2019/07/09 - 2019/07/10
7位(同エリア121件中)
かっちんさん
コシヒカリが美味しい魚沼市の山深い奥地にある「栃尾又(とちおまた)温泉」。
奈良時代に開湯したという、1250年以上の歴史ある栃尾又のラジウム温泉は、30℃~37℃で自然湧出しています。かけ流しのぬるい温泉の入浴方法は「長湯」です。
奥只見湖・銀山平の玄関口となっている「大湯温泉」、ここから佐梨川と湯の沢川を遡り山深い溪谷に3軒の宿が寄り添う「栃尾又温泉」があります。
静かに佇む宿は、湯治の宿「神風館(じんぷうかん)」、見晴らしのいい「宝巌堂(ほうがんどう)」、日本秘湯を守る会の「自在館(じざいかん)」など、個性が溢れています。
湯治場の面影をいまだに残す温泉地は、ぬるま湯の温度と質を守るため源泉近くに共同浴場が3ヶ所つくられ、宿泊者であれば入浴できます。
共同浴場は、「自在館」に「したの湯」、屋外に「うえの湯」「おくの湯」があります。
今晩泊まる秘湯の宿「自在館」は、江戸時代初頭に創業したと伝えられ、400年の歴史があります。
ここでは共同浴場だけでなく貸切露天風呂・内風呂もあり、湯治にも相応しい一汁六菜や岩魚の炭火焼など山の幸の夕食が味わえます。
本館の隣には、約100年前から変わらぬ風情を残す「大正棟」の客室が今でも使われており、1階には雪除けの雁木(がんぎ)を設けられ、湯治の通路になっています。
「自在館」の裏には子宝祈願の「薬師堂」、子持ち杉、夫婦欅などがあり、山深さを感じます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・栃尾又温泉「自在館」HPと資料、「宝厳堂」HP
・山の温泉ガイド「栃尾又温泉」
・魚沼市「魚沼市有温泉等施設再編計画」、平成26年3月
・岐阜聖徳学園大学サイト「昆虫図鑑:トンボ目」
・山下薬草店「十薬と呼ばれる万能薬ドクダミ」
・ウィキペディア「観音菩薩」「アキアカネ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
トトロのネコバスがやって来そうな「バス待合所」(栃尾又)
「栃尾又温泉」へのアクセスは、JR上越線小出駅から路線バス(南越後観光バス、420円)が走っています。
「自在館」では宿の送迎バス(事前予約制)が1日1本あり、上越新幹線「浦佐駅」を13:20に出発します。 -
「栃尾又温泉」の案内図
湯の沢川沿いの「栃尾又温泉」に、3軒の宿(神風館、宝厳堂、自在館)があります。
宿泊者は各旅館の浴室だけでなく、栃尾又温泉センター(現在の「うえの湯・おくの湯」)にも入浴できます。
今晩の宿は「自在館」。本館の向かいに「大正棟」と呼ばれる木造3階建の客室もあります。
近くには子宝祈願の「薬師堂」、子持ち杉、夫婦欅などがあります。 -
栃尾又温泉「自在館」
かっちん夫婦は宿の送迎バス(無料)を利用し、浦佐駅前から30分ほど到着します。
「自在館の本館」が右側の建物、渡り廊下の先(左側)に見えませんが「大正棟」があります。 -
渡り廊下に続く「大正棟」(自在館)
築100年の大正時代に建てられた歴史ある湯治棟です。 -
イチオシ
栃尾又温泉「自在館」
屋号の名前は、昔、湯治に訪れた旅の尼僧より般若心経の冒頭に書かれている「観自在菩薩」の名から「自在館」とするように勧められたことに由来しています。
「観自在菩薩」はよく言われる「観音様(観音菩薩)」のことです。 -
乾燥させているドクダミの葉と茎(玄関前)
ドクダミは三大薬草のひとつで、煎じて飲むと利尿作用、動脈硬化の予防、解熱や解毒などの効果があると言われています。
ロビーにはドクダミ茶が用意されています。 -
壁に浮かび上がる「観音様」(帳場の隣)
自在館のシンボルマークになっている「観音様」。
思わず手を合わせてしまいます。 -
百年前の時計(帳場の隣)
-
囲炉裏でくつろげる「薬草庵」(自在館)
-
各階のご案内(自在館)
客室はB1F・2F・3Fと大正棟。
ロビー・食堂・野草庵は1F。
貸切露天風呂・貸切風呂と「したの湯」はB1F。
屋外に「うえの湯」と「おくの湯」があります。 -
渡り廊下(自在館)
では、大正棟の見学に行きます。 -
渡り廊下を通り大正棟へ(自在館)
-
絨毯廊下の2階(大正棟)
歴代の館主とお客様の想いが詰まっている大正棟。
廊下の窓側には欄干、その外側にガラス戸がはめられています。 -
板廊下の3階(大正棟)
館内の設えは、ほぼ当時の姿を残しています。
洗面なしの和室が並びます。 -
建物を見守ってきた「福助」くん(大正棟)
-
イチオシ
ガラス戸に囲まれる木造3階建て(大正棟)
天気のいい日はガラス戸を戸袋に収納して開け放し、風通しします。
1階には雁木(がんぎ、雪除け屋根)と呼ばれる通路があります。 -
ここにもドクダミ干し(大正棟)
-
「ガラス戸と戸袋」の風景(大正棟)
ガラス戸を開けても内側に欄干があるので危なくないです。 -
大きな「かんじき」(大正棟)
以前は「小出警察署巡回連絡所」にもなっていたのですね。 -
雪国の知恵「雁木」(大正棟)
雨や雪の日はこの通路を通って、「うえの湯」「おくの湯」へ行けます。 -
