2018/11/10 - 2020/11/11
6位(同エリア254件中)
旅猫さん
秋の伊予路を訪ねる旅の終幕。
内子の街歩きを終え、内子駅から宿のある大洲へと向かう。
この日は、城下町大洲を散策。
映画やドラマのロケ地となった街並みを歩き、秋色の臥龍山荘や大洲城跡を訪ねる。
そして、旅の最終日は、景色の良さで知られる下灘駅に立ち寄ってみた。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 新幹線 JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
内子駅を12時53分に出る特急『宇和海13号』に乗り、伊予大洲駅へと向かう。
二両編成だったが、車内は空いていた。
そして、伊予大洲駅には13時1分に到着した。伊予大洲駅 駅
-
駅前から、とりあえず宿へと向かう。
すると、駅からすぐの場所に惣社大明神社と言う社があった。
まずは、その社で訪問の挨拶をした。総社大明神社 寺・神社・教会
-
宿に荷物を預け、早速、大洲の街を歩くことにする。
大洲の街は、駅から離れた肱川の南側に広がっている。
10分ほど歩くと、肱川に架かる肱川橋に出た。
肱川は愛媛県最大の河川だそうだ。
橋の上からの眺めもなかなか綺麗だった。肱川 自然・景勝地
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橋を渡り、大洲の城下町へと入る。
そして、まずは臥龍山荘のほうへと向かうことにした。
途中の街並みには、商店が多く建ち並んでいたが、ほとんどが閉まっていた。
かつては賑わった商店街の様だった。 -
次の十字路で左へと入る。
その奥には、映画『男はつらいよ』のロケが行われた建物があるのだ。
道沿いには、赤煉瓦の建物があった。おおず赤煉瓦館 名所・史跡
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堤防の近くまで来ると、その手前にブルーシートや網に包まれた古い建物が見えてきた。
これが、映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』の劇中で、真野響子さんが演じる鞠子が泊った旅館『伊州屋』だ。
実際には、『油屋』と言う老舗の旅館だったが、今は廃業し、建物も崩れそうだった。 -
堤防から川に出てみる。
そこは、肱川名物の鵜飼いの船着き場があり、ここも劇中に登場する。 -
すぐ近くには、ポコペン横丁なる場所もあった。
琺瑯の看板などがたくさんあり、昭和を彷彿とさせる街並みだった。ポコペン横丁 名所・史跡
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その界隈には、秋の陽を浴びて優し気に佇む街並みがあった。
鉄筋コンクリートや新建材の建物が建ち並ぶ街並みには風情が無い。
行政は、木密地帯を防災上の観点から、これを無くそうとしているが、それでは街が死んでしまう。
防災の方法がそもそも間違っているのではないだろうか。 -
どの国にも、伝統的で歴史を経て造られてきた建築物がある。
この国では木造の瓦屋根や茅葺屋根だ。
さすがに茅葺屋根は難しいところだが、瓦屋根は今でも何とか続いている。
大洲では、そのような建物がまだ多く残っている。
日本らしい町並みとは、そういうものだと思う。 -
そんなことを考えながら歩いていると、街角に赤いポストが立っていた。
普通のよくある丸ポストだが、一部では有名な存在である。
かのテレビドラマ『東京ラブストーリー』で、リカが完治に知られないように、そっと手紙を投かんしたポストなのだ。
当時の生け垣などは全く残っていないが、ポストだけがぽつんと残されていた。 -
その近くで、ご当地マンホールを見つけた。
鵜飼いの鵜と鮎、市の花である躑躅が描かれている。
やはり大洲と言えば、鵜飼いなのだ。 -
臥龍山荘に到着。
途中で寄り道したので、宿から45分ほど掛かっていた。
