2021/11/21 - 2021/11/21
151位(同エリア897件中)
れいろんさん
崎津集落の「崎」の字は、造りの上部が「立」の文字が正しいです。
崎津(※)集落は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(2018年、世界文化遺産として登録)」の構成資産です。
この遺産は、「キリスト教が禁じられている中で、日本の伝統的宗教や一般社会と共生しながら信仰を続けた潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統」が評価され、その証のある各地が構成遺産として登録されています。
事前に長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産関係の書籍をいくつか手に取ったのですが、ほとんど長崎の遺産に関する記述で、天草に関する内容は乏しかったです。
因みに、私が崎津の潜伏キリシタン関係の内容を荒くまとめると、次のようになります。
(1)下天草西海岸の集落は「島原・天草の乱」に加わらず、密やかに信仰を守っていた。
(2)1805年、崎津周辺で5,000人以上が(キリスト教信者だと)摘発される、いわゆる「天草崩れ」が発生したものの、その人数が多すぎたため、「心得違いをしていた」とみなされ放免されることとなった。
(3)その後、信心具の破棄や定期的な踏絵が行われる中、崎津の人たちはその処置に従いつつも、信仰を捨てることはなかった。
(4)1873年に信教の自由が黙認されると、カトリックへの復帰が始まった。
現在の崎津集落って、どんな感じなんでしょうか?
(→すごく良かったです。上手く説明できないですが、一言で言うと空気感が穏やかでした。懐っこい猫がそこここにいるのも素敵。)
また、天草下島の北部、苓北町の富岡地区(陸繋島)に天草陶石を多く含む、真っ白い岩の露頭が見られる海岸があるというので、これを見に行きます。
陶石とは磁器の主原料となる岩石(岩石を砕いて、水を加えて練ると粘土になり、これを成型して焼き、磁器ができる。)で、17世紀に中頃に天草で良質な鉱脈が発見され、かの平賀源内が「天下無双の上品」と絶賛したのだとか。
現在も有田焼など有名な磁器に用いられている天草陶石。どんな岩(石)かな?楽しみです。
(見に行くのは採掘されている鉱脈ではありません。)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
国道389号線から、道の駅の看板が見えたら、左折すれば崎津集落です。
集落内は道が狭いという事ですが、教会の側に観光客用の駐車場があるというので入って行きましょう。
でも、その前に・・・ -
国道から集落に入る大きな交差点で、猫たちに出会いましたよ。
ちょっと「かまって」いきます。
写真には3匹写っていますが、このほかに2匹いました。
日差しを浴びてのんびりしてるにゃぁ~。その場所じゃ轢かれちゃわないかい? -
2匹でじゃれ合う、黒猫と薄い色の茶虎仔猫。
親仔かな? 仲良し。 -
黒ちゃんはちょっとアンニュイな感じだねぇ。
ちょっと遊ぶかい~? -
おお、やはりこの紐は猫釣りに最強なアイテム!
-
「私も遊びたいにゃ・・・」
(薄い茶虎猫は仔猫なので反応が遅く、既になくなっちゃた紐に手を伸ばしています。)
うん、わかったよぉ。 -
薄い茶虎仔猫の前に紐を落としてみました。
「やった~、捕れた。」
黒ちゃんは、それが少しお気に召さない様子ね。
眼を見開いちゃいました。 -
一方、雉虎仔猫は自分の身体のお手入れに余念がありません。
皆、私に対して身構えず、とっても自然体。
この後、崎津集落の散策中にも沢山の野猫(町猫)に出会ったのですが、彼らはもっと懐っこくて、自分たちから「にゃ~」とすり寄って来てくれました。 -
崎津集落の入り江の入口。
右の岩の中ほどに「海上マリア像」が立っています。
観光客用に設けられた駐車場のすぐ先から、この光景が見られます。
ガイドブックには集落内に駐車場があると記されていたので、細い道を車で入って行くと・・・ -
