2017/08/13 - 2017/08/13
1位(同エリア51件中)
エンリケさん
この旅行記のスケジュール
もっと見る
閉じる
この旅行記スケジュールを元に
2017年夏休みのオランダ旅行4日目後半。
オランダ南部の中心都市マーストリヒトからのベルギー・ワロン地方への日帰り旅を続行。
ムーズ川が造った渓谷に開けた風光明媚な街ディナンの観光を終え、次はムーズ川とサンブル川の結節点にある街ナミュールへ。
両川に挟まれたところにあるこの街の名所、シタデル(城砦)に登ると、そこから見えるナミュールの街並みは、目の前のサンブル川や、背後に広がる緑の自然と調和して素晴らしいの一言。
旧市街では象徴主義の画家の独特な美術館、ロップス美術館なども見て回り、異国にいながら異国感を味わえたベルギーへのショートトリップとなりました。
<旅程表>
2017年
8月10日(木) 成田→台北→
8月11日(金) →アムステルダム→デン・ハーグ
→デルフト→デン・ハーグ
8月12日(土) デン・ハーグ→アイントホーフェン
→マーストリヒト
〇8月13日(日) マーストリヒト→リエージュ→ナミュール
→ディナン→ナミュール→リエージュ
→マーストリヒト
8月14日(月) マーストリヒト→アーヘン→アムステルダム
8月15日(火) アムステルダム→ザーンセ・スカンス
→アムステルダム
8月16日(水) アムステルダム→
8月17日(木) →台北→成田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- チャイナエアライン
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
8月13日(日)
13時50分、ベルギー・ワロン地方のムーズ川のほとりに開けた渓谷の街ディナンの観光を終了。
次の目的地ナミュールに向かう前に、もう一度、切り立った断崖と、その前に立ち並ぶおもちゃのような建物群をパチリ。シタデル 自然・景勝地
-
さらに各国の国旗が掲げられたシャルル・ド・ゴール橋もパチリ。
何度見ても素晴らしい景色だけに、去り難いですね。ノートルダム教会 寺院・教会
-
そんな中でも、ナミュールへと向かう列車の時刻が近づいているので、思いを断って駅への道を急ぎます。
その途中にあったのは、“REVOLUTION”と書かれた、ディナン名物の派手なサックス。
よく見ると、チェコの国名と、“05.01.1968”、“21.08.1968”という日付も刻まれており、どうやら1968年に起こったチェコの変革運動、“プラハの春”を表している模様。
中国やクロアチアのように、単純に国旗の色をあしらったサックス(前回旅行記参照)もあれば、このように、その国にまつわる歴史上の出来事を題材としたサックスもあり、国の表し方はいろいろとあるものですね。 -
そんな賑やかな仕掛けに引っ掛かりながらもディナン駅に到着。
観光客を楽しませる仕掛けがあちこちにあるディナンにしては、こちらはいたって普通の駅舎。 -
そしてすでに到着していた列車に乗り込みナミュールへ。
14時10分、定刻通りの出発です。
(乗車券はマーストリヒトからの往復切符のため、ディナン駅での購入は不要) -
列車は行きと同様、豊かな緑とムーズ川の流れを車窓に映しながら、渓谷を進んでいきます。
-
14時40分、街が見えてきました。
ナミュール駅までもう少しです。 -
そして14時42分、列車はナミュール駅に到着。
往路に一度訪れていたので、観光スポットが集中する旧市街へは徒歩でさっと移動。
ただ、旧市街は細い道が多く、中心部は道が入り組んでいて、迷路のような感じ。
気を付けないと道に迷ってしまいます・・・。
そんな中、14時55分、いかにも由緒あり気な建物を発見。
見上げてみると・・・。 -
立派なファサードを構えた、教会らしき建物が。
そう、17世紀に建造されたバロック様式のイエズス会の教会、“聖ルー教会”(Eglise Saint-Loup)です。聖ルー教会 寺院・教会
-
扉が開いていたので早速中に入ってみます(入場無料、寄附歓迎)。
するとそこには、細かに彫刻されたライムイエローの天井が輝く、何とも壮麗な空間が・・・。
