2018/06/02 - 2018/06/02
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この旅行記のスケジュール
2018/06/02
この旅行記スケジュールを元に
ナポリ滞在3日目。今日は、昨日、行ったポンペイでの出土品を保存、展示している考古学博物館、カポディモンテ美術館
(Museo e Real Bosco di Capodimonte)、さらに、王宮を訪問。
3日目もボリュームが多いので、この旅行記では、考古学博物館に絞ります。ここでは、ローマ時代のモザイクの展示が素晴らしい。こんなに一堂にローマ時代のモザイクが見れるのは、世界でここだけではないでしょうか?ポンペイ遺跡に行ったら、ここにも是非、立ち寄ってほしい。旅行記の表紙の絵がモザイクでできているなんて、絵の具で描くより上手いのではと思ってしまう。
カポディモンテ美術館の旅行記はいつものごとく、美術館シリーズとして、旅行記を別にします。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ホテルから地下鉄に乗り、国立考古学博物館の最寄りの地下鉄駅「Museo」で降りる。写真は駅にある像。博物館にあるもののコピー。
-
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
入り口のフロアーの中央にある石像。国立考古学博物館 (ナポリ) 博物館・美術館・ギャラリー
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国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
ここから2階に上がるとこの博物館のメインであるポンペイからの出土品のオリジナルが展示されている。一旦、右に曲がり、1階にある石像から見学していきます。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Caracalla AD212-217
カラカラ帝。ローマ時代の暴君のひとり。弟のゲタ帝を殺害した。本名はルキウス・セプティミウス・バッシアヌスだけど、渾名でカラカラ(ガリア地方のフード付きチュニックのこと)と呼ばれる。最後は、用を足しているときに、近衛兵に刺殺されるというあっけないもの。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
The so-called Seated Agrippina
Romana reworking, 1st century AD, from a Greek original of classic period
ファルネーゼ家のコレクションの中で疑いもなく最も有名な彫刻。
ギリシャ時代の彫刻をもとに、ローマ人により再作製されたもの。1世紀。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Antinous-Bacchus
ローマ時代のもの、2世紀。
アンティノウス(c111- 130)は、ローマ皇帝ハドリアヌスの愛人として寵愛を受けた男性。死亡したのは18歳位と推定され、ナイル川で溺死したことは分かっているものの、その状況については謎に包まれている。ハドリアヌスにより神格化されたことから多数の芸術作品に表現され、彼の顔は古代でよく知られていた。
ここではローマ神話のワインの神として表現されている。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
The so-called Flora Maior
ローマ時代のもの、2世紀。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Hercules at rest
Roman copy, end 2nd-early 3rd centuries AD,from a Greek original of second half 4th century BC
これが駅にあったもののオリジナル。紀元前4世紀後半のギリシャ彫刻をもとに、ローマ人により2世紀末~3世紀初頭に作成されたもの。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
The Farnese Bull
ギリシャ神話。リュコスの前妻アンティオペーはエポーペウスに穢され、リュコスに追い出された後にゼウスに愛されて、双子のゼートスとアムピーオーンを産み捨てた。しかしリュコスの後妻ディルケーはアンティオペーとリュコスの関係を疑い、アンティオペーを捕らえた。捕らわれたアンティオペーはディルケーに虐待されたが、あるとき牢から逃げ出し、その子供たちのところに来て助けを求めた。その女性が自分の母親と知ると、ゼートスとアムピーオーンはリュコスとディルケーを殺し王位を奪い返した。このとき、ディルケーは牡牛の角に縛り付けられて殺されたとされる。
その暴れる牡牛の角にディルケーを繋げるシーン。
クロアチアのプーラに同じ場面を描いたモザイクがある。
(参考まで)
↓↓↓↓↓
https://4travel.jp/travelogue/11625316 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
The Farnese Bull
