2020/04/19 - 2020/05/05
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ばねおさん
5月1日は労働者の日&スズランの日。
例年ならメーデーの集会と大規模なデモ行進があり、街にはスズランを手にした人々が行き交っているはずなのに、今年は外出禁止措置が継続しているため、街頭でのデモ行進もなく、スズラン売りの姿もないという歴史的な日となってしまった。
この先5月11日以降は外出禁止の緩和が予定されているものの、段階的、地域的に検討されることになっていてパリを含むイル・ド・フランス地方は厳しい状況だ。
すでに「ウイルスとの共生」ということが言われ、あと何年かはこの厄介な存在とうまく折り合いをつけていかなければならないのだろうか。
生活はどのように変わるのか、誰もが経験のない未来だが「共に立ち向かおう」というスローガンが掲げられるようになった。
日本からの知らせも「非常事態宣言」の延長を伝えてはきているが、欧州のような桁違いの感染状況ではない故か緊迫感ははるかに少ないように見える。
あるいは生活維持の危機感のほうが強いのだろうか。
せめてスズランの写真を添えて互いの無事を願うことくらいしか今は為すすべがない。
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
近所の花屋さん。
季節ごとに工夫を凝らした、このような店頭のデイスプレイで道行く人の目を楽しませてくれるのだが、外出禁止、営業禁止ですっかり鳴りを潜めてしまった。
それでも5月1日だ、もしかしたらスズランがあるかも
と思って行ったところ、真っ暗な店の入り口にはずらりと人の列。
店は休業のままだが、どうやら入り口にカウンターを置いてスズランを販売している模様。
ここで並んでいては買い物の時間が無くなってしまうので、帰りに寄ろうと思いまずはスーパーへ -
いつものMONOPRIXは休日のため休業
ヴォジラールのCarrefourへ行き、小雨の中で入店の順番待ち
買い物客同士の距離を保つため入店者数をコントロールしている
待つといってもせいぜい長くて5分 -
食料品の補充が目的だったのだが、スズランの花束や鉢が少しだけ並べられていたので、こちらで一束購入。
ただどの花も生気がなく、萎れかけているものが多かったので街角のスズラン売りが出ていれば決して買う気にはならない -
家籠り7週間ともなるとさすがに自宅のに飽きがでてくる。
たまには外の味をと思い、以前から目をつけていたギリシャ料理の惣菜店に回ってみた。
写真はごく一部だがこれだけ清潔感溢れる店は
なかなかパリではお目にかかれない。
店員の対応もすこぶるよろしい。 -
今回は試しに三品を買ってみた
その中でタコとセロリのマリネが気に入った
店の名前はMavrommátis
覚えにくい名前だ
ギリシャ料理はパリでは多く見るが、ここが一番との評らしい -
ついでに言えば、この少し先には
LAURENT DUCHÊNEという日仏カップルの洋菓子店がある。 -
バス停にある広告用のデイスプレイには聴診器の絵柄とMerci(メルシー)の文字が
医療従事者に対する感謝の表現だ
Merciの文字はエッフェル塔にもずっと表示されている
午後8時の医療関係者への感謝の拍手も休むことなく続けられている
以前と比べるとややトーンが下がってきた感があるが
日替わりでバイオリンあり、ギターあり、合唱あり
今日は何が飛び出すか、ちょっと楽しみ
昨夜はイエローサブマリンだった -
さて買い物を済ませて、帰りにもう一度寄ってみた花屋さん
まだ数人が順番を待っていた
しかも前に居た若いカップルの手前で売り切れ。
その若いカップルの二人が自分が手にしていたスズランに目をとめて
どこで買えたのか?