・・・教会の近くで、地元の方がスタンバイしていて(?)、「今、ここの駐車場はいっぱいなので、申し訳ありませんが、250m先の駐車場を利用してください。」とパンフレットを渡して、教えてくれました。
駐車場は漁協に接していて、直売所(きんつ市場)や、とても綺麗なトイレ舎がありました。 -
信仰もなく教会見学に来ている観光客のために、至れり尽くせりという感じです。
ありがとうございます。せめて物見遊山ではなく、少し「崎津の隠れキリシタンの歴史・文化」を学んでいきます。
海のマリア様を少しアップで。
中ほどの白いのがマリア様。真下にいるのは釣りの人。
そして、この時、私の足元には茶虎猫が鳴きながらじゃれていました。
懐っこい猫。いつも集落の人たちに優しくされているんだねぇ。 -
海上マリア像を遠くから拝したところで、教会へ向かいます。
崖の下の鳥居は金刀比羅宮ですね。 -
金刀比羅さんは海上守護の神様。(海の、航海の、安全の神様。)
漁業の集落、崎津には欠かせない神様です。
金刀比羅さんも、キリシタンの信仰を持つ人であっても、崎津の集落の人たちを守ってきたに違いないと思います。 -
そのそばには、崎津集落の案内図と・・・
-
2012年に「天草市崎津・今富の文化的景観」として国の重要文化的景観に指定された際の説明がありました。
今富集落は、(経済的に結びつきの強い崎津とともに、)隠れキリシタンの集落でしたが、キリスト教が解禁になった際に、ほとんどの信者はカトリックへ復帰せず、先祖から伝わる隠れキリシタン時代の儀式を継承したということです。
集落の景観もなかなか趣のあるようなので、次回は行ってみたいです。 -
では、崎津教会へ向かいましょう。
(写真は崎津集落のメインの道路です。中央線のない狭い道路なので、車で侵入する場合は十分気をつけてください。)
鳴き声がするので路地に目をやれば、三毛猫が!
向こうから声をかけてくるなんて! いつも可愛がられているんだなぁ。ここは猫のパライソですね。 -
あっ、あった。玄関のしめ縄飾り。
崎津集落では、新年のしめ縄を通年飾っておく習慣があるのだとか。
これは「家はキリシタンではありません(実は隠れキリシタンであったとしても)」と周囲に示すためなのだそう。 -
見せかけの部分は「お上」に従い、自らの心の中の信仰を守ることを選んだ、潜伏(隠れ)キリシタンの生き方の一つ。
いろいろな書物(小説も含む)の内容を確認するように、ゆっくり集落の散策を楽しみます。
この場所の空気感が気持ち良いのはなぜだろうか?
緩いカーブの先に崎津教会の尖塔が見えて来ました。 -
教会が建つ場所は、禁教期に踏絵が行われていた庄屋役宅の地だそうです。
ハルプ神父がこの土地を買い取り、長崎の建築家・鉄川与助により1934年(昭和9年)にゴシック様式の教会が建てられたのだとか。 -
こちらの教会も、今日はクリスマスの飾りつけの最中でした。
クリスマス飾りがきらきらしている冬の夜の教会も是非とも見てみたいですね。 -
作業中は敷地の中には入れないというので、軽トラの横から写真を撮ります。
畳敷きだという教会内部。祭壇はかつて踏絵が行われていた場所に設けられというので、見てみたかったですね。残念~。 -
教会の手前は小広い広場になっていて、塩や干物など土産物を売るお店が控えめに並び、入場無料の資料館がありました。
-
そして、右奥には穏やかな入り江。
この時期は観光客も少ないからか、しっとりとした場所でした。 -
では、もう一つの私のお目当て崎津諏訪神社へ向かいましょう。
左手は「崎津資料館 みなと屋」です。
集落の歴史や潜伏キリシタン信仰などを紹介されているそうです。
(建物は昭和初期の旅館を改装したもの。) -
さあ、諏訪神社です。
「天草崩れ」の際、代官所の役人が、この神社の境内に信心具を捨てる箱を設置したとの記録が残ってるとのこと。
禁教時代は隠れキリシタンの信者も、お参りをしていた集落の神社です。
今日はこちらも何やら作業中のようですね。 -
では、登って、お参りしましょう。
-
下に軽トラが数台泊まっていたので、神社もお掃除をしてるのかなぁと思ったのですが、何やら大々的に作業中でした。
-
新年に向けて新しいしめ縄を造っているのでしょうか?