さすがは16世紀から17世紀にかけて世界を股にかけて活動し、権勢を誇ったイエズス会の教会です。 -
側廊の天井やマリア像も見事。
-
こちらの一角にある凝った彫刻が施された木造の施設は懺悔室でしょうか。
-
こちらの聖ルー教会、開館しているのは不定期とのことですが、折良く開館時間に当たり、壮麗な内部をじっくり見学することができました。
さて、お次は・・・。 -
15時10分、狭い路地を進んだところに、“Musée”(美術館)と書かれた、3階建てのこじんまりとした建物を発見。
この街出身の象徴主義の画家、“フェリシアン・ロップス”(Félicien Rops、1833-98年)の美術館です。
【ロップス美術館HP】
http://musee-rops-collection.opacweb.fr/fr/accueilロプス美術館 博物館・美術館・ギャラリー
-
どこか裏道のカフェのような感じで、“一見さんお断り”のような雰囲気を感じるところですが、ここは意を決して入館(常設展3ユーロ+特別展2ユーロ=5ユーロ、約670円)。
入ってみると、意外と観覧者が多く、どうやら穴場の美術館のよう・・・。 -
まず象徴主義の画家の作品を集めた特別展となっている1階(地上階)から作品を見ていきます。
こちらはスイスの画家アルベール・トラッセル(Albert Trachsel、1863-1929年)の“波”(La Vague、1902年)。
19世紀後半に主流であった印象主義(印象派)とは一線を画した作品となっていますね。 -
続いてはスイスの画家、フェリックス・ヴァロットン(Félix Edouard Vallotton,1865-1925年)の“泉”(La Source、1897年)。
絵画技法的には、ゴーギャンなどの“後期印象派”に近い作風となっていますが、表現されている世界観は象徴主義に近いもの。
後期印象派から象徴主義への過渡期にある作品と言えるでしょうか。 -
同じくフェリックス・ヴァロットンの“後姿の小さなヌード”(Petite Figure nue de dos、1907年)。
時代が進んでかなり象徴主義の傾向が増してきましたね。 -
こちらもスイスの画家、シャルル=クロ・オルソマー(Charles-Clos Olsommer、1883-1966年)の“眠る女性”(Femme endormie、1915年)。
明るい色を多用した独特の作風ですね。 -
続いて上階に上がると、後はすべてロップスの作品群。
彼の作品は版画やパステル画など、小さいものが多いのが特徴です。 -
そのフェリシアン・ロップスの作品群のうち、いくつかをご紹介。
こちらは“スフィンクス”(Le Sphinx、1879年)。
ロップスは1864年、31歳の時に象徴主義の詩人、ボードレール(Charles-Pierre Baudelaire、1821-67年)と出会い、大きな影響を受けたと言います。 -
次はロップスの作品の中でも最も有名な作品、“ポルノクラート”(娼婦政治家、Pornocrates、1878年)。
我欲に眩んだ政治家を、目の見えない娼婦になぞらえて皮肉っている作品で、裸の娼婦と彼女が連れている豚の下には“彫刻”、“音楽”、“詩”、“絵画”と書かれた擬人像があり、娼婦と豚は、高尚なこれらの芸術を解せず、踏みにじっているというもの。
わたしがこの美術館を訪れたのとほぼ同時期に、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにも銅版画の同じ作品(1896年版)が来ていました。
【Bunkamura ザ・ミュージアム ベルギー奇想の系譜~ポルノクラート】
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_belgium/column3.html -
こちらは“口論”(L'Attrapade、1877年)という作品。
象徴主義が苦手な方でも馴染みやすい、毒っ気のない普通の作品に見えますね。 -
“舞台裏”(Dans les coulisses、1878-80年)と題された、パステルと水彩を組み合わせた作品。
悪魔(サタン)の格好をした男性が、服を脱ぐ女性を見ているというシュールな作品です。 -