「ファルネーゼのブル」。
ファルネーゼ家が所有していたことから付いた通称名。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Amazon on horseback
紀元前2世紀に作られたギリシャ彫刻のコピー。2世紀。
アマゾーンはギリシア神話に登場する女性だけの部族。神話上では軍神アレースとニュンペーのハルモニアーを祖とする部族で、当時のギリシア人にとっては北方の未開の地カウカソス、スキュティア、トラーキア北方などの黒海沿岸に住んでいた。黒海はかつてアマゾン海と呼ばれていたこともある。アマゾーンは黒海沿岸の他、アナトリア(小アジア)や北アフリカに住んでいた、実在した母系部族をギリシア人が誇張した姿と考えられている。
以下は神話上における描写である。
アマゾーンは馬を飼い慣らし戦闘を得意とする狩猟民族だったと言われる。最初に馬を飼い慣らしたともいわれ、騎馬民族であったようだ。アマゾーンは弓の他に、槍や斧、スキタイ風の半月型の盾で武装した騎士として、ギリシア神話中多くの戦闘に参加している。後のヘレニズム時代にはディオニューソスもアマゾーン征伐の主人公となっている。基本的に女性のみで構成された狩猟部族であり、子を産むときは他部族の男性のもとに行き交わった。男児が生まれた場合は殺すか、障害を負わせて奴隷とするか、あるいは父親のもとに引き渡し、女児のみを後継者として育てたという。(wikiより)
おそらく黒海付近に実在した部族をもとに神話になっているんだろうなと思う。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
ディオニュソスとエロス
Dionysus and Eros
2世紀。
ディオニュソスはギリシア神話に登場する豊穣とブドウ酒と酩酊の神。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Eros with dolphin
2世紀
イルカにしては胴体が細く長く、エロスの体に巻き付いている。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Artemide Efesia
Artemis of Ephesus
2世紀
エフェソスのアルテミス。
黒いところは銅製で19世紀に修復されたところ。
アルテミスは、豊穣の女神。沢山の乳房が目を引くが、いろんなところに動物の彫刻も施されている。エフェソス(現在のトルコのエーゲ海沿いにある町)のアルテミス神殿にある似たような彫像があり、こちらの方が有名。多分、これはそのコピー。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Artemide Efesia
Artemis of Ephesus
2世紀 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
Testa colossale di cavallo
cosi detta Testa Carafa
Bronzo, 1456-1466
Donatello(1386-1466)
ルネサンス初期のドナテッロの作品。15世紀の作品を見て新しいなあと感じてしまうところで、すでに、感覚が麻痺している。15世紀も十分古い。
ギリシャ時代、ローマ時代以降の中世は美術史においては暗黒の時代と呼ばれ、西洋では美術が衰退した時期。キリスト教の偶像崇拝禁止が影響しているのだろうか。それとも、西ヨーロッパに侵入した(ローマ人にとっての)異民族は美術に興味がなかったのだろうか。その時代の目立ったものが残っていない。イタリアで起こったルネッサンスが始まるまで待つしかなかった。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
statue of Athena
so-called Farnese Athena
ファルネーゼ家のアテナ。
1世紀。ローマ人による複製、元は紀元前5世紀のギリシャ。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
(ジュピターを模した)アウグストゥスの像
1世紀半ば。エルコラーノ遺跡。 -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli -
国立考古学博物館
Museo Archeologico Nazionale di Napoli
2階に上がります。さてメインのモザイクです。 -
Nano e gallo
Area vesuviana
ドワーフとオンドリ
ペスバニア地域(噴火したペスバニア山近郊。)
※パネルはイタリア語のみの説明。音声ガイドは日本語あり。しかし、内容はさすがに覚えていない。ここではそのイタリア語の説明だけを記載しておきます。 -
Combattimenti di galli
Collezione Santangelo
闘鶏
サンタンジェロコレクション -
Pantera con simboli dionisiaci
Collezione Santangelo
ディオニュソスのシンボルとパンサー
サンタンジェロコレクション
この時代、ポンペイ遺跡〈秘儀荘〉にもあったがディオニュソス教という密教が流行った。 -
Le tre grazie
Pompei, Casa di Apollo (VI,7,23) parele del giardino
