「北の国から」40周年、五郎さんに会いに（麓郷編）　北海道旅2021夏vol.1

2021/06/25 - 2021/06/26

テレビドラマ「北の国から」（フジテレビ）は1981年10月に連続ドラマとしてスタート。1982年3月まで24回に渡って放映されました。その後、スペシャルドラマとして1983年から2002年の間に8回放映され、21年にも渡る長大ドラマになりました。私は純（吉岡秀隆さん）と同世代で、このドラマに登場する場所も縁があるところが多く、最も思い入れのある作品です。
2021年は放送開始から40周年になります。そのような中、主人公、黒板五郎役の田中邦衛さんが３月に他界されました。追悼のため北海道での緊急事態宣言解除を待って富良野を訪問しました。

本編では「北の国から」のメインステージと言える富良野市麓郷への旅を紹介します。

vol.1麓郷編（本編）
vol.2富良野市街編 https://4travel.jp/travelogue/11702771
vol.3アルテピアッツァ美唄へ https://4travel.jp/travelogue/11702772

【旅程】
○6月25日（金）成田→新千歳空港→岩見沢→三笠→富良野
○6月26日（土）富良野
・6月27日（日）富良野→上砂川→美唄→新千歳空港→成田
（道内はレンタカーで移動）

エリア 富良野(北海道)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: レンタカー Peach

成田空港からピーチで新千歳空港へ向かいます。2021年の梅雨は曇天続き。厚い雲を突き抜け、久しぶりにお日様と出会います。

新千歳空港に到着。コロナ禍で旅行客は少なく到着ロビーはガラガラ。東京2020のマラソンは札幌市内で開催予定。歓迎の用意はできています。

新千歳空港 空港

バジェットレンタカーの送迎バスで営業所へ。今回は軽を借りました。キャンペーン中で3日間9,500円とかなりリーズナブル。1日あたりの制限距離を超えると追加料金が取られ、割高だった北海道のレンタカーは遠い昔の話になりました。

空港から車で約1時間、岩見沢の「希林」で名物のもつそば（850円）をいただきます。鳥もつと太めのそば、鳥だしの効いたつゆの相性は見事。鳥もつはササミも入っており見た目よりあっさりしています。

希林 グルメ・レストラン

三笠市に入りました。奔別炭鉱跡に立ち寄ります。

旧奔別炭鉱立坑櫓 名所・史跡

炭鉱があった街は人口減少が著しく、空家は解体、撤去され空き地が目立ちます。

人里離れた山中を走ります。芦別市に入りしばらく走ると三段滝があります。「’98時代」で純（吉岡秀隆さん）が岩場に座り、シュウ（宮沢りえさん）からの手紙を読みました。

三段滝 自然・景勝地

新富良野プリンスホテル前にある「北の国から」のロケ地めぐりの基地とも言える富良野ドラマ館へ。ロケ地マップ（無料）をいただきます。ここでは倉本聰の富良野三部作「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」のグッズが販売されています。

富良野ドラマ館 名所・史跡

「’95秘密」でシュウが純に過去を告白したシーンが撮影された「北時計」。平成22年に営業は終了し、今は喫茶・ギャラリー「あかなら」として地元ボランティアグループが運営しています。

あかなら グルメ・レストラン

北時計の看板は店内に展示されています。

撮影当時とテーブルのレイアウトは異なりますが、建物は当時のままです。

ロールケーキとコーヒーをいただきます。

ラベンダーで有名な富田ファームへ。「連続ドラマ17回」で純と蛍（中嶋朋子さん）が母・令子（いしだあゆみさん）、本多弁護士（宮本信子さん）と訪れました。撮影当時の農場は今ほど大きくなく、販売所もプレハブ建てでした。