写真を撮らせてください。
「上の境内の前で作ってるから。そっちの方か面白いから。見に行って!」 -
そうかぁ、こちらでしめ縄を編んでいたんですね。
「写真を撮らせてくださ~い。」 -
この日、教会はクリスマスの飾りつけ。神社では新しいしめ縄造り。
日曜日という事もあるのでしょうが、同じ日、同じ時間に、同じ部落の人が、別々のの神様を祀る場所の飾りつけ作業をしているなんて。 -
これが、まさに崎津における宗教の形なんでしょう。
良い場面に出会ったなぁ。
「おうっ、長さ、みるぞ。(確認するの意味。)」
作業はまだ続きそうなので、少し神社の周りを見てみましょう。 -
奥社に向かう(?)急峻な石段。
訳500段の石段を上ると「チャペルの鐘展望公園」があるのだとか。
ええ~、鳥居があるのに、その先にチャペルの鐘?? -
しめ飾り(しめ縄)造りもいよいよ佳境のようです。
-
もうすぐ編み終わりそうですね。
「最後が凄い技術なんだよ。見て行ってよ。」 -
ベテランの男性の一人作業になるんですね。
先端を揃えて・・・ -
両手で細く細く縒っていって・・・
-
仕上げます。
最後まで、全て稲わらだけで完成させます。 -
下の人たちは、しめ縄の横からひょんひょん飛び出した藁を切っていたんですね。
-
「おう、出来上がったぞ。仕上げを頼むぞ。」
楽しく見学させていただきました。ありがとう!! -
神社をまっすぐ下って行けば崎津教会があります。
-
以前、写真で見て、実際に自分の目で見たかった「画」。
小さい部落に神社と教会が建つ光景。
潜伏キリシタン集落の歴史を実感します。 -
そして、初代の崎津教会は、もっと神社の近くに建てられていたというから驚きます。
参道横(神社に向かって左側)の、この場所に教会が建てられたとは!
更に、その下(この写真の左側)には、ハルプ神父の墓所がありました。 -
キリスト教解禁後、1888年(明治21年)に崎津に初めて建てられた教会の跡地ですが、建物は1957年に建てられたもので、崎津教会のシスターが寝泊りしていた修道院だそうです。
マリア様が見守っていますね。 -
では、名物の杉ようかんを買っていきましょう。
集落には杉ようかんを売るお店が2店舗あるようで、こちらは宮下商店です。 -
別のお店(南風屋(「ハイヤ」))が、るるぶなどのガイドブックに取り上げられていますが、先ほど、地元ボランティアの方が駐車場の案内をしてくれた時に、宮下商店のご主人が「うちの駐車場に止めれば良いですよ。」と声をかけてくれたので、ここで買おうと決めていました。
-
杉ようかんは、両端を赤く染めた細長く柔らかいお餅であんこを巻いたもの。
香り付けと、防腐効果のために杉の葉が添えられています。
白、赤、緑とシンプルな色どりが綺麗でした。 -
宮下商店の物は1つ150円。2つ購入しました。
お店の前には、レトロな自販機が置かれていましたよ。 -
下天草西會舘を北上します。
途中、夕日の名所だという十三仏公園に立ち寄ります。。 -
名前から想像したとおり、海上にいくつもの岩礁が頭を出しています。
赤く染まる光景が見たかったな。 -
天草下島の北部、陸繋島の富岡地区に到着です。
富岡海水浴場は広い駐車場があり、整備され、シャワーやトイレなどの施設も整備されています。 -
誰もいない海水浴場を横目で見ながら、整備された遊歩道を5分ほど歩いていくと、玉石の海岸に角ばった砕石が目立つようになり、白岩崎の露頭に到着です。
-
わあぁ~、白い白い。さすが「白岩崎」です。
遊歩道はこの先、上に登って行きます。
この名を冠したキャンプ場が上部にありますが、そこに続いているのかな。 -
遊歩道の終点から広がる白い海岸。
綺麗ですよねぇ。
この小さい白い石・・・ -
地面に散らばる白い石は、この露頭が自然の力で割れたもの。
角張っているので、サンダルの底を通して、ゴツゴツ感が伝わってきます。
細長い流木がたまっている所もあって、意外と歩きにくいです。 -
う~ん、この写真ではあまり白さが伝わりませんね。
-
もう少し近づいて見てみましょう。
-
割れたばかりの部分は白さが際だっています。
-
アップでも一枚。
断面の白さ、伝わるでしょうか? -
実は崎津集落から牛深に向かうか、ここに来るか迷ったのですが、お天気のいい日にこの露頭が見られて良かったです。
-
満足、満足。
さて、本渡のレストランにお昼の予約を入れているので、車をとばしていきましょう。 -
海水浴場の側には、伽羅蕗の黄色い花が咲いていました。
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この旅行記へのコメント (6)
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- ムロろ~んさん 2021/12/08 21:21:14
- 癒されますなぁ(^_-)-☆
- こんばんは、ムロろ~んです。
天草へ行かれた旅行記を拝見しました。
私と違ってのんびり行程な旅なので、地元の方との触れ合いがあるのが良いなぁって思ったんです。
崎津での地元の方のされていた風景、猫ちゃん、深く旅されてるなぁって思ったんです。
私が旅したときなんて大江教会なんて静かすぎてビックリするほどでした。
そうそう、熊本から車で天草って遠くなかったですか?