三美神。ポンペイ。
このテーマは、はるか時代を越えて、ルネサンス時代の画家達によってもよく描かれた。わずかに青色が足元に残っているので、本来ならば、色彩の豊かなものだったのでしょう。 -
"Cave Canem"
Pompei
猛犬注意の看板。ポンペイ。
ボスがカギを隠したところにあるモザイク。 -
Achille affronta Agamennone
Pompei, Casa di Apollo(VI,7,23)
アガメムノンに直面するアキレス
ポンペイ。 -
Sileno ebbro
Pompei Casa di Paquio Proculo(I,7,1)
※モザイクの内容と説明が一致していない? -
Riproduzione del pavimento in opus sectile del triclinio coperto della casa dell'Efebo(I,6,11) a Pompei. In essosono inserite quattro delle otto lastrine esagonali in pasta vitrea celeste provenienti dal triclinio della casa delle Vestali(VI,1,7)
-
(左から)
Scena dionisiaca in opus sectile
Pompei, Casa dei Capitelli Colorati(VII,4,31-51), tablino
Scena dionisiaca in opus sectile
Pompei, Casa dei Capitelli Colorati(VII,4,31-51), tablino
Venere che si siaccia il sandaio, in opus sectile
Pompei, (I,2,10), triclinio
Menade con tirso
Affresco da Ercolano
左の2つは、ディオニュソスの秘教の場面。踊っています。
オプス・セクティレ(Opus sectile)とは、大理石や真珠層、ガラスなどの材料を切って、壁や床にはめ込み、絵や模様を作る美術技法のことで、古代ローマ・中世ローマで流行した。切り分けられた材料は磨かれたうえ、決められた形に整形される。均一なピースを並べるオプス・テッセラトゥム(ギリシャ・ローマのモザイク技法)と違って、オプス・セクティレのピースは大きく、図案のパーツの輪郭に沿うよう切断・整形される。(wikiより) -
Pugile e gallo, in pasta vitrea
Area vesuviana
拳闘士(ボクサー)と雄鶏
ペスバニア地域 -
Nicchia di ninfeo, in pasta vitrea
Area vesuviana
ニッチェとは壁の半円上のくぼみのこと。絵の中で、空間の奥行きを表現する方法が見られる。キリスト教が浸透していくも、こうした技法はルネッサンスで再発見されるまで、宗教画に見られなくなり、平面的で構図も現実の世界とはかけ離れたものになる。何故、失われたのだろうと不思議に思う。 -
Frisso ed Elle, in pasta vitrea
Stabia, Villa di S. Marco
Frisso and Elle, in glass paste
Stabia, Villa of S. Marco (Stabiaはポンペイより南のある町)
「プリクソスとヘレー」
プリクソスは、ギリシア神話に登場する人物である。コルキス(現グルジア)の地に「金羊毛」をもたらした。これが後のイアーソーン率いるアルゴナウタイの物語につながる。ボイオーティアの王アタマースとネペレーの息子で、妹にヘレーがいる。
アタマースの後妻イーノーの企みによって、プリクソスはゼウスへの犠牲として殺されそうになるが、ネペレーがヘルメースから授かった金毛羊を連れて来たので、プリクソスはその背に乗ってヘレーとともに脱出する。一説には単にネペレーが金毛羊を2人に授けた、あるいはゼウスが2人に金毛羊を送った。しかしヘレーは途中で海に落ちて「ヘレースポントス」(ヘレーの海)、現在のダーダネルス海峡の名前の由来となった。(wikiより)
金毛羊に乗って逃げる途中に海に落ちたヘレーの場面。 -
Nicchia di ninfeo, in pasta vitrea
Ercolano, casa dello Scheletro(III,3)
Nymphaeum niche, in glass paste
Herculaneum, house of the Skeleton (III, 3) ※エルコラーノ遺跡
こちらは現実のニッチェに施されたペーストガラスの絵。 -
Frammento con Tritone, in pasta vitrea
Ercolano, casa dello Scheletro(III,3)
Fragment with Triton, in vitreous paste
Herculaneum, house of the Skeleton (III, 3) ※エルコラーノ遺跡
トリトンはギリシア神話に登場する海神。海神ポセイドーンとアムピトリーテーの息子。深淵よりの使者とされ、人間の上半身と魚の尾を持つ人魚のような姿で描かれるのが典型である。 -
Gruppo di divinita delle acque
Ercolano(?)