“舞台裏”と似た構図の“シャワー”(La douche、1878-81年)という作品。
こちらも退廃的な雰囲気の漂う作品となっています。 -
“人形を持つ女性”(La Dame au pantin、1885年)。
この絵画、胸のはだけた女性が右手に高く掲げている人形にばかり着目してしまいますが、よく見ると左手には血まみれの短剣が。
そして腹を裂かれた人形からは金貨のようなものが。
絵画の主役たる女性と、人形に擬人化された男性との関係を窺わせる作品です。 -
最後は“仮面舞踏会”(Masques Parisiens、1889年)という作品。
白黒の素描になっているところが、この作品の不気味さを一層引き立てますね。 -
まだまだ独特の作品はたくさんあるのですが、きりがないのでこのあたりで作品の紹介を終了。
こじんまりとした美術館のわりには案外と観覧者が多く、大部分は女性でしたが熱心に見入っている男性もちらほらいて、コアな人気を誇る美術館のようでした。 -
最後に中庭に降りてきてみると、規則的な配列の黒い球体の向こうにある家の壁にも、女性の裸体を描いたロップスの絵が。
まさにロップス尽くしの美術館。
・・・以上をもってロップス美術館の見学を終了。
時刻は15時50分。所要時間は40分ほどで、やや急ぎ足での作品鑑賞でした。 -
続いて16時、シタデルへと渡るサンブル川に架かる橋の袂にある考古学博物館にやってきました。
年季が入ったルネサンス・スタイルの建物は16世紀のもので、かつては肉屋のギルドの建物だったとのこと。ナミュール考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
-
この考古学博物館、入ってみると、観光案内所のようにもなっていて、受付の女性が親切にも、シタデルの登り方などいろいろ教えてくれます。
博物館自体も入場無料とのことで、少し覗いてみると、1階、2階の各フロアには、この辺りで発掘された1~7世紀の古代ローマ帝国からフランク王国(メロヴィング朝)時代にかけての品々が。 -
床に何気なく置かれていたこちらは、ガリア・ローマ(ガロ・ローマ)時代のモザイク。
ナミュールはムーズ川とサンブル川が交わる交通の要衝として、かなり古くからガリア人(ケルト人)が居住しており、紀元前1世紀のカエサルによるガリア征服(BC58-BC51年)の後はローマ人が定住し、ローマ化が進んでいったと言います。 -
そのほか、かなりの数の土器やガラス細工も。
意外と精巧なかたちをしています。
右上にはネコの姿をかたどったものもありますね。 -
こちらは古代ローマ時代の人々の生活の様子を表わしたものでしょうか。
ヨーロッパでは古代ローマ文明が及んだ地域とそうでない地域で一種の差別意識があるそうで(かつての英首相チャーチルは、ドイツは英国と違ってローマ文明が及ばなかったということで、馬鹿にしていたとか)、こうした展示をすることは、“この地域にはローマ文明が及んだ”ということを示し、一種のステータスを作り出しているのでしょうかね・・・。 -
16時20分、あっさりと考古学博物館の見学を終え、次こそシタデルに登ろうとしますが、道の反対側を見ると、何やら賑やかな雰囲気。
-
少し立ち寄ってみると、この日は日曜日ということもあってか、フリーマーケットか何かのイベントが開催されているようでした。
ちなみに正面の建物の背後に見えるのは、ユネスコの世界遺産に登録された“ベルギーとフランスの鐘楼群”(Beffrois de Belgique et de France)のひとつ、“聖ジャック塔”(Tour St-Jacques)。
1388年に建造された、高さ20mの重厚な円形の塔となっています。
しかしこのナミュール、駅前などはほとんど人がなく、いるとしても浮浪者が目立っていて不気味な感じがしたのに、ここに来てようやく楽しそうな街の姿に出会えた感じです。 -
そして今度こそ、旧市街との間を流れるサンブル川の向こうに見えるシタデルへ。
現在残る城砦は、17世紀、太陽王ルイ14世(在位:1643-1715年)のフランス軍が、当時スペイン・ハプスブルク家(アブスブルゴ家)の統治下にあったナミュールの街を陥落させた後(1692年のナミュール包囲戦)、フランスの築城家ヴォーバンの設計により築かれたもの。
