シニアの偏愛クラシックホテル（５）　雲仙観光ホテル

2020/09/28 - 2020/09/29

退職後旅行の機会が増え、それに応じて、いわゆる高級ホテルと言われるものにも宿泊することも少しだけですが増えました。宿泊してみると、施設・設備はこれでもかと言うほどに豪華でピカピカで新しいのですが、何か宿泊後の印象はどのホテルも同じで、長く記憶に残らないことが多いような気がします。ヨーロッパのホテルに宿泊すると、規模の大小を問わずこのホテルのことは一生忘れないだろうなと言う独特の雰囲気を持ったホテルによく出くわします。
そんな折2017年11月に「日本クラシックホテルの会」が設立されたことを知りました。それまでから加盟ホテルの内の何軒かには宿泊し気持ちの良い滞在ができていたので、これを機会にすべてのホテルに泊まろうと思いたちました。現在はツアーで連日クラシックホテルをまわる企画がありますが、やっぱり個人旅行で一つ一つ丁寧に宿泊するに限ります。
　僕自身は昔からクラシックホテルに惹かれる気持ちが強かったようで、原点を考えてみると、恥ずかしながら新婚旅行で何故だかわざわざ予定を変更して二連泊することにした「万平ホテル」の印象が強く残っているからなのかもしれません。
　これらの加盟ホテルも高級ホテルに変わりはありませんが、今先を争って開業ラッシュである外資系の名を冠したホテルなどとは違い、宿泊をしてみてやっぱり日本のホテルの良さを再認識するとともに、何物にも代えがたい、じわっと染み出すような、あとに残る独自の雰囲気を持っているような気がします。
第五回は雲仙観光ホテルです。

シニアの偏愛クラシックホテルシリーズ一覧

シニアの偏愛クラシックホテル（１）　箱根富士屋ホテル
https://4travel.jp/travelogue/11727290
シニアの偏愛クラシックホテル（２）　日光金谷ホテル
https://4travel.jp/travelogue/11727899
シニアの偏愛クラシックホテル（３）　蒲郡クラシックホテル
https://4travel.jp/travelogue/11728023
シニアの偏愛クラシックホテル（４）　ホテルニューグランド
https://4travel.jp/travelogue/11728251
シニアの偏愛クラシックホテル（６）　奈良ホテル
https://4travel.jp/travelogue/11729464
シニアの偏愛クラシックホテル（７）　万平ホテル
https://4travel.jp/travelogue/11728594
シニアの偏愛クラシックホテル（８）　東京ステーションホテル
https://4travel.jp/travelogue/11729126
シニアの偏愛クラシックホテル（９）　川奈ホテル
https://4travel.jp/travelogue/11729609

エリア 雲仙(長崎)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー ANAグループ
• 旅行の手配内容: 個別手配

九州は車で行くには遠いので、今回の雲仙はANAのダイナミックパッケージを利用することにしました。レンタカーもセットで、雲仙観光ホテルと亀の井別荘に宿泊することにしました。
長崎空港からレンタカーで少々時間がかかります。

ホテル正面アプローチです。このアプローチ、これから始まるクラシックホテルの滞在をワクワクさせるような感じでとってもいいですね。

車で到着すると、フロントの女性に出迎えていただきました。

いかにもクラシックホテルと言う、実に端正なホテル外観です。戦前からの建物が残り、現在も営業に使われているのは、川奈と蒲郡と、ここ雲仙だけだそうです。

長い真っ直ぐなアプローチから、このUnzen Kanko Hoteltoと書かれた古い玄関ドアーをくぐり、綺麗な花の飾られた細長いホテルロビーに入っていく、ここのホテルでの一連の流れは九つのクラシックホテルの中でも、他の追随を許さないほど断トツ一番の素晴らしさだと僕は思います。

ロビーに飾られた花の後ろに中央階段が控えます。

このロビーは船をイメージして造られているそうです。なるほどそれでメインダイニングの前には銅鑼が置いてあるんですね。

フロント前に広くゆったりと空間を使って作られたロビーは、実に重厚感に溢れ、花が大きなアクセントになっています。

配された家具はそのほとんどが神戸の永田家具製だそうです。

ロビー床の模様と同じ模様がアクセントになる、職人が手斧削りをして作った独特の雰囲気を持つ中央階段です。

中央階段を上がった二階部分です。

今回アサインされた部屋は、ANAのパッケージ利用のため一番狭い部屋でした。

このホテル、壁紙が素敵です。

やっぱりクラシックホテルには猫足タブが似合いますね。九つのクラシックホテルで、猫足タブがあったのは、雲仙と万平だけです。でもこのホテル天然温泉の大浴場があるので、宿泊客も部屋のタブはあまり使わないでしょうね。

部屋のベランダからの眺望です。早速館内見学をしてみました。

沢山の本が並べられた図書室です。

一角に古いタイプライターが飾られていました。

ステンドグラスで飾られたビリヤード室。

上の図書室と共に当時のイメージを基に後に再現された部屋だそうです。

折角の天然温泉です。お風呂に行ってみましょう。
デザイナーにして思想家、詩人、画家、社会主義者と言われるウイリアム・モリスの壁紙を使った紳士浴場入り口。

浴場入り口前の休憩スペース。

脱衣場。

コロナの影響のため、受け入れのお客さんの数を一日五組としていたので、お風呂も僕一人で独占状態でした。やっぱり雲仙のお湯、少し濁り硫黄の臭いがしていいですね。

アールデコ調タイルの浴室内部。

大浴場の外に設けられた小さい露店風呂。

夕食の時間です。メインダイニングルームのエントランスです。右側のはしっぽに少しだけ銅鑼が見えています。食事の始まりにはこの銅鑼を鳴らして知らせるそうです。

非常に広いダイニングです。

ここのメニュー表もなくしてしまいました。すみません。

先述したように、コロナで五組しか宿泊されていません。その中でここで食事をとる人はさらに少なく、本当に静かな中でゆっくりと時間を過ごせました。
サーブする係の人ともいろいろとお話ができ楽しかったです。スイスのレマン湖畔の白のワインをサービスしていただきました。

夜のホテル正面です。

翌朝、朝食の時間です。

ヨーグルトです。

連れ合いはフレンチトーストをオーダーしていました。僕は定番オムレツに決まっています。

デザートです。

チェックアウト後、雲仙地獄を巡って次の宿泊地に向かいました。