Group of divinities of the waters
Ercolano (?) ※エルコラーノ遺跡(?)
水が神聖化した者たち。 -
Frammento con Tritone, in pasta vitrea
Ercolano, Casa dello Scheletro(III,3)
Fragment with Triton, in vitreous paste
Herculaneum, house of the Skeleton (III, 3) ※エルコラーノ遺跡 -
Licurgo e Ambrosia al cospetto di Dioniso
Ercolano
Lycurgus and Ambrosia in the presence of Dionysus
Herculaneum ※エルコラーノ遺跡
邪悪な王リカーガス(左)が斧でニンフのアンブロシア(右)を倒すと、ディオニュソス(右上)は、彼女をブドウに変える。という場面らしい。 -
Dioniso con pantera, in pasta vitrea
Ercolano
Dionysus with panther, in glass paste
Herculaneum ※エルコラーノ遺跡
ディオニュソスとパンサー。(パンサーやテュルソスの杖は彼の象徴でともに描かれる。)ローマ時代に、ディオニュソスが多く描かれており、ディオニュソス教(密儀宗教)が人気があったことがうかがえる。その宗教儀式の手順を部屋の3面に大きく描かれたポンペイの秘儀荘Villa dei Misteriが町の外にあることも密儀宗教所以なのでしょう。 -
Colonne a mosaico, in pasta vitrea
Pompei, Casa delle Colonne a mosaico
Mosaic columns, in vitreous paste
Pompeii, House of mosaic columns
ポンペイで発掘されたモザイクのある柱。綺麗です。 -
Colonne a mosaico, in pasta vitrea
Pompei, Casa delle Colonne a mosaico
Mosaic columns, in vitreous paste
Pompeii, House of mosaic columns
隣の部屋に団体客がいて行きにくいのでしばらく時間つぶし。 -
Colombe che si abbeverano
Pompei, casa delle Colombe a mosaico(VIII,2,34)
Doves drinking
Pompeii, home of the mosaic doves (VIII, 2,34)
「水を飲む鳩たち」
写実的。周囲を囲む模様もパターン化されておらず、凝っている。 -
Leone e leopardo
Pompei, casa delle colombe a mosaico(VIII, 2,34)
Lion and leopard
Pompeii, home of the mosaic doves (VIII, 2,34)
「ライオンと豹」
豹を上から押さえつけているライオン。豹を押さえつけているライオンの爪から豹の血が流れている。後ろ脚の描写も力強い。おっと、豹のおちんちんまで小さく描写している(これもローマ時代の特徴かな。男根や性交の描写は子孫繁栄の願いを込めており、至るところに見られる。この旅行記ではカットするが、博物館の奥の一角にはそれらを集めたモザイクや彫像が置かれており、一瞬、ここはアダルトショップかと思ってしまう(いや、ただの美術品の陳列です。おそらく、そこは、団体のガイドツアーでは飛ばすだろうな。) -
Scheletro con askoi
Pompei
Skeleton with askos
Pompeii
ガイコツが持っている尿瓶の形をした容器をAscoi(イタリア語)、Askos(英語)という。 -
Centro di pavimento geometrico
Pompei, casa delle Colombe a mosaico(VIII, 2,34), tablino
Geometric floor center
Pompeii, house of the mosaic doves (VIII, 2,34), tablinum
幾何学模様の床の中央。四方には鳩が描かれている。同じ家から、3つ前の「水を飲む鳩たち」のモザイクも発掘されている。その家はやはり、「鳩のモザイクの家」と呼ばれている。鳩好きなんでしょう。
tablino(tablinum)=タブリナム -
Pernice su cesto con specchio
Pompei, Casa del Labirinto(VI,11,10), cubiccio
Partridge on basket with mirror
Pompeii, House of the Labyrinth (VI, 11.10), cubiccio
ウズラが籠の縁にとまり、中から鏡をつまんで取り出そうとしている。色使いもいいけど、鏡に自分が写っている細かい描写がいい。ポンペイの「迷宮の家」より。
cubiccio=クビクルム -
Lotta di galli tra le personificazioni della Vittoria e della Sconfitta
Pompei, Casa del Labirinto(VI,11,10), cubiccio
Cockfight between the personifications of Victory and Defeat
Pompeii, House of the Labyrinth (VI, 11.10), cubiccio
google翻訳では何のことか分からないが、擬人化した勝利と敗北の間での闘鶏?ポンペイの「迷宮の家」より。 -
Anatre
Pompei, Casa del Cinghiale(VIII,3,8)
Ducks
Pompeii, House of the Boar (VIII, 3,8)
あひるたち。ポンペイ「イノシシの家」より。 -
Sirena e Amorino
