2021/02/23 - 2021/02/23
47位(同エリア1141件中)
旅猫さん
今年も、新型コロナウィルス感染症のおかげで、1月早々から緊急事態宣言発出となり、昨年秋に再開した旅も、再びお預けになってしまった。
とは言え、仕事があるので自宅と新宿の間を往復する日々は続いている。
しかし、さすがに我慢も限界なので、万全の対策を施し、遠出をしてみることにした。
まずは、今月末で長期休館となる横浜美術館へ美術鑑賞。
そして、その二日後には、ちょうど、内田百?氏の『第一阿房列車』を読み直していたところだったので、用は無いのだが、小学生の頃からお世話になった『踊り子号』に惜別の乗車をすることにした。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- JR特急 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2月21日。
10時過ぎに家を出て、横浜駅へと向かう。
みなとみらい線に乗り換えて、みなとみらい駅で降りた。
この駅に降り立つのは記憶がないくらいなのでかなり前だ。
広い構内だったが、人影はほとんどない。 -
地上に出て、歩いて数分のところにある横浜美術館を目指す。
美術館の前は広場になっていたが、そこは多くの人で賑わっていた。 -
横浜美術館は、新型コロナ感染症対策のため、完全予約定員制となっているため、館内はとても静かだった。
予約していたのは、愛知、富山にある県立美術館と横浜美術館所蔵の20世紀西洋美術の展覧会『トライアローグ』。
『アートの地殻変動』、『アートの地場転換』、『アートの多元化』と、年代ごとに代表的な作品を展示していて、なかなか見応えがあった。 -
『トライアローグ』を鑑賞した後、そのまま入れるという『横浜美術館コレクション展』も観て行くことにした。
横浜美術館は、3月から2年余りかけて館内を更新する作業に入るため、所蔵作品を鑑賞するのには、ちょうどよかった。 -
西洋美術の作品は『トライアローグ』展で展示されているので、こちらでは国内の作品が展示されていた。
その中には、好きな画家のひとりである鏑木清方の作品も数点あった。 -
川瀬巴水の作品もあり、嬉しい。
明治期の西洋文化偏重主義により衰退した浮世絵の復興に尽力した近代風景版画の第一人者である巴水の作品は、大正から昭和初期の、まだ東京などに日本らしい町並みが残っていた頃の風景が情緒豊かに描かれているので、とても気に入っている。 -
それにしても、この完全予約定員制は気に入った。
何しろ空いている。
ゆっくりと作品を鑑賞できるのは素晴らしい。
コロナ後も、こうだとありがたいのだが、それでは儲からないだろう。 -
1989年の開館以来の大規模な改修に入るのだが、展示室も大きく変わるのだろうか。
横浜美術館は、展示室なども変わったところがあるので、これが違う趣になるのだとすれば、また2年後に訪れてみたいものだ。 -
鑑賞後、外に出ると、抜けるような青空が広がっていた。
でも、その下にある街並みは、いかにも造られたもの。
人が住む温もりがまったく感じられないのが残念である。
建築家も、机上で凝ったものを創ろうと考えるのだろうが、いかにも箱ものであり、とても冷たい街になっている。 -
横浜で美術鑑賞をした二日後。
急に思い立ち、一月後に役目を終えて引退する列車に乗ることにした。
その列車は『踊り子』。
子供の頃、最初に出会った時は、まだ急行『伊豆』だった。
以来、39年余り、伊豆への旅では数えきれないほどお世話になった列車である。 -
今回は、お別れと言うことで、これまでの感謝を表すため、奮発してグリーン車を利用することにした。
グリーン車に乗るのは、『スーパービユー踊り子』以来二回目。
座席の間隔が広く、窓も独立しているが、それほど豪華では無い。
それでも、やはり居心地は良かった。 -
座席の肘掛に収められているテーブルも最近は見かけない。
小さいので、使い勝手が悪いのが玉に瑕である。 -
乗車した『踊り子5号』は、新宿駅を9時25分に出発。
