2020/05/05 - 2020/05/10
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ばねおさん
3月17日に始まった外出規制は5月11日に制限付きながら解除されることとなった。いよいよである。ようやくという人のほうが多いのかもしれない。
戦争宣言をしたウイルスとの闘いは終結したわけではないが、社会の被害をできるだけ抑えていくことを目指した判断だ。
フランス全土を感染状況等からレッドとグリーンの2色に区分し、それぞれの状況を踏まえた段階的な緩和策が今後はとられようとしている。
パリを含むイル・ド・フランス地方は依然として厳しいレッドゾーン下にあるが、それでも解除後に向けた多種多様な動きがあり、解除後の社会の在り様についての論議も活発だ。
当面はウイルスとの共生をしていかなければならない。
そのための注意、工夫を一人ひとりの日々の行動に求められている。
生活習慣や社会的マナーの変化にも応じていかなければならない。
規制解除後はかっての日常に戻るのではなく、新たな日常の始まりだ。
- 交通手段
- 徒歩
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5月7日、防衛閣議で5月11日からの外出制限緩和が決定され、その内容についてフィリップ首相及び関係6大臣によるそれぞれの説明があった。
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フランス全土は感染状況等によってレッドゾーンとグリーンゾーンの2つに分けられ,それぞれの制限緩和のあり方が異なる。
パリを含むイル・ド・フランス地方は厳しいレッドゾーン。 -
日本の小6~中3にあたるコレージュ(collèges)は、グリーン・ゾーンにおいては5月18日から徐々に開校となるが、レッド・ゾーンでは閉鎖が継続されるという。
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テレワークは続行することが推奨されている。
そのため出勤する場合でも時差出勤やラッシュアワーの利用には職業証明書や雇用主の証明書が必要になる。
郊外電車は50~60%の運行となる見込み -
地域圏間の移動(SNCF)についても本数を増やすものの、事前予約は必須で、収容能力の50%までしか乗車させないという。
パリ圏交通網は、5月11日よりRATPは75%の運行。平時の15%の乗客の利用を見込んでいる。 -
乗車前の証明書チェック、乗車人数の制限。
車内の座席シートにも着座の可否がマークされている
乗客同士が交差する場合のルールもあるようだ -
電車、バス、タクシーなどの公共交通機関では、11歳以上の者のマスク着用が義務化とななり、違反者は135ユーロの罰金となる。(現在の為替レートで約16000円位)
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再開に向けたさまざまな準備
レストランやカフェは6月2日の時点でグリーンゾーンである地域で、状況を鑑みて開店が可能となるもよう。
そうなるとレッドゾーンでの再開はまだまだ先になる。 -
外出規制解除の初日となる5月11日は、乗客の集中を避けるため、メトロは60の駅を閉鎖するとのこと。
多くは主要駅なので、利用客は一駅分歩かなければならないということだ。 -
改札までの立ち位置をきちんと計測して準備に余念がない
こうした作業をみていると、フランス人を見直してしまう。
だいたいどの品物もサイズはかなり不揃いであるのが常なのに
おや、フランス人もやればできるんだね -
小さい頃、ニワトリの周りに丸い白線を引けばニワトリはそこから出られない、という話を聞いて何度も試みてはニワトリに逃げられたことを思い出す。
あの話は何だったのだろう -
学校も大変だ
小学校(primaire)はひとクラス15名。幼稚園(maternelle)は10名として再開される。
机の配置やら、トイレ、手洗いの利用間隔まで隅々の配慮が必要だ。
学校が再開しても、まだ通わせたくないという親も少なからずいるようだ。 -
マスクを着け慣れない人も多く練習が必要だ。
この人の場合は
こうしてまず頭において -
下にずらしながら(これでは目隠しだ)
耳にゴムひもを通し -
最後に下を引っ張って整える
周囲もさすがに笑っているが
笑ってはいけない
本人にとっては今までの人生でマスクをつけるなど考えたこともなかっただろう。 -
日本人なら当たり前の動作だが
このように見本を示し真似をさせる
かなりの人がきちんとした着け方を学ぶ必要がありそうだ。 -
ウイルス戦争の最中
75年目の終戦記念日を迎えた5月8日
ヨーロッパ戦勝記念日(VEデー)
フランスでは、Fête de la Victoire(勝利の記念日)という祝日。 -
1945年5月8日、ナチス・ドイツが無条件降伏のための文書に署名をし、自由フランス軍のド・ゴール将軍がラジオ放送にて全国民に向けて戦争の終結を宣言した
クレマンソー広場のド・ゴール将軍の像 -
背景の建物はグラン・パレ Grand Palais 。
手前の道路はシャン・ゼリゼ大通り、アンヴァリッド へ向かう道路はウィンストン・チャーチル大通り Avenue Winston Churchill で、ド・ゴール像とグラン・パレの間を通る道路はアイゼンハワー将軍大通り Avenue du Général Eisenhower となっている。
いずれも第2次大戦の盟友だ -
国葬も勲章類も一切を辞退し、葬儀は家族の手により簡素に行うようにとのド・ゴールの遺言に従い、事実その通り執り行われたが、後に政府の希望により、追悼式という形をとった国葬がパリ・ノートルダム寺院にて行われた。
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ド・ゴール将軍の銅像に詣でるマクロン大統領
5月8日の公式行事のスタートはここから始まるようだ -
無人のシャンゼリゼ
例年なら大通りを埋め尽くした観衆の中を
きらびやかな騎馬隊が行進する
群衆もパレードもない歴史的な日となってしまった -
パリは6年間にわたってドイツ軍に占領され、ドゴールの演説を聞くやいなや人々が街に飛び出して歓喜したという。
数々の映画や記録映画で目にしている情景だ -
凱旋門では行事のハイライトともいえるセレモニーが控えている。
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前、元大統領も凱旋門に到着
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いくつもの疑惑が取り沙汰されているサルコジ元大統領
現在の心中はいかに
ジスカールデスタンも存命だが高齢のゆえだろうか本人の列席はない
ジスカールデスタンとサルコジの間にはミッテラン、シラクがいたがいずれも世を去っている -
クレマンソー広場のドゴール像に詣でた大統領がシャンゼリゼ大通りを通ってやって来るのを待っている。
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大統領の一行が凱旋門に到着。
白バイに護衛された大統領車と、随行車3台 -
こちらが大統領車
おや、いつからDSではなくプジョーになったのか?