Collezione Farnese
Sirena and Amorino
Farnese collection(※ファルネーゼ家のコレクション)
セイレーンとアモリーノ(人魚と天使)
セイレーンはギリシア神話に登場する海の怪物である。上半身が人間の女性で、下半身は鳥の姿とされるが後世には魚の姿をしているとされた。海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。歌声に魅惑された挙句セイレーンに喰い殺された船人たちの骨は、島に山をなしたという。
中世以降は人魚として描かれるが、この時代は、半人半鳥の姿で描かれ、鳥の足が見てとれ、気味が悪い。笑い飯の「鳥人」の漫才を思い出す。
アモリーノ(天使)は、右上隅に描かれている。ちなみに、同名は、花びらの形で盛りつけてくれるイタリアンジェラートで有名なチェーン店。ヨーロッパの各都市にあるが、イタリアじゃなくフランス・パリが本店とは知らなかった。もうそろそろ日本に上陸するかな。 -
Poseidone e Anfitrite sul carro nuziale
Pompei, Casa del Granduca di Toscana(IX,2,27)
Poseidon and Amphitrite on the wedding chariot
Pompeii, House of the Grand Duke of Tuscany (IX, 2,27)
戦闘馬車で結婚パレードするポセイドンとアムピトリーテー。
半人半馬の引手が2つの笛を同時に口にくわえている?のが気になる。
この二人は、エルコラーノ遺跡の旅行記の表紙のモザイクの絵でも描かれている。 -
Pesci ed anatre
Pompei, casa del Granduca di Toscana(IX,2,27)
Fish and ducks
Pompeii, home of the Grand Duke of Tuscany (IX, 2,27)
魚の描写がいい。一瞬、モザイクであることを忘れる。 -
Scena di commedia:la consultanzione della fattucchiera
In alto: firma del mosaicista Dioscuride di Samo
Pompei, Villa cosidetta di Cicerne
Comedy scene: consultation of the sorceress
Above: signature of the mosaic artist Dioscuride di Samo
Pompeii, so-called Villa of Cicerne
女占い師がユーモアに描かれている。 -
Scena di commedia: musici ambulanti
In alto: firma del mosaicista Dioscuride di Samo
Pompei, Villa cosidetta di Cicerne
Comedy scene: itinerant musicians
Above: signature of the mosaic artist Dioscuride di Samo
Pompeii, so-called Villa of Cicerne
「メナンドロスの喜劇」
日本でいうとチンドン屋かな?(古!!)ここでも2つの笛を同時に口にくわえているおばさんが描かれている。この時代は同時に2つの笛を吹くのが当たり前なのかな。 -
Corego e attori
Pompei, Casa dell Poeta tragico(VI,8,3), tablino
Corego and actors
Pompeii, House of the tragic poet (VI, 8,3), tablinum
こちらも「悲劇詩人の家」から。また、2つの笛を同時に吹いている。 -
L'Accademia di Platone
Pompei, Villa di T.Siminius Stephanus
Plato's Academy
Pompeii, Villa of T. Siminius Stephanus
「プラトンのアカデミア」
プラトンは言わずと知れたギリシャの哲学者。 -
Memento mori
Pompei
「メメント・モリ」
ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」、「死を忘るなかれ」という意味の警句。 -
Uccelli che si abbeverano
S.Maria C. Vetere
Birds drinking
S.Maria C. Vetere
「水を飲む鳥たち」 -
Ritratto femminile
Pompei(VI,15,14), tablino
Female portrait
Pompeii (VI, 15.14), tablinum
「女性の肖像」
古代~中世にかけて、神話上の神々や皇帝、王をモチーフにした絵や彫刻はよくあるが、普通の人間をモチーフにしている点で珍しいと思う。高貴な立場の方だったのでしょうか。 -
Leone e Amorini tra Dionisio e Manadi
Pompei, Casa del Centauro(VI,9,3), triclinio
Leone and Amorini between Dionisio and Manadi
Pompeii, House of the Centaur(VI,9,3), triclinium
左にディオニュソス、右に「Manadi」(?)、2人の間の中央にライオンと下に天使が描かれている。 -
Fauna marina
Pompei
Marine life
Pompeii
「海の生物」
中央には伊勢海老に蛸が絡みついている。 -
Marina con pesci
Pompei, casa del Fauno(VI,12,2), triclinio
Marina with fish
Pompeii, house of the Faun (VI, 12,2), triclinium
海と魚。こちらも、中央には、伊勢海老に蛸が巻き付いている?
