思い出してしまった。もうどーしようもない、そろそろ見終わるのだ。<br /><br /> まだ11時前だが、朝飯がロクなもんじゃなかったから、ここで早めのお昼を食べておくことにする。美術館内のレストランで1500円もするカツ丼を頼む。カツ丼が1500円とは、ぼったくりもいい所だぞ高原美術館。私のような貧乏旅行者が来ることも考えておくれ。<br /><br /> レストランの1枚ガラスの大窓からは、和田村からと思われる道がこっちに向かって山肌を一直線に続いているのが見える。或いは私もあっちから美ケ原目指して登ってきたかも知れない道だ。軽井沢から美ヶ原に上るには、あの和田村からのルートと、昨日私が上ってきた武石村からのどっちかなのだ。最初、走ったことない知らない道のほうがいいやと、和田村ルートを選んだのだが、昔、成し遂げられなかった雪辱戦ならと、わざと同じ武石ルートを選んだのでした。お陰でリベンジは成功しました。

     中には子供が楽しめる建物や、美術館の映画を見せる所。展望台もあったりして、全部見て回るのにはやっぱり2時間以上も掛かってしまった。あ、しまった!そう言えば、美術館では2時間位は掛かるだろうと予測してたので、入る前に昨夜湿ったシュラフを乾かすために広げてから入る作戦を立てといたのに、すっかり忘れて今ごろ思い出してしまった。もうどーしようもない、そろそろ見終わるのだ。

     まだ11時前だが、朝飯がロクなもんじゃなかったから、ここで早めのお昼を食べておくことにする。美術館内のレストランで1500円もするカツ丼を頼む。カツ丼が1500円とは、ぼったくりもいい所だぞ高原美術館。私のような貧乏旅行者が来ることも考えておくれ。

     レストランの1枚ガラスの大窓からは、和田村からと思われる道がこっちに向かって山肌を一直線に続いているのが見える。或いは私もあっちから美ケ原目指して登ってきたかも知れない道だ。軽井沢から美ヶ原に上るには、あの和田村からのルートと、昨日私が上ってきた武石村からのどっちかなのだ。最初、走ったことない知らない道のほうがいいやと、和田村ルートを選んだのだが、昔、成し遂げられなかった雪辱戦ならと、わざと同じ武石ルートを選んだのでした。お陰でリベンジは成功しました。

  •  ボトルに水を満タンにして美ヶ原を後にする。今度は走るのをとってもとても楽しみにしていた霧が峰有料道路のビーナスラインだ。すぐに下りの急坂になり、高度がどんどん落ちていってしまう。あぁ勿体ない、せっかく苦労して登ったのにぃ・・・。コツコツと貯めた貯金がガバガバと無駄遣いしてしまう感覚になる。下ったって、どうせまた上りが待ち受けているのだ。この辺りは峠だらけなのだから。<br /><br /> 下り途中、男女ペアの自転車がひーこら上っていた。男のほうはまだ余力がありそうだったが、女性は見るも哀れにへばっている。声援を送ってやったあと、どんな風に上っていくかと自転車を止めて眺めていると(悪趣味)、先を行く男が少し間が空くと追いつくまで待ってやっている。どうやらそれの繰り返しでここまで上ってきたようだ。自転車はへばったからと言っても誰も手を貸してはくれないのだ。自分の体と気力でもって上るものなのだ。下りや平らな道ならペアも楽しかろうが、明らかに体力差がでる上りではお互いに大変だ。いくら離れようとマイペースで登ればいいものを、冷たい人!なんて思われたくなくて、つかず離れずやってると、遅れたほうは余計大変だろう。やっと追いついたと思ったら男の方はスタートしてしまうのだから。ま、それでもあと1時間以内には頂上に達するだろう。二人でヤッターっを叫びあうのだろう。苦労の末に頂上を極めた喜びは一人でも相当なもんだから、ペアだとどんなんだろう?アホくさ、そんなこたぁどーでもいいや。

     ボトルに水を満タンにして美ヶ原を後にする。今度は走るのをとってもとても楽しみにしていた霧が峰有料道路のビーナスラインだ。すぐに下りの急坂になり、高度がどんどん落ちていってしまう。あぁ勿体ない、せっかく苦労して登ったのにぃ・・・。コツコツと貯めた貯金がガバガバと無駄遣いしてしまう感覚になる。下ったって、どうせまた上りが待ち受けているのだ。この辺りは峠だらけなのだから。

     下り途中、男女ペアの自転車がひーこら上っていた。男のほうはまだ余力がありそうだったが、女性は見るも哀れにへばっている。声援を送ってやったあと、どんな風に上っていくかと自転車を止めて眺めていると(悪趣味)、先を行く男が少し間が空くと追いつくまで待ってやっている。どうやらそれの繰り返しでここまで上ってきたようだ。自転車はへばったからと言っても誰も手を貸してはくれないのだ。自分の体と気力でもって上るものなのだ。下りや平らな道ならペアも楽しかろうが、明らかに体力差がでる上りではお互いに大変だ。いくら離れようとマイペースで登ればいいものを、冷たい人!なんて思われたくなくて、つかず離れずやってると、遅れたほうは余計大変だろう。やっと追いついたと思ったら男の方はスタートしてしまうのだから。ま、それでもあと1時間以内には頂上に達するだろう。二人でヤッターっを叫びあうのだろう。苦労の末に頂上を極めた喜びは一人でも相当なもんだから、ペアだとどんなんだろう?アホくさ、そんなこたぁどーでもいいや。

  •  左に折れれば松本まで下りっぱなしの扉峠で、今度は男同士の二人組みサイクリストに出会う。やっぱりこれから美ヶ原に行くんだそうだ。これから急坂に挑む二人に「いーとこだったよー」と励みになる言葉を掛けてやる。<br /><br /><br /> 自転車の旅 信州の高原巡り(後編)へ続く<br />

     左に折れれば松本まで下りっぱなしの扉峠で、今度は男同士の二人組みサイクリストに出会う。やっぱりこれから美ヶ原に行くんだそうだ。これから急坂に挑む二人に「いーとこだったよー」と励みになる言葉を掛けてやる。


     自転車の旅 信州の高原巡り(後編)へ続く

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