それもSUV
まあSUVが似合う大統領ではあるが -
大統領を出迎える面々
見事なほどの等間隔保持
握手なし
軽い会釈のみ -
無名戦士の墓に献花
後方の正面に控えているのはフィリップ首相 -
無名戦士の墓に黙とうする大統領
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三色旗の下、セレモニーは静かに進んでいく
至ってシンプルだけど、それがかえって印象深い -
参列者は皆一定の距離
先日はある小学校に視察に行ってひとり教室に入った大統領
マスク姿の大統領を指さして子供たちが言うには「あれ誰?」
遠くからマスクを外して、インドかタイあたりの両手を合わせる仕草で子供たちに挨拶をしてみせた
もっとも大統領の顔をても子供たちは無反応
無関心のままお絵かきを続けていた
どうやら非接触型がこれからの挨拶マナー
いずれ日本人の礼法講師が幼稚園、小学校に大量に配置される日が来ないとも限らない -
記帳するマクロン大統領
記帳台の隅には消毒用アルコールジェルの容器が -
記帳を終えたあとはジェルで手の消毒
ここが大事なポイント
指導者たるもの何事も率先垂範
ここで手指消毒をした理由を私的に説明すると
記帳したペンが自分のものではなく、記帳台にあったものを使用したから
どこの誰が使用したか分からないペンを借りたので手指の消毒が必要
もっともこの場合、大統領のために用意されたペンであることは明らかなのだが
さらに言えば、日本であれば「なぜ自分のペンを持参しない」、「携帯用のジェルを常に持っているべきだ」等々のご意見が多数出てきそうな場面だが、幸いなことにフランスでは何の問題もない。 -
献花を終えて去り行く大統領の車列
こういっては何だが、やはりどことなく寂しい -
この日は各地で多くの追悼行事があった
どの場面を見ても等間隔とマスク
いまやフランスにおけるマナーとして社会的認証を受けている -
5月9日、シャルル・ミッシェル (Charles Michels) の祈念プレートを訪ねた。
シャルル・ミッシェルは第2次大戦中にナントの独軍司令官が暗殺された報復で、ナント近くのシャトーブリアン収容所に入れられていて処刑された27名のひとり。
その名はメトロの駅名、地名となり、この先エミールゾラ通りと交わる角に祈念のプレートがある。
アントレプレナー 通り(Rue des Entrepreneurs)を進み、樹木があるあたりがシャルル・ミッシェル広場、正面に見えるのはボーグルネルの高層建築 -
シャルル・ミッシェルの名を刻んだプレート
メッセージが添えられて手向けられた小さな花束があった。
このナチス・ドイツによる報復処刑の出来事はフォルカー・シュレンドルフ監督の「シャトーブリアンからの手紙」(原題は「夜明けの海 La Mer à l'aube」として映画化され、日本でも公開された。
処刑された中でまだ17歳であったギィ・モケ(Guy Môquet)は、その手紙の心打つ内容とともに、後に非常に有名となり、英雄として神話化され、やはりメトロの駅名にもなっている。
まだ大統領に就任間もないサルコジが、この手紙を教材としてフランス中のリセ(高等学校)で用いようとしたことがあり、政治的利用として批判されたこともある。 -
シャルルミッシェルからの帰り道、途中のメトロ駅 Boucicautに立ち寄ってみた。
出入りの階段途中にはマスク着用の注意書きが左右に掲示されていた。 -
人の出入りのまったくない駅の構内
果たして5月11日以降はどんな様子になるのだろうか
新しい日常の始まりだ
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