教えたら喜んで飛んで行った
まだ残っていたらよいのだが
やはりどこの国でも縁起物というのは手に入れたいものだ
ましてやこの先の幸福を願う気持ちが強ければなおさらだ -
TVでもスズランの日のさまざまな出来事を追っていた
花屋さんとは関係ない店舗が店先でちょこっとだけ置いているパターンが多かったようだ -
ドライブインでは物資を輸送する長距離トラックの運転手に弁当と一緒にスズランを届けていた
-
街中にスズランの花が行きかう風景がなくなった今年は
例年の1/5程度の収穫ということらしい -
労働者の日でもあるこの日は常ならば大規模な集会やデモがあるところだが
今年は代わりに、バルコニーやソーシャル・ネットワークで様々なデモンストレーションが見られたという。。 -
それでもバスティーユ広場には横断幕が掲げられた
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小規模ながらも対人距離を保ちながらのデモンストレーションもあったようだ。
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デモ行進はなくとも
ひとりひとりが
それぞれの思いや主張をボードに書いてアッピールする
いつもこれを見るのが楽しみだ -
ウイットに富んだものもあれば
中には意味が分かりかねるものもあるが -
こちらは言葉の語呂合わせか
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エコロジーの訴えも忘れずに
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中には警察との小競り合いもあった模様
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最近、といってもしばらく前からなのだが
気になっているのが上空を飛ぶヘリコプター
以前にはまったくなかったものが、外出禁止がはじまってから
日に何度も飛んでいる様子を目にするようになった
それも東から西、西から東へとピストン輸送のような動きだ -
以前にTVでみたヘリコプターによる患者の搬送場面
どうやら飛んでいるのはこうしたヘリコプターのように思える -
パリの医療機関だけでは対応ができず
地方の医療機関に分散して患者を搬送し手当てを行っている
フランスでは全土でコロナウイルスが原因で4000名の医師が就労不能になっているという。
恐るべき数字だ -
それでも5月11日からは感染・病院・検査の3点から地域を色分けし、外出禁止解除後のプランを実行していくという。
分布図も日ごとのデータで修正されていくので予断は許さない。
今はイル・ド・フランスとフランス北東部が、外出禁止令解除に文字通り赤信号を灯すレッド・ゾーンとなっている。 -
外出禁止解除後の電車やバスの乗り方も以前とは違ったルールとなる。
他人との1mの距離は守らなければならず、一車両あたりの乗客数の制限や、乗車位置が定まったりしているので自分の思うように利用できるというわけでもない
それにバス、電車、タクシーを利用する場合は、マスクの着用が義務となったので、マスクをしていないと乗車はできない。 -
そのマスクだが、駅を利用する乗客に当面の間は使い捨て紙マスクや布マスクを配るという。
実際に駅の入り口でマスクを配っている光景がTVに映し出されている。
また、消毒ジェルのミニボトルをあらゆる場所に置き、また販売もするという。
中国などのマスクを各国が奪い合い、マスク戦争とまで言われていたのがつい先日だったのに、ファッション産業が本気で生産に取り組んだおかげか、5月からは十分な供給が可能となったという。
そもそもマスク不要と言っていたのが180度転換し、マスク着用の義務を課す一方で必要な量は供給されるという。
こあたりの政治的な立ち回り方と、実行力には恐れ入った。
この国では実行しない政治家の約束は通用しないのだ。 -
輸入に頼れなくなったと判断するやいなや直ちにマスクの国内生産を5倍に拡大し,医療従事者に優先的にマスクを供給し,有名ファッションブランドもこぞって布マスクの生産を開始したおかげで、今では週に1億枚のマスクと2000万枚の布マスクを生産することができるという。
したがって5月11日以降の外出禁止解除後も十分な量のマスクが供給されるという訳だ。
日本ではいまだにアベノマスクすら届かないという声が聞かれるのに、ずっと後から対応が始まったフランスが自給できるに至ったという、この違いはどこにあるのだろう。 -
こんな感じのマスクの自販機が各駅に設置されるのは便利だけれど
単価が95サンチーム(約110円)というのは高すぎる
まさか有名ブランドのロゴ入りという訳ではあるまいが
確か20サンチーム(約24円)が使い捨てマスクの標準価格とされたようだが
自販機はかなり割高ということになる -
一時は品不足となっていたこうした消毒用アルコールジェルも今では薬局だけでなくスーパーで普通に手に入るようになっている。
SNCF、RATPの主要駅では消毒ジェル販売機を設置することになったとのこと。
いまはどこの店舗へ行っても必ず消毒ジェルが置かれ、手にワンプッシュしていくことが挨拶と共に習慣化となった。
先日もスーパーの無人レジで隣の男性客が何やら手に擦りこんでいるのを見たら消毒用ジェルだった。
まるでポケットティッシュのような感覚で持ち歩いているようだ。
これまでろくに手も洗わないフランス人がこうなると、まさに歴史の大転換ではないか。 -
ウイルス検査も週に70万件が可能となっているが、検査だけでなくウイルスに対抗する様々な試みも模索されている
ウイルス探知犬の育成
スマホによる感知機能などなど
終日家に居るため、日を追って新たに紹介される情報に見入っては一喜一憂している。
今ではすっかりウイルス現象研究家になってしまった。
やはり人間の英知を結集すれば何とかこの危機を乗り越えられると信じたい。 -
昨日はウイルスの説明の中で、突然ラマの顔が飛び込んできて面食らった。
いったい何のことかと思ったら、どうやらこのラマさんはウイルス抗体を有している云々。
むつかしすぎて話が半分も理解できないが、もしかしたらコロナウイルスに対抗する救世主?