いかにも堅牢そうな城砦です。城砦 (シタデル) 建造物
-
先ほど見学した考古学博物館(旧肉屋のギルド会館)を後に、サンブル川に架かる橋を渡っていきます。
ちなみにここからでも世界遺産の鐘楼がよく見えますね。 -
橋から見える旧市街の建物群はこんな感じ。
川との境がほとんどなく、川端から垂直に建っているような感じですが、水量が増えて浸水することはないのでしょうか??? -
シタデルの入口にあった案内図。
城砦自体は無料で登ることができますが、ビジターセンター(歴史博物館)や地下通路(ガイドツアーのみ見学可)など、ところどころ有料施設があるようです。
【シタデルHP】
https://citadelle.namur.be/en -
16時30分、橋から続く坂道を登り、とりあえず見晴らしのいいところまでやってきました。
ここから北側の旧市街方向に目を向けると・・・なるほど素晴らしい眺め。 -
天気も良く、気候も暑すぎずちょうどよくて、気持ちがいいことこの上ないですね。
-
反対側を見ると、緑の芝生の上にあったのは、金ピカのカメの像。
川が近いので、このシタデルの守り神という位置づけでしょうか。 -
16時45分、シタデルの東側、ムーズ川のある新市街方面をパチリ。
サンブル川よりも川幅があり、こちらの方が開けている感じがしますね。 -
16時50分、北側の旧市街を、もう少し高いところからパチリ。
うーむ、やはり新市街よりも旧市街の方が、“ヨーロッパの街並み”という感じで絵になりますね。 -
場所を変えて旧市街をもう一度、パチリ。
断崖の街ディナンに引き続き、ナミュールでも天気に恵まれて素晴らしい写真を残すことができました。 -
17時、少しシタデル内を探検しようと奥の方へ行ってみようとしますが、これが行けども行けども目印になるようなものがなく、そのうち足が疲れてきて、引き返すことに。
周りを見ると、歩いたり走ったりしているのは運動をしているらしい人ばかりだし、やはり天才築城家のヴォーバンが造った要塞、生半可な気持ちでは攻略できませんね・・・。 -
シタデルから帰る途中に見つけた解説板。
このシタデル攻めに関わったフランスの太陽王ルイ14世やらオラニエ公兼イングランド王のウィリアム3世やらが描かれています。 -
こちら(左側)はこのシタデルの設計に携わったフランスの築城家、ヴォーバン(Sébastien Le Prestre, Seigneur de Vauban、1633-1707年)ですね。
-
17時10分、日も傾いてきたし、そろそろ空腹を満たしてマーストリヒトに戻る準備をしなければならないので、このあたりでシタデルを降りることにします。
-
食事をする前に、もう1箇所、ナミュールで見ておきたい場所があったので、旧市街の中を急いで歩いて行きます。
-
その場所はナミュール古典美術館(Musée des Arts Anciens du Namurois)。
中世やルネサンス期から伝わる彫刻や絵画、銅細工などのこの街の秘宝を展示しているとのことですが、17時30分、たどり着いてみると、閉館までまだ30分あるというのに、この日の入場は打ち止めとのこと・・・。
“翌日はこの街を去ってしまい見に来れないので少しだけでも見せてほしい”と受付の学生っぽい若い男性にお願いしてみましたが、“今日はもう入場できない”の一点張り。
わたしが気落ちしていると、気の毒に思ったのか、英語のパンフレットと絵葉書4枚を記念にプレゼントしてくれました。
少しでも入館料を稼いで、閉館時間の18時になったら追い出せばいいだけなのに、と思うのは日本人的発想でしょうかね・・・。 -
パンフレットと絵葉書だけでは悔しかったので(笑)、18世紀の貴族の館を利用しているという美術館の本館をパチリ。
2階しかないので、30分もあれば、日本人の忙しい観光スタイルではざっとは見て回れそうですが、こちらの人にとっては邪道なのでしょうね・・・。ナミュール古典美術館 文化・芸術・歴史
-
それに、こんな街の宝物もあるし、防犯対策から言っても、閉館間際の気の抜けそうな時間帯に新たに人を呼び込むのは、好ましいことではないのでしょうかね。
ちなみに、古典美術館のHPを見るとバーチャルツアーのページが充実。