ポンペイの「ファウノの家」からの出土品を一堂に集めた2部屋が最も人気がある。「イッソスの戦い」があるためか、いつも混雑。 -
Dionisio fanciullo su tigre
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
triclinio
Dionysius boy on tiger
Pompeii, House of the Faun (VI, 12,2)
triclinium
「トラの上の少年ディオニュソス」
こちらのモザイクは再び、ディオニュソス。 -
Festone con maschera, foglie e frutta
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
soglia tra il secondo westibolo e l'altrio
Festoon with mask, leaves and fruit
Pompeii, House of the Faun (VI, 12,2)
threshold between the second westibulum and the other
中央のマスク部の拡大。 -
Gatto che azzanna un gallinaceo, anatre, uccelli, pescie conchiglie
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2) ala
Cat that bites a fowl, ducks, birds, fish shells
Pompeii, House of the Faun (VI, 12,2) wing
「家禽をかむ猫、カモ、鳥、貝」 -
Scena nilotica
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
soglia destra dell'esedra
Nilotic scene
Pompeii, House of the Faun (VI, 12,2)
right threshold of the exedra
「ナイル川流域の景色」
※3枚でセットで説明プレートではこれは右と記載されていたが、展示は位置的に左に置かれていた。のちに紹介する「イッソスの戦い」の床モザイクの近くにあったもの。 -
Scena nilotica
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
soglia centrale dell'esedra
Nilotic scene
Pompeii, House of the Faun (VI, 12,2)
central threshold of the exedra
「ナイル川流域の景色」
欠損部が多くて残念だけど。。。
※3枚でセットで説明プレートではこれは中央と記載されていたが、展示は位置的に右に置かれていた。 -
Scena nilotica
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
soglia sinistra dell'esedra
Nilotic scene
Pompeii, House of the Faun (VI,12,2)
left threshold of the exedra
「ナイル川流域の景色」
こちらは見ごたえのあるもの。
※3枚でセットで説明プレートではこれは左と記載されていたが、展示は位置的に中央に置かれていた。結論的には、これが中央だと思うので、説明プレートが間違いと思う。左右のパネルの大きさは同じだし。 -
Scena nilotica
Pompei, Casa del Fauno(VI,12,2)
soglia sinistra dell'esedra
Nilotic scene
Pompeii, House of the Faun (VI,12,2)
left threshold of the exedra
「ナイル川流域の景色」
中央拡大部。カバやワニが描かれている。カバもワニもイタリアにはいないので、やはり、実物を見た人間による製作なのでしょう。ちなみにナイル川のワニは1972年に一度絶滅している。 -
「ファウノ(ファヌウス)の家」の名前のもとになった踊るファヌウスの像。ファヌウスは牧羊神。ポンペイ遺跡にあるものはコピーです。近づいて撮影しているので大きく見えますが、実際のものは小さいです。
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「イッソスの戦い」
ギリシアの女流画家4世紀末の画家ピロクセノスの原画を前2世紀に模写したもの。縦3.42m、横5.92m。これほどにも大きなものにも関わらず描いたような精密な描写。食堂の床全面に設置されていた。
紀元前333年10月に起こったアルゲアス朝マケドニア王国およびコリントス同盟の連合軍とアケメネス朝ペルシアの戦いである。この戦いはアレクサンドロス大王の東方遠征中に生じた戦いの中で2番目に大きな戦いであり、マケドニアの軍はペルシャ軍を打ち負かした。左の騎馬の人物がアレクサンドロス大王、右で戦車に搭乗しているのがダレイオス3世。 -