仕事で疲れていたせいか、すぐに寝てしまい、気付いたら熱海駅だった。
そこから伊東線へと入り、しばらく走ると、車窓には海が見えて来た。 -
伊東駅からは、伊豆急行線へと入る。
昼時なので、新宿駅で買い込んできた駅弁を食べることにする。
その弁当は、この春で引退するこの列車への感謝を込めて期間限定で販売されているもの。
箱の側面には、特徴的な3本の緑の帯が付けられていた。 -
その弁当の中身は、湘南名物の『鯵の押寿し』のほか、『まぐろ角煮ご飯』、『しらすご飯』、『くじらカツ』、『黒はんぺんフライ』など、なかなか魅力的な食材が並び、色々なものが少しずつ食べられて、とても良かった。
-
そんな弁当を食べていると、車窓には東伊豆の海岸線が迫って来た。
遠くには、大島と利島が薄っすらと見えていた。 -
しばらくすると、車内放送で『日本一の雛段飾りが車窓に見えます。』とあったが、後方に流れるように見えるだけで、手前の河津桜しか捉えられなかった。
何でも、伊東温泉にある寺と段数で競い合っているという稲取温泉の素盞鳴神社で、今年は118段で日本一なのだそうだ。 -
河津駅を出るとすぐ、河津川を渡る。
両岸には、河津桜の並木があり、例年、観光客で賑わうのだが、今年はもう見頃を過ぎたようだった。 -
そして、終着の伊豆急下田駅には、12時14分に到着した。
降りる時、ふと見ると、入口に絵が飾られていた。
グリーン車には、前後に飾られているそうだ。 -
列車を降りて、改札へと向かう。
先頭車両には、最近の列車にはないヘッドマークがある。
以前は、ほとんどすべての特急列車に掲げられていたのだが、今ではほとんど見られなくなってしまった。
『踊り子号』では、もちろん『伊豆の踊子』に因んだ図柄となっている。 -
今回は、かの内田百閒氏のごとく、何も用が無いのに列車に乗ってみたので、後は帰るだけである。
改札脇の待ち合わせ室には、誰も居なかった。
時間まで、駅構内の売店で土産物を探す。
そして、地麦酒と鯖の燻製をを買い込んだ。 -
時間となり、ホームへと出る。
帰りに乗る、東京行の特急『踊り子12号』の隣には、新しい伊豆への旅の顔となった『サフィール踊り子』が入っていた。
斬新な面構えだが、その分飽きが早いだろう。
それに比べれば、国鉄時代から40年もの間、伊豆の顔だった白き列車のほうが、貫録がある。 -
40年前に登場した時は、その斬新な塗装から驚かれ、中途半端な姿から評価が悪かった車両だが、個人的にはずっと好きだった。
伊豆の旅と言えば、『あまぎ』よりも馴染んだ列車である。
これで、お別れかと思うと寂し限りである。 -
帰りは、普通車の指定席に乗り、売店で買い込んだ『伊豆の国ビール』で、惜別の盃とした。
そして、列車は、定刻の13時44分に伊豆急下田駅を離れた。
長い間、お疲れ様。
そして、ありがとう。
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この旅行記へのコメント (10)
-
- 墨水さん 2021/02/27 21:13:05
- 仰る通り。
- 旅猫さん、今晩は。
横浜美術館は、長期休館ですか・・・。
昔、横浜に住んでいた頃は、年間パスを持ってました。(笑)
美術館へ時々行くのは、良いですよね。(笑)
みなとみらいは、奇をてらいすぎてますよね。
初めて行くと「おっ!。」と、思うんですが。
足を運ぶ毎に、不便さを感じますよね。(笑)
185系の塗装については、賛否両論有りました。(笑)
そもそも185系は、普通から特急までこなすスーパーマン車両として設計されてますので・・・。
当時の国鉄としては、ひねり出した系統と言う事ですね。(笑)
仰る通り、奇をてらいすぎると飽きも早いですよね。(笑)
墨水。
- 旅猫さん からの返信 2021/03/01 19:22:04
- RE: 仰る通り。
- 墨水さん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
新しく見えますが、かなり年を経ていたので、そろそろお色直しみたいです。
年間パスとは凄いですね!