これなら時間切れで入場できなかった悔しさを紛らわせそうです(笑)。
【ナミュール古典美術館HP】
https://www.museedesartsanciens.be/?l=en
【ナミュール古典美術館バーチャルツアー】
https://www.museedesartsanciens.be/visite-virtuelle
なお、この美術館で最も有名なのは、修道士で金細工師でもあったユーゴー・ドワニー(Hugo d’Oignies、1187以前-1240年)の、13世紀製作の宝物。
【ボードゥアン王財団HP~The Treasure of Oignies】
https://www.heritage-kbf.be/collection/treasure-oignies
彼とその弟子が製作した黄金の福音書カバー、聖餐杯、聖遺物箱は、ベルギー7大秘宝のひとつに数えられるのだとか。
*ベルギー7大秘宝
①ブルージュ メムリンク美術館の“聖ウルスラの聖遺物箱”(1489年)
②ゲント 聖バーフ大聖堂宝物室のファン・アイク兄弟の祭壇画“神秘の子羊”(1432年)
③トゥルネー ノートルダム大聖堂宝物室のニコラ・ド・ヴェルダン製作“聖母マリアの聖遺物箱”(1205年)
④ブリュッセル 王立美術館のピーテル・ブリューゲルの絵画(模写?)“イカロスの墜落”(1560年代)
⑤アントワープ ノートルダム大聖堂のルーベンスの祭壇画“キリストの降架”(1611-14年)
⑥ナミュール 古典美術館のユーゴー・ドワニー製作“福音書カバー”(1228-30年)、“聖餐杯”(1228年)、“聖遺物箱”(1260年)
⑦リエージュ 聖バルテルミー教会のレニエ・ド・ユイ製作“真鍮の洗礼盤”(1118年) -
さて、古典美術館に入れなかったので、代わりに旧市街をぶらぶら。
臙脂色の壁が特徴的なこちらの建物は、聖ジョゼフ教会(Eglise Saint-Joseph)。
思いもかけず興味を惹く建物に出会えることも、街歩きの楽しみのひとつです。 -
こちらはナミュールの市庁舎。
石造りの立派な建物ですが、一部工事中なのが残念なところではありますね。 -
せっかく時間ができたことだし、午前中訪れた時にミサの最中で入れなかった聖オーバン大聖堂(Cathédrale Saint-Aubain)にもリベンジ。
入口に近づくと、寄附目当ての2人の物乞いが扉を開けてくれます・・・。聖オーバン大聖堂 (ディオセザン博物館) 寺院・教会
-
中に入ってみると、先ほど見学した聖ルー教会とはまたひと味違う、壮麗で素晴らしい空間。
こちらは巨大なドームが付いており、その天窓からは神々しい光が聖堂内に射し込んでいます。 -
17時50分、せっかく美食の国ベルギーに来たことだし、お腹もだいぶ空いていたので、マーストリヒトに戻る前に、ここらで早めの夕食。
まだ時間帯が早いのか、それとも日曜日のせいか、開いている飲食店が少ない中、先ほど見た聖ルー教会近くの路地で店探しをしていると、オープンテラスのイタリア料理店でお兄さんが呼び込みをしていたので、このお店に決定。
後で調べてみたら、オートマルセル通り(Rue Haute Marcelle)の“San Marino”というお店でした。
【Tripadviser~San Marino】
https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g188663-d2279312-Reviews-San_Marino-Namur_The_Ardennes_Wallonia.html -
まずはベルギーに来たなら当然、ということでビール。
日本でも有名な“CIMAY”と思って注文したら、出てきたのは“CINEY”のビール(3.5ユーロ=約470円)。
ベルギーの地図を見ると、ディナンの近くに“CINEY”という地名は間違いなくあるし、全くのニセモノと言うわけではなさそうでしたが、“CIMAY”が飲めると思って期待しすぎていただけに、ちょっと残念な味だったかな・・・。 -
メインはトマトソースとモッツァレラチーズのパスタジェノベーゼ(10.5ユーロ=約1,400円)。
こちらも味付けが濃すぎて食傷気味・・・だったかな?
