◆花咲く野辺＊三十三観音史跡公園

2020/04/16 - 2020/04/29

☆春の訪れさえ実感できないまま
新型コロナウィルス感染対策に忙殺されている関係者の皆さんや、
外出もままならない都市部の人たちには申し訳ありませんが
隣り町の『三十三観音史跡公園』を散策してきました。
史跡公園などと言うと少々堅苦しい印象がありますが
史跡はほんの一部でほとんどは里山型の自然公園です。

でもこの時期に公園を訪れるのは不味いんじゃないの？
との、ご批判も当然かと思いますが
この『三十三観音史跡公園』は新型コロナウィルス感染問題が起こる以前から訪れる人の少ない静かな公園で、ましてや緊急事態宣言が出されので
なおさら訪れる人がいなくなりました。
今回も貸し切り状態でした。

新型コロナウィルス問題さえなければ
花咲く野辺に人は集い春の喜びを分かち合うであろう
春らんまんの“みちのく福島”

されど春は待つことを知らず通り過ぎてゆく。

誰知らず花は咲き、花は舞い、春は往く
誰知らず小鳥は謡い、小鳥は踊り、春は往く
誰知らず風は吹き、風は舞い、春は往く
誰知らず月は満ちて、月は欠け、春は往く

されど春はまた訪れ野辺に花は咲き風は舞い小鳥は謡う。

エリア 西白河・岩瀬(福島)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

☆三十三観音史跡公園ルートMap　(Google Mapに加筆)

国道４号線からは業務スーパーのある信号を県道５５号（矢吹郡山線）を
天栄村方面に曲がります。
道なりに進み県立矢吹病院方面に左折し、
矢吹病院前と薬局の間を通り抜け、
特老寿光園と介護施設緑風園の間を通り抜けると
三十三観音史跡公園です。
無料駐車場が２か所あります。

☆三十三観音史跡公園 Map　（現地案内板）

以前は三十三観音摩崖仏と野趣あふれる里山でしたが
６，７年前に新しく遊歩道を整備し藪状態だった雑木林は
余分な木々が伐採され藪もすっきり下刈りされました。
公園としては使い勝手が良くなりましたが
昔から自生していた貴重な山野草が何種類も消滅してしまい残念です。

☆三十三観音史跡公園のハナモモ

公園の整備に伴い貴重な山野草が消えてしまったのも残念ですが
すっきりした雑木林には見た目がキレイなハナモモや
アジサイなどの園芸植物が植えられ山野草好きとしては
元々あった植物体系が変化してしまったのも悲しいです。

ただ絶滅危惧種のカザグルマなどは保護活動で
増えてきたなど良かった点もありましたが
もう少し自然環境専門家の意見を取り入れて
整備して欲しかったです。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

公園整備のとき植栽された桜もありますが
桜の多くは元々自生していたヤマザクラです。

ヤマザクラ（山桜/バラ科サクラ属）日本の野生の桜の代表的な種で
サクラの仲間では寿命が長く、ときに樹高30mを超える大木古木になります。
ヤマザクラを原種として品種改良された種も多い。
多くの場合葉芽と花が同時に展開するのがソメイヨシノとの大きな違いです。
日本、台湾、韓国、北朝鮮に分布。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

ヤマザクラはソメイヨシノや河津桜などに比べ
花数が少なくぱっと見はやや地味ですが
ソメイヨシノに主役を譲り見頃は遅く謙虚で控えめだし
一番日本人らしい桜だと思います。
そもそもソメイヨシノが江戸時代に作り出される前は
桜と言えばヤマザクラだったわけで
歴史の重みも風格も違います。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

ヤマザクラは同一地域の個体群内でも個体変異が多く、
開花時期、花つき、葉と花の開く時期、花の色の濃淡と新芽の色、樹の形など
様々な変異がああります。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

子供頃は風情や玄人好みなど知るはずもなく
素直にソメイヨシノ方が華やかでキレイだと思っていました。
でも高校生の頃に自分のカメラで写真を撮るようになってから
ヤマザクラの素朴な美しさに惹かれるようになりました。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

もちろん今もソメイヨシノも大好きですが
写真的にはヤマザクラを撮る方が多いかも。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