ファーム富田 公園・植物園

咲きかけのラベンダー。薄緑色とのグラデーションがきれいです。

花畑の見頃はまだ先です。

宿に向かう途中で一風呂、吹上露天の湯へ。

吹上温泉保養センター 白銀荘 温泉

「’95秘密」で五郎（田中邦衛さん）とシュウが入浴。真冬の撮影で大変だったと思います。とてもいい湯で長湯しました。

富良野岳とタマネギ畑。

今晩は麓郷にある「ふらりん」に泊ります。

たびのやど　ふらりん 宿・ホテル

2人部屋のシングルユースです。窓の向こうには森が広がり、窓を開けると森の香りのする爽やかな風が吹き込んできました。

夕食はブッフェ形式。コロナ対策は万全です。地元産の野菜を使った手作りの料理。ビールが進みます。

シメのカレー。とても美味しかったです。

夕食後、散歩します。エゾシカの家族に遭遇。

翌朝。早起きして麓郷を散歩します。雲一つない快晴です。残雪がピンク色に染まった芦別岳が見えます。

4時40分、日の出です。夏至に近い時期、緯度が高い北海道の夜明けは早い。

朝陽に照らされる麦畑。

畑の中に一本のポプラの木が立っています。

朝の麓郷は静かです。麓郷の中心部に向かいます。

純と蛍が通っていた麓郷中学校。麓郷小学校の場所に移転し、今は使われていません。

「’87初恋」で純の卒業式が行われた体育館。

「’98時代」で草太（岩城滉一さん）の葬式が営まれた静念寺。

全シリースで登場する中畑和夫（地井武男さん）が営む「中畑木材」。麓郷木材工業の事務所で連続ドラマの頃とほぼ変らない佇まいです。

倉本聰の書が掲げられています。

麓郷のバス停。麓郷には何度か来ていますが、バスで来たことはありません。次こそはバスで来てみようと思います。

2時間半ほど歩きました。朝食の時間になり、宿に戻ります。

たびのやど　ふらりん 宿・ホテル

朝食もブッフェ形式です。写真にはありませんがスープも美味しかったです。リーズナブルな価格でありながら食事のクオリティーは高く、客室も清潔で快適。再訪したい宿です。

宿を後にし、車で麓郷展望台に向かいます。途中には五郎さんが熊に出会った場所もありました。

麓郷展望台には花畑が広がっています。ルピナスの花が高さを競うように咲いています。

麓郷展望台 名所・史跡

ふらのジャム園でジャムを買いました。

富良野ジャム園 専門店

石の家へ。入場料は500円（「麓郷の森」「拾って来た家」の3施設共通入場料は1,200円）。

五郎の石の家 名所・史跡

「北の国から」の写真が展示されています。2002遺言の視聴率が一番高かったようです。

五郎さんの5番目の家で最後の家となった「石の家」。「’95秘密」から登場します。家の中には田中邦衛さんの遺影が飾られており、手を合わせました。
（麓郷にあるセットの家々は内部撮影は可能ですが、ネットでの公開は禁じられています。）

このテーブルでは再会、団らん、別れ・・・印象に残るシーンが演じられました。かなり痛んできていますが、新しいものに取り替えるのもどうかと思うところです。

昨日の晩も大好きなお風呂に入ったよう。五郎さんは生きています。

五郎さんの炭焼き小屋。五郎さんは炭焼きで出る木酢液を使った有機農業を行っていました。

石の家の近くにある「最初の家」。「連続ドラマ」で登場した家で平成18年に復元されました。五右衛門風呂もあります。

麓郷の森へ。麓郷の森は最初に整備された見学可能なロケ施設です。ここには五郎さんの2番目と3番目の家があります。

麓郷の森 名所・史跡

「2番目の家」。「連続ドラマ最終回」で完成、「’84夏」で純と正吉がストーブの火の不始末で全焼した丸太小屋です。全焼したのは燃やすためのセットで、実物は残っています（ロケでは別の場所に建っていたものを麓郷の森に移転）。

「3番目の家」。「’84夏」「’87初恋」「’89帰郷」で登場、その後大雪で潰れたことになっています。純が作った風力発電装置は風車以外は朽ちていて、建物もかなり傷んでいます。30年以上経っているので仕方ありません。

「小野田そば」で昼食をとります。「連続ドラマ8回」での店前での乱闘シーンや「’83冬」での沢田松吉（笠知衆さん）の歓迎会、そのほか何度かロケが行われた場所です。

小野田そば屋 グルメ・レストラン

ここのそばは太い「田舎そば」でありながらつるつるした食感。とても美味しいそばです。麓郷に来た時は必ず立ち寄ってきた店です。

一旦、麓郷から山を下ります。菜の花がきれいに咲いています。

富良野駅から一駅帯広寄りにある布部駅へ。

布部駅 駅

布部駅は「連続ドラマ1回」の最初に登場。純と蛍が初めて富良野の地に降り立った駅です。駅前には倉本聰の直筆による「北の国　此処に始まる」の書があります。残念なことに根室本線の富良野・新得間は廃止が検討されています。

