京都観光旅行　その5　京都国立博物館~旧五条楽園～建仁寺～長楽館～晴明神社

2020/07/24 - 2020/07/29

7月24日～29日の6日間、京都旅行に行ってきました。
ほぼ10年ぶりの京都訪問です。駅近くのホテルに連泊してあちこち歩き回ってきました。
新型コロナの感染拡大も心配でしたが、観光スポットには予想以上に客が少なかったので安心して楽しむことができました。
旅行記その5は七条通の京都国立博物館から北上して丸山公園の長楽館まで歩きます。時間が余ったのでバスで堀川通まで移動して晴明神社にお参りしました。
博物館、神社仏閣、遊郭地帯跡、陰陽師の神社等々、バラエティに富んだ観光コースになりました。

エリア 京都

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日も元気に観光へ出かけます。
京都駅とは反対方向、鴨川沿いに向かって歩きます。昨日も歩きましたが、この辺りはなかなか個性的な住宅がしぶとく残っています。

ゴミ捨て場のゴミが散乱してちょっと臭かったりします。

高瀬川に沿って進み、線路をくぐります。

川岸の公園を抜けると鴨川にでます。

七条通まで北上します。このあたりは崇神地区ですね。

三ッ梅稲荷大神というお稲荷様が祀られていました。下の掲示には賽銭泥棒が多すぎるので賽銭は受け付けないと書いてあります。

周囲にはきれいなマンションも立っているのですが、まだ少し昔の面影を残す家も残っています。

七条大橋を渡って普通の観光エリアに入ります。
カフェ・アマゾンという喫茶店で朝食をとります。

変に気取ったところのない、落ち着いた店内が良いですね。

モーニングの玉子サンド。美味です。
飲み物はアイスコーヒーにしました。こだわりコーヒーにミルクとシロップをたっぷり入れて飲みます。とても美味しかったです。

こちらはトースト。
滅多に喫茶店に入らないので新鮮な経験でした。
トーストというのは大変美味な料理でした。

博物館のオープン時間まで少し時間があったので喫茶店の周囲の路地を当てもなくぶらぶらします。

お地蔵様が祀ってあります。

ここにも別のお地蔵様。
京都はお地蔵様がおおいですね。庚申塔やお稲荷様は少ない気がします。

京都国立博物館に来ました。

ロダン「考える人」と明治古都館（旧 帝国京都博物館　本館）。明治古都館は現在、免震改修他の基本計画を進めるため、展示は行っていません。

平成知新館に初めて入りました。2013年8月竣工のきれいな建物です。「西国三十三所 草創1300年記念 特別展　聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」という展示会が行われていました。迫力のある仏像を間近で見られてかなり満足です。

重要文化財に指定されている正門。

博物館の裏にある豊国神社にきました。

豊臣秀吉公を祀る神社です。

境内には馬印の千成瓢箪にちなんでか、瓢箪が栽培されていました。

唐門の北にある槇本稲荷神社。

社の中にたくさんの赤い提灯が掲げられていてきれいです。

さらに奥に進むと方広寺の鐘楼があります。

天所にきれいな絵が描かれています。これはもともと伏見城の女性の化粧室の天井画が移築されたものです。

この鐘が有名な大阪冬の陣のきっかけになったものでした。問題の銘文を探したのですが小さくてよくわかりませんでした。

豊国神社から鴨川方面に進むと左手に耳塚があります。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に、武功の成果として耳、鼻を持ち帰らせた物を弔った塚ですね。

まつ山というそば屋さんでお昼ごはんにします。
店構えがいい感じです。

店内もこちらがイメージする昭和のそば屋そのままです。

値段も大変リーズナブル。
「志っぽく」と「けいらん」が気になります。どんな麺料理なのでしょう？

注文したのはにしんそば
甘く煮たニシンが口の中でホロホロとくずれていきます。
絶品でした。

妻は冷やし中華。
こちらもオーソドックスな味付けで安定した美味しさ。
タクシードライバーさんが利用しそうなお店だと話しているところに、実際それらしいお客さんが入ってきました。

食後の観光開始です。
正面橋という橋で鴨川を渡ります。

次の観光スポット、五條楽園エリアに来ました。
ちょっと煤けてますがおしゃれな作りの洋館があります。

ここが山内任天堂（任天堂旧本社屋）です。

玄関の横にドライエリアらしき場所があります。塀で囲われている内部をのぞくととてもきれいなタイルが敷かれていました。どうやら泰山タイルというもののようです。
この建物はホテルとしてリノベーションが進んでいるそうです。きっと素晴らしいホテルになるでしょう。