臥龍山荘が建つこの地は、大洲随一の景勝地で、藤堂高虎の重臣であった渡辺勘兵衛が最初に庭園を築いたそうだ。
現在の建物は、木蝋貿易に成功した河内寅次郎と言う豪商が、明治30年から10年を掛けて造った別荘とのこと。臥龍山荘庭園 名所・史跡
-
母屋である臥龍院からは、美しい紅葉が眺められた。
その建物は、各部に全国から集めた銘木が使われ、質素ながらも優雅な趣を感じる内装だった。
屋根は茅葺で、周囲の景色とも調和が取れている。 -
庭には、ツワブキがたくさん咲いていた。
秋になると、寺院や庭園などでよく見かける花だ。
華やかさは無いが、好きな花である。 -
石灯篭も立ち、そこから覗く景色も風情があった。
見えた木々ははまだ緑の葉を付け、先ほど見た色づく紅葉とはまた違う趣があった。 -
その灯籠をよく見ると、一部分だけが真っ白になっている。
まるで、白い絵の具を塗ったようだ。
地衣類のようだったが、傍らにあった説明板を読むと、成長が非常に遅い『ぼたん苔』と言う珍しい苔だそうだ。 -
庭を奥へと歩いて行くと、不老庵と言う風雅な建物が見えてきた。
中へ入ると、開け放たれた障子の向こうに肱川の流れが望めた。
そこは、臥龍淵と呼ばれる肱川随一の景勝地なのだそうだ。
船に見立てて建てられたと言う不老庵自体も、天井など凝った造りで見応えがあった。 -
臥龍山荘のほど近くに、宇都宮豊房が下野の二荒山神社より勧請したという大洲神社があった。
小高い丘の上にあるので、街並みが見渡せるかと思ったが、樹々が多くほとんど見えなかった。
この社も、『東京ラブストーリー』のロケ地だそうだが、当時の映像はほとんど記憶にない。大洲神社 寺・神社・教会
-
その大洲神社の麓に、NHKの朝の連続テレビ小説の舞台となった『おはなはん通り』がある。
その通りも、『東京ラブストーリー』で主人公の二人が歩いた場所だ。
蔵などはそのままだが、黄土色だった壁や崩れた部分が綺麗に修復されていた。おはなはん通り 名所・史跡
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しばらく街中を歩き大洲城へと向かう。
まず向かったのは、三の丸南隅櫓。
大洲城に現存する数少ない建物の一つで、最古のものだそうだ。
映画『男はつらいよ』のロケが行われたグランドに面して立っていた。大洲城三の丸南隅櫓公園 公園・植物園
-
櫓の内部も見学できたので入ってみると、向かいに建つ旧加藤家住宅主屋が良く見える。
その建物は、大洲藩主加藤家の子孫が大正時代に建てたもので、映画の中で、殿様の屋敷として登場しているが、残念ながら、内部の見学はできなかった。旧加藤家住宅主屋 名所・史跡
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南隅櫓から北へと歩いて行くと、大洲城の天守が見えてきた。
登り口の脇には、城内の食糧庫として使われていたという下台所が建っていた。
屋根の瓦以外はすべて漆喰で塗り込められている。
修復したばかりのようで、外観は真っ白だった。 -
そこから、坂を登り本丸跡へと向かう。
本丸跡まで来ると、万延元年(1860)に再建された高欄櫓を従えた天守が迫ってくる。
なかなか美しい姿をした天守だが、平成16年(2004) に復元されたものである。
とは言え、往時の天守を木造で忠実に再建したため、江戸期の櫓との調和は見事だ。大洲城 名所・史跡
-
裏手に回り込むと、天守の東側には、安政6年(1859)に再建された台所櫓が建っていた。
天守を中心に二つの櫓が鉤の手状に配置されている連立式の構造。
三棟が並び立つ姿は、城郭らしい眺めだった。 -
復元された天守の内部は、新築された木造家屋の様だった。
木の温もりがあり、コンクリートで再建された天守風展望台とはやはり違う。
多少費用と年月が掛かっても、後世への技術の継承も含めて、木造での再建が望ましいと感じた。 -
その天守上部からは、肱川沿いに開けた大洲の街が眺められた。