豪雪地帯に耐えてきた旅館(大正棟)
-
板張りの建物(大正棟)
-
大杉の中に佇む「栃尾又薬師堂」
自在館の裏は山深さを感じます。 -
イチオシ
「栃尾又の大杉」
樹齢400年を超える太い幹の大杉が佇んでいます。 -
「栃尾又薬師堂」
宝永2年の棟札が堂内にある大変古い薬師様。
本来、病を癒すのが薬師様ですが、この薬師様は「子授け」も聞き入れています。
5月7・8日、11月7・8日にはご開帳され、お経があがります。 -
「栃尾又の子持ち杉」
この子持ち杉をまたぎ、次に・・・ -
「栃尾又の夫婦欅」
(次に)「夫婦欅」をくぐると子供が授かると言い伝えられています。 -
「栃尾又の同体欅」
-
共同浴場「うえの湯・おくの湯」(栃尾又温泉)
この2つのお風呂は栃尾又温泉3宿の共同浴場です。
「栃尾又温泉センター」は昭和59年(1984)に開設し、平成12年(2000)に新館を増築。
その後、紆余曲折を経て、現在は日帰り温泉をやめ宿泊者専用になっており、「うえの湯」と平成27(2015)に併設された「おくの湯」が男女入替制で入浴できます。
「うえの湯」は、自在館にある「したの湯」と同じ源泉です。 -
裏にまわると「栃尾又温泉センター」の看板(栃尾又温泉)
こちらからは入れません。 -
「オカトラノオ」(栃尾又温泉)
付近を散策しています。 -
トンボ「アキアカネ」かな(栃尾又温泉)
-
この先は林道(栃尾又温泉)
林道には行かず、戻ります。 -
3宿の分岐点(大正棟)
大正棟の片側入口に、自在館(本館)、神風館、宝厳堂それぞれへ分かれる場所があります。
共同浴場は「うえの湯・おくの湯」だけでなく、自在館(本館)にも「したの湯」があるので、湯治客はここを通ります。 -
「宝厳堂」への道
階段を上がり「宝厳堂」へ向かいます。 -
高台にある「宝厳堂」
部屋は7室で、こじんまりとしています。
ソファに座って景色を味わえる部屋、懐かしいちゃぶ台のある部屋、窓に腰をおろしてのんびり外を眺められる部屋など、こだわりを楽しめる宿です。 -
「宝厳堂」の坂道
この坂道を下ると栃尾又バス停へ出られます。 -
2つ並ぶ「オカトラノオ」(栃尾又)
-
紫色の「クガイソウ」(栃尾又)
-
「ヤブカンゾウ」(栃尾又)
-
清流「湯の沢川」(栃尾又)
自在館の下を流れています。 -
お風呂の案内(自在館)
自在館に戻り、これからお風呂に入ります。
大浴場は屋外の「うえの湯」と自在館の「したの湯」。
自在館には、貸切露天「うけづの湯」、貸切風呂「たぬきの湯」「うさぎの湯」もあります。 -
貸切風呂の予約表(自在館)
3つの貸切風呂に入るには、まず予約表の空いている時間に名前を記入します。
時間になったら、下のしゃもじに付いている鍵を持って浴室へ向かいます。
入浴時間は40分間。
では、今から貸切風呂三昧です。 -
イチオシ
最初に貸切露天「うけづの湯」(自在館)
「うけづ」は対岸の山の名です。
外の景色を見ながらゆっくり浸かります。 -
貸切内湯「うさぎの湯」の入口(自在館)
-
貸切内湯「うさぎの湯」(自在館)
窓を開けると湯の沢川が見られます。 -
貸切内湯「たぬきの湯」(自在館)
石造りのお風呂です。
「したの湯」は翌日(男性の日)入ります。撮影禁止のお風呂なので紹介はパス。 -
1階のロビー(自在館)
お風呂の後や、食事の前後にくつろげるところです。 -
昔の週刊少年漫画雑誌(ロビー)
懐かしいです。 -
イチオシ
レコードプレーヤーと岬めぐり(ロビー)
昭和49年(1974)にリリースされた山本コウタローとウィークエンドの「岬めぐり」を聴きます。
当時のかっちんはまだ学生時代。
北海道の尾岱沼、知床岬などを旅していると、町の中からこのメロディーが流れていました。 -
思い出のレコードがいっぱい(ロビー)
好きな曲のレコードが自由に聴けます。 -
イチオシ
岩魚の塩焼き(夕食)
夕食は18:00から。
炭火で2時間かけて焼いている岩魚の塩焼きなので、骨まで食べられます。
夕食会場は個室が用意されています。 -
一汁六菜コース(夕食)
大根菜ときのこのもちきび和え、夏野菜の酢のもの、豆乳蒸し、虹鱒のお造り、岩魚の炭火焼きなどが並びます。 -
鶏肉と野菜の黒酢あん(夕食)
-
魚沼産コシヒカリ(夕食)
ご飯は美味しくて、おかわりします。
汁は豚汁。 -
デザート(夕食)
コーヒーゼリーと巨峰、グレープフルーツ。
山の幸の並ぶ夕食に満足しました。 -
朝食は昔ながらの和食
-
ここにしかない栃尾又温泉の「ラジウム納豆」(朝食)
新潟県内の大粒大豆が丸一日栃尾又のラジウム温泉に湯治して納豆になっています。
朝食後、1.4kmほど離れた大湯温泉まで散歩に出かけます。
宿の帰りの送迎は12:00出発なので、十分時間があります。
素朴な栃尾又温泉は長湯しながら湯治気分を味わうことができます。
次は紅葉か新緑の季節に、訪れたいと思います。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
かっちんさんの関連旅行記
奥只見・大湯温泉(新潟) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
58