再び麓郷に向います。春よ来いの木。この近くに草太の牧場がありました。今は牧場はなく、家屋だけが残されいます。実際に住まわれている家ですので写真は控えました。

春よ来いの木 自然・景勝地

純と蛍が通っていた「中の澤分校」。ロケが行われた1980年より前の1973年に閉校となり、公民館として使われています。

中の澤小学校分校 名所・史跡

純と蛍が歩いた道。

「拾ってきた家」へ。ここには五郎さんの4番目の家と廃材を使って建てらてた家3棟があります。

拾って来た家 名所・史跡

五郎さんの4番目の家。「’92巣立ち」で登場。中畑木材の作業所を改修して五郎さんがひとりで大工の修行をしながら愛犬アキナと住んでいました。

「雪子の家」　アトリエスペースと住居スペースが別れた大きな建物。実際は廃材を利用していながらかなり手の込んだ建物でかなりの費用が建築にかかったとのことです。

「すみえの家」　「2002遺言」で中畑和夫の娘夫婦の新居として建てられた家です。建設中であったこの建物で中畑和夫扮する地井武男さんは渾身の演技を見せてくれました。

「純と結の家」　テレビドラマは「2002遺言」で終わりましたが、倉本聰はその後も書き続けており、ドラマは続いています。その後、純と結は結婚、五郎さんは純と結いのためにこの家を建てました。「北の国から2004」の台本がこの家の中に掲示されています。カフェのような内装でお洒落な家です。

布部川は何度となく登場しました。笠松杵次（大友柳太郎さん）が橋から落ちて亡くなった場所はこの橋から少し上流にあります。

麓郷神社　「’83冬」で家出した正吉を初詣で訪れていた純が見つけたシーンはここで撮影されました。北海道の農村にある典型的な神社です。

大里れい（横山めぐみさん）の家を見て（住まわれている民家ですので写真は控えました）、富良野市街地に向います。（vol.2　https://4travel.jp/travelogue/11702771　につづく）

この旅行記へのコメント （2）

• マプトさん 2021/07/23 16:48:16

  富良野へようこそ

  ようこそ富良野に来てくださいました。元、富良野市民で、今も富良野に自宅があるんで、たびたび帰ります。富良野に住んでいた時、「遺言」のロケをしており、よく見かけました。もう２０年近く前のことです。なつかしいですね。
  麓郷のジャム園で売っているハスカップジャムは、妻が摘んだハスカップも使われているんです。

  Islanderさん からの返信 2021/07/23 22:31:48

  Re: 富良野へようこそ

  マプトさん
  メッセージありがとうございます！！
  地元の方からのメッセージはとても嬉しいです。
  
  ジャム園ではハスカップのジャムを買いました。まだ食べていませんが、奥様が摘んだハスカップ、ありがたくいただきます。
  
  「遺言」のロケ見られたのですね。結ちゃんが富良野の街なかを歩くシーンを見られたのでしょうか。私は当時、「巣立ち」で登場する純が働いていた東京のガソリンスタンドの近くに下宿していて、たまたま通りかかった時にタマコ（裕木奈江さん）がピザ配達のバイクを運転しているのを目撃しました（撮影時は北の国からのロケとは思いませんでした）。
  
  久々に富良野のロケ地を回りましたが、無くなってしまった店や建物が増えましたね。30年近く前、富良野を初めて訪れた時は、芦別から富良野の間の国道は滝里の集落を通り抜けていました。八幡丘経由で麓郷へ向かう道は舗装されておらず、ガタガタ道を走りながらここが初恋のロケ地だったと友達と語り合ったのが懐かしいです。北の国からは当時の富良野の様子を今に残す貴重な史料でもありますね。
  
  今年の北海道はとても暑いようですね。野菜を作られているとのことで、暑さの影響が心配です。夏バテにも気をつけてください。
  
  　Islander