この日も天気が良く、天守からは綺麗な景色が望めた。 -
大洲城から降り、城の東側を流れる肱川の畔に出た。
そこには、大洲城に現存する四つの櫓の一つ、苧綿櫓が建っている。
天保14年(1843)に再建されたもので、そこは二の丸の東端に当たる。
四つの櫓の中では地味な場所に建っているので、人気は無かった。 -
陽が傾いて来たので、そろそろ宿へと戻ることにする。
途中、本町1商店街と言う場所を抜けたが、ほとんどの店は閉まっていた。 -
肱川を渡り、駅側へと戻る。
車の多い表通りは煩わしいので、裏道へと入る。
すると、趣のある商店があった。
醤油や味噌を醸している店が、さりげなく佇んでいるは羨ましい。 -
裏道を彷徨っていると、温泉の印を見つけた。
近寄ってみると、よしの湯と言う瓦屋根の渋い銭湯だった。
タオルを持っていたら、迷わず入っているところであった。 -
表通りに戻り、この日の宿である『ホテルオータ』に入る。
地方都市のビジネスホテルそのものの外観だったが、部屋はそこそこ小奇麗だった。大洲散策に最適な宿 by 旅猫さんホテル オータ 宿・ホテル
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部屋に荷物を置き、夕食を求めて街へと出る。
店を探して歩いていると、気になる外観の店があったので入ってみる。
すると、店内は思いの外綺麗だった。居心地以外はなかなか by 旅猫さん葵 グルメ・レストラン
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とりあえず、地元愛媛の首藤酒造の『寿喜心 純米 辛口』を注文。
陶器の片口と猪口で出てきて、なかなか良い。 -
つまみは、蛸の天婦羅とえいひれ。
天婦羅は、揚げたてで美味しかった。 -
次に頼んだのは、フランスでワインも醸造している萬乗醸造の『醸し人九平次 純米吟醸 火と月の間に 山田錦』。
滅多に出会わない酒だが、酸味が感じられる酒だった。
冷で呑んだが、ぬる燗も良いと感じた。 -
追加で注文したのは、宇和島のじゃこ天。
やや小ぶりでちょっとがっかり。
料理も酒も悪くはないのだが、どこか居心地が悪く、早々に退散することにした。 -
中途半端になってしまったので、途中にあったスーパーマーケットに立ち寄り、松山どりのとり天を買い込み、内子で買ってきた酒を部屋で楽しみことにした。
スーパーでは、ミニクロワッサンも売っていたので、朝食用に購入した。 -
翌朝、伊予大洲駅を6時48分に出る伊予市行普通列車に乗車。
少し肌寒い空気の中、1両の気動車がホームで出発を待っていた。
早朝と言うこともあり、駅も車内も閑散としていた。伊予大洲駅 駅
-
定刻に発車した列車は、特急の走る内子線を離れ、予讃線へと入って行く。
内子線が開通するまでは幹線だった予讃線も、今では普通列車しか走らない。
しかし、その線の途中には、全国的にも名が知れた下灘駅がある。
旅の最後は、その駅に立ち寄ることにした。下灘駅 駅
-
50分足らずで、下灘駅に到着。
降り立ったのは、私だけだった。
夕景で有名なため、早朝だと訪れる人も少ないようだ。
人気の無いホームで、次の列車を待つことにする。 -
20分ほどすると、下り列車がやって来た。
数名が降り、少し賑やかになる。 -
ここ下灘駅も、映画『男はつらいよ』のロケが行われた場所。
当時は線路が複数あったが、今は無くなっている。
その場所には花壇が造られ、秋桜などが咲いていた。
待つこと1時間半足らず。
8時56分発の松山行がやって来た。 -
次の伊予上灘駅で、松山駅からやってきた観光列車『伊予灘ものがたり』と行き違った。
各地で流行っている観光列車だが、個人的にはあまり興味は無い。
とは言え、地方路線を支えてくれる存在でもあるので、無下にはできない。伊予上灘駅 駅
-
終着の松山駅には、9時45分に到着。
ここから、10時21分発の特急『しおかぜ14号』に乗り換え、久しぶりに巡った伊予路を後にし、一気に岡山駅へと向かう。