狭い路地をブラブラ歩きながら高瀬川沿いまでやって来ました。
いい感じの銭湯があります。

木製の引き戸が懐かしいです。

この辺りは古い建築の再利用が進んでいるようです。

番地表示の看板もレトロな雰囲気です。

お茶屋本家三友の建物。

五條楽園とは京都最大の色街だったエリアです。

こちらは懐石料理のお店になっている建物。

和風建築だけでなく、カフェー建築の名残らしきタイル壁や丸窓も散見されます。

五条楽園の中心的な建物、五条会館。

五條製作所というお店のようです。こちらもカフェー建築の再利用ですね。

源融 河原院跡。
立て看板と邸宅の森の名残といわれている榎があるだけです。

源氏物語をちゃんと読んだことがないのでいまいちわかりませんが、源融は百人一首で読みました。
陸奥の　しのぶもぢずり　誰故に　みだれ初めにし　我ならなくに
歴史と古典の知識を総動員しないと京都観光は満喫できません。

五条大橋を渡ります。
牛若丸と弁慶の像がありました。

橋のたもとの公園に扇塚というものがありました。
平安時代初期、この地で初めて扇が作られたとのこと。

京都の夏の風物詩、鴨川納涼床。
新型コロナの影響をもろに受けていることでしょう。

五条通りから大和大路通りに入ります。

細い路地の先に何かあるようです。

小さい祠がありました。

どんな神様なのかはよくわかりませんが、いかにも京都らしい祠でした。

補陀洛山 六波羅蜜寺に到着

口から南無阿弥陀仏を出している空也像で有名なお寺ですが、今回はチラッと境内を見るだけで寺を後にします。

六波羅密寺の北、松原通りとのＴ字路に建つ西福寺に入ります。

空海が地蔵堂を建てたのがこのお寺の始まりといわれています。
子育地蔵で有名です。

境内にはたくさんのお地蔵様が祀られています。

六道絵という寺宝も所蔵しているそうです。またこのお寺の向かいには幽霊子育飴を売っているお店もありました。

次は六道珍皇寺を目指して歩きます。
途中になんだかいい感じのスーパーがありました。

買い物はしませんでしたが、外からちょっと眺めて先に進みます。

六道珍皇寺に到着。
小野篁が冥界に通ったと伝わる井戸で知られるお寺です。

「迎え鐘」壁から出ている綱を引っ張って金を鳴らします。亡者がそのひびきに応じてこの世に呼びよせられるといわれているそうです。

平安時代の埋葬地だったこのあたりが六道の辻と呼ばれ、この世とあの世の境目と考えられてきました。

本堂背後の庭内にある「小野篁冥土通いの井戸」。
ここからあの世へ行き来していたそうな。
このお寺には他にも閻魔堂があって、迫力の閻魔様の像が祀られています。
いかにも魔界スポット的なお寺でした。