美術鑑賞は、一息つくのちょうどいいですね。
みなとみらいは作りこみ過ぎですよね。
住んだり歩いたりするには、結構不便。
185系は、最初は何だこれ?って感じでしたが、今となってはなかなか。
しかも、国鉄車両なので、丈夫に作られていますね。
まだまだ行けそうです。
サフィールは、乗りたいとは思いません。
旅猫
-
- エヌエヌさん 2021/02/26 19:08:43
- 踊り子
- 旅猫さん こんばんは
自分も今日乗車しました。
最寄駅の伊豆長岡からなのでグリーンはないですが^_^
唸るモーター音や無骨な内装を堪能しました。
撮り鉄が沿線の駅や道端におり、185系の運行停止までさらに増えそうです。
自分は草津の方を良く利用しました。
- 旅猫さん からの返信 2021/02/26 21:27:09
- RE: 踊り子
- エヌエヌさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
『踊り子』を利用されましたか。
修善寺のほうは、短いですからね。
乗り心地は、今の最新の車両とは違って、走ってます感があります(笑)
撮り鉄の皆さんが、やはり多くいますね。
これから、増々賑わうことでしょう。
私も、『草津』、『水上』は、温泉旅などでよく利用しました。
少し前までは、仕事帰りなどで『あかぎ』も毎週乗っていました。
旅猫
-
- チーママ散歩さん 2021/02/26 17:03:46
- こんにちは。
- このコロナ禍 外出自粛とは言え気分転換も必要ですよね。
少し車で出かけると緑豊かな田舎と違い、都会のビルに囲まれて日々をお過ごしなさる方々は、回りの高いビルを見回すと埋めようのない寂寥感に襲われる思いでしょうね。
胸中お察し致します。
そんな中、美術にふれ少しはお気持ちがほぐれましたでしょうか。
鉄道ファンでなくとも、小さいころから利用された列車が廃車されることは残念なことでしょうね。
何も計画せずぶらり列車に飛び乗り、きれいな春を思わせる色合いのお弁当が、また列車旅に花を添え、少しはわくわくする気持ちを思い出されたことでしょうね。
そして地のお酒を買って帰路につく。
なんとも「大人な旅」ですね。☆彡
新しい車両と比べれば見劣りはするでしょうけれど、味があり懐かしさと優しさを兼ね備えた車両なのですね。
なんとなく 私が豊島園閉演の時に感じた思いと似たものがありますね。
学生時代 何度も通った豊島園。夏はプール。そして本当に怖かったお化け屋敷と遊園地。
閉館時には多くのファンも駆けつけました。
ディズニーランドもいいけれど、また違った味わいのある遊園地でした。 懐かしい。
なんだかとりとめのない話になりましたね。
いつも短くまとめられずごめんなさい(u_u)
あと少しですね。
気疲れが溜まらないようご自愛ください。
- チーママ散歩さん からの返信 2021/02/26 18:50:48
- RE: こんにちは。
- あ〜 また誤字脱字ごめんなさい。
閉園。
長話に誤字脱字。困ったものです。
勢いで読み飛ばしてください。(*^-^*)
- 旅猫さん からの返信 2021/02/26 21:18:53
- RE: こんにちは。
- チーママ散歩さん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
緊急事態宣言が延長されたおかげで、旅ができません。
新宿副都心に努めているので、あの圧迫感と冷たさは最悪です。
休日の散歩や旅で癒していたのが、コロナのせいでそれもできず。
さすがに疲れたので、少し出かけてきました。
美術館へ行くのは好きなので、今回も楽しめました。
特に、好きな画家の絵があると嬉しくなりますね。
そして、二日後には、ただ列車に乗るだけの旅を。
子供のころから親しんだ列車なので、残念です。
お別れと感謝を込めて乗ってきました。
買い込んだ記念の駅弁もとても美味しかったです。
そして、帰りには地ビールで乾杯も。
お土産に買った鯖の燻製も、美味しくいただきました。
個人的には、最近の新しい車両は安っぽくて好きになれません。
見た目も、すぐに飽きそうな感じですし。
時が経っても、風景に馴染む、飽きの来ない意匠が好きです。
コロナに気を付けながら、旅を楽しみたいものです。
旅猫
- 旅猫さん からの返信 2021/02/26 21:20:46
- RE: RE: こんにちは。
- 私もよくあります(^^;
-
- UKICOさん 2021/02/26 15:57:27
- 旅猫風阿房列車!
- 目的地までの行き帰りの行程をゆっくり楽しむ「阿房列車」の旅のスタイル、素敵ですね。
鏑木清方の美術館は鎌倉にもありますね。鏑木画伯の住居が美術館になっています。その佇まいがとても鎌倉風です。鏑木ファンの旅猫さんならご存じかもしれませんが、静かに鑑賞できますのでお薦めします。
踊り子の記念駅弁、湘南名物ずらり。好物がいっぱいで目がハートに。(笑)
伊豆の国ビールは、前に沼津のホテルで飲んだなぁ~(←遠い目で)
- 旅猫さん からの返信 2021/02/26 21:04:33
- RE: 旅猫風阿房列車!
- UKICOさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
ちょうど『阿房列車』を読んでいたので、ただ列車に乗るだけの旅と言うのをしてみました。
人生初めてかもしれません。
車内で駅弁も食べて、なかなか楽しかったです。
その駅弁も、いろいろ入っていて美味しかったですし。
鎌倉の鏑木清方の美術館は、何度も訪れています。
鎌倉らしい佇まいで、小町通の近くとは思えないですよね。
静かですし。
鎌倉もご無沙汰なので、そろそろ行きたいところです。
旅猫
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