昔ベルギーを旅行したときに食べた美味しいパスタ料理の記憶があっただけに、今回の料理は今一つ・・・といったところでしょうか。
【ベルギー・フランドル紀行(4) アントワープの学生街での夕食】
https://4travel.jp/travelogue/10454082#photo_link_18951222
しかし、せっかく美食の国に来たのだから、お店は空いていて手軽そうなところを安易に選ぶのではなく、ちゃんと調べてから行くべきでしたね。
お店のお兄さんは食後酒としてアプリコットをサービスしてくれるなど(チップ目当て?)、おもてなしはそこそこだったのですが・・・。 -
夕食をとっているうちに19時近くなり、列車の時刻も迫ってきたので、このあたりでナミュール旧市街に別れを告げ、駅に戻ることにします。
食事や古典美術館など、最後の方で少し残念なところはありましたが、シタデルからの素晴らしい景色を眺めることができたし、象徴主義の独特の美術館も見学することができたなど、それなりに楽しめたナミュール観光だったのではないでしょうか。 -
旧市街中心部に比べ人が少なく、浮浪者が目立つ不気味な雰囲気の駅前の道を足早に通り抜け、ナミュール駅に到着。
そして19時29分発の列車でリエージュ・ギユマン駅へ。ナミュール駅 駅
-
帰りの列車でも、お馴染みの検札員による検札の手続き。
ベルギー国鉄の列車は、乗車するたびに必ず検札員が回ってきて、不正乗車ができない仕組みになっています。 -
窓の外を見ると、静かな流れのムーズ川にも陰りが。
20時近くなり、だいぶ日が落ちてきました。 -
20時18分、リエージュ・ギユマン駅に到着。
往路と同様、次の列車まで1時間近く接続時間があるので、駅の外に出て周辺をお散歩。 -
20時30分、リエージュの街を南北に流れるムーズ川のほとりまでやってきました。
辺りはだいぶ日が陰ってきて、夕暮れの静かな雰囲気・・・。 -
ムーズ川の下流方面にはリエージュの旧市街が。
列車の接続時間が1時間近くあると言っても、さすがに向こうまでは行けそうにありません・・・。 -
橋の上から見るムーズ川。
時折見える人影は、散歩をしている人や、ジョギングをしている人くらい。
ここでしばらく、夕暮れの静かな景色を眺めながらぼーっとして過ごし、20時50分になったところで駅へ戻ります。 -
21時、うっすらとライトアップされたリエージュ・ギユマン駅に戻ってきました。
本当に、最新鋭のサッカースタジアムのような駅ですね。リエージュ ギマン駅 現代・近代建築
-
この、宇宙船だか水生生物のような曲線を描くサンティアゴ・カラトラバのデザイン。
この少ない利用人数でこれだけの駅が造れてしまうとは、なんとも贅沢な駅ですね。 -
駅構内もあちこちうねるような曲線が見られ、どこまでもデザイン性が高い駅です。
-
こんな奇抜な駅舎、日本にもひとつくらいは欲しいところですね。
-
そして21時10分発の列車でマーストリヒトへ戻ります。
さすがにこの時間帯、ベルギー・オランダ間の国境越えということもあって、乗客数は少なく、人がほとんどいない車両は不気味な雰囲気が漂います。
わたし自身、一人で座っていたら、突然現れた黒人女性から聴き取れない言語でいきなり話しかけられ、少しコワい思いをしました。
こういうこともあるので、治安がそれほど良くない国の列車では、乗車時にまともな身なりの乗客を手早く見つけ、その近くに固まって座るのが安全策です。 -
21時42分、乗車中にすっかり空が暗くなったオランダ側のマーストリヒト駅に到着。
ホームを歩いている人影を見ると、どうやら女性の一人客も乗っていたようですね。マーストリヒト駅 駅
-
