2020/03/01 - 2020/03/01
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motogenさん
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役員となって準備していた地域行事が、コロナウイルスで急遽中止となってしまった日曜日。
そうだ、前々から考えていた宇津ノ谷峠の『つたの細道』を歩いてみようか、と思い立つ。
『つたの細道』は鎌倉時代以前の山道だが、峠にはその後造られた東海道や明治の道、昭和の道、平成の国道などがあって複雑だ。
東側の丸子(鞠子)には『駿府匠宿』があり、西側の岡部には『大旅籠・柏屋』もある。
日帰り旅には好都合と、女房を誘って車を走らせた。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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江戸時代、東海道を旅する人にとっての宇津ノ谷峠は、岩の転がる急斜面で薄暗く、難所の一つだったという。
西側には岡部宿、東側には鞠子宿(丸子宿)があった。 -
国道1号線を東に向かう。
峠の入口には『道の駅・宇津ノ谷峠・上り(藤枝側)』があり、今回立ち寄る予定のポイントだが、今はそのまま通過して、道の駅宇津ノ谷峠 (藤枝市) 道の駅
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峠を貫くトンネルに向かう。
目の前のトンネルは、昭和34年に開通した『昭和のトンネル』で、
右側の下り線のトンネルは平成10年開通の『平成のトンネル』だ。 -
トンネルを抜けると、ここにも『道の駅・宇津ノ谷峠(静岡側)』がある。
今日のウォーキングの出発点だが、ここも通過して、道の駅 宇津ノ谷峠 下り 道の駅
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2.5kmほど走ると、旧の国道1号線(昔の東海道)に降りる場所があり、
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すぐ先に交差点。
交差点の名前は『駿府匠宿入り口』で、ここを左折すれば最初の目的地『駿府匠宿』。
この辺りから丸子宿だが、今はその面影はなく、とろろ汁屋や本陣跡が残っている程度だ。 -
駐車場近くまで来ると、バッグを背負ったシニア達が、ぞろぞろ歩いている。
人気の観光スポットなんだ!
と思いながら、 -
黄色のジャンパー服のおじさんに招かれて駐車場に入る。
駐車場は屋外でなく、2階建ての建物だった。 -
人気の観光スポットなのに、停まっている車は1台だけだ。
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「いつもは200円だけど、今日はイベントないから、無料だよ・・」
と係のおじさん。
コロナウイルスで体験イベントは休止らしい。
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ガードの下から『匠宿』が見えた。
匠宿は国1のすぐ隣にあり、 -
駐車場は2つあるが、一般車は右の駐車場となっていた。
ここまでのこと、動画でも紹介したいと思います。
https://youtu.be/e3R5ZBnBggQ
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匠宿の前には「コロナウイルス、何のその!」と頑張るシニア達が集まっていて、
駿府匠宿 名所・史跡
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その横には、国道のトンネルがすぐ近くに見える。
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あれっ?
シニア達は入館せずに去って行く。
聞けばこのシニア達は、JR安倍川駅から大崩海岸を通って、焼津駅まで行くのだという。
何と元気な人たちだ!
と感心して見送っていると、 -
オレンジの上着のおじさんが、『工芸館』に招いてくれた。
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出迎えてくれたのは超立派な雛人形。
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我が家にあった雛人形とは違う。
その高級さは分からないが、貧しい庶民のものではない。
それを察したのか、
「駿府(静岡)は雛飾り工芸の伝統が伝わる地域で・・」
「胴体の中心は藁で・・」
「これらのお道具は・・・」
とおじさんが説明をしてくれる。
「なるほど、なるほど・・」と細部を眺め、 -
すまし顔でギャラリーに入って行くと、
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柱のような筒に「たく美箱」が埋め込まれていて、
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その中には、ただものならぬ下駄や草履が展示されている。
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漆塗り(?)の木箱や、
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金色の木工製品などなど、
静岡の伝統工芸や地場産業品が、それはそれは素晴らしいものだというように、輝きを放ち、
展示品の横にある引き出しには、これらを制作するための工具や小道具が入っている。
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おじさんの説明にはうなずくことばかりで、駿府の匠たちの技や文化に敬服すること限りないが、
胸にうずうずとしたためらいが湧き起こったくる。
これらは所詮、我ら庶民の手の届くものではなく、一部の高級階層の人たちの、地位や権力や財力を見せびらかすものではないのか。
バブルの昭和の時代には、もしかしたら手に届くものであったかも知れないが、格差社会となってきた社会では、とんでもなく贅沢品だ。
見ることができるだけでも、幸せなんだろう・・ -
「内側にうっすらと、福の面が浮かんでいるのが見えますか?
