2019/12/23 - 2019/12/31
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ほんの数ヶ月前の「あの頃の世界」を
自分なりに記録してきた第8弾。
2019年末、
世界がコロナパニックに巻き込まれる直前の
ハンガリー ブダペストからの帰国、完結編。
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-
~寂しやうれし? 帰国の日~
自分で望んできた旅だが、
毎日宿が変わって
毎日荷物整理や忘れ物チェックをする生活に
少し疲れてきた。
一方で、すべての旅程を終え、
これ以上ヨーロッパに居場所がないことが寂しい。
この日は帰国日だが、まだまだ緊張は続く。
空港へタクシーで向かうことにしたが、
ブダペスト初日のトラウマが蘇る。
「またぼったくられるかも」という疑心暗鬼が
旅で疲れた体をさらに疲弊させる。
だがトラウマでも胃が痛くても、
自分で自分を帰国させなければならない。 -
ホテルのフロントで、
空港までのタクシー料金の目安を尋ねてみる。
「10000フォリントくらいではないかな。
ただし交通の状況によると思う」
スタッフを信じて本当に大丈夫か。
フロントで待っていると、
運転手がホテルの中まで迎えに来てくれた。
ここまではヨシ!
外に出るとブダペストは寒かった。
このときの気温マイナス5℃。 -
運転手には内緒で、
空港までのナビをスマートフォンで見ていた。
その結果、ナビと同じルートだったのでヨシ! -
古い航空機が何機か見えてきた。
リスト フェレンツ国際空港に到着。
ここで最も恐れていた瞬間がやってきた。
支払いである。
タクシーのメーターの表示を見ると、
9800フォリント。
フロントのスタッフが言った通りではないか。
結局すべてヨシ! -
今回は一方通行の旅なので、
行きと帰りの空港が違う。
この空港は、
SKYTRAXの‘東欧ベストエアポート賞’受賞と
空港内に展示してあった。
羽田や中部空港も受賞しているもので、
確かにこの空港は
小ぢんまりながらきれいだった。 -
ハンガリーとの別れのとき。
だが、ここのセキュリティーチェックが
かなり厳しかった。
荷物を全て預け、コートも脱ぎ、
ポケットの中身も出すのはもちろん、
全身をスキャンし、下着のゴムをなぞられ、
ズボンのファスナーも触られ、靴も脱いだ。
係官に触られなかった所はないくらい、
ほぼ全身チェックを受けた。
あまりに厳しく感じられたので、
「何かあったのか?」と係官に尋ねたら、
「ランダムに検査している」だってさ。
別れの感傷が少し冷めた。
セキュリティーチェックで
隅々まで検査されることは仕方がない。
だが、その間に
貴重品が野ざらしになっているプレッシャーが
苦手である。リスト フェレンツ国際空港 (BUD) 空港
-
かくして「空の人」に。
ブダペスト空港がコンパクトなおかげで、
ゲートがすぐ近くでラクだったことはラッキーだった。 -
ドイツ行きのフライトのためか、
周りの「ゲルマン人率」が高くなった。
近くにいた赤ちゃんは、
まるで教会の絵画や彫刻の天使のよう。
ゲートで久しぶりのドイツ語を聞いたとき、
「分かる」とか「耳が慣れている」とか
「ほっとする」という奇妙な感覚に襲われた。 -
ドイツ語が理解できるわけではないが、
ウィーンで何日間かドイツ語に囲まれていた。
その名残で、
「Nein.」や「Danke.」というドイツ語の響きに
懐かしさを覚えていたのか。
ハンガリーでマジャール語圏になり、
アウェイ感をどこか感じていたのか。
ただし、旅行記を書いている現在は、
ドイツのニュースや首相の演説は
まったく分からなくなっている。
石川啄木さんにこの気持ちを話したなら、
「ドイツ語の 訛なつかし 飛行場 人混みの中で 自分に驚く」
と詠んでくれたかもしれない。 -
さよなら、ブダペスト。
さよなら、ヨーロッパ。
「またいつか来られるだろう」
とこの頃は思っていた。 -
~波乱再来?フランクフルト乗り継ぎ~
フランクフルト空港には予定より早く着陸。
ラッキーだと思っていたら、
「早く着きすぎてゲートが空いていない」
との機長のアナウンスが。
早着した意味はなかった。
結局飛行機に乗ったまま、10分以上止まっていた。
ようやく飛行機から降りられたら、
ダッシュする欧米の方が。
ダッシュが必要なレベルの乗り継ぎなのか?フランクフルト国際空港 (FRA) 空港
-
フランクフルト空港はとにかく横に長い。
到着したターミナルから別のターミナルへ、
ひたすら歩く。
ウィーンやブダペストの街歩きといい勝負。
「ゲート集合」の時刻まで残り15分。
だが、フライトの出発時間はもっと後のはず。
まだ余裕あるよね?
