猛暑の奈良へちょっと早めの夏休み☆今井町編☆1日目前半

2020/08/02 - 2020/08/02

毎年秋ごろに行く奈良へのお墓参り、新型コロナウイルスが気がかりで急きょ早めることにしました。キャンセルした夏の海外旅行代わりと、1泊して奈良でゆっくり過ごすことに。長く続いた梅雨もやっと明け夏本番！暑い中カフェで休憩～とついつい立ち寄りながらの散策となりました(^-^;

主な日程はこちら↓
8/2(日)今井町の城下町を散策～ならまち～奈良ホテル泊
8/3(月)お墓参り～興福寺～県庁屋上広場～東大寺～春日大社～ならまち⇒帰宅

午前中は橿原市今井町の町並みを見学、午後は宿泊する奈良市へ移動しました。小さい町ですが見どころも多く、歴史を感じながらの散策となりました。橿原市と奈良市で前半と後半に分けて旅行記を作成しました。

エリア 橿原(奈良)

休日ですが列車内での蜜を避けるべく、念の為早めに出発。
大和西大寺駅で乗り換え荷物を預け、八木西口駅に到着しました。

飛鳥川にかかる蘇武橋を渡ると、

正面には推定樹齢420年にもなるエノキの大木。

案内板もあり、MAPと見所が紹介されています。
橿原市今井町は戦国時代に称念寺を中心に発展した寺内町。東西600m、南北310mの範囲内に約500件の伝統的建造物があります。全国の中で最も多く、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

江戸時代そのままの情緒と風情を残す町、今井町に到着です。
朝も早い時間のせいか、通りを歩く人も少ないです。

まず初めに「今井まちなみ交流センター華甍」へ。明治36年に高市郡教育博物館として建設、昭和4年から30年間役場として利用されていました。歴史を感じる美しい外観ですね。

現在は今井町の資料館、また観光案内所としても利用されています。

重要文化財に登録されている施設が、8件案内されています。
見学料や予約が必要な家もあるので、事前に確認した方が良いです。

館内の資料室を一通り見学します。
重要文化財に指定されている家の立体模型、構造がよくわかります。

町の歴史を紹介する資料と、町並みを再現したジオラマの展示室です。

江戸末期から明治初めの様子が再現されています。ジオラマ模型はとても精巧で、当時の町並みの雰囲気を感じることができました。

今井町の誕生から年表、町の構造について詳しく紹介されています。
今井町は織田信長との戦いを守り抜いたことで自治権が与えられました。その後、「海の堺 陸の今井」と呼ばれる商業都市として発展、江戸時代には独自の紙幣「今井札」を流通させ、「大和の金は今井に七分」といわれる繁栄ぶりだったそうです。

「高木家住宅」
交流センターへ行く途中、家の案内板を読んでいると、係の方から声をかけられました。予定になかったのですが、戻って見学しました。(有料）

江戸時代は酒造業などを営み、19世紀初頭頃に建てられました。右側が入口ですが、左側には大名貸のための入口を備え、武士が直接お座敷に上がれる構造になっています。

中に入ると通り抜けできる土間になっていて、奥まった所にかまどがあります。外観から想像できないほど高い吹き抜けの天井に、思わず見上げてしまいました。

お座敷に上がり見学します。左下には本物の火縄銃、右隣には夜の茶会に欠かせない灯具「短檠」が置かれ、とても貴重な品とのこと。 また、鏡台や簪などの生活用具、百人一首やすごろくも展示されていました。

下：火縄銃、右上：短檠、左上：簪
初めて見る用具も多く当時の暮らしや文化を垣間見ることが出来ました。

行燈の上に天皇陛下(当時は皇太子)の写真と新聞記事が飾られています。

今井町を訪問された際、休憩で使用されたとのことで、他の皇室の方々も来られているそうです。

一番奥にある大名を通すための書院造のお座敷、ここで陛下が休憩されました。武家以外は認められなかった書院造の部屋が、江戸末期になると認められるようになり、今井町では高木家のみとのことでした。係の方の説明も丁寧で、貴重な展示品を見ることが出来きて良かったです。

中町筋生活広場

防災小屋、また休憩施設として開放しています。

「河合家」
18世紀中頃(築約280年)建設、酒造業を営み蔵造りの外観が印象的です。

江戸時代の面影を残す町並みを散策しながら、次の家へ向かいます。

「旧米谷家住宅」
18世紀中頃の建物で、重要文化財に指定される住宅の中で唯一、住居として使用せず一般公開しています。金物商や肥料商を行なっていた商家ですが、平面構造をとり、煙返しがあるなど農家風の造りが特徴的です。

部屋には装飾などなく、先程見学した高木家と比べ簡素な佇まいです。広々とした造りの内部は雰囲気も良く、CMや映画のロケによく使用されているそうです。

奥の裏庭には立派な蔵と蔵前座敷(蔵の扉の前にある部屋のことで、ご隠居が蔵の番を兼ねて暮らしていた)があります。中には上がれず外から眺めるだけなので、見学もあっという間に終了です。

再び散策開始～♪江戸時代にタイムスリップしたかのような町並みが続きます。家の中から声が聞こえることもあり、人々の生活が息づいている様子がうかがえました。

小さい敷地の中に見所が多く詰まっています。同じような建物が並ぶのでちょっと迷ったり、ゆっくり散策していると結構時間が経っていました。

「上田家住宅」
1744年頃建設、主屋は1802年に再建されたとのことです。西に入口がある珍しい建築様式となっています。上田家は今西家、尾崎家と並び今井町惣年寄を務めていました。