続いて建仁寺を観光します。臨済宗建仁寺派の大本山です。

建仁寺 勅使門の横の通用口から入りました。入るとすぐに左にすすむ通路があったのでまずはそちらに行ってみます。

別のお寺に来てしまいました。建仁寺の塔頭寺院である禅居庵というところのようです。

摩利支天を祀る寺なので、境内には摩利支天の乗り物である猪の像がたくさんあります。このお寺は前回の京都旅行でも訪れたようです。狛イノシシに見覚えがありました。

建仁寺に戻りました。

とても広い境内です。

お寺の内部に入ります。このお寺は写真撮影がすべてＯＫでした。

禅宗っぽい襖絵がいっぱいあります。

中庭もすっきりしています。
観光客が少ないので落ち着いて眺めることができました。

新しい作家さんの作品もありました。すごくきれいな染色の作品でした。

潮音庭という枯山水の庭。
渡り廊下と書院に囲まれた方形の小さな庭ですが、なかなかの見ごたえです。

風神雷神図
本物は京都国立博物館にあるそうです。

スリッパをはいて法堂に行きます。

法堂の天井画「双龍図」。
平成１４年に建仁寺創建８００年を記念して小泉淳作画伯が制作したもの。

畳１０８畳分もある壮大な水墨画です。
すごい迫力の龍でした。

建仁寺を北門から出て、次は安井金比羅宮へ向かいます。

あらゆる悪い縁を切り、良縁を結ぶ、パワースポットとして有名なところらしいですね。若い女性がたくさん来ていました。

そのまま北へ抜けます。縁切り・縁結び神社の鳥居の隣にラブホテルの看板というのが、なんだかすごくご利益がありそうで良いです。

石塀小路に入ります。

いかにも京都らしい路地が残っていますね。

有名な観光スポットと聞いていたのですが、だれにも会いません。

石塀小路から少し外れた路地に入りました。
三面大黒天とあります。特に興味が湧かなかったので、そのまま通り抜けてねねの道に出ました。

大雲院 祇園閣 (銅閣)の変わった屋根が見えてきました。

丸山公園の入り口近くにある長楽館へやってきました。

明治42年に煙草王・村井吉兵衛によって建てられた迎賓館です。

前回の京都旅行の時に入りそびれた建物の一つです。
もう10年近く前のことになります。

満を持して入店します。中は歴史的な建造物をそのまま利用したオシャレなカフェになっています。
2階の喫煙の間という部屋に案内されました。扉にはステンドグラス、床はイスラム風タイル、調度品は中国風。全体的にはとても落ち着いた雰囲気が漂う部屋です。

当時喫煙時に使われた螺鈿の椅子（京都市指定有形文化財）。

飲み物が来るまで部屋の周りをウロウロして屋内を鑑賞させてもらいます。

1階の装飾が特に華麗です。

ベランダのタイルも上品です。

暖炉の装飾。
明治時代の名建築は細部まで美しく、見飽きることがありません。

飲み物がやってきました。
私はサングリア。たくさんのフルーツが混ざり合ったさわやかな味です。
スペインやポルトガルで飲んだものより手が込んでいます。

妻はケーキセット。
お上品な味のケーキでした。
スタッフの方に後で館内を見学しても良いか聞くと、大丈夫ですと許可がいただけました。

というわけで、お茶が済んだら館内探検に出かけます。
各部屋ごとに装飾が全然違います。

手すりの曲線がいいですね。

皇族や元勲、国賓など多数が滞在したというだけあって、見ごたえ満点の建物です。

1階のロビー。
映画のセットみたいですが、全部本物です。

素晴らしい近代建築の中で優雅なティータイムを過ごせました。
もう少しだけ観光します。

八坂神社の中を通ります。

祇園祭も中止になって、ここも静かでした。

祇園 バス停から西に向かってバス移動です。

晴明神社にやってきました。

陰陽師の安倍晴明をお祀りした神社です。

映画で一躍有名になった安倍晴明ですので、参拝客もパワースポット巡りの人が多いと思います。

一条戻橋のたもとにあった晴明の屋敷跡だった場所だそうです。

一の鳥居の社号額に五芒星の社紋があったり、月があったり、いかにも陰陽師っぽい雰囲気がいいですね。

妖怪変化やら幽霊やらオカルトやらが大好きな私にとっては、かなり貴重なスポットです。

陰陽師が映画になったのも随分前の事になりました。一時のブームは過ぎ去ったのか、境内は閑散としていました。

五芒星提灯。

さりげなく北斗七星。

ここには隣接して千利休の屋敷もあったそうです。

雨脚が強くなり辺りが薄暗くなってきました。
ますます陰陽師的異界感が出てきました。
今回の旅行ではなかなか良いタイミングで雨が降ってくれます。

ついでに一条戻り橋ものぞいていきます。
平安期に活躍していた漢学者・三善清行（みよしきよつら）が亡くなり、彼を納めた棺がこの橋を通るとき息子の嘆きを聞いて息を吹き返したんだとか。

源頼光の四天王の一人、渡辺綱はこの橋で鬼女と出逢い、名刀・髭切りの太刀で鬼女の腕を切り落としたそうな。昨日観光した宇治にあった橋姫神社に祀られている橋姫のもう一つの伝承ですね。

さらに安倍晴明は家来の式神をこの橋の下に住まわせていたんだとか。
いまでも街路樹に囲まれて薄暗い、何かいそうな橋の下です。

不思議な伝承がてんこ盛りの一条戻り橋でした。
本日の観光はこれで終了です。バスで京都駅まで戻ります。

一日中歩き回っていたので、夕食を食べる場所を探すのも面倒になってきました。
駅前にあるなか卯でさっさと済ませてしまいます。
かつ丼と天ぷらそば。すごくおいしかったです。

こちらはステーキ丼。ちょと肉が薄くて固かったですが、なかなか美味しかったです。
明日はいよいよ最終日、観光できるのもあと半日です。