私は飛行機で旅したのですが、熊本~天草便があるのも距離があるので地元の話でも距離の遠さに実感してしまいましたよ。
ムロろ~ん(-人-)
- れいろんさん からの返信 2021/12/09 17:15:32
- RE: 癒されますなぁ(^_-)-☆
- ムロろ〜んさん、こんばんは。
メッセージありがとうございます。
クリスマス1か月前の日曜日なので、大江天主堂も崎津教会もクリスマスの飾りつけの最中でしたね。
信徒の方たちが、作業をしていらして、微笑ましい感じでした。
崎津教会の方は敷地内に入れなかったので、タイミングが悪かったなぁと思いましたが、珍しいシーンに出会えてよかったかな。
ムロろ〜んさんが書いてくれたように、神社でのしめ縄造りと作業されているおじさんたちとの会話は楽しかったですね。
そして、何よりも猫たち! すごく自然で、懐っこい! ゆっくり触れ合いました。
熊本空港から天草は、確かにちょっと距離があるドライブになりますね。
でも、少し昔は、橋で島々が繋がっていなかったんですよ。
その頃は、天草空港のニーズも高かったんだと思います。
れいろん
-
- willyさん 2021/12/01 11:12:19
- 空気感がつたわります
- れいろんさん
たてつづけにごめんなさい。
とてもボディのある旅行記で、じっくり沁みました。猫たちの安心した穏やかな様子も手に取るようです。行ってみたいと思わせられる内容でした。
とくに最後の白い露頭。調べると流紋岩のようですが、こんなに真っ白な班基のない(少ない?)岩質になっているんですね。自分でみてみたいです。
最近、ヤマレコで、素人にもわかりやすく日本の主だった山についての地質についてまとめられている連載記事を見つけ、没頭してよんでいるところです。ますます地質岩石に興味が深まっています。
- れいろんさん からの返信 2021/12/03 07:40:11
- Re: 空気感がつたわります
- willyさん、おはようございます。
勝手に思いを綴りましたが、宗教って様式を重要視するけれど、大切なのは心の中では? と感じた次第です。
祈りの際に十字を切らなくても、キリストの絵だって、踏んでも良いんだよ、、、、とか。
潜伏キリシタンは、そうして、本当に大事なところを守ってきたんだと。
崎津の猫たちは、本当に懐っこく、いつも集落の人に、優しくされているんだなぁと思いました。
で、天草陶石ですが、流紋岩だという記載も確かにあるのですが、見た目は流紋岩らしくないんです。
(1)流紋岩が熱水の作用を受けて変質し粘土になったもの。
(2)酸性の火成岩が陶石化したもので、原岩は流紋岩ではない。
検索すると、諸説でてきます。
地質は難しいですね。
陶石なので、主成分は石英とセリサイト(雲母質粘土)で、カオリン鉱物と長石を含むものという部分は間違いないようですが。
れいろん
- willyさん からの返信 2021/12/03 14:57:26
- RE: Re: 空気感がつたわります
- れいろんさん
お返事と詳細ありがとうございます。
ちょっと調べただけですが、この白い露頭についてはあまり記事がみつからなかったのですが、天草陶石だとたくさんありますね。
世界一の陶石とのことですが天草近辺の窯はしりませんでした
宗教すべてとは言いませんが、形式ばって一般にはわからないように作り上げて、信者を傀儡にするためにも宗教者自らがトランスに入るためにも儀式が必要なのだとおもうのですが、れいろんさんに同感です。その他にも偶像は偶像でしかないのになあというのも常々思うところです。
そういう意味では潜伏キリシタンの信仰は芯から強く揺るぎのないものだったのだと感じました。
- れいろんさん からの返信 2021/12/03 20:15:05
- Re: 空気感がつたわります
- willyさん、こんばんは♪
お返事ありがとうございます。
天草の磁器は、一時、かなり下火になったようで。
その分、近年、若手の作家さんが、自由な感性で創作しているようです。
丁度、旅程に天草磁器の窯で市が開催されていたのですが、私は無粋な人間なので立ち寄らなかったのです。
willyさんの「儀式は布教するがわの必要性」との観点、そうか! と、感心しました。
確かに、そういう面はありますよね。
「なるなど、、、、」です。
れいろん
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