岡山駅からは、13時16分発の『のぞみ26号』で帰京した。
道後の湯に浸かり、歴史ある内子と大洲を歩いた伊予路の旅。
天気にも恵まれ、のんびりと過ごすことが出来た旅だった。松山駅 (愛媛県) 駅
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この旅行記へのコメント (4)
-
- Decoさん 2021/11/07 09:38:02
- 伊予三部作
- 旅猫さん、おはようございます。
伊予三部作、大好きな土地なだけに、楽しく拝見しました。
旅猫さんの感性で表現された「街道をゆく」のように感じました。
道後のオーベルージュ、和室に布団だったのですね(^^;。
外観からして洋風のホテルだと思い込んでました。
でも、道後はやっぱり本館ですね。庶民的な神の湯も、道後の雰囲気を満喫できる玉の湯も、どちらも存在感を感じます。
旅猫さんのアイコン猫も見つけられたし(*^^*)
大洲は、おはなはん通りのようなエリアも素敵ですが「秋の陽を浴びて優し気に佇む街並」の写真のような古い生活感のある木造の街並みに、表現しようのない郷愁を感じます。あの写真は私の心に深く刻まれました…。大洲にはあのような街並みが残っていたのを記憶しています。今は少なくなっているのかも知れませんが。
大洲の商店街、ちょっと寂しいですね。でも歴史と景観がある町。文化遺産もあるし、活気を取り戻して欲しいなと思いました。
Deco
- 旅猫さん からの返信 2021/11/07 11:23:37
- RE: 伊予三部作
- Decoさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
伊予の辺りは、お気に入りの場所なのですね。
『街道をゆく』のようなんて言われると、とても嬉しいです(^^)
道後のあの宿は、なかなか面白い宿でした。
温泉大浴場もあり、和室もあるホテルですからね。
イタリアンレストランも入っていて、どうみても洋風ホテルでした。
道後ホテル本館は、やっぱり最高ですよね。
あの浴室の風情は素晴らしいです、お湯も優しくて。
そうそう、現在のプロフの写真はこの時の旅で出会った猫さんでした。
その後、後ろ姿が撮れなくて。。。
大洲には、懐かしい感じの街並みが残っていて良かったです。
最近は、整備され過ぎた生活館の無い街並みが増えてしまい残念です。
いかにも観光地と言った感じなのは、いまひとつですね。
もう少し、観光地だけではなく、地元の街並みや商店街にも足を運ぶような旅人が増えると良いですね。
旅猫
-
- 墨水さん 2020/11/21 20:39:11
- やる気の問題。
- 旅猫さん、今晩は。
木造建築・・・・。
「伝統的建築物群保存地域」に指定されれば、国から「お金が落ちて来て。」見たいな・・・・方式を期待してるからこうなのよ。
指定されるのは、かなり難しい。
町興しをやらないと・・・。
大金つぎ込むのは不可能だけど・・。(笑)
PCとカメラ位は買って、観光PR動画をweb上に展開していく努力が必要ですね。
日田市の例えがあるし、宣伝の努力をしていかないと・・・。
地方は疲弊してるけど、努力はしていかないと・・・。
年居りが気が付かないんだよね。
資源原資は有るのに、活用できていない、惜しむべし、悲しむべきかな。
墨水。
- 旅猫さん からの返信 2020/11/21 22:57:42
- RE: やる気の問題。
- 墨水さん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
重伝建に指定されるのはかなり難しいですよね。
多くの街は、点々と古い民家が残っているだけですからね。
若い人が戻ってきてテコ入れをやっている街は、結構よくなったりしていますね。
やはり、お年寄りだけでは気力も技術も無いですからね。
せっかくまだ残っているのに、残念ですね。
旅猫
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