と思っていた自分が甘かった! -
フランクフルト空港は内装が単調で、
行けども行けども全て同じに見えて余計に焦る。
一旦ターミナルを出て、
別のターミナル入り口で入り直す。
係官にパスポートを渡して
出国審査をしたときのこと。
係官の口から、聞いたことのある言葉が。
「サヨナラ」
まさかドイツの係官から日本語が聞かれるとは。
それを言っちゃあ、海外旅行はおしめぇよ。 -
ここからまだ歩いた。
長い距離を歩き疲れ、
「もう勘弁してくれ」という頃。
またもセキュリティーチェックが。
ここでも身ぐるみ剥がされるような
チェックを受けた。
EUから去るだけなのに、
ブダペストもフランクフルトもかなり厳重。
だが、今やこのレベルが
世界のスタンダードなのかもしれない。 -
さらに歩いてやっとゲートに着いたときは、
最初に乗り継ぎ始めてから40分以上が経過。
トイレに行く時間もなく、ここまで来るのに必死。
フライトもトイレも、辛うじてセーフ。
ダッシュしていた人がいた意味が分かった。
どんだけでかいねん!フランクフルト空港。 -
もう「観念」しなければ。
日本での生活に戻らなければ。
このときは、
セキュリティーチェックの厳しさも、
乗り継ぎの大変さも、
コロナの為にしばらく経験できなくなるなんて
考えもしなかった。
厳しさも大変さも、今となっては貴重。 -
離陸して、窓から機体の後ろを見ると、
少しずつ夕焼けになっていく。
フィンランド上空まで来た頃には、
タイムゾーンも変わって外はすっかり夜に。
翼の向きも、
出発のときから180°変わって日本の方向へ。 -
~ついに解決!長年の疑問~
今回のフライトで蕎麦が出された。
乗客の日本人の様子を見ていると、
自然とすすっている。
一方、欧米の方はフォークで巻いて
ひとかたまりにして口に運んでいる。
ずっと疑問に思っていたことがあった。
「国際線で出される蕎麦をすすっていいのか」問題
である。
麺類をすすること、
それって国際線のフライト中では
マナーに反しないか?
海外の方々やクルーはどう思っているのか?
国際線ではどの国の食べ方をすればよいか?
飛行機の中は「治外法権」か?
とひとりで勝手に疑問に思い続けてきた。
クルーの方々が一息ついたころ、
思い切って長年の疑問を尋ねてみることに。
クルー曰く、
「それは問題ない。日本にはそういう習慣がある。
伝統は伝統だ。ぼくもすするよ」
とのこと。
※彼なりの個人見解です。 -
~大みそかの日本へ~
疑問が解けて、安心して眠りにつく。
数時間後、窓のシェードをこっそり上げたら、
暗闇の向こうが朝焼けになっていた。 -
数時間前は後ろへ夕日を見送ったが、
今度は前方へ朝日を迎えに行く。
星もきれいに見えたし、
地上に広がるのはロシアの明かり。
これが、2019年最後の日の出。
日本に帰れる安心と
旅が終わる切なさが入り混じる、
複雑な気持ちで見た日の出であった。 -
着陸した日本は、既に大みそかモードに。
当たり前だが、
ヨーロッパにいる間に日本も時が進んでいた。
完全に日本の流行に乗り遅れた感満載である。
飛行機に乗ったつもりが、実は竜宮城の亀だった?
だが、なんとか大みそかのうちに帰宅し、
心置きなく年越しそばを「すすれる」生活に戻った。 -
コロナパニックの始まりが迫る中、
2020年はやって来た。ベルヴェデーレ宮殿 城・宮殿
-
~あとがき~
この旅行記を書き始めた頃は、
自粛やステイホーム、出入国制限や移動自粛など、
体験したことのないような事態が続いていた。
そして「新しい生活様式」「new normal」と叫ばれるようになる。
もう以前のような世界でなくなってしまう気がした。
だが、「あの頃」旅したことを思い出しているときは、
コロナの不安を一瞬忘れられることに気づいた。
「あの頃」をここに遺しておけば、
変わらない世界を見られることに気づいた。
このような場を提供していただいたことに感謝したい。
「いつかまた」のために、
今日できることを続けようと改めて思う。
今この瞬間も交通機関を運航し、お店を開け、
サービスを提供してくださっている方々、
本当におつかれさまです。
ありがとうございます。
そして旅行記を見てくださった皆様、
ありがとうございました。
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