名前はWinterというらしい。
いずれダライ・ラマと並び称される日が来るかもしれない。
期待を込めて
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この旅行記へのコメント (2)
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- mistralさん 2020/05/09 15:35:50
- 戦時下のパリから
- ばねおさん
戦時下のパリからの速報、第5弾
今回も興味深く拝読させていただきました。
思えば、ばねおさんの5月1日のスズランの日の旅行記を
拝見しましたのは昨年でしたか?
その折には、地球規模でこんな事が起こるなんて想像も
出来ませんでした。
ウィルス現象研究家と称されましたばねおさんからのコメントで
日本のウィルスに対する取り組み方との違いがわかりますね。
マスクしかり。
アベノマスク、全世帯に配布されるというマスクはいまだに届きません。
初動の対応がこれ?そんなことより医療者に対する対策を充実したら?!
などなど不評この上ありません。
かたや、マスクをしているフランス人なんて想像も出来ませんでしたが
今では駅では無料のマスクまで配布されている。
フランスでの政治家の実行力には驚くばかりですが、日本でだって
出来ないはずはないのに、と思ってしまいます。
私も日本のテレビの情報番組で、ウィルスの抗体を持っているという
リャマの事を知りました。
かなりの有効性があり、期待できるとの内容でした。
抗体がかなり小さいので、ウィルスの突起部分に深く入り込み
攻撃できる、、、というような?わからない説明をされていました。
国境を超えた人類の英知を結集させて
一刻も早い、ワクチンの開発が望まれますね。
ばねおさんも健康にはお気をつけてお過ごし下さい。
mistral
- ばねおさん からの返信 2020/05/10 00:05:59
- RE: 戦時下のパリから
- mistralさん
こんにちは
「戦時下のパリ」を記しはじめて、とうとう「その5」まで来てしまいました。
こうした生活日誌のような綴りに、少なくない方が目を通し、さらには票まで投じて下さっているのは正直なところ嬉しい驚きです。
このウィルス問題を契機にずいぶんと新しい発見があり、もっと深く考えてみたいと思う事柄が山盛りになってしまいました。
それらを旅行記の体を借りて嫌味と皮肉で味を調えて練りこんでいくのが楽しみになってしまいました。
すでに精神的に感染していると言われそうです。
昨日と明日は違うけど、という歌の文句の通り状況は日々変化していますが、どうやら日本は爆発的感染は免れ、このままでいけば収束していく可能性がありますね。それともまだそんな楽観的見込みは早いでしょうか。
フランスではいよいよ5月11日の外出禁止の緩和に向けて、あらゆる分野の調整が報道されています。
もっともパリはレッドゾーンなので、依然として厳しい状況ではありますがこの日を境に人々の動きには大きな変化がありそうです。
人間社会の便宜上の区分にウイルスが応じてくれる訳ではないので、まだまだ油断禁物であることを誰もが認識してくれれば良いのですが...
くれぐれもご自愛ください。
自称ウイルス現象研究家 ばねお
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