2014年クロアチア・スロヴェニア旅行記　第22回　スプリット観光その2　ローマ帝国の宮殿跡を見学

2014/09/13 - 2014/09/23

2014年の9月にクロアチアとスロヴェニアを旅行してきました。
旧ユーゴスラヴィア内線から20年余りが経過し、いまや観光客に絶大な人気を誇る国となったクロアチア。以前から行きたいと思っていました。
アドリア海の真珠と言われる美しい街ドゥブロヴニク、古代ローマの城跡が残るスプリット、美しい湖で知られるプリトヴィツェ国立公園、古都ザグレブなど魅力的な観光地は枚挙に暇がありません。
ただ、残念なことに鉄道の便は非常に悪く、沿岸部のスプリットとザグレブを結ぶ路線は1日2往復しか走っておらず、有名観光地のドブロブニクには鉄道自体が走っていません。必然的にクロアチア国内の移動はバスが主体となります。
一方で隣国のスロヴェニアはイタリアの隣国だけに鉄道が発達しており、主だった町は鉄道で移動することができます。
ドゥブロヴニクからは入り江の奥にある港町コトルやイスラムの影響が残るモスタルに足を伸ばすのですが、鉄道はおろか路線バスもほとんど無いので、現地の日帰り観光ツアーに申し込みました。

訪問したのはクロアチアではアドリア海の真珠ドゥブロヴニク、古代ローマの城跡が残るスプリット、美しい湖で知られるプリトヴィツェ、古都ザグレブ。隣国スロベニアは首都のリュブリャナとブレッド湖。駅前広場が国境と言う不思議な街ノヴァ・ゴリツァ、カムニク。さらにはドブロブニクから足を伸ばしてモンテネグロの歴史ある港町コトル、イスラムとキリスト文化が融合する町であり、今なお内戦の傷跡が残るボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルにも足を伸ばしました。

今回の日程はまずクロアチア沿岸部のドブロブニクに向かい、ドゥブロヴニクやコトル、モスタルを3日間で観光。
5日目はバスで北上しスプリットへ向かい、6日目は朝のバスでプリトヴィツェ湖群国立公園へ。
7日目の昼まで公園を散策し、バスで首都ザグレブへ。
8日目は鉄道で国境を越えてスロヴェニアの首都リュブリャナへ。
9日目は絵のように美しいブレッド湖を散策。
10日目はリュブリャナ周辺を観光し、夜の飛行機でミュンヘンへ。乗り継ぎで羽田へと向かうというプランです。

ホテルと鉄道の切符はインターネットで予約したものの、バスの切符は現地で買わなければなりません。満席ということは無いでしょうけど、少し心配です。
しかしトラブルもまた旅の醍醐味。美しい景色を精一杯楽しみましょう。

■　日程

2014年9月13日～2014年9月23日

9/13　成田→フランクフルト→ドゥブロヴニク
9/14　ドゥブロヴニク観光
9/15　コトル日帰り観光
9/16　モスタル日帰り観光
9/17　ドゥブロヴニク→スプリット・トロギール観光
9/18　スプリット→プリトヴィツェ湖群国立公園
9/19　プリトヴィツェ湖群国立公園→ザグレブ
9/20　ザグレブ→リュブリャナ
9/21　ブレッド湖観光
9/22　リュブリャナ・カムニク観光　リュブリャナ→ミュンヘン→羽田
9/23　羽田着

※ブログ『マリンブルーの風』に掲載した旅行記を再編集して掲載しています。
ブログには最新の旅行記も掲載していますので、ぜひご覧下さい。

『マリンブルーの風』
http://blog.livedoor.jp/buschiba/

2014年クロアチア・スロヴェニア旅行記　目次
http://blog.livedoor.jp/buschiba/archives/52448899.html

クロアチア・スロヴェニア旅行記の第22回です。
5日目はアドリア海沿岸の街スプリットを観光。
古代ローマの城跡が街になっているスプリット旧市街。街の南側には今もローマ時代の城跡があり、見学することができます。