駅の外に出てみると、窓に施されたステンドグラスが内部からの光で浮かび上がっていて、何ともきれい・・・。
こんな仕掛け、日中は全く気が付きませんでしたね。
【涼しきオランダ・ベルギーの夏(3) 日中のマーストリヒト駅】
https://4travel.jp/travelogue/11643073#photo_link_67175799 -
22時、駅を出て、宿への途中にある、ムーズ川改めマース川に架かる聖セルファース橋へ。
ここから南の上流方面を望むと、ライトアップされた人道橋(ホーヘ橋)が。 -
22時15分、宿への道を遠回りして、人道橋にも行ってみます。
そしてその橋上から、北側にある聖セルファース橋をパチリ。
前日見たよりも闇が濃いですが、マーストリヒトの象徴たるマース川沿いの街並みの、ライトアップ写真を収めることができました。
さて、隣国ベルギーへの一日旅行はこれにて終了。
翌日はこれまた隣国ドイツのアーヘンへ、世界遺産第一号の“皇帝の大聖堂”を見に行きます!
(オランダ旅行5日目~アーヘン観光に続く。)聖セルファース橋 建造物
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2020/10/18 17:00:42
- 無事のお帰り
- エンリケさん、こんにちは(*^▽^*)
「シタデル」「旧市街」「鐘楼」などの言葉が並び、その響きだけで美しいヨーロッパの街並みが浮かんでくるようです。
先日NHKの「世界街歩き」を見ていた時、ヨーロッパのあまり有名ではない所でしたが、コロナ禍では旅情を大いにかきたてられます。
聖オーバン大聖堂内に差し込む天窓からの光、神々しいです。独特な空気感が漂う「大聖堂」という所へ、私はどれくらい訪れていないんだろう?
サッカースタジアムのようなデザインの駅も、仰るように日本に一つくらい欲しいですよね(#^^#)
ライトアップされた人道橋も美しく、ヨーロッパには魅力的な橋が多いと改めて思いました。
お帰りの車内、少々怖い想いをなさったようで、ご無事で何よりです!
町子
- エンリケさん からの返信 2020/10/19 23:01:24
- コロナ下での旅への思い
- 川岸 町子さん
こんばんは。ナミュール旅行記にご訪問ありがとうございます。
> 「シタデル」「旧市街」「鐘楼」などの言葉が並び、その響きだけで美しいヨーロッパの街並みが浮かんでくるようです。
> 先日NHKの「世界街歩き」を見ていた時、ヨーロッパのあまり有名ではない所でしたが、コロナ禍では旅情を大いにかきたてられます。
まさしくコロナ禍で海外に行けないからこそ、当たり前のように思っていたヨーロッパの旅が恋しくなるというものですね。
こうしてあの頃を思い出しながら旅行記を書いている時間が案外と楽しく、これまでよりも多く写真を載せてしまったりします(笑)。
> サッカースタジアムのようなデザインの駅も、仰るように日本に一つくらい欲しいですよね(#^^#)
ヨーロッパの公共建築物はその街の誇りになるなら費用度外視みたいなところがありますよね。
逆に言えば日本がケチケチしてせせこましいだけかもしれませんが。
> お帰りの車内、少々怖い想いをなさったようで、ご無事で何よりです!
本当に。向こうでは日本と同じ感覚で公共交通を利用すると痛い目に遭いますよね・・・。
コロナ禍で経済状態が悪くなって、公共交通の利用に一層注意が必要になるというようなことにならなければよいのですが・・・。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
もっと見る
ナミュール(ベルギー) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
78