称念寺
今井町発展の中核的存在だった浄土真宗の寺院。江戸時代初頭に建立された本堂は、重要文化財に指定されています。明治10年、神武天皇陵へ参拝された明治天皇が宿泊されました。中に入ると改修工事中でしたが、蓮が花を咲かせて綺麗でした。

「春日神社」境内にはご本殿や絵馬堂、拝殿(写真)があります。
常福寺の鎮守社として創建(年代不明)、明治の廃仏毀釈運動の影響で廃寺になったそうで、境内には旧常福寺の観音堂などが残されています。
御朱印を頂きに後で戻るつもりが忘れてしまいました(>_<)

「今西家住宅」
今西家は惣年寄の筆頭で、町の自治権自治権が委ねられていました。1615年(慶長20年)大坂夏の陣で豊臣勢より今井町の西口を守ったことで、郡山城主松平忠明から「今西」の名を賜り、河合から改名しました。

住宅は1650年(慶安3年)に建設されました。西から攻めてくる敵を威嚇するため、京都の二条城を思わせる城郭のような外観の建築になっています。

事前予約が必要で、前日に11時で予約しました(有料)。
建物は「八つ棟造り」とも言われ、江戸時代でもそう多くはない建築様式でした。以前は中に上がることができたのですが、盗難等の被害が相次ぎ、現在は土間からの見学のみとのことでした。残念です。。

左手には織田信長が下賜した日本刀が展示(さやのみ)してあります。日本刀は、もともと上杉謙信からもらったものだそうです。

江戸時代、今井町でのもめごとや事件などは、今西家で罪人の処罰が行われ、広い土間で裁きが言い渡されたとのことでした。テレビで見るお奉行所と同じで、地面に対して座敷を高く作ってあります。

右：「燻し牢」がある2階への階段。白状しない者を閉じ込めお仕置きをする部屋となっていました。
左：商家の玄関脇には牛や馬を繋ぐ金具「駒つなぎ」が取り付けられ、各家デザインも異なります。
下：手前が「なかのま」、奥が「なんど」、なんど前にある敷居「帳台構え」は、日本最古ともいわれています。

高い天井には建物を支える立派な梁が３本並んでいます。奥2本が建設当時の物、手前の梁は近年の修復で新しく取り替えられました。が、阪神淡路大震災の時、大きなヒビが入ったのは新しい梁の方でした。昔の時代の方が、耐久性に優れた木が使われていることに驚きました。

南側には、橿原神宮・文華殿の庭園を作庭した森 蘊氏が手掛けた枯山水庭園。立ち入り禁止の止め石が日本庭園にとけ込み、風情があります。
当時の暮らし以外に、実際に隣で居住されているので、規制や管理など苦労話も色々と聞けて興味深かったです。

「農家のオーベルジュ こもれび」
夜はフレンチなので、お野菜中心のヘルシーランチは希望にピッタリ。
2日程前に電話で予約をしました。

店内は築100年以上の町屋を改装したとのことで、レトロな雰囲気が残っています。ディナーは予約制で、蔵に宿泊もできるようです。

他のお客さんと距離が保てるよう座席も配置され、コロナ対策もきちんとされ安心です。

1番人気のデザートとドリンク付「花籠ランチ」を注文。
煮込みハンバーグ、野菜の天ぷら、煮物など新鮮なお野菜が沢山入ってボリューム満点(*^^*)ヘルシーで優しいお味でした。デザートはチョコレートケーキと桃のコンポート、プチサイズで食べすぎず良かったです。

こじんまりした町内に、カフェやレストランが軒を連ねています。江戸情緒を感じながら、町家めぐりを楽しむことができ、訪れて良かったです♪

再び八木西口駅から大和西大寺駅へ。
荷物を受け取り、奈良へ向かいます。続きは奈良市編をご覧ください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

この旅行記へのコメント （2）

• KIKIさん 2020/11/09 09:48:08

  ありがとうございます。

  Sahra様
  この度は拙い旅行記に（いいね）を戴き有難うございます。
  
  長男が2年ほど前から大和西大寺に住んでいるので　長女、孫連れて年に2回ほど滞在しておりますが、孫が小さい為中々じっくり観光まで出来なくて。
  
  ご紹介戴いた今井町　落ち着いた良い街並みですね。
  次回是非訪問したいです。
  先日　秋の特別公開ということで御独り様大人の遠足　大和西大寺駅近くの海龍寺の国宝十一面観音にお参りに行ってきました。小さいながら良いお貌、立ち姿でした。

  Sahraさん からの返信 2020/11/10 19:35:25

  RE: ありがとうございます。

  KIKI様　
  はじめまして、こんばんは。
  こちらこそ旅行記ご覧いただきありがとうございます。
  
  奈良にお墓があるため、お参りで毎年訪れます。
  また、正倉院展やお寺や神社など、観光で行くこともありますが、
  いつも日帰りで宿泊するのは初めてでした。
  
  ゆっくりと滞在でき、街を散策していると、
  古い歴史をもつ奈良の素晴らしさを、改めて実感しました。
  
  KIKI様の旅行記、ホテルでの滞在や食事のことが、
  詳しく紹介されていてとても参考になりました。
  また次回、奈良で滞在する際に行ってみたいです。
  
  Sahra