素晴らしい技巧ですが、この作品の見どころは、これだけでないんです。
隠れている器の底、そこに鬼瓦が彫られているんですよ。
鬼福と呼ばれ、徳川幕府の厚い保護を受けた賎機焼です。」
伝統職人の技に感嘆し、 -
素人目には何の変哲もない座卓にも、とんでもない技の結晶が詰まっていることに驚きながら、
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おじさんの案内で館内を丁寧に丁寧に見て回る。
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金属製に見えるこの丸い壺は、砂と繊維を漆で固めて造ったものだという。
そんなことができるのか?
時間を忘れてじっと見入ってしまい、
「ここで丸一日使ってしまう・・」
焦る気持ちが湧いてくる。 -
工芸館の隣は工房館となっていて、
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この日は駿河蒔絵の職人、諸井治郎氏の実演と、
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駿河竹千筋細工、田中寿史氏の実演が行われていた。
いつもは込み合う日曜日なのに、コロナウイルスの影響で、見学者は私たちと一組の家族だけ。
鍛え上げた職人が、選りすぐりの材料で、こんなに手間をかけて作るんだもの、作品は高価なわけだと再認識。
素養のない私たちが、見ること自体がもったいないとも感じる。 -
体験作品のコーナーがあるが、本日の体験はすべて休止で、無邪気に遊ぶ子どもを見て、
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館内を一周する。
ここは駿府の匠たちの展示場だと分かったが、ここに来た理由は別にあって、
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他の旅行記に出ていた、かっての東海道を思わせる展示物があったはず。
それはどこにあるんだろう・・
と探し回る。
ここは『食事処・たくみ亭』で、 -
ここは『鞠子楽市』だ。
違う、違う、探しているのこれではない。
職員に聞くと、その展示物は道路を超えた別館にあるという。 -
ここが別館の『おもしろ体験館』で、
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体験イベントはお休みだが、
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ミュージアムがあって、吊るし雛展が開かれていた。
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その中央に、大名行列だ!
1階から2階にかけての巨大な板の上に、大名行列が作られている。 -
雛人形でできたジオラマだ。
実物に近づける苦労をするのがジオラマだが、これはそれとは違って、ひな人形を生かして幻想的な美しさを追求しているように思える。
これには女房も、感嘆しながらカメラを構えるが、 -
周りのひな人形の気品さにも、いたく心を奪われて、
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足が止まって動けない。
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そんじょそこらのひな人形ではない高級品とは思うが、私はそれほどの興味はなく、
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階段を探して2階に上がって行くと、
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「これだ、これだ!」
と真っ先に視線が向いたのは、茶屋の光景だ。
生きた旅人がそこに座っているような、リアルさが出ているではないか。 -
下を覗けば、大名行列が真上から見え、
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東海道宿場町の立体絵画や、
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胸がじんわりと温められるような版画が展示されている。
うっとりと見つめ続けてしまう版画、
「どこかで見たことあるような・・」 -
「島田の博物館にあった、海野光弘の版画だよ。」
島田では撮影禁止だったけど、ここは撮影可のようでカメラを構えるが、外光が反射して思うようにはならない。 -
そんなこんなで楽しい時間を過ごし、宇津ノ谷峠に向かう。
素晴らしい施設なのに、ここは全て無料でした。
匠宿のみなさん、ありがとう。
長くなりましたが、最後も動画です。
https://youtu.be/_nf0dJoGBso
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宇津ノ谷峠・昔の道を歩く
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