昨年亡くなられた野村監督は自分を長嶋選手に対し自身を月見草に例えましたが
桜もまたソメイヨシノがヒマワリなら山桜は月見草の関係みたいです。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

こちらは赤みが強いのでオオヤマザクラかも知れません。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

三十三観音史跡公園の西端は崖になっていて
その崖に三十三体の観音摩崖仏が彫られています。
右手の川は阿武隈川の支流”隈戸川”で
昨年(１０/１２)の令和元年台風第19号で川が氾濫し
摩崖仏沿いの遊歩道がえぐり取られる被害が出ました。

川向こうの建築物は隈戸川揚水機場。
ここから羽鳥湖ダムからの水が揚水され羽鳥湖疎水となります。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

通常の水位より４，５ｍ川が増水し遊歩道はかなりえぐられましたが
三十三観音摩崖仏群はギリギリの所で直接的な被害は免れたようです。
なお、滝八幡は地名です。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

滝八幡三十三観音摩崖仏群とは

隈戸川に面し10m余の断崖に、
龕高【がんこう】90cm以内・像高40cmから60cmの仏像が彫刻されている。
尊像は薬師如来【やくしにょらい】1体、阿弥陀如来【あみだにょらい】1体、
地蔵菩薩【じぞうぼさつ】1体、
観音菩薩【かんのんぼさつ】(各種)32体尊名不詳2体の合計37体である。
磨崖仏の大きさ、作風から同時期に製作されたものと思われるが、
造立年代は『白河風土記』(文化2年(1805)刊)に記載があることから、
それ以前であることは確かである。
像容などから江戸時代中期以後(1750～1800)と考えられている。
崖上には、前九年の役に源義家が凱施のおり、
矢柄で屋根を葺き建立したと伝えられている｢八幡神社｣の
小祠【しょうし】があり、
これが矢葺(矢吹)の地名のゆかりとなっている。

※矢吹町ＨＰより
http://www.town.yabuki.fukushima.jp/page/dir002378.html

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

三十三観音史跡公園は我が家から車で５，６分と近いので
何度も訪れますが３年前の４月に訪れたとき
子供たちが観音様に花を供えるお供えごっこをしていました。
大人たちの後ろ姿を真似たのでしょうね。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

上記やこちらは観音様ですね。
彫りは素朴でかなり風化していますが
その慈悲深い優しい表情は今でも伝わってきます。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

今でこそ写真上記の隈戸川揚水場から羽鳥用疎水が開削され
豊かな農業地帯になりましたが
太平洋戦争後まで矢吹町一帯は矢吹ヶ原という原野が広がり
水源に乏しく貧農地帯でした。
恐らく飢えや間引きなどで多く弱者が命を落としたことでしょう。
こちらは千手観音様でしょうかね。
素朴さの中に庶民の切ない願いが感じられます。

☆滝八幡三十三観音摩崖仏群

素朴な彫りが多い摩崖仏の中で
この弥勒菩薩半跏思惟像は洗練された気品を感じます。
腕の一部が欠損しているのが残念です。

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)

上記、三十三観音摩崖仏がある隈戸川の土手では
台風の洪水に耐えたキクザキイチゲが何事も無かったかのように
可憐な花を咲かせていました。
この土手には他に貴重な山野草が自生していたので
どのくらい被害が出ているのか心配です。

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)

キクザキイチゲは近畿以北～北海道の落葉樹林下や林縁に自生し
当地では山間に行けばそう珍しい花ではありませんが
住宅街と隣接した土手では殆ど見られなくなったので貴重な
山野草の一つです。

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)

キクザキイチゲはスプリング・エフェメラル（Spring ephemeral）と呼ばれ
落葉広葉樹林などで春先に花を咲かせます。
夏まで葉をつけたあとは地上部は枯れ地下で過ごす草花の総称で
「春の儚いもの」「春の短い命」というような意味で、
「春の妖精」とも呼ばれています。

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)

☆三十三観音史跡公園のキクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)