エリア スプリット(クロアチア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0

■　2014年9月17日　水曜日

スプリット旧市街の中心であるペリスティルと呼ばれる広場です。まるでローマの神殿のような雰囲気ですね。
それもそのはず。スプリット旧市街は3～4世紀ごろのローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿跡にできあがっているのです。
ディオクレティアヌスは皇帝を引退するにあたり、故郷に近い海辺の町スパラトゥムに宮殿を作らせ、終の棲家としました。
476年の西ローマ帝国滅亡後は廃墟のようになっていましたが、その後の異民族の侵入によって近郊のサロナの街を追われた人々がまるで要塞のような作りの宮殿跡に住み着き始めました。その後宮殿の基礎部分を利用する形で街づくりが進み、大都市として成長していきました。

東ローマ帝国滅亡後はクロアチア王国の支配を受けましたが、1420年からはベネチア共和国の支配下に入り、アドリア海沿岸を代表する港湾都市として栄えました。現在の人口は約18万。アドリア海沿岸で最も大きな都市となっています。

ペリスティル広場の南側には宮殿の地下へと降りる階段があります。
ディオクレティアヌスの宮殿は南半分が皇帝の私邸、北半分が兵舎などとして使われていました。
宮殿の地下部分には巨大な空間があり、ローマ時代の宮殿の構造を知ることができます。

かつては倉庫やゴミ捨て場として使われた宮殿の地下部分。今は観光客向けのお土産屋が並んでいます。

時計や皿などが売られています。

天井が高いですね。2000年近く前の宮殿跡ですが、崩れずに残っているのは驚くべきことです。

貴金属などを売る店。

ローマ兵が通り過ぎていきます。

お土産屋はきらびやかです。

お土産ゾーンを抜けると有料の展示ゾーンがありました。入場料は４０クーナ。

お、日本語での解説もありますよ。珍しいですね。最近はアジア系の言語だと中国語しかない観光地も増えてきました。

礼拝堂のような雰囲気の地下室。宮殿の地下部分は１階部分と全く同じ構造をしているので、地下を歩けば宮殿の全体像を知ることができます。

ライトアップされています。
大きな部屋もありましたが立ち入り禁止。どうやらコンサートの準備をしているようでした。音響がいいので、コンサートにもってこいです。

ディオクレティアヌスの胸像。

ローな時代の宮殿の想像図。城というより堅牢な要塞のようです。

宮殿の地下ではワインやオリーブオイルなどが作られていたことがあり、当時使われていた圧搾機が展示されています。

宮殿の歴史がパネルで説明されています。

なにやら絵画が展示されています。

芸術ですね。

突然屋外に出ました。

大きな岩。

このあたりは宮殿だったころの雰囲気が良く残っています。

天井が高いです。

水路の跡でしょうか。

遺跡に生えるヤシの木と大聖堂の尖塔。

ディオクレティアヌスの宮殿の全体図。

大聖堂の尖塔を見上げます。

宮殿の外に出ました。カラフルな花がきれいです。

旧市街をぶらぶら歩きましょう。

この下がディオクレティアヌスの宮殿の地下部分です。

宮殿だった建物はほとんどなくなっていますが、雰囲気は残っています。

さきほど見学した宮殿の地下部分が見えています。

大聖堂の尖塔。

絵になる光景です。

このあたりの地面はコンクリートで固められています。

宮殿から路地を歩き、洗礼室に行ってみました。見学は１０クローナ。
洗礼室はかつてローマ皇帝ディオクレティアヌスがユピテル神殿として建てさせたものですが、その後洗礼室として建て直されました。

小さなお堂です。中央の洗礼盤には中世クロアチア王国の国王の像が彫られています。

奥には洗礼者ヨハネの像が立っています。

洗礼室を出て細い路地を歩きます。

１時を過ぎましたのでそろそろ昼ご飯にしましょう。
私はゆっくり昼ご飯を食べるより、明るいうちに存分に街歩きを楽しむ方が好きです。
どこで何を食べましょうか。

唐突に表れた洗濯物。この旧市街にもたくさんの人が住んでいます。

青い空と旧市街と洗濯物。

この辺りは住宅が集まっているようです。

旧市街北側の金の門に出ました。

なにやら工事をしていますね。

クロアチアの英雄グルグール・ニンスキ像は工事中。像の左足の親指に触れると幸せになれるそうですが、これでは触れません。

城壁近くに座っていた子供たちから「コニチワー」と声をかけられました。クロアチアの対日感情は良好なのでしょうか。
次回もスプリット観光です。