「イッソスの戦い」
アレクサンドロス大王側が多く剥がれていて残念だけど、奇跡的にもアレクサンドロスの顔が確認できる。彼の槍がペルシャ兵の横腹に突き刺さっており、突進の勢いがうかがえる。ペルシア側の騎馬隊が窮屈に描かれているが、実際の戦いもそうだったようで、狭い場所だった為に自慢の騎馬隊が展開できていないところを突進された。 -
右部拡大、ペルシア側、ダレイオス3世。
-
ダレイオス3世の下に描かれている人物は女性?もしくは若い少年のようにも見える。この戦いで、ダレイオス3世自身は、敗走するも、彼の母、妻、子供は捕虜になった。落馬して倒れた兵の顔が盾の鏡に映って見えている。
-
さっきまで団体客でごった返していたのに、今は、誰もいなくなった・・・さっきまで他の見学者の邪魔にならないように、苦労して写真を撮っていたのが馬鹿みたい。
ファウノの像が小さい。 -
セイレーンの像。
-
Sostegni di tavolo a zampa leonina in marmo
Pompei, Casa dei Fauno(VI,12,2), secondo peristillo
ライオンのひづめをもったテーブル。 -
Sostegni di tavolo a zampa leonina in marmo
Pompei, Casa dei Fauno(VI,12,2), secondo peristillo
ライオンのひづめをもったテーブル。ひづめ拡大。 -
Satiro e Ninfa
Pompei, Casa dei Fauno(VI,12,2), cubicolo
Satyr and Nymph
Pompeii, House of the Fauns (VI, 12,2), cubicle
「サティロスとニンフ」
少しエロティック。 -
I mosaici della casa del fauno a pompei
The mosaics of the faun's house in pompeii
ファウノの家の構造とモザイクのあった位置の説明。 -
Emblema con testa di Medusa
Pompei, Casa delle Vestali(VI,1,7)
Emblem with Medusa head
Pompeii, House of the Vestals (VI, 1,7)
メデューサの顔をもつエンブレム -
メデューサの顔をもつエンブレム
-
この辺りから、先にも触れたが、少し趣向の異なる展示を軽く紹介。
レリーフのある石板。
右上ではキスをする男女、中央では男性と女性、下段では、踊る男とその背後に男女?(一人は確実に男なのだが。) -
Pigmei in paesaggio nilotico
da Roma
Pygmies in Nilotic landscape
from Rome
「ナイル川の風景の中のピグミー族(小人たち)」
ワニやカバといったナイル川の風景の中で、船の上で、性交している男女が描かれている。先にも書いたが、博物館の奥の方のコーナーではこうしたものが一堂に集めらている。ローマ時代は、こうしたデザインを家の床などに用いていた。現代だったら? -
Pan e Amadriade
Collezione Farnese
Pan and Hamadryas
Farnese collection
「パンとハマドリュアス」
ギリシャ神話で、パンは羊飼いと羊の群れを監視する神で、サテュロスと同じく四足獣のような臀部と脚部、山羊のような角をもつ。ハマドリュアスは木の精。 -
最後にもう一つ。レリーフのある石棺?よーく、ひとつひとつの刻まれている男女に注目してほしい。
-
この説明文に、「現代ではエロティックなコレクション」に関する歴史が記載されていて、それまでは許可制であったものが、2000年4月にようやく公の展示となっている。といっても、現代でも、結構、隠し気味で展示されている。そのコーナーだけで撮った写真の量から、一つの旅行記ができるぐらいの内容なのだが、残念ながらやめておく。年頃のお子さんをもつご家庭は入るときには注意してね。
-
さて、モザイクのコーナーを一通り回るとホールに出る。床にある対角線は、窓から差し込む光で季節が分かるものだったような気がする。(少し記憶が曖昧。)
-
ホール。
-
ホールの天井部。
さて、ここから、フレスコ画の部屋へ。こちらも見ごたえがあるが、さすがに、2000年前のもので、モザイクと比較すると大分、劣化している。2000年前のフレスコ画が残っていること自体が奇跡なのだが。 -
フレスコ画。部屋の装飾に用いられた帯状のもの。
-
フレスコ画
こうした図案で、ミニチュアのサイズでワンポイント的に装飾されていた。 -
フレスコ画
右上が欠けていて残念だが、人物の表情が見て取れて、保存状態がいい。 -
フレスコ画。
右の男女は、モザイクかフレスコ画を作製中?女性は手が白く汚れているので、彫刻を彫っているところかな。 -
フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
遠近法で描かれたフレスコ画。 -
フレスコ画