キクザキイチゲはアズマイチゲ(東一華/キンポウゲ科イチリンソウ属)と
良く似ますが、　　　　　　　　　　　　
キクザキイチゲは葉がギザギザに切れ込んでいるのに対し
アズマイチゲの葉は3小葉に分かれ丸みがあって少し垂れ下がっています。
キクザキイチゲの花の中心部はほぼ白なのに対し
アズマイチゲは青紫色なのも見分けのポイントです。
キクザキイチゲのハナビラ(ガク)には青紫もありますが
アズマイチゲは全て白です。
ま、この周辺にアズマイチゲは自生していないので
見間違うことは無いと思います。

☆三十三観音史跡公園のキランソウ（金瘡小草/シソ科キランソウ属）

キクザキイチゲ咲く土手ではキランソウも花盛りでした。
キランソウは本州～九州の丘陵地帯の明るい土手や
道端などに自生し、地面を這うように生育します。

☆三十三観音史跡公園のキランソウ（金瘡小草/シソ科キランソウ属）

地面を這うように自生する匍匐性の常緑多年草の花です。
薬草として知られ、別名でジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)、
イシャコロシ(医者殺し)とも呼ばれます。

☆三十三観音史跡公園のセンボンヤリ（千本槍/キク科センボンヤリ属）

遊歩道脇の土手ではセンボンヤリも咲いていました。
この花のどこがが千本槍なんだろと思うかも知れませんが
この植物は春と秋に蕾ができ、
春は花茎１０ｃｍほどの先に野菊のような小さな花を咲かせ
秋には春より長い２０ｃｍほどの花径に蕾を持ちます。
しかし、この秋の蕾は閉鎖花と言い開花しない状態で種ができます。

この秋の蕾はそのままでも花茎が細長く槍のようですが種ができ綿毛になった姿が大名行列の際の毛槍に似ているので千本槍と名づけられました。

☆三十三観音史跡公園のアカネスミレ（茜菫/スミレ科スミレ属）

遊歩道の土手ではアカネスミレも咲いていました。
花色がやや赤紫がかっているので茜色のスミレの意ですが
う～ん、茜色ってほどではないような・・・(^_^;)。

☆三十三観音史跡公園に自生する山野草

三十三観音史跡公園は元々は落葉広葉樹林の里山で
四季折々様々な山野草の花が見られます。
写真左上から右に
◎ヤマエンゴサク◎センブリ◎アケボノスミレ◎キツネノカミソリ
◎イカリソウ◎カザグルマ◎フデリンドウ
◎ヤマユリ◎オミナエシ
◎ダイモンジソウ◎リンドウ◎シュンラン◎タニギキョウ

町中心地近くの里山でたくさんの日本産山野草が自生しているのは
とても貴重なのですが園芸植物はできるなら植えてほしくないです。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

公園の真ん中辺りは湿地状の谷になっていて
リュウキンカが花盛りでした。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

ここは湿地と言うよりは谷地と表現した方がふさわしいかも。
福島県ではこのような谷間の湿ってぬかるんだ土地を
『谷地っぽ』などと言います。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

ここのリュウキンカは元々自生していたものではなく
２０年くらい前に地元の人が数株植えたものが徐々に増え
株分けなどをし谷地一面に広がりました。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカ((立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)は本州～九州の山あいの湿地や沼地に自生し、
光沢のある黄色い花はまさに金のごとく華やかで山野草の中でも一際存在感のある花です。
ハナビラに見えるのは萼片（がくへん）で、これはキンポウゲ科の花の特徴です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカの仲間にエゾノリュウキンカ（蝦夷立金花）があり
リュウキンカより花も株も少し大型です。
本州北部、北海道、樺太、千島、朝鮮北部などの分布しています。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

この谷地に隣接した土手などには
絶滅危惧種1類のカザグルマ（風車/キンポウゲ科センニンソウ属)も
自生していましたが藪に覆われ細々と花を咲かせていました。
地元の有志が貴重なカザグルマを守ろうと
藪を払いカザグルマ一株ごとに支柱を立て保護活動をしてきました。
その成果があり、ここ数年は以前より元気よく花を咲かせるようになりました。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカのハナビラ(ガク）は薄いので
透過光を利用して撮ると透明感あるより美しい花に見えます。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