メガログラフィーア(大絵画)
こちらも遠近法で描かれており、立体感や奥行きが表現されている。 -
フレスコ画
メガログラフィーア(大絵画)
マケドニアとペルシャの擬人像
This red-ground decorative scheme with allegorical figures comes from oecus. The seated woman in eastern dress, with her chin in her hand, symbolizes Asia. She looks towards a personification of Macedonia, with a spear, shield and distinctive headdress, gathered with a simple diadem. The cloak wrapped around his nude body, his long beard and his traveler's staff identify the elderly man as philosopher. -
フレスコ画
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フレスコ画
「Jason and Pelias」 -
フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
脇の下チェック? -
フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
「フローラ」
この博物館のフレスコ画のコーナーで人気のあるもの。フローラの他に3つの女神が描かれている。その当時ではあればもう少し色彩豊かな絵であったに違いない。 -
フレスコ画
「レダと白鳥」
ガラスで反射してうまく撮れていないが。。。
西洋美術史では曰くつきのこの主題。 -
フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
ちょっと子供の落書きにしか見えなんですけど。カバに食べられている小人が右上に描かれているし、ワニの背に乗っている小人もいる。 -
フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
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フレスコ画
「女性(サッフォー)の肖像」
ペンを口元に当てている知的な女性の印象のこの絵。ギリシャの女流詩人サッフォーの名で呼ばれています。こちらも人気のあるフレスコ画のひとつ。 -
フレスコ画
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フレスコ画
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さて、再び、1階へ。
ここには銅像や出土品の陳列がある。 -
出土品の陳列。
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出土品の陳列。
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銀製の容器。
入浴のシーンで召使が髪を結い、足を洗っている。 -
出土品の陳列。
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出土品の陳列。
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出土品の陳列。
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出土品の陳列。
Hermes(ヘルメス)
好青年です。 -
カポディモンテ美術館
Museo e Real Bosco di Capodimonte
考古学博物館のあと、博物館前のバス停からバスに乗り、丘の上にあるカポディモンテ美術館Museo e Real Bosco di Capodimonteに。実はこのバスの中で、二人組老人老女のカップルのスリに会う。やたら、押してくるので怪しいなと思っていて、バス停に止まった時に目の前の席が空いたので、座ろうとして動く(おそらく、スリは降りると思ったのでしょう)。席に座った瞬間に財布がないことに気づき、振り返った瞬間に、その老人がすぐに「落としたよ」と言わんばかりに床から財布を拾って見せた。中身は何も取られておらず(仮に取られていたら、50ユーロ弱とクレジットカードを失っていた。他の現金はホテルに置いてきていた。)、その老カップルは次のバス停でそそくさと降りていった。こんなに気をつけていても取られるとは思ってもみなかった。皆さんも気を付けてください。
カポディモンテ美術館は美術館シリーズとして別に紹介します。国立カポディモンテ美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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