この谷地は栄養豊富なのか涌井の清水のリュウキンカより
一株が大きいです。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカは咲き始めから花が終わるまで
花が順繰り咲き、花ビラはキレイに散るので
いつまでも見栄えが良いままで観賞期間が長い花です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

この日は晴天だったので透過光を意識して撮影しましたが
リュウキンカは水辺を好むだけあって雨が降っても
曇天でも花は開いたままなので
撮影にはそう天気を気にしなくても大丈夫な花です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

唐突な余談ですが・・・・
この三十三観音史跡公園は全国はもとより福島県民にも
ほとんど知られていませんが
この公園から車で５，６分の所には『ノーザンファーム天栄』があり
競馬ファンなら誰でも知っているだろう牝馬クラシック3冠馬の
『アーモンドアイ』の繋養先としても知られています。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

ノーザンファーム天栄では他にもフィエールマン、レイデオロ、ブラストワンピースといったG1馬の調整拠点として知られる育成牧場です。
私は馬券は買いませんがG１レースは必ず見るので
地元ノーザンファーム天栄がらみの競走馬はつい応援に力が入ります。
なお、見学は予約が必要です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

私は撮影する際に長靴を履いて谷地に近づき
リュウキンカを間近で撮りましたが
運動靴だと泥にはまること必至なので
要注意です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

コバギボウシの花殻がドライフラワー状態で残っていました。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

園芸センターや公園でリュウキンカに似た小型の花を見かけますが
ヒメリュウキンカは欧州や英国の山地の湿った草原や湖沼畔に自生します。
リュウキンカの名を冠していますが、リュウキンカ属ではなく、キンポウゲ属の植物です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

ヒメリュウキンカは夏に地上部がない夏眠性の植物で、
地下に塊根がタコ足状に数本あります。
秋が深まるころから芽を出し始め、冬の間も少しずつ芽を伸ばして葉を開きます。晩冬から早春には株はすでにロゼット状に広がり、中心に蕾を抱き始めているものもあります。
春に次々と黄色の6～8枚の花弁(萼花)を咲かせます。
ぱっと見は小型のリュウキンカのようです。花が終わると結実し、晩春のころには小さな金平糖のようなタネをつけ、葉は次第に黄変して休眠に入ります。

基本は黄色の一重咲きですが、様々な園芸種があり
非常に丈夫な植物で湿気が多くなくても育ち
繁殖し過ぎて困ることもあるくらいです。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

福島県のリュウキンカは山間の湿地や川沿いなど本来の自生地の他にも
里地の谷地などでも見ることがあります。
しかし里地のリュウキンカの多くは移植されたものではないかと思われます。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカは冷涼な湿地などを好みますが
里地でも湿地ににた環境なら生育はできます。
でも家庭でその環境を作るのは難しいせいか
美しい花の割には盗掘被害は少ないようです。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

家庭で睡蓮鉢などで育てる人もいますが
連作を嫌うのか次第に消えてしまうようです。
自然の湿地は水が循環し常に必須成分が補給されるので
連作障害はあまりおきません。
水田も水が循環するので連作障害が起きませんが
陸稲は水の循環が無いので連作障害で出やすいのと同じ原理です。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

この谷地の下の方が水が少し溜まっているので
所々水面がキラキラ反射しキレイです。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

水面が光ると背景ボケが出やすくなります。

☆三十三観音史跡公園のリュキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

三十三観音史跡公園東側駐車場の近くでセイヨウオキナグサが花盛りでした。
何年か前に植栽され年々自然増殖して見応えしてきました。
園芸種と言うことで昨年までは撮影も紹介もしませんでしたが
昨年イタリア・アルプスで西洋オキナグサの原種の美しさに触れ
俄然興味が湧いてきました。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

セイヨウオキナグサ（西洋翁草）は、ヨーロッパ原産のキンポウゲ科オキナグサ属の宿根草で、日本に自生するオキナグサより丈夫で育てやすく、園芸種として栽培されています。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

日本のオキナグサ(翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)は本州から九州の山地に自生し、環境庁の『植物版レッドリスト』では【絶滅危惧Ⅱ類】にランクされています。

☆セッラ山群ポルドイ峠(Gruppo del Sella)の西洋オキナグサの原種　
プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア　(2019/6/23、撮影)

ポルドイ峠（Passo Pordoi）の標高は２２４０ｍ。
峠の斜面一面で西洋オキナグサの原種の一つプルサティラ・アルピナ・アピイフォリアPulsatilla alpina apiifolia( Anemone sulfurea)(キンポウゲ科オキナグサ属)が花盛りでした。

濃い黄色は◎トロリウス・エウロパエウス(キンポウゲ科キンバイソウ属）
別名タマキンバイ

☆セッラ山群ポルドイ峠(Gruppo del Sella)の西洋オキナグサの原種　
プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア　(2019/6/23、撮影)

野の花とは思えないほど完成度の高い高山植物です。

☆セッラ山群ポルドイ峠(Gruppo del Sella)の西洋オキナグサの原種　
プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア　(2019/6/23、撮影)

☆チェルビニア / モンテ・チェルビーノ山麓の西洋オキナグサの原種　
プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア　(2019/6/25、撮影)


◎プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア（キンポウゲ科オキナグサ属)

青い花は通称チャボリンドウ
◎Gentiana kochianaゲンチアナ・コキアナ(リンドウ科リンドウ属)

☆チェルビニア / モンテ・チェルビーノ山麓の西洋オキナグサの原種　
プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア　(2019/6/25、撮影)

◎プルサティラ・アルピナ・アピイフォリア（キンポウゲ科オキナグサ属)の花後の実(綿毛)

背後の尖峰はモンテチェルビーノ(4478m)
マッターホルンをイタリア側から望んだ山容です。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)の花後の実(綿毛)

オキナグサという名前の由来は、花が終わった後の実の白い毛を翁の頭や髭になぞられたと言われています。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

草丈は１５～２０ｃｍほど、花は下向きに咲くので
地面に匍匐しながらの撮影です。
他者が見たらかなり滑稽でしょうね(^^;)。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

日本産のオキナグサは環境省ベースで絶滅危惧種２類ですが
都道府県ごとにみたレッドデータでは４５都府県が指定し
東京や福井では絶滅種になっています。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

日本産オキナグサが数を減らしているのは環境変化に弱く
盗掘もその一因のようです。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

福島県でも会津美里町の阿賀川沿いの土手など見られますが
県全体では絶滅危惧１類に指定されていて
私も野生種を自生地で見たことがありません。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

オキナグサは茎や葉に生えた産毛もまた魅力的なので
逆光で撮ると産毛が際立ちより美しく見えます。

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のセイヨウオキナグサ（西洋翁草/キンポウゲ科オキナグサ属)

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

三十三観音史跡公園の丘からヤマザクラ越しの田んぼを望みました。
この時はまだ田んぼに水は張られる前でした
1週間後には水が張られ田植えをまつばかりでした。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

最後に再びヤマザクラを眺めて三十三観音史跡公園の散策は
そろそろお仕舞にしましょう。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

山桜は花は色彩的には素朴ですが赤い若葉が華やかさを補ってくれています。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

桜の花の匂いってかいだことがありますか？
どんな匂いか知っていますか？
実は桜の花はほぼ無臭で桜の匂いと思っているのは
葉っぱの匂いです。
葉っぱに含まれるクマリンと言う成分が
乾燥させたり塩漬けにすると
あの独特の桜に香りがします。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

その桜の葉の香り成分は山野草のクルマバソウなどにも含まれていて
やはり葉を乾燥させると桜のような香りがします。
西洋ではそのクルマバソウの乾燥させた葉を
お酒の香りづけや衣類の防虫として利用するそうです。
洋の東西を問わずいい匂いって共通なんですね。

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

☆三十三観音史跡公園のヤマザクラ

派手さはないけれど木々ごとのグラデーションが美しいヤマザクラ。
ソメイヨシノは接ぎ木などで増やしたクローンなのでほぼ同じ色です。


これで◆花咲く野辺＊三十三観音史跡公園はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして『いいね』もありがとうございます。


新型コロナウィルス感染は少しだけ鈍化してきたように思えますが
油断大敵です。
都会住まいの方は特にお気をつけください。
いましばらくの辛抱です。

では皆様お健やかに。　　　j-ryu